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2016年2月 9日 (火)

ヒット曲満載の30周年ベスト盤

Title:Premium Ivory-The Best Songs Of All Time-
Musician:今井美樹

デビュー30周年を記念してリリースされた今井美樹のオールタイムベスト。今井美樹の曲については、ヒット曲を中心にシングル単位では聴いたことがあるのですが、ベスト盤とはいえ、アルバムでまとめて聴くのはこれがはじめてです。

で、正直、そのシングル曲の段階から薄々感じていたのですが、楽曲がほとんど心に響いてきません(苦笑)。いや、曲としては決して悪くはないと思うんですよ。彼女の透き通るようなクリアボイスに、楽曲はシティポップ的な爽やかなポップソング。まさに「良質なポップ」といって間違いないでしょう。

ただ、彼女の楽曲は女性OL向きの楽曲なのですが、あまりに通り一遍な感じがして、その方向からはずれたような、私のような男性アラフォーにとっては共感が出来ません。一言で言ってしまえば女性ファッション誌のような楽曲。いかにも女性受けだけを狙いすました楽曲のように感じてしまいます。

楽曲自体も良くも悪くも優等生的。彼女のボーカルは確かにきれいな声をしているものの、癖が薄いため、彼女の声を嫌いと感じる人はあまりいないだろうな、と感じる反面、ひっかかりもあまりありません。楽曲にしても、もちろん良く出来たポップソングなのですが、挑戦的な曲はなく、無難にまとめています。ここらへん、基本的に他人から楽曲提供を受けているシンガーの限界なのでしょうか。

もっとも一方ではここらへんの無難で優等生的なスタイルがプラスに作用している部分もあって、今回、30周年のベスト盤なのですが、彼女の楽曲からはいわゆるエバーグリーンな要素を感じます。

要するに、下手に時代を追及した挑戦的な曲を歌わず、彼女の声とメロディーを愚直に生かした曲を歌った結果、昔の曲に関して今聴いてもさほど違和感がありません。ここらへんは彼女の強みのように感じました。

楽曲としては決して悪くはないですし、ドライブのBGM的には最適な感じもするのですが・・・ヒット曲も満載のこのベスト盤ですが、聴いた後はどうにも物足りなさを感じてしまう内容でした。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

lush/bird

プロデューサーに冨田恵一を起用した2年ぶりのニューアルバム。メロウさも感じるエレクトロトラックは文句なしにカッコよく感じます。それに乗っかるbirdのソウル風な楽曲も十分聴かせてくれるのですが・・・ちょっとメロディーラインはパンチが弱く薄味だったかも。ちょっと惜しさを感じるアルバムでした。

評価:★★★★

bird 過去の作品
BIRDSONG EP
MY LOVE
NEW BASIC
9

世界は愛を求めてる。-野宮真貴、渋谷系を歌う。-/野宮真貴

ご存じ元ピチカート・ファイブのボーカル、野宮真貴の新作。前作「実況録音盤!「野宮真貴、渋谷系を歌う。~Miss Maki Nomiya Sings Shibuya-kei Standards~」」は「渋谷系」の曲を歌ったライブ盤でしたが、今回はスタジオ録音による「渋谷系」のカバー。もっとも、典型的な渋谷系の曲だけではなく、楽曲として「渋谷系」を感じさせる曲もカバーしています。

基本的には、その前作と同様の方向性によるカバー。ラウンジ風のいかにも「渋谷系」といった感じのカバーを、いわば「渋谷系」の中心にいた彼女のボーカルで上手く調理しています。楽曲の選曲もカバーも文句なしの内容。ただ、同じ渋谷系をテーマとしたアルバムを2作続けて聴いたのですが、今後もこの方向性は続くのでしょうか。前作ではあまり感じなかったのですが、2作続くと、彼女のイメージそのまますぎて、ちょっとおもしろみに欠けるように感じてしまったのですが。

評価:★★★★

野宮真貴 過去の作品
実況録音盤!「野宮真貴、渋谷系を歌う。~Miss Maki Nomiya Sings Shibuya-kei Standards~」

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