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2016年1月 8日 (金)

相変わらず

Title:風の果てまで
Musician:斉藤和義

斉藤和義の2年ぶりとなるニューアルバム。ここ最近、楽曲的にも人気の面でも勢いのある彼ら。前作はその勢いさながらに2枚組となるアルバムをリリースしてきましたが、続く本作は1枚組。とはいえ、初回版には「特典CD」と題する3曲入りのおまけCDがついてきていますし、なによりも楽曲を聴く限り、その勢いはいまだに止まっていません。

ただ、勢いがあるとはいえ今回のアルバム、なにか大きな特徴のある作品、といった感じではありません。アルバム的には初のLAレコーディングというのも大きな売りのようですが、そこが直接的に楽曲に対してどうこうといった感じはありません。むしろ、いつも通りの斉藤和義。来年50歳を迎える彼の、大人としての視点から描かれたメッセージ性の強い歌詞をロックなアレンジで歌う楽曲が並んでいます。

特にインパクトがあるのが、先行シングルにもなった「攻めていこーぜ!」「攻めていこーぜ! 守りはゴメンだ」というサビもインパクトあるこのナンバー。メロディーもアレンジも彼らしいロックナンバー。キャリア20年以上となる彼が、いまだに前向きに攻めていこうという強い挑戦心を感じさせるナンバーになっています。

他にも今のミュージックシーンに対して

「さよならキャディラック 一発当てたって
そんなもんじゃもう買えっこない」

(「さよならキャディラック」より 作詞 斉藤和義)

と悲観的な状況をユーモラスに歌った「さよならキャディラック」。好きな人の過去へ思い悩む男性を幻想的なタッチの楽曲で描く「恋」、自殺をはかろうとする男性のまわりにあつまった人間模様を描く「時が経てば」など、彼らしいちょっとユーモラスな視点で、でもリアリティーがあり、ちゃんと地に足をつけたような歌詞が耳を惹く楽曲が並んでいます。

ただ本編もよかったのですが、ともすれば本編以上によかったのが「特典CD」の方。特に1曲目の「NO!」はへヴィーなギターリフで展開されるロックナンバーですが、ストレートな社会批判が大きなインパクトとなっています。

「なんでなんでなんで
どしてどしてどして
人を殺せなんて
そんなこと言うの

Oh やめてくれよ おっさん
クルクルパーか おっさん」

(「NO!」より 作詞 斉藤和義)

なんて歌詞は、安保法案が話題となったこの時期にリリースされた作品なだけに、やはり安倍総理への批判か?とも捉えられる歌詞になっていたりもします。

そんな訳で、今回のアルバムは相変わらずのせっちゃん、といった感じの内容。目新しい感じはないのですが、一方で高レベルで安定している、とも感じられる内容になっていました。まだまだ斉藤和義の勢いは続いていきそうと感じることが出来た新作でした。

評価:★★★★★

斉藤和義 過去の作品
I (LOVE) ME
歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007
Collection "B" 1993~2007
月が昇れば
斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば 弾き語る~
ARE YOU READY?
45 STONES
ONE NIGHT ACOUSTIC RECORDING SESSION at NHK CR-509 Studio
斉藤
和義

Kazuyoshi Saito 20th Anniversary Live 1993-2013 “20<21" ~これからもヨロチクビ~ at 神戸ワールド記念ホール2013.8.25
KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2014"RUMBLE HORSES"Live at ZEPP TOKYO 2014.12.12


ほかに聴いたアルバム

今年、2枚立て続けにリリースされたTHEラブ人間のミニアルバムを同時に紹介。

きっとずっと彼女は友達/THEラブ人間

恋は全部まぼろし/THEラブ人間

いままで、「恋愛至上主義」をかかげつつ、かなり強烈なラブソングを書いてきた彼らですが、今回の2枚のアルバムに関しては普通のラブソングになってしまっています。それでも「恋は全部まぼろし」の方は「暮らしのすゝめ」「いつまでも愛し合ってばかり」など、インパクトがあっておもしろい歌詞の曲があったりするのですが、「きっとずっと彼女は友達」は歌詞に彼ららしさをほとんど感じませんでした。

またどちらもラストにエレクトロアレンジのナンバーが収録されており、新機軸を模索しているのですが、これはどちらもイマイチ。「All Tomorrow's Tokyo」のリミックスなど、いかにも流行りの音を取り入れてみました感が鼻に突く内容。メジャーからインディーに戻ってしまった彼らですが、どうも悪い意味でおとなしくまとまってしまったように感じたアルバムでした。

評価:
きっとずっと彼女は友達 ★★★
恋は全部まぼろし ★★★★

THEラブ人間 過去の作品
恋に似ている
SONGS

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