貴重なPV集が3時間半
Title:1+(邦題 ザ・ビートルズ1+)
Musician:The Beatles
秋になると最近毎年のようにビートルズの関連アイテムが発売されます。ネタがつきないなぁ、と思いつつ、このCDが全く売れなくなった現在、売れば一定数以上は必ず売れるビートルズのアイテムってのは貴重な存在なんでしょうね。かくいう私も、まあ熱心なファンではないのですべてのアイテムを買ってはいないのですが、ちょこちょこ買っていたりするので、全く人のことはいえない訳ですが・・・。
そんな訳で今年発売されたのは2000年にリリースして大ヒットを記録したビートルズのベストアルバム「1」のリイシュー盤。この「1」というアイテム、ビートルズのシングルの中で1位を獲得した曲のみを収録したベスト盤。2011年にリマスター盤をベースに再発売され、さらに今回、リミックスをほどこされ、再度のリリースとなりました。
今回、このアルバムが大きな話題となったのは、今回のリイシューに際して、彼らのプロモーションビデオを収録したブルーレイ(あるいはDVD)がついてきたこと。彼らのPV集がリリースされたのはこれがはじめてで、そのためこのアルバムは大ヒットを記録。日本でもオリコンチャート1位に輝くなど、大きな話題となりました。
そんな訳で多分に漏れず、私もこの流れにのって購入。PV集も、「1」に収録された曲のみを収録したディスクと、その他のPVも収録したディスクにわかれており、発売形態も、CDのみのリリース、ブルーレイ/DVD入れて2枚組、3枚組、ブルーレイ/DVDのみのリリースとわかれていましたが、私はすべてを収録した3枚組のデラックスエディションを購入してきました。
本編の「1」自体の方はまあここでわざわざ語るまでもないかと思います。おなじみの名曲揃い。まあとはいえ、おなじみ「赤盤」「青盤」で十分じゃないか、とは思ったりもするのですが・・・1枚のCDで網羅されているというのが魅力的なのでしょうか。
そして肝心のPV集。有名なエピソードですが、今ではおなじみのプロモーションビデオも、最初にはじめたのは彼ら、ビートルズ。1965年にシングル「Day Tripper」がリリースされた時、多忙のためテレビ出演がままならなくなり、そのためマネージャーのブライアン・エプスタインがテレビ局に、ビートルズ側が作成した映像を買い取らせるて放送させる、という方法を思いついたとか。それが現在に至るプロモーションビデオのはじまりだそうです。
そんなPVの走りと言える作品なのですが、まず純粋に、動くビートルズの姿を3時間半近くにわたり見ることが出来るということに素直に感動。今となっては貴重な映像の連続で、熱心なファンでなくともビートルズ好きなら、安くない金額を出して購入して、決して損の無い内容だと思います。
また今回のPV集、一部を除いて1962年から70年のわずか8年間の間の映像を収録しています。その間のビートルズのメンバーの風貌の変化にも(まあ知ってはいるものの)驚かされますが、それ以上にノイズまじりの初期の作品から、カラー映像に進化する後期の作品まで、その映像技術の進歩もちょっとした驚き。ビートルズをはじめ音楽を取り巻く環境も8年の間に大きく変化していきましたが、映像に関してもこの時期、大きく変化していったんだな、ということを感じます。
プロモーション・ビデオの内容については、正直ライブ映像などシンプルな映像が多く、「凝った」作品はさほど多くありません。もっとも今となってはシンプルな作品の方が逆にビートルズの演奏をよく見ることが出来てよかったのかもしれませんが。ただそんな中でも、もっとも最初期のプロモーションビデオ「I Feel Fine」では他のメンバーが演奏する中、リンゴスターが延々とエアロバイクを漕いでいるという、謎だけどどこかコミカルな内容。単純に「ビートルズが演奏する姿を録ればよい」という発想ではなく、どこか映像としての作品を意識した部分を感じさせるのも彼ららしいという印象を受けました。
また、映像作品としても「Strawberry Fieleds Forever」のプロモビデオはサイケデリックな内容になっていて、今見ても、惹きつけられる映像作品として仕上がっています。他にも4人仲良く並んだ映像がほほえましい「Help」など、印象的な作品も多く、3時間半、あっという間に楽しめました。
そんな訳で私がわざわざ言うまでもなくお勧めの作品。しかし、このビートルズ関連のアイテムリリース、いつまで続くんでしょうか。なんだかんだと言って、ネタはつきないんでしょうが・・・。
評価:★★★★★
The Beatles 過去の作品
LOVE
On Air~Live At The BBC Volume2
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