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2016年2月28日 (日)

秦基博第2章

Title:青の光景
Musician:秦基博

途中ベスト盤やセルフセレクションによる企画盤などの発売はあったものの純粋なオリジナルアルバムとしては約3年ぶりとなるシンガーソングライター秦基博の新作。ただシングルとしてはコンスタントにリリースを続けており、本作にも収録されている「ひまわりの約束」が映画「STAND BY ME ドラえもん」主題歌となりヒットするなど話題にもなっただけにアルバムのリリーススパンがこれだけ長いというのはちょっと意外な感じもします。

秦基博といえば決して派手さはないけれどもシンプルながらもしっかりと心に残るようなメロディーラインを書いてくる良質なポップシンガーというイメージ。今回のアルバムでももちろん、そんなシンプルながらも心に残るようなメロディーラインを書いてきています。前述のヒットした「ひまわりの約束」も派手さはないものの優しいメロディーが心に響いてきますし、同じくシングル曲の「ダイアローグ・モノローグ」もちょっと切ないメロディーラインが魅力的な曲になっています。

ただ今回のアルバム、そんないままでの秦基博さしさを継承しつつ、ベスト盤リリースをはさみ「秦基博第2章」とも言えるような新たな可能性を感じさせるアルバムのように感じました。その最大の要因がいままでの作品以上に厚みが増し、かつバリエーションが増えたサウンドでした。

例えば「ROUTES」では分厚いベースラインを主軸としたバンドサウンドにサビではピアノの爽やかな音色を載せ、より重厚感あるサウンドを楽しむことが出来ます。また「ディープブルー」はファルセットボイルを用いつつ、ドリーミーな雰囲気のサウンドが印象的なナンバーに仕上がっています。

またサウンドのバリエーションも増え、「Q&A」ではエッジの効いたギターサウンドを聴かせてくれますし、「あそぶおとな」もバンドサウンドにシンセを加えることにより、より爽快で疾走感あるサウンドを作り出しています。「Fast Life」も軽快なパーカッションを主軸にちょっとムーディーなサウンドが印象に残りますし、「聖なる夜の贈り物」はストリングスに鐘の音も入った、ある意味ベタなクリスマスソングなのですが、ポップなメロディーラインと共に気持ちよく楽しむことが出来る楽曲になっていました。

久々のアルバムながらも非常に勢いを感じることが出来る作品。なによりもサウンド面に大きな成長を感じることにより楽曲に幅と深みがより加わったように感じました。秦基博の最高傑作とも言える作品かもしれません。まだまだこれからの活躍が楽しみになってくる傑作でした。

評価:★★★★★

秦基博 過去の作品
コントラスト
ALRIGHT
BEST OF GREEN MIND '09
Documentary
Signed POP
ひとみみぼれ
evergreen


ほかに聴いたアルバム

シャンデリア/back number

フジテレビの月9ドラマ主題歌となった「クリスマスソング」やポカリスウェットのCM曲「SISTER」なども収録。本作もチャート1位に輝き、今、もっとも勢いにのるバンドの新作・・・・・・のはずなのですが、残念ながら本作からはそんな勢いがあまり感じられません。メロディアスなポップなのですが、悪い意味でベタなJ-POPといった感じ。本作では4曲について小林武史をプロデューサーとして迎えたのですが、結果出てきたのは大味志向という、最近のコバタケの悪い癖ばかりといった印象に。非常に残念な1枚でした。

評価:★★★

back number 過去の作品
スーパースター
blues
ラブストーリー

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