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2016年2月16日 (火)

日本のアニメからも影響?

Title:Art Angles
Musician:Grimes

前作「Visions」が大きな話題となり、各種メディアでその年(2012年)の年間ベストにも選ばれたカナダ出身の女性シンガーソングライターによる、約3年10ヶ月ぶりとなるニューアルバムです。

前作「Visions」も微妙に不気味なジャケットが印象的でしたが、今回の作品も妙に不気味な内容のジャケットに。もともと日本のアニメも好き、と語っている彼女なだけに、日本のアニメの影響を受けた、と見えることもできるのですが・・・でも、このデザインはどう考えてもふた昔以上前のデザインだよなぁ。

ただ、楽曲自体も少々J-POP的というか、非常にキュートなガールズポップが多いアルバムになっています。タイトルチューンとなっている「Artangles」もいかにも元気な女の子によるポップソング、といった感じの曲になっていますし、「California」もタイトル通りアメリカンポップ、具体的にはカントリーの影響を感じるポップチューンなのですが、そちらも軽快なメロディーが特徴的で日本人リスナーにも聴きやすい楽曲になっています。

前半、特にインパクトがあったのが「Flesh without Blood」で、エレクトロのリズミカルなサウンドにキュートでメロディアスなポップがインパクト満点のガールズポップ。こちらも普段、洋楽をあまり聴かないリスナー層にも受けそうなポップソングに。後半も「World Princess,Pt.II」など、リズミカルでキュートなポップチューンが並んでいたりします。

「Kill V.Maim」のようなパンキッシュな作品があったり、「Venus Fly」みたいにトライバルなビートが特徴的な曲もあったりするのですが、全体的にはキュートなポップが並んでおり、比較的広い層に支持されそうな聴きやすいアルバムだったと思います。その分、前作で感じたようなアバンギャルドな要素は薄まっていたように感じましたし、サウンドの自由度という意味でもエレクトロポップス主体の作風で残念ながら「宅録らしい自由な作風」というのは表に出ていませんでした。そういう意味では前作の方がよかったかな。ポップのアルバムとしては十二分に楽しめる作品だとは思うのですが。

評価:★★★★

Grimes 過去の作品
Visions

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