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2016年3月20日 (日)

人気も実力も飛躍

Title:I like it when you sleep, for you are so beautiful yet so unaware of it
(邦題 君が寝てる姿が好きなんだ。なぜなら君はとても美しいのにそれに全く気がついていないから。)
Musician:The 1975

セルフタイトルの前作はデビューアルバムでいきなり全英チャート1位を記録し一気に注目を集めたイギリスはマンチェスター出身の4人組バンド。2作目である本作は、イギリスでは2作連続で1位を獲得したほか、アメリカビルボードでも1位を獲得し、人気の面ではさらなる飛躍がみられたアルバムになっていました。

前作「The 1975」はメロディアスなポップス路線の楽曲が楽しめた反面、最後の方はちょっとダレてしまった印象がありました。それに続く本作も全17曲というボリューミーな内容に若干の不安も感じたのですが・・・ただ人気の面での飛躍と同様、アルバムのクオリティー自体にも大きな飛躍を感じたアルバムでした。

まずアルバム全体としては前作で感じたロック寄りのスタンスが薄まり一方ではファンク、ブラックミュージックにより軸足を置いた作風になっていました。ただ、前作で感じたポップでインパクトあるメロディーラインは本作も健在。またサウンドにどこか80年代の雰囲気を感じるのも前作同様。基本的に前作のスタイルを踏襲しつつも新たな音楽性を模索したアルバムといっていいかもしれません。

今回のアルバムでユニークだったのがアルバム全体が3つのスタイルから構成されていた点でした。まず一番最初に聴かせてくれるのは軽快なファンクネスなサウンドを聴かせてくれる楽曲たちでした。今回のアルバムの中でブラックミュージック的な要素を一番感じる部分。特に序盤「Love Me」「UGH!」はファンキーなリズムが非常に心地よい作品でライブでも盛り上がりそう。ただそんな中でも「She's American」のような彼らの持ち味であるメロディーラインを聴かせる曲が入っていたりして、ポップという側面でも楽しむことができます。

そして中盤ではサイケなノイジーギターやエレクトロサウンドなどを取り入れた実験的な作風に仕上げてきています。分厚いノイズギターを前面的に押し出した「Lostmyhead」はドリーミーなサウンドがシューゲイザーちっくで個人的には壺。非常に幻想的な作風の曲が並ぶ中、特に表題曲である「I like it when you sleep~」では静かに展開されるエレクトロサウンドがポストロックの色合いすら感じられる作品。この曲をアルバムタイトルにするあたり、彼らの興味がどこをむいているのか感じさせます。

さらに後半は彼らの美しいメロディーラインをしっかりと聴かせるポップな楽曲が並んでいます。ドラムのリズムパターンがおもいっきり80年代な「The Must Be My Dream」も楽しいのですが、続く「Paris」はちょっとメロウさも感じるメロディーラインが美しいポップチューン。続く「Nana」もアコギを軸としたシンプルな楽曲なだけに彼らのメロディーセンスの良さがキラリと光る楽曲になっています。

そんなわけで全17曲入り、国内盤ではボーナストラックを入れて全19曲入りというボリューミーな内容ながらも、様々なタイプの曲が並んでいるだけに全く飽きることがありません。またそのどの曲もThe 1975というバンドの音楽性の幅広さと実力を感じさせる曲ばかり。実にすばらしい傑作アルバムでした。妙に長いアルバムタイトルに、いまどき珍しい邦題がついている(直訳だけど・・・)のもインパクトあり。あえて邦題をつけたあたりに日本のレコード会社がこのアルバムを売っていこうという姿勢を感じられるのですが、確かにこれは日本でももっと注目をあつめていい傑作アルバムだったと思います。2作連続1位獲得でさらに大きなバンドとなった彼ら。まだまだこの快進撃は続きそうです。

評価:★★★★★

The 1975 過去の作品
The 1975


ほかに聴いたアルバム

2013年に突然この世を去った大瀧詠一。その彼が、生前、自宅で愛用していたジュークボックスに入れられていた楽曲を集めたコンピレーションアルバムが3枚リリースされました。

大瀧詠一のジュークボックス~ワーナーミュージック編

こちらはワーナーミュージックからリリースされた音源を集めたアルバム。

大瀧詠一のジュークボックス~ユニバーサル ミュージック編

そしてこちらはユニバーサルからリリースされた音源を集めたアルバム。

大瀧詠一のジュークボックス~エルヴィス・プレスリー編/Elvis Presley

さらに最後はエルヴィス・プレスリーの楽曲のみを集めたコンピ盤。

いずれもアメリカンオールディーズの楽曲を集めたコンピレーション。知る人ぞ知る的な楽曲もおさめられている一方、誰もが知っているようなスタンダードナンバーもしっかりと収録されており、古き良きアメリカンポップスを網羅的に楽しめるコンピになっています。大瀧詠一の音楽的ルーツを知るという意味でも貴重なコンピレーション。もちろん、アメリカンオールディーズのコンピとしても大瀧詠一関係なく楽しめる作品でした。

評価:いずれも★★★★★

Elvis Presley 過去の作品
VIVA ELVIS THE ALBUM

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