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2015年11月24日 (火)

SIMI LABのトラックメイカーによる新作

Title:Think Good
Musician:OMSB

SIMI LABのトラックメイカーとして活躍しているOMSB。SIMI LABとしての活躍だけではなく、以前からソロとしての作品のリリースや数々のミュージシャンへの客演などで活躍してきましたが、待望の3枚目となるソロアルバムがリリースされました。

まずSIMI LABの活動でも定評とあるトラックがめちゃくちゃカッコいい!様々な音源をサンプリングして構成しているのですが、バリエーションにとんだトラックが最後まで聴く者を飽きさせない一方、アルバム全体に一本、OMSBらしさがしっかり貫かれており、アルバム全体として統一感ある内容になっています。

具体的にはピアノのジャジーな音色がカッコいい「Storm」に、トライバルなリズムが印象的な「黒帯(Black Belt Remix)」、タイトなエレクトロトラックを聴かせる「Memento Mori」などなど、基本的には必要な音のみに絞ったトラックは非常に硬派な印象。一種の緊張感が音の間から伝わってくるようなトラックに耳を奪われます。

リリックにも強いインパクトを感じます。アメリカ人と日本人のハーフというマイノリティーである彼らしい、どこか厳しい現実を淡々とつづるようなトラックが印象的。「Lose Myself」はそんなリリックの中に鳴り響くサイケでノイジーなトラックがまた、彼の心象を反映しているように感じます。

ただ一方ではそんな中、どこか前向きで力強いメッセージ性も感じます。

「だいじょぶだぁlike a 志村けん
意味はねぇ 前見て走るだけ」

なんてユニークなリリックも飛び出すのはタイトルチューンでもある「Think Good」。他にも力強いリリックの曲も多く、現実を吐露したようなトラックの一方、その向こうにある希望も同時に感じられるアルバムのように感じました。

SIMI LABの直近のアルバムも傑作でしたが、このソロ作も文句なしの新作。リリックもトラックも、そしてもちろん彼自身の力強いラップも、耳と捉えて離さない名盤でした。

評価:★★★★★

OMSB 過去の作品
Kitajima "36" SubLaw


ほかに聴いたアルバム

八奏絵巻/和楽器バンド

バンド名通り、和楽器によりポップソングを奏でるバンドとして話題となったグループ。本作はチャートでも1位を獲得しており、人気上昇中のバンドです。ただ、前作「ボカロ三昧」でもそうだったのですが、基本的に洋楽器のパートを和楽器に置き換えているだけで、特に日本独特の音楽のリズムなどはほとんど感じられません。「これが日本のロック」と言われると、ちょっと首はかしげたくなってしまうような部分も。意外とへヴィーロック志向な部分も感じるのですが、全体的には平凡なJ-POPといった印象。

評価:★★★

和楽器バンド 過去の作品
ボカロ三昧

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