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2015年12月 6日 (日)

THE STRYPESの魅力満載

Title:LIVE IN TOKYO 2015
Musician:THE STRYPES

アイルランド出身のロックバンドTHE STRYPES。日本でも人気の彼らですが、そんな彼らが今年の来日ツアーを機にリリースした来日記念盤。本作は、ニューアルバム「Little Victories」リリースの翌日に渋谷クラブクワトロで行われたライブの模様を収めたCDに、DVDが付属した内容となっています。

私もそんな彼らのライブに先日足を運んできたのですが、このCD、ライブ会場で買うと、メンバーの直筆サイン色紙がついてくる、ときいて衝動買い(笑)。まあ、もともと彼らのライブ盤ってとても魅力的ですし、買おうかどうか迷ってはいたのですが・・・。

そんな先日私も見ることが出来たTHE STRYPESのライブ。THE STRYPESといえば、60年代のロックンロールをそのまま引き継いだようなオールドスタイルのガレージロックが魅力。この手のバンドはやはりその魅力が最大限発揮されるのはライブ。先日のライブも期待通り素晴らしいものでしたが、このライブアルバムも、下手すればオリジナルアルバム以上にTHE STRYPESの魅力を感じられる作品だったと思います。

このライブ盤で彼らの魅力が感じられる大きな理由は、その演奏。「洗練された」という表現からはほど遠い荒々しい演奏が繰り広げられます。ある意味、音のまとまりやら「上手い」プレイやらよりも、バンドとしての勢いを重視したステージ。ただ、彼らの奏でるガレージロックは、こういう勢い重視の荒削りなサウンドがピッタリマッチしており、迫力ある演奏が耳に突き刺さる内容になっていました。

特に荒削りなサウンドにインパクトがあったのが、2ndアルバム「Little Victories」からの楽曲。CD音源では、正直良くも悪くも「洗練された」音になっており、それが物足りなさを感じさせたのですが、このアルバムに収録されているライブ音源は、オリジナルアルバムの雰囲気とはかなり異なる荒々しさを感じさせます。例えば「NOW SHE'S GONE」などもガツンとへヴィーなバンドサウンドをまず聴かせてくれますし、「SCUBAG CITY」は、よりノイジーになったサウンドが印象的。オリジナルアルバムの音源では削がれてしまっていたように感じる勢いを感じさせる演奏で、正直言えば、オリジナルアルバムよりこちらの方がよいのでは?とも思ってしまいました。

そんな演奏だけに、1stアルバムの曲と2ndアルバムの曲を並べてもほとんど違和感がありません。CD音源では1stアルバムと2ndアルバムで雰囲気が変わってしまったように感じたのですが、ライブでの演奏を聴く限り、THE STRYPESとしての根っこの部分は変わっていないんだな、と気が付かされます。

一方、1stアルバムからの曲に関しても、より勢いを増した感じ。例えば「BLUE COLLAR JANE」なおはもともと勢いのあった曲だったのですが、今回のライブ演奏ではピッチが速くなり、より勢いが増したように感じました。

DVDの方は全4曲入り。ちょっと残念だったのは渋谷クラブクワトロでの演奏の模様を収録したのは2曲だけで、あと2曲はスタジオライブの模様を収録した内容だったこと。個人的にはクワトロでの演奏をもっと見たかったな。ただ、ライブの時も感じたのですが、クワトロでのライブ映像を見ると、若いというよりも幼さすら感じられる姿が印象的。まだまだこれから成長しそうなバンド、という印象を受けました。

やはりTHE STRYPESはライブで聴かせるバンドだ、という思いを新たにした魅力的なライブアルバム。ただ、2ndアルバムリリース直後のライブなので、収録曲のほとんどが2ndアルバムからの曲だっただけに、次は1stアルバムからの曲も万遍なく収録されている、正式なライブアルバムの発売を期待したいところです。

評価:★★★★★

THE STRYPES 過去の作品
BLUE COLLAR JANE
SNAPSHOT
HARD TO SAY NO EP
LITTLE VICTORIES

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