懐かしい匂い
Title:ROPEWALK
Musician:THE VIEW
イギリスのインディーロックバンド、THE VIEWの5枚目となるニューアルバム。デビュー当初は非常に注目を浴びたバンドで、デビューアルバム発売前にレディングフェスティバルに出演したり、デビューアルバム「Hats Off to the Buskers」がイギリスのチャートで1位を獲得したりと、大きな話題になりました。
ただ、残念ながらその後はいまひとつ尻すぼみ気味。前作「Cheeky For A Reason」はなんとかチャート9位に入り込んだのですが、本作では最高位21位とベスト20ヒットもできなかった模様。少々残念な結果となりました。
さて、THE VIEWといえばデビュー作からポップなメロディーラインが特徴的なバンド。基本的にギターロックを主軸にしつつも、メロディーの良さを売りにしているようなバンドでした。
そんな中でも今回のアルバムはよりメロディーラインを主軸にするような作品になっていたように感じます。「Cracks」「Tenement Light」のようにギターロック色が強い曲もあったものの全体的にバンドサウンドは後ろに下がり、ポップなメロをメインにしたような構成の曲が並んでいます。
それも今回の作品、全体的にどこか懐かしい匂いも感じられるのも特徴的。例えば冒頭を飾る「Under The Rug」にはどこか70年代の雰囲気を感じますし、軽快なポップの「Voodoo Doll」は80年代風。他にもフォーキーな「Talk About Two」にも一昔前の雰囲気を感じますし、どこか一昔前の雰囲気をアルバム全体から感じます。
ほかにもどこか懐かしいBEN FOLDS FIVEっぽいピアノパンクな「Penny」などバリエーションの豊かさも感じられるアルバム。全体的にちょっと落ち着いた感じがするのはデビューから9年、アルバムも5枚目、既に中堅バンドとなった彼らだからこそ感じられる余裕でしょうか。上にも書いた通り、もともとメロディー主体のバンドでしたが、その方向がより鮮明になったように感じます。
ただちょっと残念なのが、アルバムにいまひとつ核になるような曲がなく、アルバム全体としてのインパクトがちょっと薄い感じがしてしまう点でした。全体として勢いのなさも感じてしまいますし、それが残念ながらチャートにも反映されているようにも思います。
とはいえ、彼らの持っているメロディーラインの良さは大きな武器。下手にブレず、今の方向性を進めば、また傑作、さらには再度のブレイクも期待できるかも??とりあえず、これからも注目していきたいバンドなのは間違いないと思うのですが・・・。
評価:★★★★
the view 過去の作品
Which Bitch?
BREAD AND CIRCUSES
CHEEKY FOR A REASON
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