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2016年2月

2016年2月29日 (月)

美しいミャンマー音楽の調べ

Title:Beauty of Tradition-ミャンマー伝統音楽の旅で見つけた仏教の歌

今回紹介するアルバムはミャンマーの民族音楽を現地録音で収録したアルバム。もともと本作を知ったのはMUSIC MAGAZINE誌のワールドミュージック年間ベストに載っていたのがきっかけ。昨年発売されたアルバムのうち話題になったアルバムをいろいろと聴きなおしている中、気になった本作もちょっといまさらながら聴いてみることにしました。

アルバムの中の紹介文によると本作は「19世紀の古典歌謡から20世紀前半の近代歌謡まで、仏陀を讃える曲など仏教に関係のあるミャンマーの歌謡作品を集めたもの」だそうです。もっともミャンマーの仏教では戒律上、音楽は禁じられているそうで、今回収録されている曲は一般の信者が仏塔祭や得度式に先立つ音楽ショーなどで演奏され、楽しんでいる音楽だそうです。

仏教に関する音楽というと、日本でも「声明」という音楽があったり、また神様を讃えるという意味では讃美歌をイメージする方も多いでしょう。どちらも荘厳というイメージがあり、良くも悪くも堅苦しいというイメージもあるかもしれません。

しかし本作に収録されているミャンマーの仏教音楽はとてもメロディアスな楽曲が流れてきます。流れてくる演奏もミャンマーの民族音楽をベースとした美しくもシンプルな演奏。また本作ではカインズインシュエというビルマを代表する女性シンガーが歌っているのですが、この歌声もまた伸びやかで美しく心に響いてきます。歌われている言語はおそらくミャンマー語なのでその内容はもちろん全く分からないのですが、仏教音楽という難しいイメージ抜きとして、その美しく優雅とも感じられる音楽の世界を楽しむことが出来ます。

本作の演奏の中でまず印象に残るのがパルウェーと呼ばれる縦笛の演奏。この縦笛の高音の主旋律とピアノの音色の絡みが非常に美しく印象に残ります。特にこのパルウェーの音色はシンプルなだけにどこか懐かしさも感じられる日本人の琴線に触れるような音色が実に魅力的でした。

そして一番印象的だったのはサインワインという打楽器を中心としたミャンマーの合奏。軽快だけど均一なリズムパターンから微妙にずれているパーカッションのリズムもとてもおもしろいのですが、その音色にどこか和風な雰囲気を感じられるのが不思議なところ。同じ仏教国として太鼓の音色は同じ源流を持っているのでしょうか?ただ日本人にもどこか耳馴染みある音色は非常に心地よいものでした。

仏教音楽というテーマ性あるアルバムながらもミャンマー音楽の奥深さと魅力を感じることが出来る素晴らしいアルバムでした。なによりもそのシンプルながらも美しい音色と歌がとても印象に残る作品。これをきっかけにミャンマーの音楽についていろいろと聴きたくなるような、そんな1枚です。

評価:★★★★★

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2016年2月28日 (日)

秦基博第2章

Title:青の光景
Musician:秦基博

途中ベスト盤やセルフセレクションによる企画盤などの発売はあったものの純粋なオリジナルアルバムとしては約3年ぶりとなるシンガーソングライター秦基博の新作。ただシングルとしてはコンスタントにリリースを続けており、本作にも収録されている「ひまわりの約束」が映画「STAND BY ME ドラえもん」主題歌となりヒットするなど話題にもなっただけにアルバムのリリーススパンがこれだけ長いというのはちょっと意外な感じもします。

秦基博といえば決して派手さはないけれどもシンプルながらもしっかりと心に残るようなメロディーラインを書いてくる良質なポップシンガーというイメージ。今回のアルバムでももちろん、そんなシンプルながらも心に残るようなメロディーラインを書いてきています。前述のヒットした「ひまわりの約束」も派手さはないものの優しいメロディーが心に響いてきますし、同じくシングル曲の「ダイアローグ・モノローグ」もちょっと切ないメロディーラインが魅力的な曲になっています。

ただ今回のアルバム、そんないままでの秦基博さしさを継承しつつ、ベスト盤リリースをはさみ「秦基博第2章」とも言えるような新たな可能性を感じさせるアルバムのように感じました。その最大の要因がいままでの作品以上に厚みが増し、かつバリエーションが増えたサウンドでした。

例えば「ROUTES」では分厚いベースラインを主軸としたバンドサウンドにサビではピアノの爽やかな音色を載せ、より重厚感あるサウンドを楽しむことが出来ます。また「ディープブルー」はファルセットボイルを用いつつ、ドリーミーな雰囲気のサウンドが印象的なナンバーに仕上がっています。

またサウンドのバリエーションも増え、「Q&A」ではエッジの効いたギターサウンドを聴かせてくれますし、「あそぶおとな」もバンドサウンドにシンセを加えることにより、より爽快で疾走感あるサウンドを作り出しています。「Fast Life」も軽快なパーカッションを主軸にちょっとムーディーなサウンドが印象に残りますし、「聖なる夜の贈り物」はストリングスに鐘の音も入った、ある意味ベタなクリスマスソングなのですが、ポップなメロディーラインと共に気持ちよく楽しむことが出来る楽曲になっていました。

久々のアルバムながらも非常に勢いを感じることが出来る作品。なによりもサウンド面に大きな成長を感じることにより楽曲に幅と深みがより加わったように感じました。秦基博の最高傑作とも言える作品かもしれません。まだまだこれからの活躍が楽しみになってくる傑作でした。

評価:★★★★★

秦基博 過去の作品
コントラスト
ALRIGHT
BEST OF GREEN MIND '09
Documentary
Signed POP
ひとみみぼれ
evergreen


ほかに聴いたアルバム

シャンデリア/back number

フジテレビの月9ドラマ主題歌となった「クリスマスソング」やポカリスウェットのCM曲「SISTER」なども収録。本作もチャート1位に輝き、今、もっとも勢いにのるバンドの新作・・・・・・のはずなのですが、残念ながら本作からはそんな勢いがあまり感じられません。メロディアスなポップなのですが、悪い意味でベタなJ-POPといった感じ。本作では4曲について小林武史をプロデューサーとして迎えたのですが、結果出てきたのは大味志向という、最近のコバタケの悪い癖ばかりといった印象に。非常に残念な1枚でした。

評価:★★★

back number 過去の作品
スーパースター
blues
ラブストーリー

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2016年2月27日 (土)

Superflyの成長を感じるカップリング曲集

Title:黒い雫 & Coupling Songs:`Side B`
Musician:Superfly

Superflyの今回の作品は正確に言うと「アルバム」ではありません。シングル曲「黒い雫」に、ボーナスディスク的にカップリング曲集の「Coupling Songs'Side B'」が付いてくる構成。以前「Wildflower」にカバー曲集を付けたのと同じやり方ですね。シングルだけだと今の時代、売上が伸びないためカップリング曲集をつけたのか、カップリング曲集だと売上が伸びないので新曲であるシングル曲につける形にしたのか・・・もっともオリコンチャートだと「アルバム」として扱われチャートインしています。

基本的に今回のCD評のターゲットも事実上のアルバムである「Coupling Songs」がメインなのですが、もちろんシングルの紹介も。シングル「黒い雫」は最初、カッコイイギターリフからスタート。さらにそこへ黒いグルーヴ感のあるホーンがからむあたり洋楽テイストも強く、非常にカッコいいサウンドを聴かせてくれます。一方でサビ前のメロディーは妙に哀愁がかっていたり、さらにサビの後にさらに大サビが来る構成などいかにもJ-POP的。この洋楽的なグルーヴ感とJ-POP的なベタさをあわせもった内容はいかにもSuperflyらしいところ。Superflyの魅力を存分に味わえる名曲だと思います。

さて2枚目となる「Coupling SIde'B'」ですが彼女たちのシングル曲のカップリングのうち、オリジナルナンバーについて販売順にまとめられています。彼女たちのカップリング曲のうちカバー曲については以前リリースされた「Cover Songs:Complete Best 'TRACK3'」に主に収録されていますので、「Cover Songs」と対になるアルバムと言えるかもしれません。

「Cover Songs」もまた彼女たちのカバー曲が発売順に並んでいました。それらの曲を聴いて強く感じたのはSuperflyというミュージシャンの成長でした。特に「Cover Songs」では越智志帆のボーカリストとしての成長ぶりを強く感じたアルバムになっていました。

一方、今回の「Coupling Songs」で強く感じたのはSuperflyの楽曲制作面での成長ぶり。正直言って今回のアルバム、前半に関しては面白味があまりありません。冒頭の「孤独のハイエナ」などもそうなのですが、洋楽、ロックンロールの要素を強く取り入れつつも、J-POP的なベタさも両立させているという点は初期の作品から変わりません。ただ、初期の作品に関してはメロディーが垢抜けておらず聴いていてはっきりいってしまってつまらない。サウンドに関しても洋楽テイストは強いものの最近の作品のような迫力はなく、またグルーヴ感にも欠けています。

これが中盤から後半にかけてドンドンとおもしろくなってきます。軽快なオールドスタイルのロックンロールナンバー「I My Me Mine Mine」やハードロック的なサウンドに疾走感あるメロディーラインが耳を惹く「万華鏡と蝶」などシングル曲に勝るとも劣らない曲が続きます。また「Cover Songs」同様、越智志帆のボーカルも後半になればなるほど表現力が加わってきます。

ちょっと残念なのはこのカップリングに関しても基本的にシングル曲同様のスタイルということ。個人的にはここらへんの曲でもうちょっと冒険してもおもしろいと思うのですが。ただそんな中でも「クローゼット」では打ち込みのリズムを取り入れており新たな方向性も感じることが出来ます。ここらへん、今後カップリング曲をつかってどんな方向性を模索していくのか、楽しみにも感じます。

Superflyの成長を強く感じることが出来るカップリング曲集。ある意味、シングルの方のタイトル曲はその現時点での集大成とも見ることが出来るかもしれません。そういう意味でカップリング曲集は玉石混合の部分もあるため以下のような評価で。でもおそらく次にカップリング曲集を発売するころには名曲揃いの傑作が聴けるはず。これからの彼女のさらなる成長も楽しみです。

評価:★★★★★

Superfly 過去の作品
Superfly
Box Emotions
Wildflower&Cover Songs:Complete Best 'TRACK3'
Mind Travel
Force
Superfly BEST
WHITE

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2016年2月26日 (金)

昭和初期の恋愛模様

Title:思ひ直して頂戴な 昭和エロ歌謡外伝 あゝ哀歌

本作は、ここでも何度か紹介している戦前のSP復刻レーベル「ぐらもくらぶ」の新作。今回のアルバムは以前に紹介した「ねえ興奮しちゃいやよ 昭和エロ歌謡全集 1928~32」の外伝的な位置づけの作品。いわゆる「エロ・グロ・ナンセンス」の時代を象徴するような曲をまとめたコンピ盤となっています。

ただ今回の収録曲は、タイトルにこそ「エロ歌謡」とついていますが「エロ」の要素は残念ながら(?)強くありません。

「お酒のみなら真っ赤な酒を
愛しあなたの口から口へ
死ぬほど飲んでみたいのよ」

(「妾は恋のジプシーよ」より 作詞 塚本篤夫)

なんて歌詞は登場してきますし、楽曲はどの曲も当時の若者の本音を描いたラブソングばかりなのですが、「エロ」に焦点をあてられていた前作と比べると本作で収録されている曲はあくまでも焦点があてられているのは男女の恋模様。広い意味ではエログロナンセンスの一環なのかもしれませんが、「ねえ興奮しちゃいやよ」のような曲を期待するとちょっと期待はずれかもしれません。

また「哀歌」というタイトル通り、哀愁たっぷりの曲が多いのも特徴的。楽曲的には当時の洋楽風流行歌の総称としての「ジャズ」でくくられるような曲が多いのですが、哀愁感あふれるメロディーラインは「和」のテイストの強い作品。後の「歌謡曲」「ムード歌謡」あるいは「演歌」にまでつながりそうな楽曲が並んでいます。

ただ一方で歌詞は当時の若者の心境が描かれた曲が多いだけにその時代の空気感をのぞけるようなリアリティーがあります。

「頬をすりよせ二本の管で
一つカップのカルピスを
飲んだ昔もあったぢゃないの
別れるなどと言わないで
思い直して頂戴な」

(「思ひ直して頂戴な」より 作詞 塚本篤夫)

なんて悲しい曲も目立つのですが、その反面

「妾しゃモガだと 眉墨ひいて
チョンと黒髪 切ってはみたが
脚はみじかし 頭は涼し
そこで鏡と 相談したら
生まれ変わって またおいで」

(「チャキチャキ雀」より 作詞 時雨音羽)

なんていうユーモアたっぷりの曲があったりするのも楽しいところ。また、「想い出のクリスマス」などというクリスマスソングまで登場していたりします。曲目解説によるとやはり戦前のクリスマスソングは珍しく、またクリスマスソングは根付かなかったようですが、それでも戦前に「クリスマス」というイベントが日本にもあったというは、よくよく考えれば当たり前かもしれませんがちょっと意外にも感じました。

「ねえ興奮しちゃいやよ」でも昭和初期の風俗を知ることができ興味深いコンピレーションだったのですが、今回のアルバムも当時の曲を通じて昭和初期という時代を垣間見れることが出来る興味深いコンピレーションでした。取っつきやすさでいえば、エロ歌詞がユニークな「ねえ興奮しちゃいやよ」の方をお勧めしたいところですが、そちらで戦前歌謡を気に入った方は、次にこちらの作品も、是非。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Gone EP/80kidz

前5曲入りのミニアルバム。とはいえうち2作は、前作「Baby EP」収録の「Baby」のリミックスなので新曲は3曲。いずれもRIZE、Dragon Ashで活躍しているKenKenとコラボした作品。80kidzらしいバキバキのロッキンエレクトロサウンドとポップなメロが相変わらず。良くも悪くも変わらないといった印象の作品でした。

評価:★★★★

80kidz 過去の作品
THIS IS MY SHIT
THIS IS MY WORKS
WEEKEND WARRIOR
TURBO TOWN
80:XX-01020304
FACE

THE BEST/AI

約2年ぶりに活動再開したAI。その彼女のデビュー15周年を記念してリリースされたベスト盤が本作。アップテンポな曲がありつつも、その力強い歌声で聴かせるバラードナンバーがメイン。少々ベタさも感じられるR&Bナンバーなのですが、やはりその力強い歌声には惹かれるものがあります。

評価:★★★★★

AI 過去の作品
DON'T STOP A.I.
VIVA A.I.
BEST A.I.
The Last A.I.
INDEPENDENT
MORIAGARO

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2016年2月25日 (木)

ストリングスのみのアレンジでも

Title:Vulnicura Strings
Musician:Bjork

昨年3月にリリースされ大きな評判を得たアルバム「Vulnicura」。そのアルバムのリアレンジアルバムが本作。全面的にストリングスをバックとしたアレンジに生まれ変わったアルバムとなっています。

そんな原曲のアレンジをガラリと変えた本作なのですが・・・原曲のイメージから大きく変わったのか、と言われるとアルバム全体の雰囲気としてはそれほど変わっていません。もともと「Vulnicura」のオリジナル自体、ストリングスにエレクトロサウンドを混ぜた構成のアルバム。そのため本作は、基本的に原曲からエレクトロの要素を差し引いたアルバムと言っていいかもしれません。

もっとも原曲からひとつ大きく変わった部分もあります。それはサウンドとボーカルのバランス。原曲ではボーカルを前に押し出してサウンドは後ろに引いたバランスになっていましたが本作ではストリングスを前に押し出したアレンジとなっています。もちろんBjorkも力強いボーカルを聴かせるため歌がサウンドの中に埋没、といった感じではないのですが、より「音」を聴かせる意図が強まったようにも感じます。

またユニークなのは基本的に使われている音がストリングスのみにも関わらず、楽曲によって様々なバリエーションを聴かせてくれる点でした。「Atom Dance」はタイトルの通りテンポの良いリズミカルなサウンドを聴かせてくれますし、「Stonemiler」はクラシカルな音が印象的。さらに最後を飾る「Family」では不協和音を重ねつつ、ストリングスのみでサイケな雰囲気を醸し出している曲に仕上がっており、ストリングスのみで幅広い楽曲の雰囲気を生み出している展開に非常に惹きこまれる内容になっています。

「Vulnicura」のアレンジももちろん良かったのですが、本作は本作で原曲に負けずとも劣らないサウンドを聴かせてくれたと思います。ストリングスのみの混じりっ気ないアレンジゆえに、メロディーラインの良さがよりクリアになっていたという意味ではむしろ原曲を上回った部分すらあるのかも?とすら感じてしまいました。「Vulnicura」の単純なリアレンジという意味だけではなく、Bjorkの新たな作品として要チェックなアルバムです。

評価:★★★★★

で、Bjorkがらみではもう1枚。

Biophilia Live/Bjork

前作「Biophilia」の後にリリースされたライブ盤。2013年9月にロンドン・アレキサンドラ・パレスでのライブの模様を収録した作品。「Biophilia」は非常にコンセプチュアルな作品だったのですが、本作も、特にCD以上にDVDの方はライブを収録したというよりはひとつの映像作品として成り立っているような作品。ただその分、完成度が高すぎてライブの臨場感がいまひとつだったのは残念。エレクトロと生のサウンドの融合という試み自体は高い次元で成功しているように感じたのですが。ボーナストラックで収録されている「日本科学未来館」でのライブはドキュメンタリーでライブ映像がないのがかなり残念。

評価:★★★★

Bjrok 過去の作品
biophilia
2012-02-12 NY Hall of Science,Queens,NY
Bastards
Vulnicura


ほかに聴いたアルバム

Seeds/TV on the Radio

アメリカのインディーロックバンドによる3年ぶりの新作。いままで様々な作風のジャンルをロックに組み込んでロックのこれからを模索しているような作風だった彼らですが、今回はノイジーなギターサウンドを前面に出した比較的シンプルでパンキッシュなギターロック。メロディーラインもポップで聴きやすく、以前のようなアバンギャルドな雰囲気は控えめ。要所要所に様々なアイディアはつめこまれているものの、スタンダードなギターロックに近い作風になっています。ただ逆に彼らのロックバンドとしての魅力、メロディーメイカーとしての魅力をより感じられる作品になっていました。

評価:★★★★★

TV on the Radio 過去の作品
Dear Science
NINE TYPES OF LIGHT

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2016年2月24日 (水)

上位は女性アイドルグループ

今週はアルバム初登場が少なかったためシングルアルバム同時更新です。

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は上位に女性アイドルグループが並んでいます。ちょうど今週、ももクロのニューアルバムがリリースされたのでそれのおこぼれをあずかろうという魂胆でしょうか?

まず1位を獲得したのがハロプロ系アイドルグループこぶしファクトリー「桜ナイトフィーバー」がランクイン。この曲、KANのシングル曲のカバー。いわば「桜ソング」なのですが、「桜」の立場から歌ったというユーモラスな曲になっています。ただこの手のKANちゃんの曲は、ベテランの彼がとぼけた感じで歌うからおもしろいのであって、アイドルがいっぱいいっぱいで歌っても正直おもしろくない・・・。初動売上3万3千枚は前作「ドスコイ!ケンキョにダイタン」の3万4千枚(3位)よりダウン。

2位初登場は「着せ替え」をコンセプトとしたアイドルグループ放課後プリンセス「純白アントワネット」。タイトル通り、清純派な雰囲気の90年代J-POP風ナンバー。2位は自己最高位で初のベスト3入り。初動売上1万8千枚は前作「消えて、白雪姫」の1万4千枚(10位)からアップ。

3位はアイドル育成型エンターテイメントカフェ「AKIHABARAバックステージpass」所属のアイドルグループバクステ外神田一丁目「乙女心の鍵」。エレクトロ風アレンジながらちょっと80年代ハードロック風なアレンジのポップ。初動売上1万6千枚は前作「甘い誘惑デインジャラス」の1万5千枚(8位)から微増。

続いて4位以下の初登場曲です。まず4位は男性アイドルグループ。「少年ハリウッド」という橋口いくよによる小説を中心としたプロジェクトで結成されたアイドルグループZEN THE HOLLYWOOD「ビーバイブレーション」。80年代から何も変わらないようなアイドルポップ。初動売上1万4千枚は前作「バージンマジック」の9千枚(16位)からアップし、初のベスト10入り。

5位初登場も男性アイドルグループでこちらは韓流。LU:KUS「Break Ya」がこの位置。これが日本デビュー作となる楽曲で、K-POPらしいEDMチューン。初動売上は1万4千枚を記録しています。

6位にはようやくアイドル以外が。女性声優でμ'sの一員としても活動している久保ユリカ「Lovely Lovely Strawberry」がランクイン。爽快なポップチューンなのですが、いかにもなアニメ声。アイドル以外といっても実質上はアイドル的な人気に支えられているのでしょうが・・・。初動売上1万3千枚で、本作がデビューシングルとなります。

7位にはゲーム「THE IDOLM@STER MASTER」の登場人物によるユニット765PRO ALLSTARS「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 FINALE Destiny」がランクイン。こちらもいかにもアニメ声による王道J-POPチューン。初動売上1万1千枚は前作「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 Prologue ONLY MY NOTE」の1万3千枚(13位)からダウン。ベスト10入りは前々作「虹色ミラクル」以来2作ぶり。

8位にはもう1組女性アイドルグループi☆Ris「Goin'on」がランクイン。声優としての活動も目指すコンセプトのグループ。アニメ「プリパラ」オープニング・テーマ。初動売上1万1千枚は前作「ブライトファンタジー」の8千枚(21位)よりアップ。前々作「ドリームパレード」以来2作目のベスト10ヒット。

そして9位にはようやくアイドル系でもアニメ系でもないシングルが。家入レオ「Hello To The World」が入ってきています。楽曲的にはこちらもJ-POP王道っぽいビートロック。というかちょっとLINDBERGっぽい感じが・・・。初動売上1万枚は前作「君がくれた夏」の2万枚(6位)からダウン。

最後10位にはヴィジュアル系バンドvistlip「CONTRAST」が入ってきました。アニメ「ディバインゲート」エンディング・テーマ。ポップ色が強いビジュアル系っぽいナンバー。前々作「OVERTURE」以来のベスト10ヒットですが、初動売上8千枚は前作「COLD CASE」の1万枚(12位)からダウン。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

1、2フィニッシュでしたが・・・

今週は女性アイドルグループももいろクローバーZの2枚同時発売のアルバム「白金の夜明け」「AMARANTHUS」がそれぞれ1位2位を獲得しました。ただし初動売上8万1千枚、8万枚は前作「5TH DIMENSION」の初動18万枚から半減以下という厳しい結果に。前作は初回盤が2種類リリースされたのに対して本作は初回盤は1種類のみという事情もありそうですが、それを差し引いても予想以上に売上が伸びない結果となっています。

3位には先週2位のE-girls「E.G.SMILE-E-girls BEST-」がワンランクダウンでベスト3をキープ。今週は奇しくもシングルアルバム共にベスト3が女性アイドルグループという結果となっています。

続く4位以下の初登場では6位にロックバンドKANA-BOON「Origin」がランクインです。メジャーデビュー作から3作連続のベスト10入りですが、初動売上2万1千枚は前作「TIME」の3万4千枚からダウン。前作では初動売上が倍増となる勢いを見せたのですが、本作では残念ながらその勢いにブレーキがかかってしまった模様です。

8位には元東方神起のメンバーで現在はJYJとして活躍している男性アイドル、キム・ジェジュン「NO.X」が初登場。ソロ2作目で、いずれも韓国盤でのランクイン。初動売上1万7千枚は前作「WWW」の1万4千枚(4位)からアップ。

最後、10位初登場はスターダスト・レビュー「35th Anniversary BEST ALBUM スタ☆レビ -LIVE & STUDIO-」。タイトル通りデビュー35周年の記念のベスト盤で、2枚組のアルバムは1枚がライブベスト、もう1枚はスタジオ録音でのベストとなっている他、初回盤ではさらにカップリング集、ライブのMC集にドキュメンタリーDVDまでついた豪華内容になっています。初動売上1万枚は直近のオリジナルアルバム「SHOUT」の1万枚(9位)よりアップしています。

今週のチャート評は以上。来週はまた水曜日に!

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2016年2月23日 (火)

名盤を様々なミュージシャンがカバー

Title:JUST LIKE HONEY-「ハチミツ」20th Anniversary Tribute-

これはなかなかユニークなカバーアルバム。1995年にリリースされ、アルバムで初のチャート1位を記録。160万枚以上の売上を記録したスピッツを代表する名盤「ハチミツ」。そのリリース20周年を記念してアルバム収録曲をそのままの曲順でカバーしたアルバムに対するトリビュートアルバム。アジカンや9mm Parabellum Bullet、クリープハイプなどサブカル系のギターロックバンドを中心に、ちょっと変わったところではゴールデンボンバーの鬼龍院翔がソロで参加しています。

今回のトリビュートの特徴はどのミュージシャンも基本的にシンプルなアレンジでメロディーラインと歌詞を重視したカバーを行っている点。「ハチミツ」自体も比較的シンプルにその美しいメロディーラインと歌詞を聴かせるアルバムなのですが、そういう意味ではアルバムの意図に沿ったカバーと言えるかもしれません。

そんなカバーアルバムを聴いてまず第一に感じたのは、「ハチミツ」ってここまで素晴らしいアルバムだったっけ?いや、「ハチミツ」は私自身もリアルタイムに聴いており、かつその当時はお気に入りとして繰り返し聴いたアルバム。それだけにこのアルバムが「名盤」だということは重々承知していたはずなのですが・・・どの曲も十分シングルカットできそうな名曲、美メロの連続にあらためて驚かされました。

そう感じるのもなによりどのカバーもシンプルにメロディーを重視したものが多かった、というのが大きな理由でしょう。もっともその一方できちんとそれぞれのミュージシャンの「色」を入れてきているのも印象に残ります。例えばASIAN KUNG-FU GENERATIONの「グラスホッパー」はアジカンらしいへヴィーなパワーポップ風のアレンジに仕上げていますし、「あじさい通り」も影を帯びた哀愁たっぷりのカバーに仕上げているのもクリープハイプらしいといったところでしょうか。

カバーの中でも特に秀逸さを感じたのがゲストボーカルに曽我部恵一を迎えた初恋の嵐による「君と暮らせたら」。どこかノスタルジックさを感じるバンドサウンドとボーカルが曲にピッタリ。曲間に感じられるサイケな要素もまたひとつの味になっています。また、原曲の雰囲気からかけはなれたような冒険的なカバーは少なかったのですが、数少ない冒険的なカバーが赤い公園の「ハチミツ」。キラキラしたシンセの音を前面に入れたドリーミーな雰囲気にダイナミックなバンドサウンドを織り交ぜるという彼女たちらしいユーモラスで冒険的なカバー。こういうカバーを1曲目に持ってくるあたりもおもしろさを感じます。

「ハチミツ」というアルバムの良さをきちんと引き出しつつ、それぞれのミュージシャンの良さも感じられる素晴らしいカバーアルバムに仕上がっていたと思います。なによりもスピッツというミュージシャンのすばらしさも再認識できるアルバムだったと思います。久しぶりに「ハチミツ」を引っ張り出して聴いてみようかな。

評価:★★★★★

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2016年2月22日 (月)

20年目の再構築

Title:re:evergreen
Musician:MY LITTLE LOVER

2015年にデビュー20周年を迎えたMY LITTLE LOVERの新作は、彼女たちが20年前にリリースしたデビューアルバム「evergreen」を再構築したアルバム。2枚組のアルバムでDisc2にはその「evergreen」を再プロデュースしたアルバムがついてきています。

その「evergreen」は280万枚という大ヒットを記録し、いまだにMY LITTLE LOVERを代表するアルバムとなっています。私もリアルタイムで聴いていたのですが、おもいっきりはまり、確か最初はレンタルで聴いたもののその後CDで買い直したという思い出深いアルバムだったりします。

今回、このアルバムで久しぶりに「evergreen」を聴きました。原盤と聴き比べはしていないので正直「再プロデュース」といっても大きく雰囲気が変わったわけではありません。楽曲はシンプルなポップソング。ボーカルakkoは決して声量があって上手いボーカリストではないのですが、その透明感ある声色と淡々とした歌い方を生かしたメロディーとアレンジが見事に壺にはまっています。マイラバとしてはもちろんのこと、その当時メンバーであり、プロデューサーであり、かつメインのライターであった小林武史の脂ののった仕事ぶりを感じることが出来ます。

その「evergreen」を再構築した本作はジャケット写真からして「evergreen」を意識した作品なのですが楽曲自体も「evergreen」と対比できるような曲が多く収録されています。顕著なのが「pastel」で楽曲的にはおもいっきり「Man&Woman」を意識したような作風。また最後を飾るタイトル曲「re:evergreen」も、「evergreen」のタイトル曲を明らかに意識したスケール感あるミディアムチューンに仕上げてきています。

楽曲的にも「evergreen」同様シンプルなポップソングがメイン。akkoの声を上手くいかした楽曲が多く、ここ最近オーバープロデュース気味な仕事が目立つ小林武史としては珍しく(?)抑え気味のプロデュースでしっかりとakkoを前に押し出した仕事ぶりが好印象です。個人的にお気に入りなのが「今日が雨降りでも」。爽やかな曲調ながらもどこか切なさを感じさせるあたり、全盛期のマイラバを彷彿とさせるポップソングに仕上がっています。

一方でバンドサウンドを取り入れた「夏からの手紙」やギターがどこかファンキーなリズムを奏でる「舞台芝居」は「evergreen」の方ではちょっとお見掛けしないタイプの曲。基本的にはシンプルで爽やかなポップという「evergreen」から「re:evergreen」へとつながる軸を大きくはずすものではありませんが、単なる「evergreen」のコピーとは異なる部分も感じられました。

正直言って、名盤「evergreen」と比べると「re:evergreen」の出来は劣ってしまうというのは否めません。ただその点を差し引いても良く出来たポップスのアルバムなのは間違いないと思います。MY LITTLE LOVERらしさを変に奇をてらわずに素直に表現した作品でした。特に20年を経てもあの頃の雰囲気から全く変わらないakkoのボーカルには驚かされるばかり。だからこそ「evergreen」の再構築という試みが出来たのかもしれません。

かつてマイラバにはまったことのある人ならば純粋に楽しめる作品だと思います。「evergreen」もついてくるし、マイラバ、懐かしいな、と感じた方、是非とも手にとって聴いてみてください。20年前からいい意味で変わらないポップソングがここにはありました。

評価:★★★★★

MY LITTLE LOVER 過去の作品
アイデンティティー
そらのしるし
Best Collection-Complete Best-
acoakko debut

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2016年2月21日 (日)

15年目のベストアルバム

Title:All Time Request BEST~しばづくし~
Musician:柴田淳

今年デビュー15周年を迎える女性シンガーソングライターのしばじゅんこと柴田淳。その15周年企画の第1弾となるのが本作。タイトル通り、ファンからのリクエストにより収録曲が決定したリクエストアルバム。いままでシングルコレクションやB面ベストはリリースしたことがありましたが、アルバム収録曲も含めオールタイムベストとしては本作が初となります。

しばじゅんといえば、このジャケット写真からもわかるように美しくもどこか影を帯びたようなルックスが魅力的。楽曲もそんなルックスのイメージから紐づくような切ない片思いや失恋の歌が多く、ミュージシャンイメージにマッチした統一感ある曲調がひとつの特徴だったりします。

今回のアルバムは2枚組のアルバム。ほぼリリース順に従った曲順となっています。そしてどの曲も、彼女のイメージにマッチした曲が並んでいます。ただこの1枚目と2枚目で同じ片想い、失恋の歌でありながらも微妙にその方向性が異なることを今回のベスト盤からは感じることが出来ました。

1枚目、要するに初期の作品に関してはピアノやストリングスを入れた基本的にシンプルなメロディーラインに、ドラマ性ある歌詞を聴かせるスタイルが特徴的。彼女の代表曲ともいえる「片想い」をはじめ、歌詞の描くドラマがストレートに頭に入ってくるのがこの時期の作品。ある意味もっとも柴田淳らしい作品が並んでいる、とも言えるかもしれません。

一方2枚目に収録されている曲は歌詞に関しては比較的抽象的。初期の作品ほどのドラマ性は感じません。ただ一方楽曲のバリエーションがグッと増しています。へヴィーなギターサウンドを入れてきた「救世主」や、シティポップテイストの「マナー」、ちょっとジャジーな雰囲気の「哀れな女たち」など楽曲の幅が一気に広がっています。新しい柴田淳像を模索している、といった感じでしょうか。もっとも軸にある悲しい恋の歌を哀愁帯びたメロディーラインで聴かせるというスタイルは初期からかわらず、そういう意味ではきちんと柴田淳らしさを保ったままあらたなスタイルを模索しているという印象も受けました。

デビュー15年にリリースされた本作でひとつの区切りといった感じもするベスト盤。あらたな柴田淳像を模索している今のしばじゅんですが、これからどんな方向に進むのか、それとも原点に回帰するのか、次の一歩も気にかかるベスト盤でした。これからも彼女の活動に要注目です。

評価:★★★★★

柴田淳 過去の作品
親愛なる君へ
ゴーストライター
僕たちの未来
COVER 70's
あなたと見た夢 君のいない朝
Billborda Live 2013
The Early Days Selection
バビルサの牙


ほかに聴いたアルバム

OFF COURSE BEST"ever"/オフコース

オフコース初のファンによるリクエストに基づくベストアルバム。オフコースといえば「さよなら」「YES-YES-YES」みたいないかにも小田和正節の楽曲の印象が強いのですが、このベストを聴くと、初期は60年代フォーク風ですし、楽曲によっては産業ロックバリの曲もあったり、後期になるとAORの色合いが濃くなったりと時代によってその姿を徐々に変えているのがわかります。結果としてチープなシンセの作品があったり今となっては時代を感じさせる曲もあるのですが、それも含めて彼らの魅力といった感じでしょうか。なによりメロディーセンスの良さには抜群のものを感じることが出来ます。

評価:★★★★★

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2016年2月20日 (土)

35年前の名著が待望の邦訳

昨年5月、惜しまれつつこの世を去ったブルースの王様、B.B.KING。その彼の評伝が先日発売されたので読んでみました。

もともとはアメリカのチャールズ・ソーヤー氏が1980年に手掛けた作品。発売から35年という日々がたっていますが、もともとファンにとっては長らく読みつがれてきたB.B.KING評伝の名著だったそうです。このたび、音楽評論家の日暮泰文氏監修のもと邦訳版が発売されました。

ハードカバーで全383ページという分厚い内容。かなり読み応えある内容なのですが・・・これが実におもしろかった!この分厚い内容でじっくりとB.B.KINGというミュージシャンを分析していっているのですが、グイグイと惹きこまれる実に満足感の高い一冊となっていました。

本書は全3章にわかれており、第1章ではB.B.KINGのある1日を切り取って密着取材した内容。いわば「B.B.KING 24時間」といった感じでしょうか(笑)。第2章はB.B.KINGの生い立ちを描いた伝記。そして第3章ではB.B.KINGの人物像、また音楽の魅力を分析した評論となっていました。

まずこの本が魅力的だったのはチャールズ・ソーヤー氏がB.B.KINGに密着取材を行っており、その上で記された作品という点でした。これはまだB.B.KINGが現役バリバリだった1980年という時期だからこそ実施できたことでしょう。特に第1章ではB.B.の1日を臨場感もって描かれており、密着取材が出来たチャールズ氏ならではの内容になっています。

またチャールズ氏の文体の特徴なのでしょうか、それともB.B.KINGがようやく「キング」となってきた1980年の作品だからでしょうか、比較的シンプルで淡々とした文体なのもまた読みやすかった理由のように思います。どうしても日本の評論家によるB.B.評は思い入れが多い文体になりがちなので・・・。

第2章の伝記は1970年のエド・サリバンショーへの出演をもってアメリカ全土にB.B.KINGの名前が知れ渡り、名実ともに「キング・オブ・ザ・ブルース」となった段階をもって筆がおかれています。こちらに関してもB.B.KINGが成り上がっていくまでの過程に焦点をあてているだけに非常に読みやすくおもしろかったのと同時に、彼の生い立ちである当時の南部の黒人農民の暮らしによりスポットがあてられており、B.B.KINGの伝記だけではなく、アメリカ黒人史という側面でも興味深い記述が多くなされていました。そういう意味で単純なB.B.KINGの評伝という枠組みを超えた部分も感じる作品でした。

第3章ではB.B.の人柄や音楽的な魅力に触れられています。音楽的な部分はそれなりに専門的な部分まで触れているのですが、さほどマニアックになることなく音楽的な素養がさほどなくても楽しめるレベルで止められています。また彼の人柄に触れた部分ではB.B.のとても優しく、そしてオープンな性格が記されています。ここらへんの彼の人柄は死後に日本で発売されたB.B.の特集本などでもよく記載されていました。ただ個人的には死者に対する評価という意味で割り引いて読んでいた部分があったのですが、生前に記されたこの本の記述から、B.B.の性格の非常に素晴らしい人柄を実感することが出来ました。

いまから35年前の作品ながらもいまなお全く色あせておらず、今読んでもB.B.KINGというミュージシャンがどんなミュージシャンだったのか、とてもよく理解できるまさに「名著」という評判は嘘でないと実感できる1冊でした。B.B.KINGのファンはもちろんのこと、ブルースに興味があるならばまずは読むべき1冊です。

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2016年2月19日 (金)

キュートなポップスと思いきや

Title:Have You In My Wilderness
Musician:Julia Holter

2015年に評判の高かったアルバムの後追いシリーズ。今回紹介するのはロサンジェルス出身の女性シンガーソングライター、Julia Holterの新作。イギリスMOJO1位、イギリスQ 2位、イギリスアンカット1位、MUSIC MAGAZINE誌ロック(アメリカ/カナダ)部門4位などを記録しています。「音響派」とカテゴライズされるようなミュージシャンだそうで、いままでの作品も評論家筋には評価が高かったようですが、少々マニアックな作品となっていたようです。

なんてことを書いていますがそんな私は今回の作品で彼女のアルバムを聴くのもはじめてなら名前を聞くことすらはじめて。前情報全くなしで今回のアルバムを聴いてみました。

そんな私がまずこのアルバムに持った感想は、非常にキュートでポップなアルバムということ。まず1曲目「Feel You」はチェンバロの音色にファルセットのコーラスが重なるのですが、そこにのっかかるボーカルとメロディーはとてもキュートでポップ。続く「Sihouette」も爽快さを感じるメロディーとかわいらしさを感じるボーカルが印象に残るナンバーでした。

その後もミディアムチューンでしっかりメロディーを聴かせる「Sea Calls Me Home」や軽快でリズミカルな「Everything Boots」などポップな楽曲が続きます。実際、このアルバムに関するレビューなどを読むと、いままでのアルバムに比べてポップな度合いがグッと増したそうで、いままでのイメージから少々異なったアルバムと言えるのかもしれません。逆にこのポップなイメージで過去のアルバムを聴いてみると、期待外れに感じてしまう方もいるのかもしれないですね。

ただ一方、彼女のことを「音響派」というカテゴリーで語られることを知っても意外という印象は受けませんでした。確かに今回のアルバムにしてもポップであることは間違いないのですがどこか単純なポップアルバムとは異なるサウンドがどの曲に感じても流れていました。

楽曲からはどれもどこかドリーミーな色合いを感じたのも印象的でした。例えば「Lucette Stranded on the Island」なども静かなボーカルが歌うポップなメロディーが流れている一方、ストリングスとピアノを軸に様々な音が織りなすサウンドが幻想的でかつ不思議な雰囲気を醸し出していましたし、ラストを飾るタイトルチューンの「Have You In My Wilderness」も静かなストリングスとピアノで静かながらもどこか緊張感を覚えるサウンドがユニーク。どの楽曲も単純にポップスと割り切れない複雑さを感じました。

ポップスさとマニアックさを見事両立した傑作で、聴けば聴くほどあらたな発見のある作品。そういう意味で高評価も納得の1枚でした。

評価:★★★★★

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2016年2月18日 (木)

結成20年目のチャート1位

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今年で結成20年目だそうです。

今週見事1位を獲得したのはBUMP OF CHIKENの2年ぶりとなるニューアルバム「Butterflies」でした。もう20年もたつのか・・・という印象もあるのですが、もっとも実際彼らの名前が知られるようになったのは1999年のアルバム「FLAME VEIN」リリース後の話ですので、さすがにそこからは20年はたっていないのですが・・・でも17年も前のアルバムになるのか、あれ。初動売上は19万7千枚。前作「RAY」の18万2千枚(1位)よりアップしています。

2位初登場はEXILEの事務所に所属している女性アイドルグループの集合体、E-girls「E.G.SMILE-E-girls BEST-」。タイトル通り、E-girlsの初となるベストアルバムです。初動売上17万4千枚で、直近のオリジナルアルバム「E.G.TIME」の6万4千枚(2位→ただし最高位は2週目の1位で、売上も7万5千枚にアップ)より上昇しています。

3位にはご存じ頭は狼、身体は人間というスタイルのロックバンドMAN WITH A MISSIONのニューアルバム「The World's On Fire」が入ってきました。初動売上は9万9千枚。直近作はベスト盤「5 Years 5 Wolves 5 Souls」の初動1万4千枚(4位→最高位は3位)より大幅アップ。また直近のオリジナルアルバム「Tales of Purefly」の6万1千枚(3位)からもアップしており、まだまだ人気の上昇局面が続いています。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にZARD「ZARD Forever Best~25th Anniversary~」がランクインです。90年代にビーイング系の代表的なミュージシャンとして数多くのヒットを飛ばし一世を風靡した坂井泉水のソロユニット。2007年に坂井の突然の逝去によりその活動に幕を下ろしましたが、今回、デビュー25年を記念してオールタイムベストがリリースされました。まあ正直彼女も節目節目に「ベスト盤」がリリースされており、いったい何枚目のベスト盤?状態なのですが・・・。初動売上は6万8千枚。直近作は2008年にリリースされたこれまたベストアルバム「ZARD Request Best ~beautiful memory~」で、こちらの初動12万6千枚(1位)からはさすがに大きくダウンしています。

5位にはジャニーズ系アイドル、関ジャニ∞の渋谷すばるのソロアルバム「歌」がランクイン。RCサクセションの「スローバラード」から宇多田ヒカルの「First Love」、サザンの「マンピーのG★SPOT」などをカバーしたカバーアルバム。初動売上は6万3千枚。さすがに関ジャニ∞の直近作「関ジャニ∞の元気が出るCD!!」の初動31万5千枚(1位)からは大きくダウンしています。

7位にはウエンツ瑛士と小池徹平のユニットWaT「卒業BEST」が入ってきました。最近は2人それぞれソロとしての活動が目立ち、WaTとしては事実上の活動休止状態でしたが昨年11月に再始動。しかしその直後に解散が発表され、本作が最後のベスト盤となりました。初動売上は1万8千枚。直近作は同じくベスト盤の「WaT Collection」で初動売上4万枚(4位)。さすがにベスト盤が続くと初動売上も大きく落ちてしまいました。

8位、9位には人気女性声優内田彩の2枚のアルバム「Sweet Tears」「Bitter Kiss」が同時ランクイン。前者が「エレクトロPOP」、後者が「シリアスROCK」をテーマとしたコンセプトアルバムだそうです。初動売上はどちらも7千枚で、前作「Blooming!」の1万枚(9位)よりダウンしています。

最後10位には、中南米バルバドス出身で、主にアメリカで活動している女性シンガーRihannaのニューアルバム「Anti」がランクイン。輸入盤が先にリリースされていた関係で、ベスト50圏外からのランクアップによるベスト10入り。売上は5千枚を記録。ベスト10入りは2010年にリリースした「Loud」以来3作ぶり。ただし、前作「Unapologetic」の初動1万7千枚(11位)よりダウンしています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2016年2月17日 (水)

アニメとアイドルがズラリ

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週はほとんどアニソンとアイドルソングという悪い意味で今時のシングルチャートらしいチャートとなっています。

まず今週1位はKAT-TUN「TRAGEDY」。日テレ系アニメ「金田一少年の事件簿R」オープニング・テーマ。5月1日をもって「充電期間」と名乗る活動休止状態となる彼ら。当初6人組からスタートし、次々とメンバーが脱退し今年の春にはついに3人組になってしまいますが、さすがにユニットを維持していくのは厳しい状況ということでしょうか。初動売上12万9千枚は前作「KISS KISS KISS」の15万3千枚(1位)よりもダウンしています。

2位はA応P「全力バタンキュー」。A応Pはアニメ好きの女の子たちを集めたアイドルグループだそうで、本作は話題の人気アニメ「おそ松さん」オープニング・テーマ。いかにもアニメソングらしいロリっぽい雰囲気を前に押し出したボーカルなのですがアニメ人気に押されて初のベスト10入り。初動売上2万5千枚は前作「はなまるぴっぴはよいこだけ」の初動8千枚(17位→最高位は15位)を大きく上回っています。

3位はロックバンドflumpool「夜は眠れるかい?」が入ってきましたがこちらもアニメ系。アニメ映画「亜人-衝動-」の主題歌となっています。ダークな曲調でロッキンなサウンドを前に押し出した今までの彼らとは一風変わった雰囲気のナンバー。初動売上1万4千枚は前作「夏よ止めないで~You're Romantic~」の1万9千枚(7位)よりダウン。初動ダウンは3月にリリース予定のアルバム「EGG」からの先行シングルである影響と思われます。

続いて4位以下の初登場です。4位は女性声優によるユニットTrySail「whiz」がランクイン。アイドル志向の強いユニットで本作も90年代J-POPそのままの爽快なアイドルポップ。初動売上1万2千枚は前作「コバルト」の9千枚(15位)からアップして初のベスト10ヒット。

5位は韓流の男性アイドルグループMR.MR「Just 1 Light」。これがメジャーデビューシングルだそうで、K-POPらしいトランシーなEDMナンバー。初動売上1万2千枚は前作「Big Man」の0.8千枚(75位)から大きくアップし、初のベスト10入り。

6位初登場は、男性アイドルグループD☆DATEのリーダー荒木宏文によるソロシングル「STELLAR」がランクイン。SOPHIAの松岡充プロデュースによる作品でこちらも90年代J-POP王道路線の前向き応援歌。初動売上1万2千枚は前作「Next Stage」の1万5千枚(8位)からダウンしています。

7位はもういっちょアニメ系。fripSide「white forces」。マイナーコード主体のトランシーなアレンジは典型的なアニソンスタイル。アニメ「シュヴァルツェスマーケン」オープニング・テーマ。初動売上9千枚は前作「Two souls -toward the truth-」(12位)と同水準。2014年5月リリースの「black bullet」以来3作ぶりのベスト10ヒットとなりました。

以下8位から10位までは初登場で女性アイドルグループが並んでいます。8位にイケてるハーツ「Let’s stand up!」。初動7千枚でこれがデビューシングル。つんく♂作詞作曲らしい変な嫌味のない王道アイドルソング。9位赤マルダッシュ☆ 「アナザーユー」。「マルちゃん赤いきつねと緑のたぬき」CMの中で武田鉄矢プロデュースでデビューしたアイドルグループで本作も同CMソング。初動売上7千枚は前作「ワンダフル☆スマイル」の2千枚(33位)からアップし初のベスト10入り。最後10位にワンダーウィード「get to chance」。初動売上7千枚でこちらも初のランクインとなっています。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日。

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2016年2月16日 (火)

日本のアニメからも影響?

Title:Art Angles
Musician:Grimes

前作「Visions」が大きな話題となり、各種メディアでその年(2012年)の年間ベストにも選ばれたカナダ出身の女性シンガーソングライターによる、約3年10ヶ月ぶりとなるニューアルバムです。

前作「Visions」も微妙に不気味なジャケットが印象的でしたが、今回の作品も妙に不気味な内容のジャケットに。もともと日本のアニメも好き、と語っている彼女なだけに、日本のアニメの影響を受けた、と見えることもできるのですが・・・でも、このデザインはどう考えてもふた昔以上前のデザインだよなぁ。

ただ、楽曲自体も少々J-POP的というか、非常にキュートなガールズポップが多いアルバムになっています。タイトルチューンとなっている「Artangles」もいかにも元気な女の子によるポップソング、といった感じの曲になっていますし、「California」もタイトル通りアメリカンポップ、具体的にはカントリーの影響を感じるポップチューンなのですが、そちらも軽快なメロディーが特徴的で日本人リスナーにも聴きやすい楽曲になっています。

前半、特にインパクトがあったのが「Flesh without Blood」で、エレクトロのリズミカルなサウンドにキュートでメロディアスなポップがインパクト満点のガールズポップ。こちらも普段、洋楽をあまり聴かないリスナー層にも受けそうなポップソングに。後半も「World Princess,Pt.II」など、リズミカルでキュートなポップチューンが並んでいたりします。

「Kill V.Maim」のようなパンキッシュな作品があったり、「Venus Fly」みたいにトライバルなビートが特徴的な曲もあったりするのですが、全体的にはキュートなポップが並んでおり、比較的広い層に支持されそうな聴きやすいアルバムだったと思います。その分、前作で感じたようなアバンギャルドな要素は薄まっていたように感じましたし、サウンドの自由度という意味でもエレクトロポップス主体の作風で残念ながら「宅録らしい自由な作風」というのは表に出ていませんでした。そういう意味では前作の方がよかったかな。ポップのアルバムとしては十二分に楽しめる作品だとは思うのですが。

評価:★★★★

Grimes 過去の作品
Visions

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2016年2月15日 (月)

ポップな作風だが・・・

Title:The Catastrophist
Musician:Tortoise

アメリカはシカゴのポストロックバンド、Tortoiseの約6年ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバム、制作のきっかけとなったのはシカゴ市から作成の依頼があったとか。音楽ファン的な評価は高いものの、決してヒットチャートの上位にあがってくるようなバンドではない彼らのようなミュージシャンに「市」から楽曲制作の依頼が来るというのは驚き。それと同時に、アメリカの音楽文化への幅広い許容も感じさせる出来事でした。

前作「Beacons Of Ancestorship」は音響派という彼らのイメージとは裏腹に、非常にポップで聴きやすいという印象を受けたのですが、今回のアルバムに関しても同じような印象をまずは抱きました。1曲目に配置された表題曲の「The Catastrophist」からしていきなりポップで軽快なエレクトロサウンドからスタート。続く「Ox Duke」も変拍子の複雑なリズムを聴かせつつ、シンプルなサウンドとはっきりしたメロディーラインでまずはポップという印象を受けさせられます。

さらに印象的だったのがこのアルバムの核になっているような「Yonder Blue」。Yo La Tengoのジョージア・ハブレイがボーカルとして参加している本作は、切ないメロディーラインが心に響く、とても暖かさを感じるポップナンバーとなっています。

ただ、そんなポップな印象がアルバム全体に貫かれている作品ながらも、決して「ポップ」である、だけでは終わっていないのが彼ららしいところ。例えば上にも書いた通り、「Ox Duke」はポップな雰囲気を醸し出しつつもリズムは複雑な構造となっていますし、「The Clearing Fills」などは最初、アコースティックな雰囲気で暖かみのある作風からスタートしながらも最後は不気味なノイズで終わるという構成に。「Hot Coffee」などもノイジーながらもシンプルなギターサウンドのインストかと思いきや、その後ろに流れるリズムが複雑に展開しており、こちらも聴いていると、その独特なリズムにはまってしまいそうな内容でした。

パッと聴いた感じだとポップなものの、楽曲にはいろいろなアイディアと複雑な構成が組み合わさっており、聴いているうちに「おやっ」と普通のポップスではないことに気付く・・・これってちょうどこのアルバムのジャケ写と似たようなものを感じます。このアルバムのジャケ写、パッと見た感じだと普通の「顔」なのですが、見た感じ違和感があり、よくよく見ると、おかしな部分がたくさん・・・今回のアルバム、例えればそんなジャケ写のようなアルバムでした。

もちろん、6年間、待ったアルバムなだけあって文句なしの傑作アルバム。ベテランとしてのいい意味での安定感も感じられるアルバムでした。

評価:★★★★★

TORTOISE 過去の作品
IT'S ALL AROUND YOU
Beacons Of Ancestorship
Why Waste Time?

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2016年2月14日 (日)

あえて2枚組

Title:noon/moon
Musician:東京カランコロン

東京カランコロンのアルバムは豪華2枚組!まさに勢いにのった今の彼らを象徴するようなボリューミーなアルバムになっています・・・・・・と言いたいところなのですが、今回のアルバム、2枚組といっても2枚あわせて60分弱という内容。もし1枚にまとめても全く問題ない程度の内容になっています。

じゃあ今回のアルバム、なぜあえて2枚組かというと、東京カランコロンの2つの側面にそれぞれフォーカスした構成になっているから。具体的に言うと、Disc1「noon」の方は「歌盤」。彼らの「歌」という側面に重点を置いた作品が並んでいます。一方、Disc2「moon」の方は「遊び盤」。彼らの遊び心がつまった作品が並んでいます。

これまでのアルバムは1枚のCDの中でその2つのタイプの楽曲が並んで収録されていました。しかし本作に関してはその2つのタイプをあえて2枚のCDにわけることによって、東京カランコロンというバンドがどういう要素から構成されているのかが、リスナーにより伝わりやすくなったアルバムになっています。

特にどちらのCDでも最後に同じ曲「ハロー」を収録し、そのアレンジをそれぞれ変えることにより、「noon」と「moon」の違いを際立たせています。アコギとピアノでメロディーラインをしっかり聴かせる「noon」版の「ハロー(終わり)」に対してノイジーなギターにピコピコシンセをからませてユーモラスな「moon」版の「ハロー(始まり)」。東京カランコロンの音楽性の幅広さを感じさせます。

そして今回の試み、より効果的だったのは「noon」だったように感じます。いつものアルバムでは「moon」におさめられているようなユーモラスな作品の影になってしまうような曲をまとめて並べることにより東京カランコロンの書くメロディーの良さをより強く感じることが出来ました。

それだけにこの2枚組という試みは非常におもしろかったと思うのですが・・・ただ、アルバム全体としてみた場合は正直言ってしまうと1枚にまとめた方がおもしろかったかな、と思います。彼らの楽曲はちょっと破天荒な楽曲の中にメロディアスな正統派ポップナンバーが混じっているのが変化に富んでおもしろかったのですが、おなじ方向性の楽曲を並べると、若干そういうおもしろみが減ってしまったように感じます。

とはいえ今回の収録曲もユーモラスを感じさせインパクト十分なワクワク楽しいポップソングばかり。いちろーとせんせいの男女ツインボーカルを上手くいかした「シンクロする」やはちゃめちゃでパンキッシュな「三毒」にエレクトロポップチューンの「ロボコミュ(SZKロボットMIX)」、歌詞自体がミステリ-仕立てなのがユニークな「じゃがいも殺人事件」は在日ファンクをゲストに迎えたカッコいいジャズファンクのナンバー。彼ららしい楽しいポップソングが並んでいます。

まあ1枚にまとめた方が・・・とは思うわけですが、今回のアルバムに関してはあえて別々にした、という意図もあるわけです。またそれはそれである程度は成功したように感じます。そんな訳で東京カランコロンの2つの魅力がよりよくわかるアルバムだったと思います。前作「UTUTU」も素晴らしい傑作でしたが、まだまだ彼らの勢いは続いていることも感じられる傑作でした。

評価:★★★★★

東京カランコロン 過去の作品
We are 東京カランコロン
5人のエンターテイナー
UTUTU
カランコロンのレンタルベスト

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2016年2月13日 (土)

真・電気グルーヴ入門

Title:DENKI GROOVE THE MOVIE?-THE MUSIC SELECTION-
Musician:電気グルーヴ

昨年末から今年にかけて公開され大きな話題となった電気グルーヴの活動遍歴を追ったドキュメンタリー「DENKI GROOVE THE MOVIE?」。本作は、その映画のサントラ的立場になる企画盤的なアルバム。映画でも取り上げられた彼らの代表曲が収録されているのですが、単に過去の曲がそのままの音源で収録されている訳ではなく、一部についてはライブ音源となっており、過去の音源をすべて持っているような熱心なファンにとってもうれしい作品となっています。

ただ、この収録曲の選曲がなかなかおもしろく、「ベスト盤」というよりはむしろ電気グルーヴの活動遍歴の中で、要所要所のポイントとなりそうな曲が収録されています。例えば、過去のベスト盤ではあまり収録されていなかった最初期の、コミカルな毒舌ラップ時代の曲「電気ビリビリ」が収録されていますし、彼らにとって「失敗作」とされ、活動の中で大きな挫折を味わうことになるアルバム「ORANGE」から「ママケーキ」が収録されていますが、こちらは歌詞が、まさに「ORANGE」の頃の彼らの心境を映し出した内容だから、ということなのでしょう。

アルバム「VITAMIN」からの選曲が、ライブではおなじみの代表曲「富士山」ではなく「新幹線」なのもコミカルな路線よりもテクノミュージシャンとしての彼らの実力が発揮されたインスト曲の方が、よりこの時期の電気グルーヴの方向性を明確に示しているからでしょうし、2001年に活動を休止した後、活動再開直後の選曲も「モノノケダンス」ではなく「少年ヤング」なのも、ナゴムレコード人脈の映画主題歌への曲提供という意味で、彼らなりに吹っ切れたと解釈できる曲だから、ということなのかもしれません。

一方ではベスト盤なら収録していそうな「富士山」や「誰だ!」、「Nothing Gonna Change」あたりは未収録になっています。この選曲については、映画を観ればよりその意味もわかるでしょう。また、電気グルーヴの活動にとってポイントとなる曲という意味では、彼らの代表曲を網羅していない、という意味では「ベスト盤」とは言えないかもしれません。しかし、彼らの活動を知る上でポイントとなる曲を網羅しているという意味では、「ベスト盤」以上に電気グルーヴというのはどんなミュージシャンであるのか、ということがわかる内容になっているように感じました。

そういう意味では電気グルーヴの入門盤として最適な1枚であると言えるかもしれません。下手に既存のベスト盤を聴くよりも、まずはこちらのアルバムを1枚チェックした方が効率的かも・・・。その上で(近日中にDVDで発売されるようなので)「DENKI GROOVE THE MOVIE?」を見れば、下手なファンによりもよっぽど電気グルーヴのことを知っていると胸をはって言えるようになる・・・かも?昔からのファンにとってもライブ音源が収録されていますし、最後には「N.O.」の新録「N.O.2016」も収録されていますし、聴いて損のない内容だと思います。意外と熱心なファンでも気が付かなかった電気グルーヴの一面を感じることもできるかもしれないですね。

評価:★★★★★

電気グルーヴ 過去の作品
J-POP
YELLOW
20
ゴールデンヒッツ~Due To Contract
人間と動物
25

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2016年2月12日 (金)

10年目のギターインストバンド

2015年、メジャーデビュー10周年を迎えたギターインストバンドがオールタイムベストアルバムを2枚同時にリリースしました。

Title:DEPAPEPE ALL TIME BEST~COBALT GREEN~
Musician:DEPAPEPE

Title:DEPAPEPE ALL TIME BEST~INDIGO BLUE~
Musician:DEPAPEPE

2005年にリリースしたメジャーデビューアルバム「Let's Go!!!」がベスト10入りを記録。ヒットが出にくいギターインストのアルバムがベスト10入りを記録した、ということで大きな話題となりました。もちろん私もリアルタイムでこの話題は覚えています。ただ、あれからまだ10年なんだ、という印象を持ってしまいました。DEPAPEPEはデビュー当初、このベスト10ヒットも含めて大きな話題となったものの、残念ながら以降はいまひとつ尻すぼみ。それだけに10年前がかなり昔、という印象を受けてしまいます。

ただ楽曲の方は、ベスト盤でこの10年の楽曲を並べても、ヒットを記録したデビュー当初の彼らが持っていた魅力が今でもきちんと持続しているということを実感できます。彼らの大きな魅力は、まるで歌うように奏でられたアコースティックギターの音色。この手のギターインストバンドにありがちなテクニックをみせつけるような演奏はDEPAPEPEの曲にはさほどありません。非常にわかりやすいポップなメロディーラインをギターで奏でています。このギターの音色がとてもさわやかなのですが、まるで歌っているように奏でているのがとても魅力的。だからこそ、ヒットが出にくいといわれたインストでのアルバムで、デビューアルバムがベスト10入りという快挙を達成したのでしょう。

その反面、アコギ2本でポップソングという制約があったからでしょうか、ベスト盤を聴いても楽曲のバリエーションとしては少々狭くならざるを得なかったかな、という印象も受けました。それがデビュー作ベスト10入りという人気がいまひとつ持続できなかった要因かもしれません。楽曲によってはラテンやカントリー、あるいはシティポップ風の曲などもあったのですが、結局は良くも悪くも似たような雰囲気の曲調になっていました。

また、近年はやけに企画モノが多く、例えばクラシックのカバーアルバムを2枚もリリースさせられています。クラシックのギターインストのカバーという、企画のあまりの安直さにかなりくなってきますが、カバーしているのも「パッヘルベルのカノン」というベタベタな選曲。もちろんこれはこれでそれなりに卒なくカバーしているのですが・・・。

とはいえベストアルバムとしてはさすがオールタイムベスト、それもリクエストの結果に従った選曲ということでDEPAPEPEの魅力をはっきりと感じることができる名曲が揃っていました。ポップなギターインストということで癖のない内容なだけに幅広い方にお勧めできるアルバムだと思います。まだDEPAPEPEを聴いたことない方もこれを機に、是非。

評価:どちらも★★★★★

DEPAPEPE 過去の作品
デパクラ~DEPAPEPE PLAYS THE CLASSIC
HOP!SKIP!JUMP!
デパナツ~drive!drive!!drive!!!~
デパフユ~晴れ時どき雪~
Do!
デパクラII~DEPAPEPE PLAYS THE CLASSICS
ONE
Acoustic&Dining
Kiss


ほかに聴いたアルバム

ヨジー・カズボーン~裏切リノ街~/吉井和哉

2014年にカバーアルバム「ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~」をリリースした吉井和哉。その第2弾となるカバーアルバムがリリースされました。前作は彼の原点ともいえる歌謡曲をグルーヴィーにカバーしていましたが、第2弾となる本作は、歌謡曲に加えていわゆるジャパメタが多く収録されています。ただ、グルーヴ感あふれる演奏が素晴らしかった前作と比べて、本作は平凡なギターロックのカバー。ある意味、中高生のカバーバンドの演奏みたいな、曲を演奏することを素直に楽しんでいるいい意味での無邪気さは感じられたのですが、それ以上のおもしろさはいまひとつ欠けていたかも。

評価:★★★★

吉井和哉 過去の作品
Hummingbird in Forest of Space
Dragon head Miracle
VOLT
The Apples
After The Apples
18
AT THE SWEET BASIL
ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~
STARLIGHT
SUPERNOVACATION

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2016年2月11日 (木)

約23年ぶりのベスト10ヒット!!

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

正直かなりビックリし、かつ狂喜してしまいました。

今週10位にKANのニューアルバム「6×9=53」がランクイン!!!

KANといえば1990年に「愛は勝つ」が大ヒットし一躍ブレイク。ただ残念ながらこの曲を超えるヒットを出せず、シングルもアルバムもベスト10ヒットが何枚かあるにも関わらず、この曲のインパクトが強すぎたために「一発屋」の代表格的に語られることが多いミュージシャンでした。

ただ、楽曲の魅力ゆえにその後も一定の根強い人気を確保。またミスチル桜井やaikoのように彼のファンを公言するミュージシャンも数多くあらわれました。個人的にも昔からの大ファンで、アルバムは必ずチェックし、ライブにも何度も足を運んでいます。そんな根強い人気が実を結び、なんと1993年にリリースされた「TOKYOMAN」以来、約23年ぶりとなるアルバムでのベスト10入りとなりました。

もっとも初動売上は5千枚で、最高位24位だった前作「カンチガイもハナハダしい私の人生」の初動6千枚からダウンしており、残念ながら人気が復活したというよりも低水準のチャートに助けられた形でのベスト10入りでした。とはいえこのCDが売れない今の時代に彼を根強く支え続ける多くのファンがいたからこその今回の結果とも言えるのでしょう。もうここでも何度も言っていますがKANは日本を代表するシンガーソングライターの一人だと思っています。これを機にニューアルバムも是非ともチェックしていてください!

個人的にもう1枚うれしいベスト10入りが7位にGRAPEVINE「BABEL,BABEL」。こちらも長年のファンなのですが彼らの人気も根強いものがあります。1999年にアルバム「Lifetime」でヒットを記録して以来、シングル単位では大きなヒットはないものの、アルバムではコンスタントにヒットを続けています。本作は前々作「愚かな者の語ること」以来2作ぶりのベスト10ヒット。初動売上6千枚は前作「Burning tree」の7千枚(14位)から若干のダウンとなりましたが、根強い人気を感じさせるヒットとなりました。

さてそんな今週のアルバムチャートでしたが、もうひとつ大きな特徴がベスト3に韓流が並んだ点でした。

まず1位は男性アイドルグループBIGBANGのニューアルバム「MADE SERIES」がランクイン。初動売上12万8千枚は直近作のベストアルバム「THE BEST OF BIGBANG 2006-2014」の12万枚(1位)より若干のアップ。また直近のオリジナルアルバム「ALIVE」の初動5万2千枚(3位)を大きく上回る結果となりました。

2位も男性アイドルグループ超新星のメンバーによるソロアルバム、ソンモ from 超新星「The future with U」が入ってきました。初動売上3万6千枚は前作「Tiramisu love」の2万5千枚(3位)よりアップ。

3位にはもう1組男性アイドルグループGOT7の日本でのデビューアルバム「モリ↑ガッテヨ」が初登場でこの位置。初動売上2万3千枚。直近のシングル「LAUGH LAUGH LAUGH」は初動3万5千枚(2位)でしたのでまあ妥当な売上でしょうか。

続いては4位以下の初登場ですが、日本人最高位は4位初登場。上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト「SPARK」。トリオプロジェクト名義の第4弾となる本作。デビューから13年目を迎える彼女。グラミー賞授賞経験もある実力派ジャズピアニストですがこれが初のベスト5ヒット。初動売上1万2千枚は前作「ALIVE」(11位)から横バイで、前々作「MOVE」以来のベスト10ヒットとなっています。

5位初登場は長渕剛のライブアルバム「富士山麓 ALL NIGHT LIVE 2015」。良くも悪くも話題となった昨年8月のふもとっぱらキャンプ場でのオールナイトライブの模様を収録したライブ盤。CD5枚+DVDというフルボリュームの内容になっています。初動売上は1万1千枚。直近作はベスト盤「Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014 傷つき打ちのめされても、長渕剛。 」でこちらの初動6万8千枚(4位)よりは大きくダウン。またライブ盤としては2004年にリリースされた桜島で行ったオールナイトライブの模様を収録した「長渕剛 ALL NIGHT LIVE IN 桜島 04.8.21」以来で、こちらの初動3万3千枚(10位)よりもダウンしています。

6位には遊助ことタレント上地雄輔の「遊情BEST」がランクイン。コラボレーション楽曲を集めた企画盤的なベストアルバム。初動売上1万枚は前作「あの・・旅の途中なんですケド。」の2万3千枚(4位)からダウン。

初登場最後は8位初登場、女性シンガーソングライター片平里菜「最高の仕打ち」。これがアルバム2作目にしてシングルアルバム通じて初のベスト10ヒット。ただし初動売上6千枚は前作「amazing sky」の8千枚(12位)よりダウンしています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2016年2月10日 (水)

2作連続1位だけども・・・

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

これで2作連続の1位獲得となりました。

1位は名古屋のローカル男性アイドルグループBOYS AND MEN「Wanna be!」が獲得。ドラマ「白鳥麗子でございます!」オープニングテーマ。初動売上6万2千枚は前作「BOYMEN NINJA」の10万2千枚(1位)より大幅にダウンしたものの2作連続の1位獲得となりました。ただ、前作は1位獲得の翌週は194位と驚異的な下落を記録するという失笑モノの「ヒット」となっており、本作の来週の動向が気になるところです。

2位初登場は氷川きよし「みれん心」。特に特徴もないベタベタなド演歌。初動売上は4万4千枚で前作「愛しのテキーロ」の4万9千枚(2位)よりダウン。

3位にはNEXT YOU「Next is you!」がランクイン。フジテレビ系ドラマ「武道館」に登場する架空のアイドルグループで、ハロプロ系アイドルグループJuice=Juiceの変名グループ。EDM調ながら王道のアイドル歌謡曲に仕上がっているあたりはつんく♂らしい感じ。初動売上4万1千枚は前作「Wonderful World」の3万4千枚(1位)からアップ。

続いて4位以下の初登場です。

4位にはナオト・インティライミ「未来へ」が入ってきています。日本赤十字社 平成28年はたちの献血キャンペーンソング。タイトルらしいメッセージ性強いいかにもなJ-POPナンバー。初動売上1万3千枚は前作「いつかきっと」の1万1千枚(7位)よりアップ。

5位はE-Girlsとしても活動している女性アイドルグループHapiness「Sexy Young Beautiful」。KOSEファシオCMソング。トライバルなテンポの軽快なEDMナンバー。初動売上1万3千枚は前作「Holiday」の5万枚(2位)から大幅ダウン。

女性アイドルグループはもう1組。9位に10color's「JK★大革命の日々」が入ってきています。山口や福岡を拠点に活動するローカルアイドルグループ。「JK」ってネットスラング的な略語をつかっているあたりに(てかこの略語、大キライなんですが)奇をてらった感じがしますが、楽曲もそんないかにも狙ったような雰囲気があります。初動売上9千枚は前作「フランソワ~届かない片思い~」の7千枚(15位)からアップし、初のベスト10ヒット。

女性アイドルグループでは6位にHKT48 feat.氣志團「しぇからしか!」が先週のベスト50圏外からランクアップしてベスト10返り咲き。例のごとく握手券付きのCDが追加発売された影響のようです。

今週は声優勢も2人。7位に男性声優蒼井翔太「絶世スターゲイト」、10位に女性声優早見沙織「Installation」がそれぞれランクイン。「絶世スターゲイト」はTBSテレビ系アニメ「ファンタシースターオンライン2 ジ アニメーション」主題歌。前作同様、トランス系アレンジ+マイナーコードという典型的なアニソンナンバー。初動売上1万1千枚は前作「MURASAKI」の1万3千枚(6位)から若干の減少。「Installation」はアニメ「赤髪の白雪姫」オープニング・テーマ。初のベスト10ヒットとなりましたが、初動売上8千枚は前作「やさしい希望」の1万1千枚(11位)からダウンしています。

今週はあと1枚。8位にヴィジュアル系バンドBlu-BiLLioN「S.O.S.」がランクイン。軽快なエレクトロアレンジのダンスポップで、ヴィジュアル系というよりはアイドル色が強い感じで良くも悪くも「癖」は薄い感じ。初動売上1万枚は前作「Refrain」の8千枚(19位)からアップし、初のベスト10ヒットとなりました

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2016年2月 9日 (火)

ヒット曲満載の30周年ベスト盤

Title:Premium Ivory-The Best Songs Of All Time-
Musician:今井美樹

デビュー30周年を記念してリリースされた今井美樹のオールタイムベスト。今井美樹の曲については、ヒット曲を中心にシングル単位では聴いたことがあるのですが、ベスト盤とはいえ、アルバムでまとめて聴くのはこれがはじめてです。

で、正直、そのシングル曲の段階から薄々感じていたのですが、楽曲がほとんど心に響いてきません(苦笑)。いや、曲としては決して悪くはないと思うんですよ。彼女の透き通るようなクリアボイスに、楽曲はシティポップ的な爽やかなポップソング。まさに「良質なポップ」といって間違いないでしょう。

ただ、彼女の楽曲は女性OL向きの楽曲なのですが、あまりに通り一遍な感じがして、その方向からはずれたような、私のような男性アラフォーにとっては共感が出来ません。一言で言ってしまえば女性ファッション誌のような楽曲。いかにも女性受けだけを狙いすました楽曲のように感じてしまいます。

楽曲自体も良くも悪くも優等生的。彼女のボーカルは確かにきれいな声をしているものの、癖が薄いため、彼女の声を嫌いと感じる人はあまりいないだろうな、と感じる反面、ひっかかりもあまりありません。楽曲にしても、もちろん良く出来たポップソングなのですが、挑戦的な曲はなく、無難にまとめています。ここらへん、基本的に他人から楽曲提供を受けているシンガーの限界なのでしょうか。

もっとも一方ではここらへんの無難で優等生的なスタイルがプラスに作用している部分もあって、今回、30周年のベスト盤なのですが、彼女の楽曲からはいわゆるエバーグリーンな要素を感じます。

要するに、下手に時代を追及した挑戦的な曲を歌わず、彼女の声とメロディーを愚直に生かした曲を歌った結果、昔の曲に関して今聴いてもさほど違和感がありません。ここらへんは彼女の強みのように感じました。

楽曲としては決して悪くはないですし、ドライブのBGM的には最適な感じもするのですが・・・ヒット曲も満載のこのベスト盤ですが、聴いた後はどうにも物足りなさを感じてしまう内容でした。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

lush/bird

プロデューサーに冨田恵一を起用した2年ぶりのニューアルバム。メロウさも感じるエレクトロトラックは文句なしにカッコよく感じます。それに乗っかるbirdのソウル風な楽曲も十分聴かせてくれるのですが・・・ちょっとメロディーラインはパンチが弱く薄味だったかも。ちょっと惜しさを感じるアルバムでした。

評価:★★★★

bird 過去の作品
BIRDSONG EP
MY LOVE
NEW BASIC
9

世界は愛を求めてる。-野宮真貴、渋谷系を歌う。-/野宮真貴

ご存じ元ピチカート・ファイブのボーカル、野宮真貴の新作。前作「実況録音盤!「野宮真貴、渋谷系を歌う。~Miss Maki Nomiya Sings Shibuya-kei Standards~」」は「渋谷系」の曲を歌ったライブ盤でしたが、今回はスタジオ録音による「渋谷系」のカバー。もっとも、典型的な渋谷系の曲だけではなく、楽曲として「渋谷系」を感じさせる曲もカバーしています。

基本的には、その前作と同様の方向性によるカバー。ラウンジ風のいかにも「渋谷系」といった感じのカバーを、いわば「渋谷系」の中心にいた彼女のボーカルで上手く調理しています。楽曲の選曲もカバーも文句なしの内容。ただ、同じ渋谷系をテーマとしたアルバムを2作続けて聴いたのですが、今後もこの方向性は続くのでしょうか。前作ではあまり感じなかったのですが、2作続くと、彼女のイメージそのまますぎて、ちょっとおもしろみに欠けるように感じてしまったのですが。

評価:★★★★

野宮真貴 過去の作品
実況録音盤!「野宮真貴、渋谷系を歌う。~Miss Maki Nomiya Sings Shibuya-kei Standards~」

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2016年2月 8日 (月)

話題のジャパニーズブルースシンガー

Title:うどん屋で泣いた
Musician:W.C.カラス

今回紹介するW.C.カラスは一部で大きな話題になった日本のブルースミュージシャン。経歴がなかなかユニークで、デビューしたのが49歳。さらに現在も富山で木こりを生業として生活しているそうです。本作はそんな彼の2枚目となるアルバム。私は本作ではじめて彼の曲を聴いたのですが、まずタイトルがインパクト。「うどん屋で泣いた」。なんかこのタイトルだけで物語りが浮かんできそうなのですが、さらにとてもイケてるとは思えないこのジャケ写。もう、これだけでブルースを感じてしまいます。

そんなアルバムの1曲目を飾るのがタイトル曲。とにかく渋~いブルースが流れ出すだろう、という期待の元に聴き始めたのですが・・・ちょっとビックリしたのがこの1曲目。いきなり流れ始めたのは軽快なホーン。楽曲自体も軽快なソウル風のポップチューン。あまりブルースっぽくない楽曲にちょっとビックリ。続く2曲「Just Like a Boy」もワルツのリズムで奏でる、むしろフォークの色合いの濃い曲調で、当初のイメージから大きく異なる曲からはじまる意外な展開に驚かされました。

ただ、ここからグイグイとブルースな曲が展開されていきます。続く「有頂天BLUES」は、エレキギターでへヴィーなリフを聴かせるブルースナンバー。出だしの歌詞でいきなり「女房は逃げて~」と歌い始めるあたり、まさにブルース、といったイメージピッタリの曲になっています。

中盤にはBlind Lemon Jeffersonの「See That My Grave is Kept Clean」をカバー。前半は英語詞でカバーし、後半は日本語の訳詞。この彼独自の訳詞もまた、ブルース感たっぷりに聴かせますし、タイトル通り、心配ごとを羅列する「心配だ」も、まさに憂鬱な気持ちを歌っている点が実にブルースらしいナンバーといった感じです。

また、主夫希望の男性を歌った「飯炊き男のBLUES」やタイトル通りの「労働は苦しい」は、仕事の辛さを歌ったナンバー。ここらへんのナンバーもブルースらしいテーマ性ですし、また、サラリーマンにとっても共感できる部分が大きいのではないでしょうか。

そんなまさにブルースな歌詞にユーモアさをちょっと加えて歌い上げる曲が実に魅力的。また、サウンドの方は基本的にはアコースティックギターに時としてピアノが加わるシンプルなスタイル。カントリーブルースの王道を行くようなアレンジになっており、ここらへんもブルース好きにはたまらない音を聴かせてくれます。

ただ一方ではブルース一辺倒ではなく、前述の通り、フォーキーな雰囲気の曲があったり、突然ワルツのリズムを聴かせはじめたりと意外と幅広い音楽性を感じさせたりする部分もおもしろいところ。「労働は苦しい」ではおもいっきりこぶしをきかせたボーカルスタイルはブルースというよりも日本の民謡を感じさせます。ここらへん、単に昔ながらもブルースを継承するだけではなく、そこに一工夫加えている彼ならではのスタイルを感じさせました。

基本線は王道スタイルのブルース。ただ日本語詞の歌詞を聴かせるだけにその魅力はより味わいやすく、また、ブルースに留まらないスタイルの曲もあるだけに、「渋い」イメージとは裏腹に、比較的広い層にもアピールできる部分も感じます。ブルース好きはもちろん要チェックでしょうが、普段、ブルースを聴かないような方でも聴いて損のない1枚です。

評価:★★★★★

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2016年2月 7日 (日)

さらなる成長を感じる傑作

Title:グッバイ東京
Musician:井乃頭蓄音団

私がもっとも注目しているバンドの一組として、ここでも何度か紹介している井乃頭蓄音団。昨年はなんとフジロックへの出演を果たすなど、一部では徐々に注目を集めているみたいなのですが・・・もっともっと注目されてもいいバンドだと思うんだけどな。そんな彼らの約1年半ぶりのニューアルバムです。

さて、井乃頭蓄音団といえばダメな人間を描く変態性のある歌詞が特徴的なバンド、でした。しかし、前作「おかえりロンサムジョージ」ではその変態性は薄れ、さらに今回のアルバムでは全編至って真面目な歌詞となっています。

今回のアルバムは「グッバイ東京」というタイトルの通り、東京、具体的には上京をテーマとしたようなアルバム。もちろん彼らの書く歌詞のこと、単純にハッピーな話ではなく、そこに描かれているのは、上京してきたもののうまくいかない現実の中で生きていく人たちの姿でした。

「かなわない夢ひとつ 心に秘めて」と歌う「夢ひとつ」「東横線が春をのせてやってきたら」という情景がおもいうかぶような出だしも美しいフォークソング。続く「さよならだけでも構わない」でも、すぐに帰りつもりがそのままふるさとに戻れなくなってしまったという話からはじまりますし、さらに「言ってはいけない言葉」で歌われているのはふるさとの母親からの電話に心がゆらぐ自分。これもまた、上京を経験したことある人にとっては、非常に心に響く歌詞ではないでしょうか。

そんな上京の現実をテーマとしているだけに、今回は「ダメな人間」というテーマ性も薄くなっています。ただ、この点についても、基本的にここに登場する人たちは、社会の中で決してうまくいっていない人たち。「ダメな人間」というのを前面には押し出してはいませんが、ここに登場する人たちは誰もが容易に共感できる人たちばかりでしょう。

ただ今回の作品、「変態性」という部分がほとんどなくなってしまった点、初期からのファンにとっては賛否がわかれるかもしれません。またユーモラスという意味合いでもいままでの作品より薄くなりました(「透明人間フェスティバル」「タスマニアエンジェル」のようなユニークな作品はきちんと収録はされていますが・・・)。

しかし個人的には、今回のアルバム、そのテーマ性にしろ心象描写や情景描写にしろ、非常に力をつけてきていると感じます。「変態性」がなくなったからといって井乃頭蓄音団の魅力が減った、とは感じません。むしろ、バンドとしての実力が増してきたからこそ、「変態性」という飛び道具をあえて手放したのではないでしょうか。

バンドとしての力という意味ではサウンドの面にも感じます。基本的にシンプルなフォークロックがメインという点ではいままでと同様。ただブルースの要素やらスカの要素やらハードロックの要素やら、なにげに深い音楽的素養を感じます。これはいままでの作品からも感じていたのですが、今回のアルバムではさらに安定感が増したようにも感じました。

バンドとしての成長を強く感じる傑作。それだけにもっともっと注目度が増してもいいバンドだとは思うんですけどね。文句なしにお勧めのバンドです。

評価:★★★★★

井乃頭蓄音団 過去の作品
親が泣くLIVE at 下北沢GARDEN 29 Feb.2012
おかえりロンサムジョージ


ほかに聴いたアルバム

グッドモーニングアメリカ/グッドモーニングアメリカ

メジャー3枚目となるグドモの新作。典型的なポップスロックバンドという印象もあり、さほど期待していなかったのですが・・・思ったよりいいじゃん。全編、アップテンポで軽快なポップスロック。セルフタイトルにするだけあって脂がのっているんでしょうね。全体的に勢いを感じさせます。ポップなメロディーにはインパクトもあって、歌詞もユーモラスがあって楽しく聴かせます。ただ、正直、すべて同じようなアップテンポのナンバーで、バリエーションが乏しいのがマイナスポイント。もうちょっと曲のパターンがほしいなぁ。

評価:★★★★

グッドモーニングアメリカ 過去の作品
inトーキョーシティ

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2016年2月 6日 (土)

個性あふれるカバー

Title:Cover Songs
Musician:小島麻由美

昨年、デビュー20周年を迎えた小島麻由美。そのデビュー20年を記念してリリースされたのが本作。かなりそのまんまなタイトルですが、彼女が歌ったカバー曲を集めた企画盤です。いままでもアルバムなどで数多くのカバーを歌ってきた彼女。そんな曲をまとめた上で、今回、新曲も収録。小島麻由美のボーカリストとしての側面を強調したアルバム、ともいえるかもしれません。

彼女がカバーした曲はなかなかユニークかつ多岐に及びます。越路吹雪の「ろくでなし」や由紀さおりの「夜明けのスキャット」あたりはもうおなじみのカバー。昭和レトロな雰囲気が彼女のイメージもマッチした、ある意味「よくわかる」カバーと言えるかもしれません。それだけに小島麻由美らしさを存分に発揮したカバーになっています。

ほかにもスピッツの「夏の魔物」のようなJ-POPに、松田聖子の「SWEET MEMORIES」のようなアイドルソング、スキータ・デイヴィスの「この世の果てまで」やリンジー・ディ・ポールの「恋のウーアイドゥ」のような洋楽勢、さらには「ニーナ」「愛の喜び」といったイタリアのスタンダードナンバーまでバリエーションに富んでいます。

アレンジもジャズの要素を入れつつ、ムーディーな雰囲気に仕上げたレトロ調のアレンジが多いのですが、「恋のウーアイドゥ」ではナイアガラサウンド風に仕上げていたり、大滝詠一の「朝寝坊」ではラグタイム風に軽快にまとめていたり、こちらも曲によってなにげにそのスタイルを少しずつ変えており、これがまたとても楽しいカバーに仕上がっていました。

ただそんな様々なジャンルの曲を取り上げつつ、様々なスタイルでカバーにながらも、どの曲にも共通しているのは・・・言うまでもなく小島麻由美のボーカル。これがまた、独特の味になっており、おもしろさを感じます。彼女の歌い方は、いかにも感情を込めた、といった感じではなく、シンプルな歌い方。ともすれば「淡々」と言ってしまえる歌い方かもしれません。

しかし、聴き方によっては子供っぽさを感じる部分があり、でも別の聴き方では、セクシーさすら感じさせるボーカルは、まさに彼女にしか出せない個性。また、感情を必要以上に込めていないにも関わらず、きちんと表情を感じさせるボーカルになっている点もまたおもしろいところ。シンガーソングライターとしての才能を取り上げられることが多い彼女ですが、ボーカリストとしても唯一無二な個性と実力の持ち主ということが、このカバーアルバムでは実感できます。

そんなカバーアルバムの中でおもしろかったのが、かなり意外な選曲だった尾崎豊の「I LOVE YOU」「シェリー」。特に「シェリー」ではオルゴール風のアレンジにリコーダーがのるという極めてシンプルなアレンジで、原曲との違いにビックリします。ただ、尾崎豊がこれでもかというほど感情をこめて歌った原曲と対極のようなシンプルなアレンジと歌い方ゆえに、メロディーと歌詞の魅力がよりはっきりとわかるカバーになっていました。

最後を締めくくるのも、日本におけるカバーの典型。もう何組がこの曲をカバーしたんだ?と思うような「君の瞳に恋してる」。こちらに関しては小島麻由美のカバーであらたな発見、といった感じはなかったのですが、ホーンや手拍子も加わった祝祭色あふれるカバーに仕上がっており、最後はハッピーな気分でアルバムで終えることができます。

小島麻由美だからこそできる、彼女ならではのカバーがつまっているアルバム。また、彼女の個性がしっかり出ていたからこそ、彼女のオリジナルアルバムのような感覚で楽しむことのできたアルバムでした。あらためて彼女の実力を認識することができるアルバムです。

評価:★★★★★

小島麻由美 過去の作品
a musical biography KOJIMA MAYUMI 2001-2007
ブルーロンド
渚にて
路上
With Boom Pam
セシルの季節 La saison de Cecile 1995-1999


ほかに聴いたアルバム

BACK BAD BEAT(S)/JUN SKY WALKER(S)

活動再開後、3枚目、2年9カ月ぶりとなるニューアルバム。スタイルとしては、依然かわらないポップなパンクロック。さすがキャリアを重ねただけあって演奏には安定感もありますし、楽曲もきちんとまとまっている感じ。ただ、それは彼らのスタイルにとって必ずしもプラスじゃないんだよなぁ・・・。

評価:★★★

JUN SKY WALKER(S) 過去の作品
B(S)T
LOST&FOUND
FLAGSHIP

Your Christmas Day III/佐藤竹善

佐藤竹善がおくるクリスマスアルバム第3弾。基本的に洋楽のカバーで構成されたアルバム。1曲目「After The Rain」はロック風、続く「Please Come Home For Christmas」はソウルバラード風と続くも、アルバム全体としてはジャジーなアレンジで彼の透き通ったボーカルをしんみり聴かせる楽曲がそろっています。最後は1曲のみ彼のオリジナルナンバー。世界的パティシエとして名高い「パティシエ エス コヤマ」のオーナーシェフ・小山進氏とのコラボレーションだそうで、最後に収録された「The Lost Treasure ~The Adventures of Jaime~」は、小山氏が新作ショコラに込めた物語を元に、佐藤竹善が書き下ろした曲だそうです。

これがいわゆる「組曲」になっているのですが、比較的シンプルだったほかのカバーに比べるとちょっと仰々しすぎる感じが。パティシエのスイーツとのコラボってのもあまりにもいかにもすぎて狙いすぎな感じも・・・。まあ、その点を差し引いても良質なカバーのクリスマスアルバムなのは間違いありません。紹介するのがちょっと遅くなってしまったのですが・・・興味ある方はいまからでも是非。

評価:★★★★★

佐藤竹善 過去の作品
ウタジカラ~CORNER STONE 4~
静夜~オムニバス・ラブソングス~
3 STEPS&MORE~THE SELECTION OF SOLO ORIGINAL&COLLABORATION~

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2016年2月 5日 (金)

2015年ベストアルバム(邦楽編) その2

火曜日に10位から6位まで紹介した私的ベストアルバムの後編。今日は5位から1位までの紹介です。

5位 UTUTU/東京カランコロン

聴いた当時の感想はこちら

様々なジャンルを薄く広く取り入れ、ポップにまとめあげている東京カランコロンの新作。この薄く広い音楽性にJ-POP的な音楽性を感じるバンドですが、そのJ-POP的なベタさを徹底的にエンタテイメントとして高めている攻めの姿勢を強く感じる傑作でした。一方では意外と骨太さを感じる歌詞も魅力的。アルバム毎に成長を感じる彼らの文句なしの最高傑作です。

4位 YELLOW DANCER/星野源

聴いた当時の感想はこちら

昨年末は紅白出場も果たした星野源の病気からの完全復活後初となるアルバム。いままでの彼のアルバムと異なりブラックミュージックの要素を強く入れてきた本作は、とことんポップで明るくエンターテイメントにこだわった作品。どこかシニカルな歌詞は健在ながらも、キュートさも感じるメロディーラインにワクワクするサウンドに心おどるアルバムになっていました。

3位 葡萄/サザンオールスターズ

聴いた当時の感想はこちら

活動休止からの復活後初となる9年半ぶりのサザンの新作。長いブランクを全く感じさせないばかりか、むしろ活動休止前のアルバムよりも勢いが出てきたのでは、とすら感じさせる傑作。ロック、ポップス、歌謡曲などの要素を時にはコミカルに時にはハードに聴かせ、上質なエンタテイメントにまとめあげている本作は、日本を代表するバンドである彼らの格の違いを感じさせる傑作でした。

2位 REFLECTION/Mr.Children

聴いた当時の感想はこちら

{Naked}と名付けられた23曲入りのアルバムをUSB形態でリリースしたほか、そこから14曲を抽出した{Drip}をCDでリリースし、その販売方法でも話題となったミスチルの新作。小林武史の手を離れたセルフプロデュース作が増えた本作は、いい意味でミスチルらしさが返ってきた作品になっていました。オーバープロデュース気味だった近年の作から、音がグッと引き締まったバンド色の強まった作品に。最高傑作・・・とまではいかなくても間違いなくここ数年来では一番の傑作アルバムでした。

そして・・・

1位 ジパング/水曜日のカンパネラ

聴いた当時の感想はこちら

文句なしに2015年私的ベストの第1位。2015年に一番はまった作品は本作でした。コミカルな歌詞も大きな魅力なのですが、それ以上にコムアイのリズム感よいボーカルも大きな魅力。さらにはケンモチヒデフミの作るトラックがなによりも耳を惹きます。ユーモアなトラックの後ろでしっかりと鳴っているエレクトロなトラックは曲毎に異なったアイディアを聴かせてくれてメロディーや歌詞にもピッタリマッチ。コミカルな歌詞に耳をとられがちですが、非常に高い音楽性を聴かせてくれた、文句なしに2015年のベストアルバムです。

そんな訳で、あらためてベスト10を振り返ると

1位 ジパング/水曜日のカンパネラ
2位 REFLECTION/Mr.Children
3位 葡萄/サザンオールスターズ
4位 YELLOW DANCER/星野源
5位 UTUTU/東京カランコロン
6位 耳噛じる真打/マキシマム ザ ホルモン
7位 THE REGGAE POWER/SPICY CHOCOLATE and SLY & ROBBIE
8位 ボトムオブザワールド/eastern youth
9位 Think Good/OMSB
10位 コーヒーブルース~高田渡を歌う~/高田漣

上期ベスト5発表以降に加わったのは5枚ですが、そのうちeastern youthとOMSBは聴いたタイミングは下期だったものの発売日は上期。そういう意味では上期に偏ったチャートになっていました。ただ、下期にも水曜日のカンパネラ、星野源といった大傑作がリリースされており、そういう意味では1年通じて傑作が多い、そこそこ豊作の1年だったようにも思います。

特に2位から4位の作品はオリコンアルバムチャートでも1位を獲得しており、売上面でも年間チャートに食い込みそうなアルバムがこれだけの傑作だったというのはうれしい事実。ヒットチャートが壊滅的状態になって久しいのですが、その中でも優れたミュージシャンというのは確実に名盤を作り続けているんだな、ということを感じました。

ちなみにそれ以外のベスト盤候補としては・・・

ヤバ歌謡2 NONSTOP DJ MIX -TVテーマ編- Mixed by DJフクタケ/DJフクタケ
あまざらし 千分の一夜物語 スターライト/amazarashi
WORKSHOP/OGRE YOU ASSHOLE
みんな輪になれ~軍国音頭の世界~
サンボマスターとキミ/サンボマスター
Obscure Ride/cero
攻殻機動隊 新劇場版 O.S.T.music by Cornelius/cornelius
セロファンの空/湯川潮音
にじむ残響、バザールの夢/中川敬
Bremen/米津玄師
グッバイ東京/井乃頭蓄音団

あたりでしょうか。やはりこうやってながめるといいアルバムが多かった1年だったように感じます。今年も2015年同様、数多くの名盤に出会えるといいですね。

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2016年2月 4日 (木)

まさかのベスト3入り

今週のアルバムチャート

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今週ビックリしたのは、なんといっても3位初登場。岡村靖幸の約11年4ヶ月ぶり(!)となるニューアルバム「幸福」がベスト3入りしてきました。

岡村靖幸というと和製プリンスの呼び名も高い、ファンキーな楽曲を聴かせてくれる男性シンガーソングライター。川本真琴への楽曲提供及びプロデュースでも知られています。一方で2000年代に入ってから3度にも及ぶ覚せい剤による逮捕という残念なニュースでも話題になりました。

そんな彼ですが2010年に活動再開。ライブ活動を中心に地道な活動を続けていましたが、ついにニューアルバムがリリースされました。そしてその結果、なんとベスト3入りという結果に。3位という結果は1990年リリースのベストアルバム「早熟」と並ぶ自己最高位タイ。オリジナルアルバムとしては自己最高位という結果に。また初動売上1万8千枚という記録も、2010年の活動再開後にリリースされたセルフカバーアルバム「エチケット(パープルジャケット)」の9千枚(11位)を大きく上回る結果に。11年前のアルバム「Me-imi」の1万9千枚(14位)から微減という、11年前のCD市場の状況から考えると、かなり快挙ともいえる売上を記録しています。それだけ彼の本格復活を待ちに待ったファンが多かったということなのでしょう。今後は2度と過ちを繰り返さないことをただただ祈るばかりです。

さてチャート1位に戻ります。今週1位を獲得したのはジャニーズ系アイドル、山下智久の初となるベスト盤「YAMA-P」が獲得しました。初動売上4万9千枚は前作「YOU」の4万5千枚(1位)よりアップ。ここ数作、下落傾向が続いていましたが、ベスト盤ということもあり若干持ち直しました。

2位初登場はJanne Da Arcのヴォーカリストyasuのソロプロジェクト、Acid Black Cherry「2015 arena tour L-エル- LIVE CD」。タイトル通りのライブアルバムで昨年10月に行われた横浜アリーナでのライブを収録しているそうです。初動売上2万8千枚。直近作「L-エル-」は初動11万3千枚(2位)だったので、さすがにこちらよりは大幅減となっています。

続いて4位以下の初登場盤です。まずは4位に韓流の男性アイドルグループVIXX「Depend on me」が入ってきました。初動売上1万7千枚。前作「DARKEST ANGELS」の1万2千枚(10位)よりアップしています。

5位初登場は梶浦由記「ソードアート・オンライン ミュージックコレクション」がランクイン。アニメ「ソードアート・オンライン」で使用された曲を収録した初回版はCD4枚組+DVDというフルボリュームの内容になっています。初動売上は1万4千枚。前作「FictionJunction 2010-2013 The BEST of Yuki Kajiura LIVE 2」の2千枚(21位)から大幅増となっています。

7位には氣志團「不良品」が初登場です。オリジナルアルバムとしては前作「日本人」から3年9ヶ月ぶりとちょっと久々となる新譜。初動売上1万1千枚は直近のベストアルバム「氣志團入門」(8位)から横バイ。オリジナルアルバムの前作「日本人」の5千枚(16位)よりもアップしています。最近、シングルでは久々にベスト10ヒットが続くなど、人気が回復傾向にある彼ら。アルバムでも売上を伸ばしていきました。ただ、シングルの勢いを考えると、もうちょっと売上が伸びると思っていたのですが・・・。

8位にはゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ!」のキャラクターアルバム「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS 05」がランクイン。ゲームのキャラクターがライブを行っているという建付けのアルバムだそうです。初動売上1万枚は同シリーズの前作「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS 04」(9位)から横バイ。

9位初登場はFUNKY MONKEY BABYS「FUNKY MONKEY BABYS 10th Anniversary"COMPLETE BEST"」。2006年にメジャーデビューし2013年に解散した彼らのメジャーデビュー10年を記念してリリースされたコンプリートベストです。初動売上は9千枚。直近作は解散直前にリリースされたベスト盤「ファンキーモンキーベイビーズLAST BEST」で、こちらの初動16万8千枚(2位)よりはさすがに大きくダウンしています。

最後10位には日本でも根強い人気を誇るアメリカのプログレッシブ・メタルバンドDream Theater「The Astonishing」がランクインです。デイリーチャートでは1位を獲得しましたが、金曜日発売だった影響でこの位置に。初動売上は8千枚で、前作「Dream Theater」の1万1千枚(10位)からダウンしています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2016年2月 3日 (水)

久々の1位獲得

今週のシングルチャート

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1位獲得は7年8ヶ月ぶりとなります。

今週1位はGLAY「G4・IV」が獲得しました。最近、シングルではチャート1位から遠ざかっていた彼ら。本作は2008年の「VERB」以来、7年8ヶ月、15作ぶりの1位返り咲きとなりました。ただし、初動売上3万9千枚は前作「HEROES」の4万2千枚(5位)よりダウンしています。本作は「G4」シリーズと名付けられた企画の第4弾。全4曲収録で、うち「Supernova Express 2016」が北海道新幹線開業イメージソング、「空が青空であるために」がテレビ東京系アニメ「ダイヤのA -SECOND SEASON-」オープニングテーマとなります。

2位初登場はGENERATIONS from EXILE TRIBE「AGEHA」。EXILEの弟分の男性ボーカルユニット。K-POPっぽいエレクトロダンスチューン。初動売上3万7千枚は前作「ALL FOR YOU」の15万3千枚より大幅ダウン。前作は各種イベントなどで売上の水増し工作が行われていて、初動が大幅にアップしていたのと、本作は3月にリリースが予定されているアルバム「SPEEDSTER」からの先行シングルである点が大幅減の理由でしょう。

3位にはavexの男女混合ユニットlol「ladi dadi」がランクイン。今風のEDMナンバー。これが2作目のシングルで初のベスト10入り。初動売上2万9千枚も前作「fire!」の1万1千枚(12位)からアップしています。

続いて4位以下の初登場です。まず昨年末あたりからシリーズ作がランクインを続けている女性向け男性アイドル育成ゲーム「あんさんぶるスターズ!」登場キャラクターによるキャラソンが2作ランクイン。Trickstar「『あんさんぶるスターズ!』ユニットソングCD Vol.8『Trickstar』(Rebellion Star)」が4位、Ra*bits「『あんさんぶるスターズ!』ユニットソングCD Vol.7『Ra*bits』(Joyful×Box*)」が6位にそれぞれランクイン。初動売上はそれぞれ2万5千枚、2万2千枚で、同シリーズの第5弾の流星隊「『あんさんぶるスターズ!』ユニットソングCD Vol.5『流星隊』(夢ノ咲流星隊歌)」の2万9千枚(5位)からはダウン、第6弾の2wink「『あんさんぶるスターズ!』ユニットソングCD Vol.6『2wink』(シュガー・スパイス方程式)」の2万1千枚(7位)からはアップという結果となっています。

ゲーム系のキャラソンではもう1枚。10位にゲーム「アイドルマスター SideM」のキャラクターソングFRAME 「THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE -08 FRAME(勇敢なるキミヘ)」がランクイン。初動売上は1万2千枚。同シリーズの第7弾と同時発売でしたが、こちらはベスト10落ち。ちなみに同シリーズの第5弾W 「THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE -05 W(VICTORY BELIEVER)」の初動1万2千枚(7位)からは横バイ、第6弾S.E.M 「THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE -06 S.E.M(∞ Possibilities)」の1万3千枚(5位)からは微減となっています。

そして女性アイドルグループも。まず5位にチャオ ベッラ チンクエッティ「どうしよう、わたし」がランクイン。もともとはTHE ポッシボー名義で活躍していたグループの改名後第2弾シングル。初動売上2万4千枚は前作「表参道」の2万1千枚(3位)からアップ。

9位には同じく女性アイドルグループpredia「刹那の夜の中で」がランクイン。初動売上1万3千枚は「満たしてアモーレ」の1万5千枚(9位)から若干のダウンとなっています。

今週、初登場はあと1枚。人気男性声優宮野真守「HOW CLOSE YOU ARE」が7位にランクイン。TBSテレビ系アニメ「亜人」エンディング・テーマ。ファルセット気味のバラードナンバーはちょっとEXILE系のグループが歌いそうな雰囲気の曲。初動売上1万6千枚は前作「シャイン」の2万8千枚(3位)からダウンしています。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2016年2月 2日 (火)

2015年ベストアルバム(邦楽編) その1

先日、洋楽編をお送りした私的ベストアルバム。今日からは2日にわけて邦楽のベストアルバムを10枚取り上げます。

10位 コーヒーブルース~高田渡を歌う~/高田漣

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マルチ弦楽器プレイヤーとしておなじみの高田漣。彼が父親である高田渡の曲をカバーしたカバーアルバム。父親への敬愛の念があふれる素敵なカバーになっている一方、高田漣のプレイヤーとしての魅力ももちろん、ボーカリストとしての魅力も感じるカバーになっており、曲によっては父親を超えたか?なんてことすら思ってしまった名カバーになっていました。

9位 Think Good/OMSB

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2014年の邦楽ベストアルバムでもSIMI LABの直近作を年間ベスト3位に入れましたが、そのSIMI LABのトラックメイカーによるオリジナルアルバムが今年のベストアルバムに入ってきました。サンプリングを多用したSIMI LABにも通じるタイトなトラックと、力強さを感じる前向きなリリックが印象的。非常にカッコいい傑作アルバムでした。

8位 ボトムオブザワールド/eastern youth

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eastern youthのベーシストとして23年間にわたってバンドを支え続けた二宮友和がまさかの脱退。その脱退前最後となるオリジナルアルバムが本作。その二宮曰く「eastern youthでできることはすべてやりきった」とコメントしているようですが、最後というだけあってかなり気迫のこもったアルバムになっています。基本的にはいつものeastern youthとバンドとしての方向性は変わらないもののバンドサウンドやボーカルの迫力に圧倒される傑作でした。

7位 THE REGGAE POWER/SPICY CHOCOLATE and SLY & ROBBIE

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グラミー賞にノミネートされたことでも話題となったSPICY CHOCOLATEとジャマイカを代表するプロデューサーコンビ、スライ&ロビーとの共同制作によるアルバム。いわゆるジャパレゲらしい田舎のヤンキーノリの暑苦しさは皆無で、徹底して作り込まれたリズムが実にカッコいいアルバムに仕上がっていました。グラミー賞ノミネートという実績も納得の傑作です。

6位 耳噛じる真打/マキシマム ザ ホルモン

Mimikajiru_shinuchi

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本作は、純粋な新作ではありません。2002年にリリースされた彼らの実質的なデビュー作をリメイクした作品。それも単独リリース作ではなく映像作品「Deka vs Deka」へ同封されたのみの作品。ただし、内容的には大幅に生まれ変わっており、「新作」といっても過言のない内容になっています。メタリックなサウンドをベースに随所にアイディアをちりばめたサウンドとポップなメロディーラインが最高にカッコいいアルバムです。

明日あさってはチャート評の更新となりますので、5位以降は金曜日に!

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2016年2月 1日 (月)

2015年ベストアルバム(洋楽編)

ちょっと遅くなりましたが恒例の年間私的ベストアルバム。まずは洋楽編から。

5位 Blues Blues Blues/Sherwood Fleming

Bluesbluesblues

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おそらく今年もっとも話題となったブルースのアルバム。齢79歳となるブルースミュージシャン。かつてなんどかシングルをリリースしたことはあったものの、ほとんど名前を知られることのなかったシンガー。しかし、このアルバムはなぜ彼がこれほど無名なのか不思議に感じられる傑作でした。王道のブルースとディープなソウルを艶のあるボーカルで力強く歌い上げるのは実に魅力的。グルーヴィーなぶっといサウンドも耳を惹きました。

4位 BAMAKO TODAY/BKO Quintet

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マリのミュージシャン、イブラヒマ・サールと、フランス・リヨン出身の白人パーカッショニスト、エメリック・クロールを中心に結成された5人組。アフリカの伝統音楽を基軸に、様々な音楽性を感じさせるサウンドが魅力的。あくまでもポップにまとめているため、広い層にアピールできそう。ちなみに2015年は来日ライブも実現しています・・・行きたかったな・・・。

3位 Modern Nature/The Charlatans

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2015年は元oasisノエルギャラガーの新作やblurの久々の新譜も評判が高かったのですが、個人的に一番はまったのがデビュー25年目を迎えるベテランバンドThe Charlatansの新作。決して派手な雰囲気ではないものの、アルバムを通じて流れるグルーヴィーなサウンドが非常に中毒性の高い傑作。聴けば聴くほどはまってしまうような作品でした。

2位 My Love Is Cool/Wolf Alice

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サマソニへの出演でも話題となった北ロンドン出身の4人組バンドによるデビュー作。ボーカルの美しい歌声に、シューゲイザーからの影響を感じるノイジーなサウンドのキュートなメロディーの楽曲が魅力的。ところどころに80年代的な雰囲気も感じて、ある種の「ベタ」さも感じるのですが、それがまた心地よさをかもしだしています。個人的にかなり「壺」なバンド。思いっきりはまってしまいました。

そして・・・

1位 Sound&Color/Alabama Shakes

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上期1位の本作が年間ベストでも1位。ルーツ志向をベースにしつつ、ギターロックやガレージロック、さらにはポストロック的なプロダクションまで垣間見せ、Alabama Shakes独自のサウンドを確立しています。2枚目のアルバムにして本作でビルボードチャート1位も達成。人気の面でも実力の面でも大きな成長を感じさせ、これからのさらなる発展を期待させる傑作でした。

さて、非常に豊作だった上期とくらべると、下期は年間ベストクラスの傑作がほとんどあらわれない寂しい結果となりました。その結果、上期ではベスト3入りしなかったSherwood Flemingが繰り上がる結果に・・・。

ただ1年を通じてみると、上期に傑作アルバムは偏っていたように感じるものの、名盤も多い1年だったと思います。他にベスト盤候補としては

Computer Controlled Acoustic Instruments pt2 EP/Aphex Twin
CHASING YESTERDAY/NOEL GALLAGHER'S HIGH FLYING BIRDS
Vulnicura/bjork
Carrie&Lowell/Sufjan Stevens
To Pimp A Butterfly/Kendrick Lamar
Star Wars/WILCO
Currents/Tame Impala
CROSSEYED HEART/Keith Richards
25/Adele
PURE MODE/Ringo Deathstarr

といったところでしょうか。特にロック、ワールドミュージック、ブルース、HIP HOPなどなど様々なジャンルから万遍なく名盤が出てきたように感じます。さて、ベスト5を振り返ると

1位 Sound&Color/Alabama Shakes
2位 My Love Is Cool/Wolf Alice
3位 Modern Nature/The Charlatans
4位 BAMAKO TODAY/BKO Quintet
5位 Blues Blues Blues/Sherwood Fleming

となります。今年もたくさんの名盤の誕生を期待しつつ・・・明日からは邦楽編!

ちなみに過去の洋楽ベストアルバムは・・・

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期
2012年 年間 上半期
2013年 年間 上半期
2014年 年間 上半期

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