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2015年12月

2015年12月31日 (木)

2015年ベストアルバム(暫定版)

今年も早いものであと1時間弱。みなさま、年の瀬をどうお過ごしでしょうか。今年も恒例の2015年ベストアルバム(暫定版)です。また例によって、まだ聴いていない2015年のアルバムもあるので、正式版は1月下旬公開予定です。

邦楽編

まず、上期のベスト5を振り返ると

1位 REFLECTION/Mr.Children
2位 葡萄/サザンオールスターズ
3位 UTUTU/東京カランコロン
4位 THE REGGAE POWER/SPICY CHOCOLATE and SLY & ROBBIE
5位 コーヒーブルース~高田渡を歌う~/高田漣

これに続く下期のベスト盤候補は

攻殻機動隊 新劇場版 O.S.T.music by Cornelius/cornelius
ボトムオブザワールド/eastern youth
セロファンの空/湯川潮音
にじむ残響、バザールの夢/中川敬
Think Good/OMSB
Bremen/米津玄師
ジパング/水曜日のカンパネラ
耳噛じる真打/マキシマム ザ ホルモン

不作気味だった上期に比べると、少しは傑作アルバムがリリースされたかな?ただ全体的には名盤が少な目の不作気味だった印象はあります。とはいえ、もちろん上に並べたアルバムはいずれも文句なしの傑作揃いですけどね。

洋楽編

上期のベスト3は・・・

1位 Sound&Color/Alabama Shakes
2位 Modern Nature/The Charlatans
3位 BAMAKO TODAY/BKO Quintet

そして下期のベスト盤候補は・・・

Currents/Tame Impala
My Love Is Cool/Wolf Alice
CROSSEYED HEART/Keith Richards
25/Adele

3枚に絞るのが難しかった上期に比べると、下期はこちらは不作気味。全体的には今年は名盤が多かったようにも思うのですが、下期は失速傾向でしたでしょうか。もちろんこちらも邦楽と同様、ここに並べたアルバムに関しては文句なしの傑作揃いですが。

とはいえ、なんだかんだいっても洋楽邦楽ともに、様々な素晴らしい音楽に出会えた1年でした。来年も、数多くの素晴らしい音楽を紹介できればと思います。

それでは、みなさん、よいお年を!

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2015年12月30日 (水)

2015年ライブまとめ

今年もあと2日。恒例のライブまとめです。

1/16(金) OGRE YOU ASSHOLE ニューアルバム・リリースツアー"ペーパークラフト"(名古屋CLUB QUATTRO)
3/20(金) N'夙川BOYS 「Do you like Rock n Roll !?」発売記念 当たり前だろ!大好きっすロックンロール 3都市ワンマンミラクルNight !(名古屋CLUB QUATTRO)
4/13(月) Indian Classical musi live 新井孝弘×U-zhaan(TOKUZO)
5/9(土) 30th Anniversary「渡辺美里 日本全国ツアー 30th Revolution」(エレクトリック・レディ・ランド)
6/13(土) サザンオールスターズLIVE TOUR 2015「おいしい葡萄の旅」(ナゴヤドーム)
11/10(火) THE STRYPES JAPAN TOUR 2015(ダイアモンドホール)

今年は、実は家庭の事情があり、あまりライブに足を運ぶことが出来ず、行けたライブは上の6本のみでした・・・。

ただ、厳選(?)して足を運んだライブなだけに、今年行った6本についてはいずれも濃密な時間を楽しめた満足度の高いライブばかりだったと思います。N'夙川BOYSに関しては、とても残念な話なのですが、活動休止になってしまい、いいタイミングでライブを見ることが出来たな、と思いますし、久々に見た渡辺美里のライブもやはり楽しかったですし、なによりも念願のサザンライブを見れたのもうれしかったです。

例年、ベスト3を紹介しているのですが、わずか6本のライブなので、ベスト1のみ。このうち1本を選べと言われたらやはり・・・

1位 サザンオールスターズ@おいしい葡萄の旅

かな、やはり。最新アルバムからはもちろん、過去の代表曲もしっかり網羅した壺をおさえたセットリストもさすが。一方で、様々な演出でエンタテイメント性も高いステージに、MCも非常にユニーク。そのステージングも見事でしたが、あくまでもサザンオールスターズというバンドの演奏を主軸としたステージで、当たり前ですが、桑田佳祐だけにスポットが当たりがちなのですが、サザンは「バンド」なんだ、ということを強く実感できたライブだったと思います。ライブバンドとしてのサザンオールスターズの実力を再認識できた素晴らしいステージでした。

来年はもうちょっとはライブに足を運びたいところなのですが・・・さてさて・・・。

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2015年12月29日 (火)

なにげにはじめての9枚目

Title:JUNGLE9
Musician:ザ・クロマニヨンズ

ザ・クロマニヨンズといえば、ご存じ、元ブルーハーツ、ハイロウズとして活躍していた甲本ヒロトと真島昌利が2006年に結成したバンド。これが9枚目となるアルバムですが、実はブルーハーツもハイロウズも8枚目のシングルをリリースした後、解散(活動休止)しており、ヒロト&マーシーのバンドでアルバムを9枚リリースするのはこれがはじめてだそうです。ザ・クロマニヨンズはおととしから昨年にかけ、ベスト盤やMV集などを出しており、ひょっとしてまた解散か?という憶測もかけめぐったのですが、無事、彼らにとって9枚目となるオリジナルアルバムがリリースされました。

ヒロト&マーシーのバンドといえば、ブルハからハイロウズ、そしてクロマニヨンズとかけて、どんどんサウンドがシンプルになっていっている印象があります。特にこのザ・クロマニヨンズに関してはまさに「シンプル・イズ・ベスト」を地で行っている印象がありました。

ただ、前作「GUMBO INFERNO」あたりから単なるシンプル・イズ・ベストからちょっと方向転換したように感じました。もちろん、基本的にはシンプルなパンクロックという路線で変わりはないのですが、ブルースやレゲエ、歌謡曲の要素を取り込んでおり、単純な勢いだけのパンクロックとは異なる路線を感じました。

今回のアルバムに関しても、単なるパンクロックではなく、そこから一歩進んだバリエーションを感じられます。例えば「這う」ではノイジーなサウンドでガレージロック色の強い楽曲になっていますし、「原チャリダルマ」はフォーキーな雰囲気を感じる曲になっています。

他にも軽快ではねるようなリズムの「生きてる人間」があったり、逆に歩くようなリズムで聴かせる「オバケのブルース」があったり、一言でシンプルなパンクといってもそのバラエティーの豊かさに、ベテランとしての実力を感じました。

歌詞にしてもシンプルながらも、なにげに心に来るような歌詞をしっかり書いているのがさすが。例えば「生きてる人間」なんかでも

「腹がへったら食べよう 何か食べよう
食べよう 食べよう 何か食べよう」
「眠くなったら眠ろう とっとと眠ろう
眠ろう眠ろう とっとと眠ろう」

というシンプルな歌詞を歌いつつ、サビでは

「イェー! 生きてる
人間」

(「生きてる人間」より 作詞 真島昌利)

と人生讃歌になっている歌詞が実に素晴らしい。シンプルで、かつユニークながらも非常に心に来る歌詞になっています。

そんな訳でヒロト&マーシーでは初となる9枚目なのですが、まだまだザ・クロマニヨンズとして出来ることはありそうです。いい意味でベテランらしい実力を感じさせる傑作でした。

評価:★★★★★

ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
Oi! Um bobo
ACE ROCKER
YETI vs CROMAGNON
ザ・クロマニヨンズ ツアー2013 イエティ対クロマニヨン
13 PEBBLES~Single Collection~
20 FLAKES~Coupling Collection~
GUMBO INFERNO


ほかに聴いたアルバム

TOUR 2015 "SUKIMASWITCH" SPECIAL/スキマスイッチ

一体、何枚目??なスキマスイッチのライブ盤。正直、目新しい部分はなく、無難な内容といった感じ。ライブで大きくアレンジを変えてくるというタイプでもないし、迫力のある演奏を聴かせるライブバンドといった感じでもないし、なぜここまで毎回毎回ライブアルバムをリリースしてくるのが不思議なのですが・・・。熱心なファン向けアイテム

評価:★★★

スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"
musium
DOUBLES BEST
TOUR 2012 "musium"

POP MAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~
スキマスイッチ TOUR 2012-2013"DOUBLES ALL JAPAN"
スキマスイッチ 10th Anniversary Arena Tour 2013“POPMAN'S WORLD"
スキマスイッチ 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch"
スキマスイッチ

WINDOW/SPECIAL OTHERS

メジャーデビュー10周年を迎えたSPECIAL OTHERSの、10周年第1弾となる3年ぶりのオリジナルアルバム。エレピを主軸に軽快でメロディアスなインストチューンが並んでいるのはいつも通り。というよりも、メジャー10年記念作という感じで、集大成的ともいえる内容にもなっています。そのため、よくも悪くも目新しさがなかったのと、後半はちょっと地味だったような印象も・・・。

評価:★★★★

SPECIAL OTHERS 過去の作品
QUEST
PB
THE GUIDE
SPECIAL OTHERS
Have a Nice Day
Live at 日本武道館 130629~SPE SUMMIT 2013~
LIGHT(SPECIAL OTHERS ACOUSTIC)

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2015年12月28日 (月)

もう10年か・・・

Title:GOLD TRASH
Musician:The Birthday

今年、結成10年を迎えたThe Birthdayの、初となるベストアルバム。The Birthdayといえば、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチバユウスケとクハラカズユキらが結成したバンド。「元ミッシェルの」と語られることがまだ少なくないのですが、もう結成から10年も経ってしまったのか・・・としみじみと感じてしまいました。

今回のベスト盤は2枚組となっていますが、この2枚の分け方が明確。DISC1は、2010年に脱退したギタリスト、イマイアキノブ在籍時の楽曲が収録しており、DISC2には2011年から加入したギタリスト、フジイケンジ在籍時の楽曲が収録されています。

そしてこの2枚のアルバムを聴くと、新旧ギタリストで2枚のCDにわけた意味は明確。イマイアキノブ在籍時とフジイケンジ在籍時ではバンドの音が全く異なりました。具体的に言うと、イマイアキノブ時代の曲はバンド全体でひとつの音を鳴らしているような印象。ここのプレイヤーの音があまり目立ちません。一方、フジイケンジ時代の曲に関しては、ガンガンとギターが全面に押し出され、個々のプレイヤーが自己主張している印象。ガレージバンド色がより強まったようにも感じました。

基本的にガレージロック、パブロックというスタイルは変わらないものの、バンドとしては明確に別物という印象すら受けてしまいます。ギタリストが変わり、それぞれのプレイスタイルに沿った演奏、という見方もできるかもしれませんが、むしろバンドとしての方向性を変え、その結果、あらたなバンドのスタイルにあったギタリストを選んできたのではないか、という印象すら受けてしまいました。

イマイアキノブ時代とフジイケンジ時代の曲、どちらが好きかはそれぞれかもしれません。個人的には、バンドの個々の音が目立ち、よりガレージ色が強まったフジイケンジ時代の曲の方が好きかな。もっとも、どちらの曲も間違いなくカッコイイと思うのですが・・・。The Birthdayのカッコよさに触れつつ、もう10年か・・・という時間の流れる早さも感じてしまったベスト盤でした。

評価:★★★★★

で、そんなThe Birthdayが、ベスト盤リリース後、早くもリリースしたオリジナルアルバム。

Title:BLOOD AND LOVE CIRCUS
Musician:The Birthday

ベスト盤から続いて聴くと、やはり路線的にはDISC2から連なるような内容になっています。特に今回は、ギターサウンドを中心に、バンドメンバーそれぞれがそれぞれの音を聴かせてダイナミックな演奏を繰り広げる曲が多かったような印象。特に序盤、「FULLBODYのBLOOD」「MOTHER(BALC ver.)」「ROCK YOUR ANIMAL」とギターリフを中心にバンドサウンドをこれでもかと聴かせる曲が並びました。

その後もバンドサウンドが中心というスタイルを貫きつつ、キャバレーロック風の「LOVE SHOT」やパンク色が強い「Shan Shan」などバリエーション富んだ展開に。最後の「声」は前向きなギターポップ色が強いナンバーになっており、ガレージロックを中心としながらも自由度の高い内容はThe Birthdayならでは、と言えるかもしれません。ベスト盤後、あらたな一歩を踏み出した彼らですが、まだまだ傑作が期待できそうです。

評価:★★★★★

The Birthday 過去の作品
TEAR DROP
MOTEL RADIO SiXTY SiX
NIGHT ON FOOL
WATCH YOUR BLINDSIDE
I'M JUST A DOG
VISION


ほかに聴いたアルバム

ミッドナイト in ジャパン/ガガガSP

ガガガSPの新作は7曲入りのミニアルバム。ミニアルバムとしてはデビューアルバム以来14年ぶりとなるそうです。ただ、正直アルバムの中身としてはかなり薄味。ガガガSPといえば、いけてない男の、好きなあの子に対するどうしようもない心境の吐露が大きな魅力で今回も確かに別れた恋人に対する歌がメインとなっているのですが、心に突き刺さるようなインパクトがなく、またパンキッシュなサウンドもおとなしめ。ミニアルバムというボリュームの少なさもあるのですが、どうにも物足りなさが残るアルバムでした。

評価:★★★

ガガガSP 過去の作品
くだまき男の飽き足らん生活
自信満々良曲集

ガガガを聴いたらサヨウナラ

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2015年12月27日 (日)

また新たな変化

Title:A HEAD FULL OF DREAMS
Musician:COLDPLAY

前作「Ghost Stories」は、前宣伝もあまりなく、突然リリースされた感のあったCOLDPLAY。その前作からわずか1年7ヶ月、今回も比較的、前宣伝の期間は短く、COLDPLAYの新作がリリースされました。ここらへん、宣伝期間が短くてもリリースできるのは、それでも大ヒットが期待できる彼らならではでしょう。ただ残念ながら本作は、Adeleの新作に遮られ、アメリカ、イギリスでのチャート1位獲得はなりませんでしたが・・・。

COLDPLAYといえば、スタジアムバンドとなった彼ららしいスケール感の大きな作風が特徴的でしたが、前作「Ghoset Stories」では一転、シンプルなインディーポップバンドのような作風に変わっていました。そして続く本作。今回の作品はさらに一転、エレクトロサウンドを取り入れた爽やかな作風を前面に押し出しつつ、あくまでもポップさを主軸とした作品に仕上げてきました。

そんな作風が特に反映されたのが序盤。いきなり1曲目に配置されたタイトルチューン「A HEAD FULL OF DREAMS」は爽やかなエレクトロダンスチューンになっていますし、「BIRDS」も同じくアップテンポなエレクトロビートが特徴的なナンバーに仕上がっています。

また今回の作品は豪華なゲストも話題を呼んでおり、切ないメロが特徴的の「HYMN FOR THE WEEKEND」は、どこかこの女性コーラス、聴き覚えがあるな・・・と思いきや、なんとBeyonceがゲストで参加。さらに本編の最後を締めくくる、ゴスペルライクなコーラスを入れてこのアルバム一番のスケール感を誇る「UP&UP」では、同じくギターにどこか聞覚えが・・・と思えば、なんとノエル・ギャラガーがゲストで参加。どちらも正直、ちょっと意外性も感じるゲストでした。

アップテンポなナンバーがメインだった前半と比べて、後半は比較的、ミディアムチューンの聴かせるナンバーが多く収録されています。「FUN」「AMAZING DAY」など、美しいメロディーラインを前に押し出して、しっかりと「歌」を聴かせるCOLDPLAYらしいナンバーになっていました。

ただ今回も、ラストの「UP&UP」をのぞき、以前のアルバムのようなスケール感はなく、一方で、メロに関してはさすがの安定感はあり、「良質なポップアルバム」といった感じになっていたのは前作と似たような路線を感じます。

それだけに全体的にはこじんまりとしてしまった印象。スタジアムバンドらしい圧巻のスケール感もなく、メロディーだけで売りに出来る「美メロ」といった感じでもなく、悪いアルバムではないけどもちょっと物足りなさを感じてしまいました。

そういう意味では楽曲の方向性こそ異なるものの、前作と似たような作風になってしまったアルバム。彼らもアルバム毎に変わっていく、ということもあるのでしょうが、ちょっと保守的な変わり方じゃないかなぁ、とも感じてしまいました。「良質なポップスアルバム」であることは間違いないと思うんですけどね。惜しい1枚でした。

評価:★★★★

COLDPLAY過去の作品
Viva La Vida or Death And All His Friends(美しき生命)
Prospekt's March
LeftRightLeftRightLeft
MYLO XYLOTO
Ghost Stories


ほかに聴いたアルバム

Storytone/Neil Young

Neil Youngの新作は2枚組のアルバム。うちDISC1は、「Solo」と名付けられ、ピアノやアコギなどの1人だけのシンプルな演奏で聴かせ、DISC2では同じ曲をバンド編成やオーケストラ編成で聴かせる内容。基本的にどちらもシンプルなアレンジの曲が多く、なによりも「歌」を聴かせることに主軸を置いた内容に。同じ曲でDISC1と2を聴きくらべるのも楽しいのですが、なによりも「歌」自体を楽しむアルバムでした。

評価:★★★★

Niel Young 過去の作品
Fork In The Road
Psychedelic Pill(Neil Young&Crazy Horse)

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2015年12月26日 (土)

ベスト盤+裏ベスト+ライブ盤

今回は、山崎まさよし関連の作品を一挙3作品紹介です。

Title:ROSE PERIOD ~the BEST 2005-2015~
Musician:山崎まさよし

まずはベスト盤。2005年にリリースしたベスト盤「BLUE PERIOD」以降の発売された全シングルを収録したアルバムです。

で、これと対になるのがこのアルバム。

Title:UNDER THE ROSE ~B-sides & Rarities 2005-2015~
Musician:山崎まさよし

こちらは同時期のシングルのカップリングや、アルバム未収録の音源をあつめた「裏ベスト」です。まあ、この手の組み合わせで2枚同時リリースというのは比較的よくある話なのですが、今回のこの2作品、どちらがよかったか、といわれれば、一般的に耳馴染みやすい「ベスト盤」より、「裏ベスト」の方がよかった、というのがちょっと珍しい話。

いや、ベスト盤のシングル曲集ももちろんよかったんですよ。アコースティックベースで優しい雰囲気の楽曲がいかにも山崎まさよしって感じで。ただ、この一般的にイメージしやすい山崎まさよしらしさというのをシングルではいかにも追及しており、それが物足りなさにつながっていました。

まあ、はっきりいってしまえば全体的に勢い不足。残念ながらここ最近、一時期に比べると人気が下火になってしまいましたが、その理由が痛いほどわかってしまうようなベスト盤。特に象徴的だったのが最後に彼の代表曲「One more time, One more chance」が収録されているあたり。この手の、本来ベスト盤の対象ではないような代表曲がわざわざ収録されるのって、この曲を超える代表曲が生まれていない、という証拠なんだよなぁ。

ただ、じゃあ山崎まさよし自体が衰えてしまったか、といわれると、そうではない、とはっきり感じられるのが裏ベスト。実にバラエティー豊かな作風が、山崎まさよしというミュージシャンの懐の深さを感じます。

ガレージ風の「幸せのBefore&After」のようなロック色の強い作品があるかと思いきや、NHKの子供向け番組のために書き下ろした「おなかとせなかがぺっタンゴ」のような、子供向けの歌詞ながらも哀愁たっぷりのタンゴ調にまとめあげてきたり、大竹しのぶとのデゥオ「黄昏のビギン」のような、古き良き歌謡曲調のナンバーもあったりと、山崎まさよしの様々な顔が見えて、まったくあきません。

この2枚を比較すると、ここ最近、山崎まさよしがいまひとつ大ヒットをリリースしていないのは、山崎まさよし自体がネタ切れを起こしているわけではなく、「山崎まさよし」というイメージに固執しすぎて、彼の実力をうまくシングル曲に引っ張り出してこれないことが大きな要因のように感じました。次のベストはまた10年後でしょうか。その頃には、また再び、山崎まさよしの大ヒット曲がリリースされることを期待したいのですが。

評価:
ROSE PERIOD ★★★★
UNDER THE ROSE ★★★★★

Title:FM802 LIVE CLASSICS
Musician:山崎まさよし

こちらは大阪のFM局、FM802に残るライブ音源をまとめたライブ盤。これが貴重なライブ音源を多く収録しており、非常に聴きごたえのある内容になっていました。

基本的にはアコースティックギター1本でのステージ。アコギ1本でしっかりと聴かせるステージングもまた、彼の実力を感じさせ、耳を惹かれる大きな要因となっています。ただ、そんな作品以上に貴重なのが数多くのミュージシャンとのコラボ。「GONE AT LAST」ではちょっと意外にも感じられる谷村有美とのデゥオを聴かせてくれたり、よく比較対象となる斉藤和義と「つぐない」をカバーしていたり、さらには忌野清志郎と「トランジスタ・ラジオ」をデゥオで聴かせてくれたりと、ここでしか聴けない貴重なデゥオが非常にうれしい内容になっています。

また、これらの曲も単に有名どころの名前を並べたというだけではなく、どれも魅力的なデゥオに仕上がっています。特に斉藤和義とのデゥオは、色っぽさを感じるカバーになっており、男2人ながらこんな色っぽい曲になるんだ・・・と実力派ボーカリスト2人のデゥオに感心してしまいました。

そんな訳で、レア物という音源に惹かれるもよし、その内容自体に惹かれるもよし、要チェックのライブ盤。こちらも山崎まさよしの実力がしっかりとパッケージされている1枚です。

評価:★★★★★

山崎まさよし 過去の作品
COVER ALL-YO!
COVER ALL-HO!

IN MY HOUSE
HOBO'S MUSIC
Concert at SUNTORY HALL
The Road to YAMAZAKI~the BEST for beginners~[STANDARDS]
The Road to YAMAZAKI~the BEST for beginners~[SOLO ACOUSTICS]

FLOWERS
HARVEST ~LIVE SEED FOLKS Special in 葛飾 2014~

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2015年12月25日 (金)

これぞArcaサウンド

Title:Mutant
Musician:Arca

若干25歳、ベネズエラ出身の新進気鋭のトラックメイカーArca。BjorkやKanye Westへの作品の参加が大きな話題となり一躍注目を集めた彼。昨年リリースしたアルバム「Xen」も大きな話題となりました。さらにその後、今年に入り、フリーダウンロードでアルバム「Sheep」もリリースしたばかりの彼ですが、早くもニューアルバムがリリースされました。

今回のアルバムも、60分程度の長さながらも、全20曲入りという構成。タイトルチューンである「Mutant」こそ7分を超える大作なのですが、基本的には2~4分程度。ポップソングの長さの曲が並んでいます。

作品の方向性的には前作「Xen」から大きな違いはありません。「Alive」では細かいビートでせき立てられるようなメタリックなサウンドが展開し、続く「Mutant」もメタリックな破壊音が繰り広げられつつ、後半はスケール感あるサウンド構成に。どこか幻想的な雰囲気を感じられるもの特徴的です。

また、そんな「実験的」ともいえそうな作風の中、基本的にはあくまでもポピュラーミュージックという方向性を強く感じるのも特徴的。「Vanity」や後半の「Front Load」など、楽曲の中ではっきりと哀愁たっぷりのメロディーラインを聴かせてくるような曲もあったり、どの曲も、メタリックなノイズの向こうに、メロディーがしっかり流れており、ちゃんとポピュラーミュージックとして機能しているのが大きなインパクトとなっていました。

アルバムがスタートした時点で、「あ、これぞArcaのサウンドだ!」とはっきりわかるサウンドを展開しているのも大きな特徴。このArcaとしての方向性は、前作「Xen」以上にはっきりしたように感じます。まさに彼しかつくりえないArcaワールドを作り上げた新作になっていました。

そんな訳で、またArcaとしての実力を感じることができた作品なのですが・・・・・・正直言うと、全20曲、最後の方はちょっとダレてきました。もちろん最後の最後までArcaの個性がさく裂した曲が並んでいます。ただ、全体的に強烈なメタリックのノイズがグイグイ耳の中に押し入ってくるサウンドで、最後の方はちょっと疲れてしまいました。

はっきりいって、10曲までだったら今年の最高傑作レベルだったと思います。15曲目くらいだったら十分傑作だったと思います。最後の方の曲が悪かった、ということではないのですが、もうちょっと曲を絞ってほしかったかも、とも思ってしまいました。なんかとても惜しいなぁ・・・と感じてしまう新作でした。

評価:★★★★

Arca 過去の作品
Xen
Sheep(Hood By Air FW15)

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2015年12月24日 (木)

まさかの2週連続1位

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

正直、まさかの2週連続1位です。

今週1位は、ロックバンドback number「シャンデリア」。まさかここまで高い人気があるとは・・・。売上枚数こそ5万3千枚と先週の17万3千枚からダウンしていますが、強力盤がなかった、ということもあるのですが、見事2週連続1位を獲得しています。

初登場組で最上位は2位。秦基博のニューアルバム「青の光景」が入ってきました。オリジナルとしては1年11ヵ月ぶりとなる久々のニューアルバム。初動売上4万2千枚は、その前作のオリジナルアルバム「Signed POP」の2万1千枚(3位)からアップ。また、直近にリリースされたベストアルバム「evergreen」の2万7千枚(6位)からもアップしています。久々にリリースされたアルバムでしたが、途中にリリースされたシングル「ひまわりの約束」が大ヒットした映画「STAND BY ME ドラえもん」主題歌に起用され大ヒットを記録するなど人気を伸ばし、リリーススパンが開いたにも関わらず、初動売上を上げてくる結果となりました。

3位には韓流の男性アイドルグループINFINITE「For You」がランクイン。日本ではこれが2枚目となるアルバム。ただ初動売上は2万2千枚と前作「恋に落ちるとき」の6万9千枚(1位)から大幅ダウンという結果になりました。

続いて4位以下の初登場です。8位初登場は「#globe20th -SPECIAL COVER BEST-」。globeの結成20周年を記念されてリリースされたアルバムで、2枚組の1枚目には浜崎あゆみや倖田來未、TRFといったメンバーによるglobeのカバーが、2枚目には過去の彼女たちの代表作が収録されたアルバムになっています。

9位にはオフコース「OFF COURSE BEST "ever"」がランクイン。オフコースはご存じ小田和正がかつて所属していたバンド。1970年のデビュー以来、1989年の解散まで、数多くのヒット曲を生み出してきた彼ら。今年、デビュー45周年を迎え、ファンのセレクトによるベストアルバムがリリースされました。初動売上は1万枚。オフコースとしてのリリースは2006年にリリースされたオールタイムベスト「i(ai)-オール・タイム・ベスト-」以来。初動売上は、その「i(ai)」の3万枚(9位)よりダウンしています。

初登場最後は10位。Crystal Kay「Shine」がランクイン。2014年に事務所をEXILEが所属しているLDHに移籍。その影響か、再びプロモーションに力を入れてもらえるようになり、人気も回復してきました。その結果、本作は2008年の「Color Change!」以来のベスト10ヒットを記録。初動売上8千枚も前作「VIVID」の3千枚(35位)から大幅アップし、久々のベスト10ヒットとなりました。

初登場組は以上ですが、今週はベスト10圏外からランクアップし、初のベスト10入りとなった作品が1作。韓流の男性アイドルグループEXO「Sing For You:Winter Special Album」が発売日の関係で先週の28位にとどまっていましたが、今週、6位にランクアップ。2週目にして初のベスト10入りとなりました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2015年12月23日 (水)

話題の人気アニメEDテーマがベスト3入り

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週話題なのはまずは3位。赤塚不二夫の人気漫画「おそ松くん」が大人になったという設定のリメイクアニメで、過激なギャグと人気男性声優の起用で話題となったアニメ「おそ松さん」のエンディングテーマイヤミ feat.おそ松×カラ松×チョロ松×一松×十四松×トド松名義の「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」が3位にランクイン。初動6万6千枚を記録し、人気のほどを感じさせる結果となりました。

さて、そんな今週の1位はジャニーズ系。Sexy Zone「カラフルEyes」が獲得。初動17万3千枚は前作「Cha-Cha-Cha チャンピオン」の10万枚(1位)から大幅アップ。MUSIC CARDによるドーピングがつかえなくなった結果、前作では初動を前々作の33万6千枚から大幅に落としましたが、本作では持ち直した模様。

2位にはEXILEの事務所。LDH所属でE-girlsとしての活動している女性アイドルグループFlower「瞳の奥の銀河」がランクイン。日テレ系アニメ「金田一少年の事件簿R」エンディング・テーマ。初動売上7万9千枚は前作「Blue Sky Blue」の3万3千枚(6位)からアップ。2位はシングルでの自己最高位となります。

続いて、4位以下の初登場曲です。まずは5位初登場。コブクロ「未来」。映画「orange-オレンジ-」主題歌。切なく聴かせるピアノバラードのナンバー。初動売上2万4千枚は前作「奇跡」の2万8千枚よりダウン。ここ数作の6万3千枚→3万7千枚→2万8千枚→2万4千枚という下落傾向から抜け出せませんでした。

6位初登場はTHE HOOPERS「情熱は枯葉のように」。男装した女性のアイドルグループ。同じコンセプトの風男塾が売れたので、その2匹目のドジョウを狙ったのでしょう。初動売上1万8千枚は前作「GO!GO!ダンスが止まらナイ」の1万1千枚(14位)からアップし、初のベスト10ヒット。

9位にはTUBE「灯台」がランクイン。今年デビュー30周年を迎えた彼らが、春・夏・秋・冬で1枚ずつシングルをリリース。そのラストを飾るシングルとなります。冬向けらしいバラードナンバーですが、彼らにとってバラードシングルは11年ぶりだとか。初動売上1万6千枚は前作「TONIGHT」の1万3千枚(8位)からアップ。

最後10位にはOLDCODEX「Aching Horns」が入ってきました。人気男性声優鈴木達央を中心としたバンドプロジェクト。「映画 ハイ☆スピード!-Free! Starting Days-」主題歌。初動売上1万5千枚は前作「Feed A」の1万枚(13位)からアップ。ベスト10入りは前々作「Lantana」以来2作ぶり。

また、返り咲き組としては今週8位にHKT48 feat.氣志團「しぇからしか!」が先週の21位からランクアップし、ベスト10に返り咲いています。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2015年12月22日 (火)

タイトルに偽りあり?

今回は最近読んだ音楽関連の書籍の紹介です。ご存じNONA REEVESのボーカルとして活躍し、最近では「マイケル・ジャクソン」に関する一連の書籍で、文筆業でも活躍している西寺郷太氏による作品「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」を読んでみました。

ご存じ1985年にアメリカにおいて、アフリカの飢餓と貧困を解消する目的で発売されたチャリティー・シングル。アメリカだけで750万枚を売り上げ、大ヒットを記録しました。それの呪いって何?とタイトルだけで惹かれる1冊なのですが・・・はっきりいってしまえば、タイトルになっている「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」については、本作の中であまり書かれていません。

基本的に第1章は「ウィ・アー・ザ・ワールド」に連なるアメリカンポップスの歴史がさらっと書かれ、続く第2章では、「ウィ・アー・ザ・ワールド」が生まれた80年代のミュージックシーンについて書かれています。おそらく作者の筆がもっとものっていたのが第3章と第4章。「ウィ・アー・ザ・ワールド」の作成秘話や、それに伴うエピソードが詳しく書かれている章で、彼の80年代ポップス、「ウィ・アー・ザ・ワールド」に対する愛情も伝わってきます。

で、第5章でようやく「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」に関する説明がはじまるのですが・・・正直言ってしまって、かなり看板倒れな内容だったと思います。ネタばれになってしまいますが「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」とは、「ウィ・アー・ザ・ワールド」に参加したミュージシャンが、この曲への参加後、人気が凋落してしまっている、ということ。その事実がチャートのデータに基づいて淡々と述べられています。

でも、この本での「分析」はそれでお終い。おそらく読み終わった後、「え?それだけ??」と思ってしまうでしょう。人気が落ちたという事実だけ述べられており、その原因についてほとんど分析がされていません。

これは完全に私の憶測なのですが、要するに「ウィ・アー・ザ・ワールド」に参加したミュージシャンは80年代を代表するようなミュージシャンたち。でも、80年代から90年代にかけて音楽シーンの中に大きな構造変革が起こり、大量生産大量消費的な曲が正義だった80年代から、グランジなどが典型的ですが若者の本音を代弁したような、大量消費社会ではつかみきれないニーズに対応したミュージシャンに人気がシフトしたように思います。だからこそ、「ウィ・アー・ザ・ワールド」に参加した大量生産大量消費的なミュージシャンは一気に勢いが落ちたのでは・・・そう感じました。

この憶測が正しいかどうかはわかりません。ただ「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」をテーマにするのなら、もっとその理由について突っ込んで分析してほしかったな、ということを感じます。この分析不足はほかでも感じられ、例えば第4章、「ウィ・アー・ザ・ワールド」に参加していながらも、ジャケットに写った全体写真に参加していないミュージシャンが2人いる、という事実。これをみつけて写っていないミュージシャンを探し出したのはさすがですが、そこでお終い。リードシンガーでありながらも、ソロがもらえなかったシンガーが全体写真撮影を前にスタジオを去ってしまった、と分析しているのですが、残念ながらそれに関する裏付けがないため、単なる彼の印象論で終わってしまっています。

ほかにも、第3章の「ウィ・アー・ザ・ワールド」のレコーディング風景を描いたパートにしても、これって、今でも入手可能な「ウィ・アー・ザ・ワールド」のドキュメンタリーを見ればいいだけじゃない?と思ってしまったり、全体的には突っ込み不足の浅さを感じ、西寺郷太氏のコラム、というレベルを脱していませんでした。正直なところ、アメリカンポップの歴史や「ウィ・アー・ザ・ワールド」のレコーディング風景の描写よりも、タイトルになっている「ウィ・アー・ザ・ワールドの呪い」について、もっと分析して突っ込んでほしかったな。それだけで十分1冊書けそうなんですが。ちょっと厳しい意見になってしまいましたが、以前読んだ彼の「マイケル・ジャクソン」に関する本がおもしろく、分析も非常によくできていただけに残念に感じます。1冊読んで、「え?落ちは??」と感じてしまった作品でした。

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2015年12月21日 (月)

過去を振り返る

Title:おまけのいちにち(闘いの日々)
Musician:筋肉少女帯

前作からちょうど1年ぶりとなる筋肉少女帯の新作。今回のアルバムは簡単に言ってしまうと、とても筋少っぽいアルバムということを感じました。比較的、オーソドックスなメタリックのバンドサウンド。そこに三柴理の独特なピアノのフレーズが重なるのがユニーク。「混ぜるな危険」のような、ベタな戦隊モノのテーマ曲のような、これでもかというほど盛り上げる曲があったり、「おわかりいただけただろうか」のようなメタリックなサウンドながらも歌謡曲風な曲があったり。

歌詞にしても、芸能界の大物に、「枕営業」をしにいくつもりがなぜか「枕投げ」を要求されるというユーモラスな「枕投げ営業」なんて曲があったり。そんな中で、「特捜最前線」の主題歌としても知られる、これでもかというほどムーディーな「私だけの十字架」をオーケンが抒情感たっぷりにカバーしていても、アルバムの中で全く浮いていないのもまた、筋少らしさを感じます(笑)。

今回のアルバムはテーマが「過去・現在・未来」だそうで、大人らしいシニカルな視点で現在から過去を振り返るような曲が多いような印象を受けました。「別の星の物語」などはそんな中で歌詞が印象に残った曲。昔の彼女に出会ったという内容ながら、昔の恋愛を「別の星の物語りが絵本になったみたい」とどこか醒めた視点で振り返る描写がユニークながらも、切なさも感じさせる曲になっていました。

ちなみに本作、初回限定盤だと、本編のほか、アルバム収録曲をインストで収録したボーナスCD、今年4月のEX THEATER ROPPONGIでのライブを収録したライブDVD、さらには3曲のうち1曲が任意で収録されるランダム封入CDがついてきており、アイドル並みに複数枚を買わせよう(笑)というセコイ戦略が取られています。

今回初回盤を聴いたのですが、インストCDは、本編だとピアノのフレーズが目立ったのに対して、インストで聴くと、なぜかギターサウンドが目立つように感じました。ただ、基本、曲あっての演奏といった感じで、これだけ単品で聴くとちょっと物足りない印象が。またライブDVDでは演奏がよりへヴィーにメタリックな内容になっており、彼らのライブバンドとしての実力を垣間見ることができました。

なお、ランダム封入CDは、私は「別の星の物語り(Vo.内田 Ver.)」。こちらに関しては・・・うーん、完全におまけといった感じ。ま、本気で複数枚買い戦略を狙ったわけじゃないでしょうからね。よっぽどの熱狂的なファンじゃない限り、全種類網羅は狙う必要性はないかと。

そんなわけで、全体的に今回のアルバムは筋肉少女帯らしい内容で卒なくまとめてきた印象。今回も前作に引き続き、「中2病」的な歌詞はなく、「過去を振り返る」という内容からして、大人のアルバムになっていました。ベテランバンドらしい安定感をおぼえたアルバムでした。

評価:★★★★

筋肉少女帯 過去の作品
新人
大公式2
シーズン2
蔦からまるQの惑星
公式セルフカバー4半世紀
THE SHOW MUST GO ON


ほかに聴いたアルバム

OPERA/OKAMOTO'S

OKAMOTO'Sの新作は、「ロックオペラ」という形態の作品。ロックオペラといえばTHE WHOの名盤「TOMMY」が有名。ひとりの主人公を設定し、アルバム全体をひとつの物語りのよに展開していくテーマ性のある内容。ちなみに「TOMMY?」なんて曲が収録されていたりします。

アルバム全体としては「オペラ」という形式を反映させたように、様々なタイプの楽曲が展開していく内容に。彼ららしいギターロックやブルースロックから、ディスコ、バラード、シティーポップ、さらにはラップまで取り入れており、歌詞の面で統一されているからこそ、逆に音楽的な面ではあえてバラバラな作風を目指したようにも感じます。バラエティー富んだ内容が最後まで楽しめるアルバムでした。

評価:★★★★★

OKAMOTO'S 過去の作品
10'S
オカモトズに夢中
欲望
OKAMOTO'S
Let It V
VXV

 

PACK TO THE FUTURE/真心ブラザーズ

真心ブラザーズの新作はカバーアルバム。それもユニークなことに70年代80年代の女性アイドルソングのカバーアルバムに仕上がっており、松田聖子の「風立ちぬ」からはじまり、安田成美「風の谷のナウシカ」や太田裕美「木綿のハンカチーフ」などをカバーしています。

選曲については申し分なし。アレンジについても真心らしいロックサウンドにまとめており、ちゃんと真心の曲になっているのですが・・・。ただ正直なところ、YO-KINGのボーカルで、これから女性ボーカル曲を聴くのはちょっと辛かった・・・。1曲2曲なら、逆にユニークな組み合わせがおもしろいのですが、11曲も続くと、聴いていてちょっと厳しいところがありました。こればかりはボーカルの声質の問題なのでいかんともしがたいのですが・・・。

評価:★★★

真心ブラザーズ 過去の作品
DAZZLING SOUND
俺たちは真心だ!
タンデムダンデイ20
GOODDEST

Keep on traveling
Do Sing

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2015年12月20日 (日)

計6万人相手にアコギ2本で

今日紹介するのは、アコースティックデゥオ、ゆずの2枚同時に発売されたライブアルバムです。

Title:二人参客 2015.8.15~緑の日~
Musician:ゆず

Title:二人参客 2015.8.16~黄色の日~
Musician:ゆず

8月15日、16日に横浜スタジアムで約6万人を動員して行われた弾き語りライブの模様を収録した、2枚同時リリースのライブアルバム。ライブの日からわずか3週間でのリリースという点が話題になったほか、オリコンチャートで1位2位を独占したことでも話題となりました。

さて、今回のライブアルバムでなによりも感じたのはゆずのライブミュージシャンとしての実力でした。ご存じかと思いますがゆずといえば横浜松坂屋前での路上ライブが大きな話題となりデビューしたミュージシャン。彼らがブレイクした直後、全国各地に第2のゆずを目指した路上ミュージシャンが溢れかえりましたし、いまだにその流れを受けたような路上ミュージシャンがいたるところで目にします。

いわばアコースティックギター2本だけでのしあがってきた彼らなだけに、そのライブの実力は伊達ではありません。今回のライブは、横浜スタジアムという広大な会場の中で、彼らはわずか2人、アコギ2本のみの演奏で挑んでいます。そして、1日あたり3万人という大観衆の心を見事つかんでいますし、その迫力の演奏は、このライブアルバムを通じても十分すぎるほど伝わってきました。

8月15日のライブももちろん素晴らしかったのですが、特に素晴らしかったのは16日のステージ。MCを聴く限り、途中、雨が降ってきたみたいなのですが(それも結構な雨だったように感じます)、その逆境をパワーに代えているような力強い演奏を聴かせてくれていますし、会場の一体感も伝わってきます。

楽曲の中にうまくトークを組み込んで会場を盛り上げたり、もちろん会場のみんなと合唱をしたり手拍子をしたりして盛り上げたり。文字で起こせばどのミュージシャンもやっていることなのかもしれませんが、その盛り上げるタイミングもやり方も非常に上手いものを感じます。さすが路上ライブから伸し上がってきただけある彼らの実力を感じることが出来ました。

ちなみに彼らのライブアルバムは、14年前にリリースされた「歌時記 ~ふたりのビッグ(エッグ)ショー篇~」以来。その14年前のアルバムは、正直あまりに黄色い歓声が強くて、聴いていてちょっと引いてしまった部分があったのですが、今回のアルバムに関しては、確かに黄色い歓声が多かったものの、やはり落ち着いた感じが(笑)。そういう意味でも余計な雑音抜きで、ゆずの魅力を感じることが出来るアルバムでした。

評価:
どちらも ★★★★★

ゆず 過去の作品
WONDERFUL WORLD
FURUSATO
2-NI-
YUZU YOU[2006-2011]
LAND
新世界


ほかに聴いたアルバム

Moments [Best 45 fabulous tracks by FPM]/FPM

ハウス系ミュージシャン、田中知之のソロプロジェクト、Fantastic Plastic Machine略してFPM。彼のミュージシャン活動20年を記念してリリースされた3枚組となるオールタイムベスト。「Alone」と題されたメロウなナンバーを中心としたCD、「Rapture」と題されたアップテンポなダンスナンバーを中心としたCD、「Lust」と題されたメロディアスな曲を中心としたCDの3枚からなっており、それぞれ別に単体でもリリースされています。

楽曲は基本的にラウンジ系のメロディアスで楽しい雰囲気のポップナンバー。the HIATUS、MONOEYESの細美武士、キリンジ、m-floのVERBALなどの豪華なゲストも参加しつつ、カバー曲も多く、またCMなどで使われたも多いため、耳馴染みあるポップスが多く収録されています。そういう意味では3枚組というフルボリュームながらもダレることなく聴きとおすことが出来る内容で、また、クラブ系の音楽をあまり聴かない人でも楽しめるかも。心地よいポップのアルバムでした。

評価:★★★★

FPM 過去の作品
FPM
QLASSIX
Scale

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2015年12月19日 (土)

メロディーラインがより前面に

Title:Fading Frontier
Musician:Deerhunter

ここ最近、毎作非常に高い評価を受けるアメリカのインディーロックバンドDeerhunterの2年ぶりとなる新作。今回のアルバムも、名盤として評判の高い「Microcastle」ほどではないものの、とても評判の良いアルバムとなっているようです。

さて、シューゲイザー色が強かった前々作「HALCYON DIGEST」、ガレージ色あるいはオールドファッションなサイケ色が強かった前作「MONOMANIA」とアルバムによって少しずつそのイメージを変えている彼ら。ただ一方、前々作、前作とイメージが変わらない部分もあって、それはメロディーラインが美メロともいえるポップなものという点。そこがまた彼らの大きな魅力でもありました。

今回のアルバムに関しては、そのポップなメロディーが前面に押し出された作品になっていました。もちろん、いままでの作品同様、フックが効いてインパクトがある、といった感じではありません。そのためちょっと地味に感じるかもしれません。ただ、それでもいままでの作品の中では、いい意味でパッと聴いた印象として「聴きやすさ」を感じることが出来るのではないでしょうか。

ポップで聴きやすいという意味では柔らかい雰囲気のサウンドとメロディーが特徴的な「Breaker」や、キラキラ感のあるシンセポップが耳を惹く「Duplex Planet」あたりでしょうか。また、軽快なギターロックに仕上げている「Snakeskin」も、まずは聴いていて楽しくなってくるようなポップなナンバーになっています。

ただそんな中で、少しずつゆがんだ音が入ってきたり、サイケでドリーミーな音が入って来たりして一筋縄ではいかない感じがとてもおもしろいのが本作の特徴。例えば前述の「Duplex Planet」にしても、爽やかなシンセポップと思いきや、微妙にひねくれたシンセの音が耳に残りますし、「Snakeskin」にしても後半に行くにつれてサイケな音が繰り広げられてきます。

また、今回のアルバムは、サウンドにスカスカさを感じた前作とは異なり、比較的ドリーミーな音に埋められた印象を受けます。そこらへん、いかにもインディーバンド然としていた前作にはちょっと違う印象を受ける部分もあるかもしれません。

ただ、最初に書いた通り、メロディーが美しいという彼らの特徴は本作も健在。最初聴いてピンと来なくても、2度3度聴くうちにはまっていってしまう「スルメ」なアルバムというのもいままでの作品と共通する大きな魅力でした。今回もまた、何度か聴くうちにもっとはまっていってしまいそう・・・。

評価:★★★★★

DEERHUNTER 過去の作品
HALCYON DIGEST
MONOMANIA

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2015年12月18日 (金)

40年目のライブ

Title:4 Nights of 40 Years Live
Musician:The Robert Cray Band

アメリカのブルースギタリストRobert Crayのライブ盤。1974年に21歳でThe Robert Cray Bandを結成してちょうど40年目にあたる昨年12月に、ロサンジェルス近郊で四夜にわたって行われたライブの模様を収録したCDに、DVDがセットとなった内容。また、ボーナスディスクでは1982年と1987年のライブ音源を収録されており、彼の40年の活動を総括したような内容となっています。

彼の楽曲はコンテンポラリー色が強い作品から、ソウル色の強い作品、さらにはブルージーなギターをたっぷりと聴かせる作品など、バラエティーのある作風。特に哀愁たっぷりに歌い上げるメロを聴かせる作品が多く、そのギターもさることながら、その歌声に思わず聴き入ってしまう曲も少なくありません。

ライブアルバムとしては若干、音の荒さを感じるのですが、逆にそれはライブの雰囲気をよく伝えるために思います。実際、客の歓声も収録されているほか、ちょっと一歩下がった位置から録音されたように聴こえるため、聴いている側もライブ会場にいるような錯覚におちいるライブアルバムになっていました。

Disc2の80年代のライブ音源との聴き比べもユニーク。やはり音的にも若々しさを感じますし、なにより80年代的な空気を演奏から感じます。また、その当時から渋みのある歌声を聴かせてくれていましたが、今の彼の歌声に比べると、やはり若さを感じます。

そんな訳で、ライブの雰囲気満載で大満足だったCDでしたが、一方、ライブDVDについては正直、ちょっと期待していたほどじゃありませんでした。

ライブは一部ドキュメンタリー形式で、若き日のクレイのライブの模様が収録されていたり、エリッククラプトンやバディ・ガイといった大物へのインタビュー、また曲に対するクレイの思いを語ったシーンが挿入されてきます。

今回、輸入盤を購入したため、残念ながらここらへんのインタビューに関してはほとんど聞き取れませんでした。まあ、それは仕方ないことなのですが、ライブ映像がメンバーのクローズアップが多く、正直、CDと比べるとライブ会場の雰囲気がいまひとつ伝わりづらく感じました。途中にインタビューが挿入されるのもライブの流れを切ってしまうみたいでちょっと残念。もちろん、演奏自体は申し分ないのですが、期待していたほどじゃなかったな、というのが正直な感想です。

そんな訳で、CDは5、DVDは4といった感じ。もっとも、クレイの魅力は十分伝わってくる内容だったとは思うのですが・・・。

評価:★★★★

Robert Cray 過去の作品
NOTHIN BUT LOVE
In My Soul

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2015年12月17日 (木)

ジャニーズ系下して見事1位

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

先週に引き続き今週も初の1位獲得作品です。

今週1位は、ロックバンドback number「シャンデリア」が獲得。シングルアルバム通じて初の1位獲得となりました。シングルが月9ドラマの主題歌になったり、「JR SKI SKI」のCMソングになるなどタイアップにも恵まれていますが、人気も急上昇中。初動売上17万3千枚は前作「ラブストーリー」の3万8千枚(2位)から4倍増以上という急上昇。文句なしの1位獲得になりました。

さらに今回、2位に入ってきたのはジャニーズWEST「ラッキィィィィィィィ7」。初動売上8万5千枚という数字は、ジャニーズ系としては多い方ではないのは事実ですが、ただそれでも前作「パリピポ」の8万1千枚(2位)の初動を上回っており、こちらも人気は上がり調子。back numberはそんなジャニーズ系グループを下しての見事な1位獲得となっています。

3位初登場は松田聖子「We Love SEIKO -35th Anniversary 松田聖子究極オールタイムベスト50Songs-」。タイトルですべてを語っているのですが、歌手デビュー35周年を迎える彼女がはじめてリリースしたオールタイムベスト。全3枚組で彼女の代表曲50曲が収録されています。初動売上5万枚は、直近のオリジナルアルバム「Bibbidi-Bobbidi-Boo」の1万3千枚(6位)から大きくアップ。アルバムのベスト3入りは1996年の「Vanity Fair」から19年ぶりという結果となっています。ただ、正直、彼女の知名度と収録曲から考えると、ベスト3入りとはいえ、初動5万枚というのはちょっと寂しい印象もあります。

続いて4位以下の初登場ですが、4位にはJUJUのニューアルバム「WHAT YOU WANT」がランクイン。オリジナルアルバムでは2ndアルバム「What's Love?」以来、ベスト3入りを続けていましたが、残念ながらデビュー作以来5作ぶりのベスト3落ちとなってしまいました。ただし、初動売上4万2千枚は前作「DOOR」の3万9千枚(2位)よりアップ。強力盤が並び、運が悪かった結果といったところでしょう。

6位に韓流のバンドFTISLANDのイ・ホンギ(from FTISLAND)「AM302」がランクイン。フライング販売分があったのでしょうか?今週2万3千枚を売り上げて、先週のベスト50圏外からランクアップし、ベスト10入りしています。ちなみに本作は国内盤のデビュー作。韓国版では先に「FM302」がリリースされており、オリコンでも初動2千枚(38位)を売り上げています。

7位には黒崎蘭丸(鈴木達央)、カミュ(前野智昭)、一十木音也(寺島拓篤)「うたの☆プリンスさまっ♪シアターシャイニング Pirates of the Frontier」。映画をテーマとしたドラマCDシリーズの第2弾。初動売上は2万枚で、同シリーズの前作、聖川真斗(鈴村健一),神宮寺レン(諏訪部順一) 美風藍(蒼井翔太)「うたの☆プリンスさまっ♪シアターシャイニング BLOODY SHADOWS」の2万5千枚(4位)からダウン。

今週の初登場盤は以上ですが、1枚、ベスト10への返り咲き組が。AKB48「0と1の間」が先週の12位からランクアップし、ベスト10に返り咲いています。ただし、売上は1万1千枚から8千枚にダウン。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日!

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2015年12月16日 (水)

ついに初動ミリオン陥落

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週1位はAKB48の新曲「唇にBe My Baby」がランクイン。ただその初動売上が話題となりました。

初動売上は90万5千枚。前作「ハロウィン・ナイト」の127万7千枚(1位)から大幅減。本作、2011年5月にリリースされた「Everyday、カチューシャ」から20作連続で続いた初動ミリオンがついにストップしました。正直、初動ミリオン記録を続けるためになんらかの施策をうってくるかと思ったのですが、意外とあっさり記録を終わらせましたね。

2位初登場はEXILE「Ki・mi・ni・mu・chu」。「サントリー ザ・モルツ」CMソング。EXILEとしては爽快な雰囲気の軽めのポップチューン。初動売上12万7千枚は前作「24karats GOLD SOUL」の9万枚(3位)からアップしています。

3位には韓流の男性アイドルグループ防弾少年団「I NEED U(Japanese Ver.)」がランクイン。一応、HIP HOPグループを標榜しているだけに、最初はラップからスタートするのですが、サビは普通のK-POPに・・・というのはこの手のアイドルソングでよくありがち。初動9万5千枚は前作「FOR YOU」の7万2千枚(1位)よりアップ。

続いて4位以下の初登場曲です。4位に氣志團「我ら思う、故に我ら在り」が入ってきました。テレビ朝日系「仮面ライダーゴースト」主題歌。初動売上2万4千枚は前作「Don't Feel,Think!!」の1万4千枚(10位)からアップ。タイアップ効果も強いのでしょうが、完全に人気が回復してきている彼ら。シングルでの4位は2005年の「俺達には土曜日しかない」以来10年ぶり、かつ自己最高位タイとなりました。

5位には女性アイドルグループ愛乙女★DOLL「Heatup Dreamer」がランクイン。今風のEDM風アレンジ。初動1万8千枚は前作「カレンダーガール」の1万7千枚(7位)から微増。

そしてもう1組女性アイドルグループ。こちらは韓流。APink「SUNDAY MONDAY(Japanese ver.)」が6位にランクイン。アコースティックテイストで聴かせるポップチューン。初動売上1万6千枚は前作「LUV」の4万4千枚(2位)から大きくダウン。

初登場最後。9位に人気男性声優同士によるユニット神谷浩史+小野大輔「Monster’s Show」が入ってきました。この2人、コンスタントに組んでシングルをリリースしているようで、初動売上9千枚は前作「Glow My Way」(14位)から横バイながらも初のベスト10ヒットとなりました。神谷浩史の単独名義では前作「START AGAIN」の1万6千枚(10位)からダウン。一方、小野大輔単独名義では、前作「ヒーロー」の6千枚(13位)よりアップしています。

また今週8位にNMB48「Must be now」が先週の13位よりランクアップ。売上も7千枚から1万1千枚に伸ばし、ベスト10に返り咲きしています。

今週のチャートは以上。アルバムチャートはまた明日!

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2015年12月15日 (火)

前作に続いてベスト10ヒットも

Title:Depression Cherry
Musician:Beach House

前作「Bloom」が高い評価を受け、大きな評判となったアメリカの男女ポップ2人組ユニットの約3年ぶりとなる新作。その前作「Bloom」はアメリカビルボードチャートで最高位7位を記録するなど、売上面でもヒットを記録。続く本作も、前作の余波を受けるような形で、最高位8位のヒットを記録しています。

評価の高かった前作からの次の一歩としての本作。どのような作品をリリースしてくるのか、期待がかかった作品ですが、良きにつれ悪しきにつれ、基本的には前作と同じ方向性のように感じました。女性ボーカルヴィクトリア・ルグランのクリアな歌声に、ドリームポップと称される、シンセをつかったホワイトノイズのサウンドが繰り広げられるスタイル。心地よいサウンドでつつまれたポップな作品が続きます。

ホワイトノイズが繰り広げられるといっても、圧巻のノイズで包んで・・・というスタイルではありません。楽曲の中であくまでもメインとなるのはヴィクトリア・ルグランの歌う唄。前作の感想でも書いたのですが、この手のバンドにありがちな、「歌は楽器の一部」というスタイルではなく、楽曲の真ん中に歌がデンと鎮座ましましているような感じになっています。

そんなBeach Houseらしさを感じるのが「Beyond Love」でしょうか。ノイジーなサウンドからスタートするイントロは、いかにもドリームポップらしいサイケっぽい雰囲気になっているものの、歌がはじまると一変、しっかりとポップなメロディーラインを聴かせるような構成になっています。「Sparks」あたりも美メロともいえるメロディーが耳に残りながらも、アレンジが微妙にゆがんだ感じなのがおもしろい印象を受けました。

ただ、今回の作品、前作に比べるとメロディーラインがちょっと後ろに下がってしまい、逆にサウンドが前に出てきてしまったような印象を受けます。まあ、基本的には本作もメロディー主体なのは変わらず、若干といった程度の印象なのですが・・・。しかしその結果、サウンドが正直ちょっとチープに聴こえてしまったような感を受けます。

彼らの用いるサウンドは、80年代的というか、おそらく狙っているのでしょうが、チープさを感じるサウンド。それはそれでおもしろいといえばおもしろいのですが、今回のアルバムに関しては、メロディーに比べてサウンドが前に来た点、また前作に比べるとサウンドが少々シンプルになったことから、悪い意味でチープな印象が前に出てきてしまったように思います。

ポップなメロディーは前作同様、気持ちよいですし、前作が気に入ればおそらく聴いて損のない内容だとは思うのですが・・・。良質なポップアルバムだった前作に比べると、ちょっと物足りなさも感じてしまったアルバムでした。

評価:★★★★

Beach House 過去の作品
Bloom

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2015年12月14日 (月)

全世界で大ヒット中

Title:25
Musician:Adele

前作「21」が全世界で3,000万枚以上を売り上げるという驚異的なセールスを記録したイギリスのシンガーソングライターAdele。当然、このアルバムも注目をあつめ、アメリカではニールセン調査で1週間で338万セットを売り上げ、1991年の調査開始以来、1週間でもっとも売れたアルバムになったそうです。

Adeleを評する場合、一番ピッタリ来る言葉は「とても良質な大人のポップス」という言い方でしょうか。若干陳腐な表現かもしれませんが、大人のポップスという言い方は彼女の音楽に対して一番しっくり来ます。基本的にR&Bやソウルの要素を取り入れたポップスなのですが、そのサウンドには決して今風ではありません。ピアノの音を取り入れつつ、歌とメロディーをしっかりと聴かせるスタイル。目新しさこそありませんが、ポピュラーミュージックとしての王道を愚直に進んでいる、といった印象を受けます。

歌詞にしてもストレートなラブソングがメイン。優等生的・・・とまで言えるかどうかはともかくとして、比較的広い層のリスナーが安心して聴けるような内容になっています。この愚直なまでの大人のポップスという路線と、広いリスナー層にアピールできるラブソングというスタイルが、彼女のアルバムが記録的ヒットを獲得した大きな理由でしょう。

今回のアルバムに関しては、いままでのソウル路線がちょっと薄くなり、代わりにポップス路線が強くなったように思います。例えば「SEND MY LOVE(TO YOUR NEW LOVER)」「WATER UNDER THE BRIDGE」などといった曲はいままでの彼女の曲に比べて、爽やかなポップス色が強くなっています。

また、彼女のボーカルもまたすごみを増しています。もともとデビューアルバム「19」の頃から、その年齢からすると信じられないほどの老成されたようなボーカルが魅力的でしたが、年齢を経るに従い、表現力がより加わり、ボーカルの声量もより強くなったように感じます。以前リリースしたライブ盤「LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL」ではCDより、よりパワフルなボーカルが魅力的でしたが今回のアルバムでは比較的その水準に近い力強いボーカルをCD音源でも楽しむことが出来ました。

今回、特に惹かれたのは「MILLION YEARS AGO」。アコギのアルペジオのサウンドに、泣きのメロディーを聴かせるムーディーな雰囲気の曲。しんみり歌い上げる彼女のボーカルと相成り、心に染み入ってくる名曲に仕上がっています。さらにそれに続く「ALL I ASK」も絶品。この曲、かのBruno Marsとのコラボ曲で、そのため彼女の曲としてはポップステイストの強い曲になっています。それだけにインパクトあるメロディーに仕上がっており、彼女の新たな可能性を感じるナンバーになっていました。

そんな訳でポップス路線によりシフトしたことにより、より多くのリスナー層へのアピールが出来るようになったと感じた新作。もちろん、いままでのソウル路線もちゃんと残していますので、そういう意味でいままでのファンにも納得の作品だったのではないでしょうか。前述の通り、決して目新しさはないものの、まさにこれぞ良質なポップソングといった名曲が並んでいます。でもなぜか、日本では海外ほど売れないんだよなぁ・・・。確かに、ちょっと地味といえば地味なのかもしれませんが・・・是非、幅広いリスナー層にチェックしてほしい傑作です。

評価:★★★★★

Adele 過去の作品
19
21
LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL

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2015年12月13日 (日)

1枚目と同様

Title:Every Open Eye
Musician:
Chvrches

スコットランドのグラスゴー出身の3人組バンドCHVRCHES(チャーチズ)。イギリスBBCによる有望な新人に与えられる「The Sound Of 2013」で5位になるなど話題となり、デビュー作である前作「The Bones Of What You Believe」もイギリスのアルバムチャートで9位にランクインするなど、大きな話題となりました。

ただ、この手のバンドは1枚目調子よくても、2枚目は失速、というのはよくあるパターンです。しかし彼女たちに関しては、2作目となる本作、イギリスのチャートでは4位にアップ。さらにはアメリカのビルボードチャートでも最高位8位を記録した上、日本のオリコンチャートでも39位まであがってくるなど、好調な結果となりました。

もっとも、このアルバムが好調だった理由もわかるような気がします。彼女たちの奏でるサウンドは、ちょっとチープさも感じるエレクトロサウンドにポップなメロディーライン。エレクトロサウンドも耳馴染みやすいのですが、メロディーラインにはしっかりと耳に残るインパクトがあります。さらにボーカル、ローレン・メイベリーのキュートなボーカルも魅力的。ポップでキュートなガールズポップは、良くも悪くも幅広く受け入れられそうなポップソングで、だからこそ、2作目となった本作は、デビューアルバム以上のヒットとなったと思います。

また、彼女たちの書くメロディーは展開がわかりやすく、サビの部分もはっきりした楽曲も多いため、ある意味、J-POP的。ちょっと80年代なサウンドも入ったりして、懐かしさを感じつつ、素直なポップソングにワクワクする、という点は前作と同様でした。

典型的なのは「Make Them Gold」。イントロのリズムの入り方なんか、もろ80年代(笑)。こちらは日本盤のボーナストラック曲なのですが、「Bow Down」なども軽いバスドラでテンポをとりつつ、手拍子らしき音でリズムを取るというスタイルにももろ80年代を感じます。

一方では「Down Side Of Me」ではミニマルで細かいビートのサウンドに、ちょっと今風の匂いを感じたり、本編ラストの「Afterglow」ではドリーミーなサウンドに仕上げてきたりと、ここらへんのバリエーションは前作同様。今回も男性ボーカル曲も2曲入っています。

そんな訳で、基本的にはデビュー作を踏襲した2作目になっています。ともすればデビュー作とは異なることをやりがちな2枚目で目新しいことをせずに前作と同様の作品をつくってくるというあたり、彼女たちがあくまでもポップであることを真摯に追及しているようにも感じました。そしてそんな彼女たちのアルバムは前作同様、聴いていてワクワクするポップソングらしい楽しさがつまった作品になっていたと思います。

前作同様の傑作だったのは間違いないと思うのですが、ただし、勢いという点ではやはり前作の方に分が上がるかも・・・。はじめて彼女たちを聴く方は、まずはデビューアルバムから入るのがお勧め。その後このアルバムを聴けば、間違いなく満足すると思うのですが。

評価:★★★★★

Chvrches 過去の作品
The Bones Of What You Believe


ほかに聴いたアルバム

今回はプリンスが2枚同時にリリースしたアルバムの紹介。

ART OFFICIAL AGE/PRINCE

こちらはプリンス単独名義となるアルバム。

PLECTRUMELECTRUM/Prince & 3rdeyegirl

こちらはプリンスと、バックバンド3rdeyegirlとの合同名義となるアルバムです。

「ART OFFICIAL AGE」は実にプリンスらしい作品といった感じでしょうか。基本的にファンキーなサウンドを聴かせてくれるのですが、エレクトロビートが主体。それが今風だったり80年代の雰囲気を感じたりして、懐かしさと新しさが同居したようなアルバム。まさに2010年代のプリンスといった感じの作品でした。

一方、「PLECTRUMELECTRUM」はバンドサウンドメインのロックアルバム。ギタリストとしてのプリンスの才も感じられたりするあたりがユニーク。ファンキーなサウンドをロックに奏でてくれるあたり、純粋にロックリスナーとしては楽しめる作品。ただ、ちょっとロックサウンドが一昔前っぽいというか、良くも悪くもベタなのが気になりましたが。

評価:
ART OFFICIAL AGE ★★★★★
PLECTRUMELECTRUM ★★★★

PRINCE 過去の作品
PLANET EARTH

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2015年12月12日 (土)

コミカルな歌詞だけではなく

Title:ジパング
Musician:水曜日のカンパネラ

今、最も注目されているミュージシャンの一組、水曜日のカンパネラ。ケンモチヒデフミの作るエレクトロなトラックと、歴史上の人物などをモチーフに、ちょっとひねくれた視点からつむぐユーモラスな歌詞。さらにはそれを難なくリズミカルに、時としてコミカルにラップするボーカルのコムアイ。ジャンル的にはHIP HOPユニットとされているみたいですが、どちらかというとエレクトロの枠組みで捉えた方が間違いミュージシャンかと思われます。

私は昨年11月にリリースされたミニアルバム「私を鬼ヶ島に連れてって」ではじめて彼女たちの音楽を聴いて気に入ったのですが、今回のアルバムで完全にはまってしまいました!(笑)最近、毎日のように彼女たちのYou Tubeを見て、このアルバムも何回も繰り返し聴いております(^^;;

今回のアルバムも、前作同様、コミカルな歌詞がまずはユニーク。カレーライスの向こうにエジプトの太陽神を描く(なぜ?)「ラー」や、小野妹子という女性と間違いそうな名前をネタとした「小野妹子」など、またユーモラスな歌詞が冴えまくっています。また、ケンモチヒデフミの書く歌詞を、上手くラップするコムアイのリズム感も見事なものがあります。今回のアルバムでもそんな彼女のリズム感に感心するのが「シャクシャイン」。北海道の地名を淡々と並べただけの歌詞なのですが、それを上手くラップしています。

ただ、今回のアルバムでそんな歌詞やラップ以上にはまった要素だったのが、ケンモチヒデフミのトラック。「私を鬼ヶ島に連れてって」でももちろん魅力的なトラックを聴かせてくれたのですが、今回のアルバムではより彼のトラックが前に押し出されたように感じました。

リズミカルなエレクトロなトラックは、1曲1曲様相の異なるバラエティーに富んだものだったのですが、そんな中、本作では本人もインタビューで述べたように、比較的流行に音を多く取り込んだように感じます。トライバルなビートでパンキッシュな「ウランちゃん」や重低音を聴かせつつファンキーなサウンドに仕上げた「ライト兄弟」など実に魅力的。ダンサナブルな「メデューサ」は軽快なベース音がある意味非常にベタさを感じるのですが、それがとても心地よく感じます。「シャクシャイン」のようなシンプルなパーカッションのみのサウンドで、コムアイのラップと一体化したようなトラックも実に見事でした。

さらに終盤、ピアノを入れつつ、悠久の川の流れを感じる(でもネタは多摩川にあらわれたあざらしのタマちゃん!)「西玉夫」に、ピアノを入れつつ、ジャズの要素も加えた「マッチ売りの少女」で締めくくり。しっかりと「聴かせる」トラックで締めくくられます。

コミカルなラップだけではなく、音楽性の高いトラックをより聴かせる今回の作品は、はじめてのフルアルバムということもあり、より彼女たちが本気モードにシフトしたようにも感じました。コミカルな歌詞にまず惹きつけられつつ、聴けば聴くほど音楽的な奥深さにはまっていってしまう傑作。まだまだしばらく彼女たちにははまってしまいそうです。

評価:★★★★★

水曜日のカンパネラ 過去の作品
私を鬼ヶ島へ連れてって

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2015年12月11日 (金)

戦前歌謡の奥深さと魅力

戦前のSP盤の復刻レーベルとして、様々な話題のアルバムをリリースしているぐらもくらぶ。個人的にはまってしまい、こちらでも何作か紹介してきましたが、今回は2作同時にリリースされた2枚のアルバムです。

Title:The LOST WORLD of JAZZ 戦前ジャズ歌謡全集・タイヘイ篇

まずは戦前のジャズをおさめたオムニバス。こちらは関西の代表的なレコード会社、タイヘイレコード。そこに残された戦前ジャズを収録したアルバムです。

Title:日本の軍歌・軍国歌謡全集 Vol.1 1932-1943

こちらはタイトル通り、日本の軍歌・軍国歌謡を収録したオムニバス。「Vol.1」というタイトルから今後はシリーズ化を予定しているようで、第1弾は日本ポリドール蓄音機商会からリリースされた曲を取り上げたそうです。

ここ最近、ぐらもくらぶからはやけに軍国歌謡を取り上げた曲が多かったり、あるいは企画色の強いアルバムが続いていましたが、本作はギミックなしに、戦前歌謡をレーベル別に収録したオムニバス盤。資料的価値も高い企画といった感じでしょうか。

一方はジャズ、もう一方は軍歌・軍国歌謡。イメージとしては庶民の「本音」としてのジャズ、「建て前」としての軍歌・軍国歌謡といった感じでしょうか。戦前SP盤を、レーベル別に網羅的に紹介する、という似た方向性の企画ながらも、対照的な音楽のジャンルのオムニバスを同時にリリースするというのがユニークなところです。

もっとも、じゃあ両者が全くかけ離れたものだったか、と言われるとそうではなく、「戦前ジャズ歌謡全集」の中でも「月はよいもの」では、「せめて戦地を 言付けを」という歌詞が登場してきますし、逆に「軍歌・軍国歌謡全集」でも「ボルネオ第一信」はジャズ風のアレンジとなっており、両者が決してかけ離れたものではないことを感じさせます。

さて、そんな2枚のアルバム。まず「戦前ジャズ歌謡全集」ですが、ジャズというカテゴライズをしていますが、戦前は「ジャズ」という言葉を今のジャズという意味合いより広く、「洋楽風」に近い意味で使われていたようで、「ジャズ」にとらわれないジャンルを楽しむことが出来ます。

例えば「南京豆売り」はラテン風ですし、「ハロー青春ウエルカム」「夢見るワイキキ」はハワイアン。「プレガリア」はタンゴ風ですし、最後を締めくくる「雨の夜港」は、今の感覚で言えばおもいっきりムード歌謡曲な曲になっています。

ただそれだけ当時、幅広いジャンルの音楽が日本に入ってきていた、という証拠であり、戦前歌謡の奥深さを感じさせてくれる選曲になっていたと思います。楽曲の雰囲気としても二村定一が歌ってコミカルさのある「エアーガール」からスタートし、エキゾチックな「土人のお祭り」、軽快で楽しいダンスチューン「艦隊を追って」など様々。戦前歌謡の魅力にたっぷり触れられるオムニバスです。

もう一方の「軍歌・軍国全集」。こちらは「初復刻となる貴重な音源を中心に構成する」という記載があるようにマニアにとってもうれしい内容(と思われる)反面、「敵は幾万」「愛国行進曲」などともすれば軍歌を全く聴かない人でも「どこかで聴いたことあるような・・・」と思う有名曲もしっかりと収録されており「全集」らしい選曲になっています。

正直言ってしまえば、この2枚のうち、どちらがより楽しめたかと言われると「軍歌・軍国全集」。こちらの方が圧倒的にメロディーがわかりやすくインパクトがあり、また「愛馬進軍歌」のような物語性があり、歌い手の心境も織り込んだ、より心に響く曲もあったりします。それはおそらく、「軍歌・軍国歌謡」が聴き手を鼓舞する、という目的のはっきりした音楽だからでしょう。

ただこちらは純粋にお勧めできるか、と言われると、これは以前にも書いたのですが、明らかに今となっては受け入れられないような帝国主義的な価値観の下に書かれた歌詞は、変にはまってしまうと思想が「偏ってしまう」危険性は間違いなくあると思います。そういう意味では聴き手を選ぶオムニバスかもしれません。下の1つマイナスはそういう理由。ただ、「これはこういうもの」という割り切りの上で聴く分には非常に楽しめる1枚だと思います。

どちらも戦前歌謡、SP盤の魅力がしっかりと伝わってくるオムニバス。どちらも続編がリリースされそうな雰囲気なだけに、次の作品も楽しみです。

評価:
戦前ジャズ歌謡全集 ★★★★★
軍歌・軍国全集 ★★★★


ほかに聴いたアルバム

空からの力 20周年記念デラックス・エディション/キングギドラ

ZEEBRA、K DUB SHINE、DJ OASISの3人が所属しているHIP HOPユニットキングギドラ。日本のHIP HOP黎明期に活躍していた「伝説」とも言えるユニット(現在はKGDRの名前で再結成中)なのですが、そんな彼らが、1995年にリリースしたアルバムが本作。日本のHIP HOP史に残る名盤としても知られる本作ですが、リリース20年を記念してリマスター。さらにボーナストラックとして1996年にリリースされたリミックスアルバム「影」と、DVDとして1998年にリリースされた「影 The Video」が付属された豪華な仕様となっています。

本編はなによりもジャジーな雰囲気のダークなトラックがカッコいい。今聴いても十分カッコよさを感じるトラックに、これが名盤と言われても納得のクオリティーを感じます。リリックは社会派なリリックで若干中2的なリリックもあるのですが、「誰かの夢が又、行方不明」といったインパクトあるパンチラインを書いてくるのはさすがです。

付属のDVDはわざとピントをはずしたエフェクトはいかにも80年代的で時代を感じさせます。そのため、今見ると、ちょっと古さも感じてしまうのは残念。こちらは貴重な映像資料といった感じでしょうか。

とはいえ、アルバムの内容としてはさすが「名盤」の誉れ高い作品だけある内容。最近、HIP HOPを聴きだしたような方は間違いなく聴くべき1枚だと思います。

評価:★★★★★

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2015年12月10日 (木)

星野源、強し!

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

1位獲得はシングルアルバム通じて初となります。

今週1位は、星野源「YELLOW DANCER」。くも膜下出血からの完全復帰後初となる約2年7ヶ月ぶりとなるニューアルバム。初動売上13万1千枚は前作「Stranger」の4万2千枚から大幅増。ここ数作、1万枚→4万2千枚→13万1千枚と右肩上がりのペースで売り上げを伸ばしています。ミュージシャンとしても俳優としても今、もっとも勢いがあるのは彼かもしれません。

2位初登場はSuperfly「黒い雫 & Coupling Songs:'Side B'」。2枚組となる作品で、DISC1は新曲「黒い雫」を含めた5曲入り、DISC2はカップリング曲を集めた全17曲となる作品。公式サイトの扱いはシングルなのですが、オリコン上はアルバム扱いとなっています。以前、「Wildflower」をリリースした時も、2枚目のCDとしてカバー曲集をつけてきた結果、オリコンではアルバム扱いとなりました、それと一緒ということですね。初動売上は3万4千枚。アルバムとしては直近の「WHITE」の7万8千枚(2位)よりダウン。なお、シングルとしてランクインしていても今週は2位に相当する売上でした。シングルとしては前作「On Your Side」の1万枚(9位)よりアップ。ただし、前作はアルバムからのリカットシングル。純粋な新曲としては前々作「愛をからだに吹きこんで」の初動1万5千枚(12位)よりもアップしており、ここらへんはやはりDISC2のカップリング曲集の影響でしょうか。

3位には氷川きよし「新・演歌名曲コレクション2-愛しのテキーロ/男花-」がランクイン。氷川きよしの新曲にカバー曲を加えた「名曲コレクション」の新シリーズ第2弾。本作では北島三郎の「函館の女」や渥美二郎の「夢追い酒」をカバーしています。初動売上は2万2千枚。前作「新・演歌名曲コレクション~さすらい慕情~」の2万5千枚(3位)からダウン。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にタッキー&翼「TRIP&TREASURE TWO」が初登場。作家陣にクレイジーケンバンドの横山剣や新進気鋭のトラックメイカーtofubeats、さらにはチャラン・ポ・ランタンなども起用した豪華な内容となっています。初動売上1万9千枚は前作「Two Tops Treasure」の2万3千枚(5位)からダウン。

5位はHIP HOPユニットDOBERMAN INFINITY「THE LINE」がランクイン。元々はDOBERMAN INCとして活動していたグループがEXILEの事務所LDHに移籍後、急激に人気を伸ばして、これがDOBERMAN INFINITYとしては初となるフルアルバム。初動売上1万8千枚は前作のミニアルバム「#PRLG」の1万枚(8位)からアップ。

6位には人気女性声優内田真礼「PENKI」が入ってきました。初動売上1万4千枚で、これがシングルアルバム通じて初のベスト10ヒットとなります。

7位初登場はイギリスの人気バンドCOLDPLAY「A HEADFULL OF DREAMS」がランクイン。イギリスではデビューアルバム「Parachutes」以来、アメリカでは3枚目の「X&Y」以来、すべてのオリジナルアルバムがチャート1位を獲得しており、うち2枚目の「静寂の世界」から5枚目の「Mylo Xyloto」まで全世界売上1千万枚超を記録しているというモンスターバンド。今回は前作から1年7ヶ月という、比較的短いスパンでの新作リリースとなりました。初動売上1万3千枚は前作「Ghost Stories」の2万枚(7位)よりダウン。ただし、世界発売にあわせて金曜日リリースとなった要因が大きいと思われます。

最後10位には「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS 03」が入ってきました。ゲーム「アイドルマスター ミリオンライブ!」のキャラクターによるライブを模したアルバム。初動売上は1万1千枚で、同シリーズの前作「THE IDOLM@STER LIVE THE@TER DREAMERS 02」の1万2千枚(4位)からは微減となっています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2015年12月 9日 (水)

ドラマ主題歌が上位に

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週のシングルチャート。まず1位を獲得したのが関ジャニ∞「侍唄(さむらいソング)」。テレ朝系ドラマ「サムライせんせい」主題歌。作詞作曲をレキシとしての活動でも知られる池田貴史が手掛けていますが、正統派のバラードで、歌詞もユーモラスな部分はなく、レキシの・・・という点で期待すると期待はずれかも。初動売上14万7千枚は前作「前向きスクリーム!」の28万2千枚(1位)よりダウン。ここ最近、27万1千枚→20万1千枚→15万6千枚と来て、前作でCDの販売種数を2種から3種に増やした影響で初動売上を伸ばしましたが、2種に戻した本作は、前々作の水準に戻りました。

2位は安室奈美恵「Red Carpet」がランクイン。コーセー「OLEO D’OR」CMソング。今風のエレクトロサウンドで彩られたミディアムテンポのナンバー。初動売上2万5千枚は前作「BRIGHTER DAY」の3万5千枚(8位)からダウン。ここ数作、4万2千枚→3万5千枚→2万5千枚と減少傾向なのが気になります。

3位にはロックバンド[Alexandros]「Girl A」が入ってきています。こちらも関ジャニ∞同様、ドラマ主題歌。フジテレビ系ドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」オープニング・テーマ。テンポよいリズムを刻むドラムとダイナミックなギターがカッコいいナンバーになっています。初動売上1万7千枚は前作「ワタリドリ」の1万6千枚から微増。シングルでは初のベスト3ヒットとなりました。

続いては4位以下の初登場ですが、またゲームの登場人物によるキャラクターソングが並んでいます。スマートフォン向けアイドル育成ゲーム「アイドリッシュセブン」より、TRIGGER 「ソーシャルゲーム『アイドリッシュセブン』「SECRET NIGHT」」が5位、IDOLiSH7「ソーシャルゲーム『アイドリッシュセブン』「MONSTER GENERATiON」」が7位にそれぞれランクイン。初動売上はそれぞれ1万5千枚、1万4千枚を記録しています。

その2曲に挟まるように6位に入ってきたのが遊助こと俳優の上地雄輔の「お前しかいねぇ 遊turing RED RICE(from湘南乃風)」。タイトル通り、湘南乃風のRED RICEとのコラボ曲で、予想通り、非常に暑苦しいナンバーになっています。初動売上1万4千枚は前作「サヨナラマタナ」の1万5千枚(5位)から微減。

そして最後の下位3曲は相変わらずの女性アイドルグループ。8位はスターダストプロモーション所属のアイドルグループときめき宣伝部「季節外れのときめきサマー」、9位にアイドルカレッジ「イチズレシピ」、10位には全日本国民的美少女コンテスト出場者によるユニットX21「マジカル☆キス」がそれぞれランクインしています。どれも変わり映えしないアイドルポップ。初動売上はときめき宣伝部が1万1千枚で、前作「土っキュン!!少女」の7千枚(13位)からランクアップし、初のベスト10入り。アイドルカレッジはアニメ「俺がお嬢様学校に『庶民サンプル』としてゲッツされた件」オープニング・テーマ。初動1万1千枚は前作「ビーマイ☆ゾンビ」の1万3千枚(6位)よりダウン。X21はアニメ「ジュエルペット マジカルチェンジ」主題歌。初動9千枚は前作「YOU-kIのパレード」の1万2千枚(5位)からダウン。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2015年12月 8日 (火)

爽やかシティポップ

Title:Almost A Rainbow
Musician:アナログフィッシュ

前作「最近のぼくら」までは「社会派三部作」としてメッセージ性の高い作品をリリースしてきたアナログフィッシュ。その前作からわずか11ヵ月、早くも新作がリリースされました。

その社会派な作品から一転、今回の作品はメッセージ性という部分は後退。歌詞においてはラブソングがメイン。

「Tululu 目と目が合った Boys&Girls
Tululu 抑えきれない Boys&Girls
Tululu 恋に墜ちてく Boys&Girls
Tululu 手と手を繋ぐ Boys&Girls」

(「Baby Soda Pop」より 作詞 佐々木健太郎)

なんて歌う「Boby Soda Pop」からはじまり、

「君は君らしく生まれた
僕に愛されるために」

(「Walls」より 作詞 下岡晃)

「きみをあいすしかない
それができそうにない」

(「こうずはわからない」より 作詞 下岡晃)

などといった歌詞が展開されていきます。そんな彼らの描く風景は、どこか現在の都会の街角を切り取ったよう。彼らの歌詞の世界観は、まさに「シティポップ」という言葉がマッチするものになっていました。

その「シティポップ」としての要素は今回、メロディーやサウンドからも強く感じられます。前述の「Body Soda Pop」などは山下達郎を彷彿とさせるような爽やかなポップチューンに仕上がっていましたし、「Will」は序盤の入りはどこかスピッツっぽく、サビは山下達郎を彷彿させる、ちょっと一癖あるポップチューンに仕上がっています。

さらに後半に行くにつれて、ポップ路線が続くのですが、なによりもバラエティー富んだサウンドが冴えまくっていました。基本的にシンプルなサウンドにドラムスのリズムを強調した今風のサウンドなのですが、強烈にひねくれたリズムとピアノのからみがユニークな「Walls」や、サイケデリックなギターノイズを聴かせる「Hate You」などなど、ノイジーなギターを入れつつ、必要最小限の音のみから構成されるサウンドに、シンプルさも感じる楽曲が特徴的。ここらへんのサウンドのバランス感覚も、実に絶妙なものを感じます。

アナログフィッシュはアルバムによってその出来にバラつきがあったのですが、前作「最近のぼくら」は傑作で、続く本作も文句なしの傑作アルバムに仕上がっていました。なにげにデビューから10年以上が経過している中堅バンドなのですが、前作と本作を聴く限り、今が一番脂にのっているのでは?と思わせるような出来。爽やかなポップソングもさることながら、それを構成するサウンドの使い方の妙に、彼らの実力を感じさせます。デビューから11年が経過した今現在にも関わらず、これからが楽しみと思わせるアルバムでした。

評価:★★★★★

アナログフィッシュ 過去の作品
荒野/On the Wild Side
NEWCLEAR
最近のぼくら

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2015年12月 7日 (月)

今年もまた恒例の・・・

Title:2016-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar

Bluescalender2016

毎年恒例、今年もブルースカレンダーの季節がやってきました。アメリカのブルース・イメージ社という会社が毎年リリースしているカレンダーで、CDの付録がついてきています。当時のブルースレコードの広告が載っているカレンダーも貴重なのですが、それ以上に貴重なのが付録のCD。カレンダー記載の広告に沿った戦前ブルースが12曲に、今回はボーナストラックとして8曲が追加。20曲入り60分にも及ぶ内容で、むしろこちらが本編では?というよりも、カレンダーももちろんですが、毎年、こちらのCDを目当てで勝っているわけで(笑)。

また、毎回、マニア垂涎の貴重な音源が収録されていることでも話題となる本作。今年は、長年、現存が確認されていなかったHattie Hydeという女性ブルースミュージシャンの「Special Question Blues」「T&N O Blues」という2曲と、戦前から戦後にもかけて活躍したJaydee Shortの「Tar Road Blues」「Flaggin' It To Georgia」の2曲が収録されています。

Hattie Hydeはしんみりと歌い上げるボーカルが実に味わい深く、力強さと、女性らしいやさしさが包含されたようなボーカルが印象的。他にもHattie Hartという名義でレコーディングを行っているものの、録音が残されているのは20曲程度だそうで、これだけの歌を聴かせながらも「知る人ぞ知る」的な存在なのは実に残念に思いました。一方Jaydee Shortはノイズ混じりで聴くのがかなり辛い録音状況。残念ながらちょっとマニア向けの音源かも。

他にも相変わらず魅力的な音源が揃っているアルバム。軽快なブギウギの、Papa Charlie McCoyのタイトルそのまま「Boogie Woogie」や、ブルースハープで汽車の音を表現しているようなジャグバンドの音が楽しいJed Davenport And His Beale Street Jug Band「Beale Street Breakdown」など楽しいナンバーや、タイトル通り、歩く速度でゆっくりと、味のあるボーカルが魅力的なCharlie Kyle「Walking Blues」のような聴かせるナンバー。また、牧師の説教をおさめたBlack Billy Sundayの「The High Cost Of Sin」「Will You Spend eternity In Hell」などはやはり日本では紹介されにくいだけになかなか貴重で、かつ、当時のアメリカ黒人文化を垣間見れることが出来ます。

名前のインパクトはおそらくブルース界No.1のBarbecue Bobの「Atlanta Moan」が収録されていたり(名前は以前から知っていたのですが、今回、彼の曲をはじめて聴きました・・・)、Blind Lemon JeffersonやBlind Blakeという有名所も。特にBlind Lemon Jeffersonはギターのフレーズが実にユニークで個性的。彼が戦前、絶大な人気を博していた理由も納得。ちなみに今回、彼の代表曲「See That My Grave Is Kept Clean」がボーナストラックとして収録されていました。この曲、今年亡くなったB.B.KINGが最後のオリジナルアルバム「One Kind Favor」の中でカバーしていたのですが、ひょっとして今回、この曲を取り上げたのは、B.B.への追悼の意味もあったのか???

そんな訳で、戦前ブルースで音が若干悪く、万人向けではないのかもしれませんが、文句なしに楽しめたブルースカレンダーでした。また、私の部屋の壁には2015年版が飾ってあるのですが、もちろん年明けと共にこのカレンダーがまた1年、私の部屋の壁に飾られる予定。また1年間、魅力的なブルースのレコード広告のアートワークを楽しめそうです。

評価:★★★★

2013-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2014-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar
2015-Classic Blues Artwork from the 1920s Calendar

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2015年12月 6日 (日)

THE STRYPESの魅力満載

Title:LIVE IN TOKYO 2015
Musician:THE STRYPES

アイルランド出身のロックバンドTHE STRYPES。日本でも人気の彼らですが、そんな彼らが今年の来日ツアーを機にリリースした来日記念盤。本作は、ニューアルバム「Little Victories」リリースの翌日に渋谷クラブクワトロで行われたライブの模様を収めたCDに、DVDが付属した内容となっています。

私もそんな彼らのライブに先日足を運んできたのですが、このCD、ライブ会場で買うと、メンバーの直筆サイン色紙がついてくる、ときいて衝動買い(笑)。まあ、もともと彼らのライブ盤ってとても魅力的ですし、買おうかどうか迷ってはいたのですが・・・。

そんな先日私も見ることが出来たTHE STRYPESのライブ。THE STRYPESといえば、60年代のロックンロールをそのまま引き継いだようなオールドスタイルのガレージロックが魅力。この手のバンドはやはりその魅力が最大限発揮されるのはライブ。先日のライブも期待通り素晴らしいものでしたが、このライブアルバムも、下手すればオリジナルアルバム以上にTHE STRYPESの魅力を感じられる作品だったと思います。

このライブ盤で彼らの魅力が感じられる大きな理由は、その演奏。「洗練された」という表現からはほど遠い荒々しい演奏が繰り広げられます。ある意味、音のまとまりやら「上手い」プレイやらよりも、バンドとしての勢いを重視したステージ。ただ、彼らの奏でるガレージロックは、こういう勢い重視の荒削りなサウンドがピッタリマッチしており、迫力ある演奏が耳に突き刺さる内容になっていました。

特に荒削りなサウンドにインパクトがあったのが、2ndアルバム「Little Victories」からの楽曲。CD音源では、正直良くも悪くも「洗練された」音になっており、それが物足りなさを感じさせたのですが、このアルバムに収録されているライブ音源は、オリジナルアルバムの雰囲気とはかなり異なる荒々しさを感じさせます。例えば「NOW SHE'S GONE」などもガツンとへヴィーなバンドサウンドをまず聴かせてくれますし、「SCUBAG CITY」は、よりノイジーになったサウンドが印象的。オリジナルアルバムの音源では削がれてしまっていたように感じる勢いを感じさせる演奏で、正直言えば、オリジナルアルバムよりこちらの方がよいのでは?とも思ってしまいました。

そんな演奏だけに、1stアルバムの曲と2ndアルバムの曲を並べてもほとんど違和感がありません。CD音源では1stアルバムと2ndアルバムで雰囲気が変わってしまったように感じたのですが、ライブでの演奏を聴く限り、THE STRYPESとしての根っこの部分は変わっていないんだな、と気が付かされます。

一方、1stアルバムからの曲に関しても、より勢いを増した感じ。例えば「BLUE COLLAR JANE」なおはもともと勢いのあった曲だったのですが、今回のライブ演奏ではピッチが速くなり、より勢いが増したように感じました。

DVDの方は全4曲入り。ちょっと残念だったのは渋谷クラブクワトロでの演奏の模様を収録したのは2曲だけで、あと2曲はスタジオライブの模様を収録した内容だったこと。個人的にはクワトロでの演奏をもっと見たかったな。ただ、ライブの時も感じたのですが、クワトロでのライブ映像を見ると、若いというよりも幼さすら感じられる姿が印象的。まだまだこれから成長しそうなバンド、という印象を受けました。

やはりTHE STRYPESはライブで聴かせるバンドだ、という思いを新たにした魅力的なライブアルバム。ただ、2ndアルバムリリース直後のライブなので、収録曲のほとんどが2ndアルバムからの曲だっただけに、次は1stアルバムからの曲も万遍なく収録されている、正式なライブアルバムの発売を期待したいところです。

評価:★★★★★

THE STRYPES 過去の作品
BLUE COLLAR JANE
SNAPSHOT
HARD TO SAY NO EP
LITTLE VICTORIES

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2015年12月 5日 (土)

貴重なPV集が3時間半

Title:1+(邦題 ザ・ビートルズ1+)
Musician:The Beatles

秋になると最近毎年のようにビートルズの関連アイテムが発売されます。ネタがつきないなぁ、と思いつつ、このCDが全く売れなくなった現在、売れば一定数以上は必ず売れるビートルズのアイテムってのは貴重な存在なんでしょうね。かくいう私も、まあ熱心なファンではないのですべてのアイテムを買ってはいないのですが、ちょこちょこ買っていたりするので、全く人のことはいえない訳ですが・・・。

そんな訳で今年発売されたのは2000年にリリースして大ヒットを記録したビートルズのベストアルバム「1」のリイシュー盤。この「1」というアイテム、ビートルズのシングルの中で1位を獲得した曲のみを収録したベスト盤。2011年にリマスター盤をベースに再発売され、さらに今回、リミックスをほどこされ、再度のリリースとなりました。

今回、このアルバムが大きな話題となったのは、今回のリイシューに際して、彼らのプロモーションビデオを収録したブルーレイ(あるいはDVD)がついてきたこと。彼らのPV集がリリースされたのはこれがはじめてで、そのためこのアルバムは大ヒットを記録。日本でもオリコンチャート1位に輝くなど、大きな話題となりました。

そんな訳で多分に漏れず、私もこの流れにのって購入。PV集も、「1」に収録された曲のみを収録したディスクと、その他のPVも収録したディスクにわかれており、発売形態も、CDのみのリリース、ブルーレイ/DVD入れて2枚組、3枚組、ブルーレイ/DVDのみのリリースとわかれていましたが、私はすべてを収録した3枚組のデラックスエディションを購入してきました。

本編の「1」自体の方はまあここでわざわざ語るまでもないかと思います。おなじみの名曲揃い。まあとはいえ、おなじみ「赤盤」「青盤」で十分じゃないか、とは思ったりもするのですが・・・1枚のCDで網羅されているというのが魅力的なのでしょうか。

そして肝心のPV集。有名なエピソードですが、今ではおなじみのプロモーションビデオも、最初にはじめたのは彼ら、ビートルズ。1965年にシングル「Day Tripper」がリリースされた時、多忙のためテレビ出演がままならなくなり、そのためマネージャーのブライアン・エプスタインがテレビ局に、ビートルズ側が作成した映像を買い取らせるて放送させる、という方法を思いついたとか。それが現在に至るプロモーションビデオのはじまりだそうです。

そんなPVの走りと言える作品なのですが、まず純粋に、動くビートルズの姿を3時間半近くにわたり見ることが出来るということに素直に感動。今となっては貴重な映像の連続で、熱心なファンでなくともビートルズ好きなら、安くない金額を出して購入して、決して損の無い内容だと思います。

また今回のPV集、一部を除いて1962年から70年のわずか8年間の間の映像を収録しています。その間のビートルズのメンバーの風貌の変化にも(まあ知ってはいるものの)驚かされますが、それ以上にノイズまじりの初期の作品から、カラー映像に進化する後期の作品まで、その映像技術の進歩もちょっとした驚き。ビートルズをはじめ音楽を取り巻く環境も8年の間に大きく変化していきましたが、映像に関してもこの時期、大きく変化していったんだな、ということを感じます。

プロモーション・ビデオの内容については、正直ライブ映像などシンプルな映像が多く、「凝った」作品はさほど多くありません。もっとも今となってはシンプルな作品の方が逆にビートルズの演奏をよく見ることが出来てよかったのかもしれませんが。ただそんな中でも、もっとも最初期のプロモーションビデオ「I Feel Fine」では他のメンバーが演奏する中、リンゴスターが延々とエアロバイクを漕いでいるという、謎だけどどこかコミカルな内容。単純に「ビートルズが演奏する姿を録ればよい」という発想ではなく、どこか映像としての作品を意識した部分を感じさせるのも彼ららしいという印象を受けました。

また、映像作品としても「Strawberry Fieleds Forever」のプロモビデオはサイケデリックな内容になっていて、今見ても、惹きつけられる映像作品として仕上がっています。他にも4人仲良く並んだ映像がほほえましい「Help」など、印象的な作品も多く、3時間半、あっという間に楽しめました。

そんな訳で私がわざわざ言うまでもなくお勧めの作品。しかし、このビートルズ関連のアイテムリリース、いつまで続くんでしょうか。なんだかんだと言って、ネタはつきないんでしょうが・・・。

評価:★★★★★

The Beatles 過去の作品
LOVE
On Air~Live At The BBC Volume2

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2015年12月 4日 (金)

結成20周年

Title:CENTRAL BELTERS
Musician:MOGWAI

スコットランドはグラスゴー出身のポストロックバンドMOGWAI。日本でも何度か来日公演を行い、特にフジロックには何度か出演しており、そのたびにそのステージが大きな評判を呼んでいます。そんな彼らが結成20周年を記念してリリースしたのがこのベスト盤。3枚組というボリューミーな内容で、1枚目と2枚目は彼らの代表曲がほぼ発売順に並んでおり、3枚目は「知られざる名曲」的な曲が収録されています。

基本的に彼らの楽曲のスタイルはノイジーなギターを前面に押し出したダイナミックなギターサウンド。音量ある力強いサウンドが延々と続いていき、リスナーは軽くトリップできるようなサウンドが繰り広げられます。しかし一方ではピアノを取り入れた静かなサウンドも楽曲の中で巧みに取り入れています。この「静」と「動」の対比が実に見事。今回のベスト盤収録曲でいえば「Christmas Steps」あたりが典型例でしょうか。序盤は静かなギターインストが続いたかと思えば、中盤から一気にダイナミックなバンドサウンドが展開していきます。

この音楽的な方向性は少しづつ形を変えながらも、基本路線は大きく変わっていません。ただ、今回のベスト盤で彼らの20年に及ぶ歩みを聴いてみると、微妙に音の感じは変わってきているということに気が付きました。まあ、ぶっちゃけていってしまうと、1枚目の方は、今聴くとちょっと時代を感じさせてしまう印象を受けました。

特にその印象が強かったのは打ち込みのサウンドに関して。具体的に言うと、1枚目に収録されている「2 Rights Make 1 Wrong」に途中から入ってくるサウンドはその当時はやっていた、いわゆる「エレクトロニカ」的なサウンドを感じさせます。一方、2枚目に収録されている「Remurdered」は、同じ打ち込みのサウンドでも音も太くなり、今風に。この2曲を聴き比べても時代性を感じさせました。

とはいえ、MOGWAIのように「ポストロック」という、ある意味「先駆的」な音を演っているわりには、デビュー当初の曲に関しても、今聴いても十分楽しめるサウンドになっていたと思います。それは彼らの音楽の特徴である、「ロックのダイナミズム」「静と動の対比」というのが、ある意味時代を超えた普遍的なロックの魅力だからでしょう。また今回のベスト盤であらためて感じたのは彼らの書くメロディーの良さ。彼らの曲には意外とポップなメロディーラインがはっきりと楽曲に流れており、それがまた、大きな魅力になっているように感じました。

そんなMOGWAIの魅力を再認識できるベスト盤。3枚組というフルボリュームながらも、その音の世界に身をまかせているうちにあっという間に終わってしまうような内容でした。

評価:★★★★★

MOGWAI 過去の作品
The Hawk Is Howling
HARDCORE WILL NEVER DIE,BUT YOU WILL
Live at All Tomorrow's Parties,9th April 2000
Earth Division EP
Rave Tapes
Les Revenants


ほかに聴いたアルバム

BECK SONG READER

2012年にアメリカの文芸誌「マクスウィーニーズ」から「楽譜のみ」という形態でリリースされたBECKのアルバム「SONG READER」。本作は、その「楽譜」を実際に様々なミュージシャンによってカバーしてリリースしたアルバムです。カバーしたのはNorah JonesやJack Whiteら豪華な面々。BECK本人も参加しています。

そんなBECKの「新作」は比較的シンプルなポップソング。メロディアスであくまでも歌を聴かせるような曲がメイン。「楽譜」自体は見たことがないのですが、比較的シンプルで「楽譜」に忠実なカバーといった感じでしょうか。BECKの新譜・・・というとちょっと物足りない感がなきにしもあらずなのですが、シンプルなポップアルバムとして楽しめた1枚でした。

評価:★★★★

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2015年12月 3日 (木)

2週連続

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は先週に引き続き2週連続1位をキープ。

1位はAKB48「0と1の間」が先週から変わらず。売上は62万5千枚から4万2千枚と大幅減ですが、1位をキープしています。

2位は韓流男性アイドル、Jun.K(From 2PM) 「Love Letter」が入ってきました。ミュージシャン名義通り、男性アイドルグループ2PMからのソロ作で、これが2作目となるミニアルバム。初動売上3万4千枚は前作「LOVE&HATE」の3万5千枚(2位)から微減。

3位は女性シンガーAIのベストアルバム「THE BEST」がランクイン。結婚、出産を経て音楽活動を再開した彼女の、2年ぶりとなる作品。初動売上は2万4千枚で、直近作のオリジナルアルバム「MORIAGARO」の初動1万9千枚(5位)よりアップ。ただし、2009年にリリースしたベスト盤としては前作となる「BEST A.I.」の8万1千枚(1位)よりは大きくダウンしています。

続いて4位以下の初登場ですが、まずは7位。イギリスの女性シンガーAdele「25」が、先週の13位からランクアップし、2週目にしてベスト10入りしてきました。ただし、売上は先週の1万2千枚からダウンし、1万枚。ちなみにアメリカではニールセンの集計で338万枚を記録。これはニールセンの集計史上最高の初週の売上だそうで、その高い人気を感じます。アメリカ、イギリスでの人気の割に日本での人気がいまひとつなのですが・・・なんとかベスト10入りを記録しただけに、今後のロングヒットを期待したいところです。

9位には松任谷由実「松任谷由実 40周年記念ベストアルバム『日本の恋と、ユーミンと。』-GOLD DISC Edition-」がランクイン。こちら2012年にリリースされたユーミンのベスト盤が、出荷100万枚を突破したことを記念してリリースされた期間限定のスペシャルエディション。映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」日本語吹替版主題歌「気づかず過ぎた初恋」が追加収録されています。初動売上9千枚。ベスト盤を買った人にはどう考えても不要なのですが、それでもこれだけ売れてしまうあたりにユーミンの根強い人気を感じます。

最後、10位には女性シンガーソングライター柴田淳「All Time Request BEST~しばづくし~」が入ってきました。デビュー15周年を記念してリリースされた、ファンからのリクエストに基づくベストアルバム。初動売上は9千枚で、直近のオリジナルアルバム「バビルサの牙」の初動8千枚(12位)より微増。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2015年12月 2日 (水)

またキャラソンが目立つ

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

ここ最近、よくある話なのですが、今週はまたアニメキャラによるキャラソンが目立つチャートとなっています。

まず3位にPrintemps「WAO-WAO Powerful day!」。ゲーム「ラブライブ!」からのキャラソン。いかにもアニメ声のアニメキャラによる曲で聴いていてかなり辛いものがある曲でした。初動売上4万枚は前作「永遠フレンズ」の3万8千枚(6位)より微増。「ラブライブ!」関連ではμ's「HEART to HEART!」以来で、こちらの7万枚(3位)よりは大きくダウン。

6位にはCINDERELLA PROJECT「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS ANIMATION PROJECT 2nd Season 07 M@GIC☆」。こちらはアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」挿入歌でいかにもなアイドルソング。初動売上3万1千枚で、前作「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS ANIMATION PROJECT 2nd Season 01 Shine!!」の3万2千枚(4位)から微減。「アイドルマスターシンデレラガールズ」関連では前作new generations「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS ANIMATION PROJECT 2nd Season 06(流れ星キセキ/心もよう)」の初動1万9千枚(5位)からアップ。

あと2枚。こちらは女性向けのアイドル育成ゲーム「あんさんぶるスターズ!」より紅月「『あんさんぶるスターズ!』ユニットソングCD Vol.4「紅月」」が8位、fine「『あんさんぶるスターズ!』ユニットソングCD Vol.3『fine』」が9位にそれぞれランクイン。初動売上はそれぞれ2万2千枚、1万9千枚。「あんさんぶるスターズ!」関連では、同シリーズの第1弾、第2弾UNDEAD「『あんさんぶるスターズ!』ユニットソングCD Vol.1『UNDEAD』」、Knights「『あんさんぶるスターズ!』ユニットソングCD Vol.2『Knights』」の、それぞれ2万5千枚(8位)、2万6千枚(7位)からダウンしています。

さて、上位に戻ると、今週1位2位はAKB48関連が並んでいます。1位にはHKT48 feat.氣志團「しぇからしか!」、2位にはSKE48の派生ユニットラブ・クレッシェンド「コップの中の木漏れ日」がそれぞれランクインしています。

HKT48は福岡を中心に活動するAKB48の姉妹ユニットで、名義通り、氣志團とのコラボ。楽曲はいかにも氣志團っぽい曲になっています。氣志團がアイドルグループとコラボすることは違和感はないものの、メインストリームバリバリのAKBグループとコラボするのね・・・うーん。日テレ系ドラマ「マジすか学園 番外編」主題歌。初動売上28万枚は前作「12秒」の27万7千枚から微増。ラブ・クレッシェンドはこれがデビューシングル。90年代J-POPの王道を行くようなナンバー。初動売上は18万1千枚を記録しています。

3位以下の初登場では、まず4位に韓流男性アイドルグループBEAST「最後の一言」がランクイン。ハイトーンボイスで聴かせるバラードナンバー。初動売上3万5千枚は前作「CAN’T WAIT TO LOVE YOU」の2万2千枚(10位)よりアップ。ただし前作は金曜日発売かつアルバムの先行リリースとなっていたため、初動売上が大きくダウンしていました。とはいえ、前々作「キミはどう?」の3万9千枚(5位)よりもダウンしています。

一方5位には日本の男性アイドルグループLead「約束」が入ってきています。初動売上3万2千枚は前作「My One」の3万5千枚(6位)よりダウン。

7位初登場は己龍/Royz/コドモドラゴン「FAMILY PARTY」。己龍、Royz、コドモドラゴンという3組のビジュアル系バンドによるコラボシングル。初動売上は3万枚。己龍は前作「九尾」が初動5万7千枚(4位)だったので、こちらからは減少。Royzは前作「THE BEGINNING」が初動1万1千枚(6位)だったので、こちらよりはアップ。コドモドラゴンは前作「WARUAGAKI」の初動5千枚(18位)から大きくアップ。シングルアルバム通じて初となるベスト10ヒットとなっています。

最後10位初登場はDANCE EARTH PARTY feat. Mummy-D (RHYMESTER) 「DREAMERS' PARADISE」。EXILEのUSA、TETSUYAにDreamのShizukaが参加するユニットで、本作ではRHYMESTERのMummy-Dがゲストとして参加しています。前作はスカタライツが参加していましたし、妙に豪華なゲストが参加してくるのが特徴的。初動売上は1万8千枚。前作「BEAUTIFUL NAME」の4万8千枚(2位)より大幅ダウン。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2015年12月 1日 (火)

よりわかりやすく

Title:Bremen
Musician:米津玄師

もともと、初音ミクなどのVOCALOIDを使用し、動画サイトに楽曲を発表するいわゆる「ボカロP」として人気を博していた彼。その後、本名で、自らボーカルをとって楽曲を発表し、メジャーデビューを果たし、これが3枚目のアルバムとなります。本作は、なんとアルバムチャートで1位を獲得。「ボカロP」出身という枠組みを超えて、今、最も勢いのあるミュージシャンの一人といって間違いないでしょう。

そんなメジャー3枚目となるアルバムは、まず感じたのはいい意味でわかりやすいアルバムになった、ということでした。ネットコミュニティーという狭い世界から飛び出したいままでのアルバムは、狭い世界から広い世界に自らの表現をアピールしつつ、ネットコミュニティーの良さをいかそうと、模索しているように感じました。そんな新人にありがちな粗くも勢いのある楽曲もまた大きな魅力だったのですが。

今回のアルバムについても基本的な路線についてはいままでの作品と変わりません。バンプやアジカンから影響を受けたと公言するとおり、オルタナ系のギターロックを主軸にしつつも打ち込みのサウンドを入れつつ、ロックにこだわらないポップソングを作り上げてくるスタイル。ファンタジックな世界観についてもそのままですし、また、ネットコミュニティー発らしく、歌詞にしてもサウンドにしても情報量は多め、というスタイルも変わりません。

ただその一方で、悪く言えば少々ごちゃごちゃしていた「情報量が多い」という特徴が、今回のアルバムではかなり整理されたように感じます。特に歌詞に関しては、いままでは歌詞カードを見ながら聴かないとわかりにくい部分があったのですが、本作に関しては詰め込まれた歌詞がきちんと曲ともマッチし、ちゃんと曲を聴きながらも歌詞が頭に入ってくるように整理されていました。

メロディーに関してもきちんと米津玄師らしさを出しつつ、十分なインパクトのある壺をついたメロディーに仕上げています。絶妙なタイミングでの転調が心地よい「ミラージュソング」のようにちょっとひねったようなメロもインパクトあるのですが、必要以上にひねくれていたり、奇抜な展開は本作に関してはあまり感じません。比較的ストレートなメロディーになっているのですが、それだけに米津玄師のメロディーメイカーとしての才も感じました。特に「メトロノーム」など、歌詞も相まって切ないメロディーラインがとても心に響いてきました。

歌詞についても彼らしいファンタジックな世界観を描きながらも、どこか現実を達観したような歌詞はいままで通りながらも、テーマ性についてはストレートなものが目立ちます。具体的に言えば、前向きな歌詞とラブソング。例えば「アンビリーバーズ」にしても、「信じない人」というタイトルをつけつつも、信じないものとして「残酷な結末」「果てのない悲しみ」と、マイナス要素を歌詞にならべつつ、実は前向きな内容になっていますし、「あたしはゆうれい」にしても、切ない片思いを「幽霊」に例えて綴る歌詞に、彼らしさを感じます。

そんな訳で、全体に感じる「わかりやすさ」はマイナスと捉える向きもあるかもしれませんが、いままでのネット発ミュージシャンらしい良さはきちんと残っており、個人的には彼にとって大きな成長のように感じます。良い意味でポップミュージシャンとしての「壺」を得ることが出来たアルバムのように思います。彼にとって大きな一歩を踏み出した、そんな傑作でした。

評価:★★★★★

米津玄師 過去の作品
diorama
YANKEE

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