« 愚直にシューゲイザー | トップページ | 16年ぶりの新譜 »

2016年1月18日 (月)

よりバンド色が強く

Title:EXTRA11
Musician:KIRINJI

2013年、それまで2人組ユニットとして活動していたキリンジから、そのメンバーの1人、堀込泰行が脱退。その上、5人のメンバーが新規加入して6人組バンドとなったKIRINJI。名前もカタカナからローマ字表記となり、心機一転。あまりの変貌ぶりにファンも驚いた結果となりました。

そんな彼らはアルバム「11」をリリースした後、新作の発表はなかったのですが、新生KIRINJIとして2作目となるニューアルバムがリリースされました。とはいえ純然たる新作ではありません。「11」の楽曲を今年6月、ビルボードライブ東京でのライブ音源をベースに、オーバーダビングやエフェクトなどをほどこしてあらたに生まれ変わらせた新作。タイトル通り、「11」の番外とでもいうべき作品になっています。

そしておもしろいのは、単純なライブアルバム的感覚の内容ではなく、いずれの曲も原曲からアレンジがかなり異なっている点でした。一番イメージが変わったのは「ONNA DARAKE!」でリズム中心のシンプルなアレンジだった原曲から一転、スライドギターを押し出した南国ムードを感じさせる楽曲になっていますし、「だれかさんとだれかさん」ではピアノをより前に押し出し、爽やかさが増したアレンジに。インストナンバーの「狐の嫁入り」ではよりジャズの側面が前に出てきたようにも感じます。

「心晴れ晴れ」でも、同じピアノとストリングスでしんみり聴かせるスタートながらも、バンドサウンドを序盤から入れてきた原曲と変わって、「EXTRA11」では序盤はピアノとストリングスのみでより「聴かせる」ことを重視しな内容になっていますし、一番印象的だったのは「進水式」。新生KIRINJIを象徴するようにアルバム1曲目に収録されたこのナンバーは本作ではアルバムの最後に配置。さらにピアノからスタートし、いきなり歌がスタートする原曲から変わり、アコギからスタートし、最初しばらくアコギのイントロを聴かせるような内容に変わっています。

楽曲の雰囲気として「11」の印象からガラリと変化した、といった感じはありません。ただ、アルバムを通じての印象としては「11」から大きく変わった点があり、それはよりバンド色が前に出てきた点でした。「11」でもいままでのキリンジと比べてバンドであることを前に出してきた印象がありましたが、本作ではよりその面を強調。特にメロディーとサウンドのバランスが変わり、あくまでもメロディー主体だった「11」と比べると、グッと楽曲全体にサウンドが締める割合が増えたのが強く印象に残りました。

あくまでもライブ音源を中心としたアルバムなだけにライブならではのバンド色が強いのは当たり前という部分もあります。ただ、「11」の後にリリースしたのが本作ということは、彼らとしてもより今後はバンド志向を強めたいという意思を感じることが出来ました。バンドになってから若干リリースペースが遅いのは気にかかりますが・・・これからの彼らの活躍もまた楽しみになってくるようなアルバムでした。

評価:★★★★★

キリンジ(KIRINJI) 過去の作品
KIRINJI 19982008 10th Anniversary Celebration
7-seven-
BUOYANCY
SONGBOOK
SUPERVIEW
Ten
フリーソウル・キリンジ
11


ほかに聴いたアルバム

C2/Base Ball Bear

実にベボベらしい新作。ディスコチューンやちょっと歌謡曲テイストのメロ、ファンキーな楽曲、シティポップ風な曲など様々なジャンルに挑戦しつつも、基本路線はベボベらしい、ちょっと青っぽい歌詞が青春路線のポップなギターロック。ベボベのファンなら文句なしに納得できそうなアルバム。ただ個人的にはもうひとつインパクトが欲しかったような気もするのですが。

評価:★★★★

Base Ball Bear 過去の作品
十七歳
完全版「バンドBについて」
(WHAT IS THE)LOVE&POP?
1235
CYPRESS GIRLS
DETECTIVE BOYS

新呼吸
初恋
バンドBのベスト
THE CUT
二十九歳

組曲(Suite)/中島みゆき

いまなおコンスタントにアルバムをリリースし続ける中島みゆきの、ちょうど1年ぶりとなる新作。ピアノとストリングスで聴かせるバラードナンバーも目立つ本作は、良くも悪くもいつもの中島みゆきといった感じ。今回は、これといって核となるような作品もなかったのですが、ちゃんとリスナーの壺をついた作品になっていました。

評価:★★★★

中島みゆき 過去の作品
DRAMA!
真夜中の動物園
荒野より
常夜灯
十二単~Singles4~
問題集

|

« 愚直にシューゲイザー | トップページ | 16年ぶりの新譜 »

アルバムレビュー(邦楽)2016年」カテゴリの記事

コメント

確かにベボベの「C2」はインパクト不足だったと聴いていて感じましたね。

投稿: ひかりびっと | 2017年6月 4日 (日) 17時32分

>ひかりびっとさん
C2も決して悪いアルバムではなかったんですけどね・・・。

投稿: ゆういち | 2017年6月10日 (土) 00時34分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/505136/63287699

この記事へのトラックバック一覧です: よりバンド色が強く:

« 愚直にシューゲイザー | トップページ | 16年ぶりの新譜 »