23年ぶり(!)のソロ
Title:CROSSEYED HEART
Musician:Keith Richards
ご存じローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズ。ストーンズとしてはアルバムは少々ご無沙汰なのですが、そんなストーンズの新作を首を長~くして待っているファンにとっては、うれしいキースの新作がリリースされました。それも前作「MAIN OFFENDER」から23年ぶりとなる新作(!)。ストーンズファンにとっては、非常にうれしい新作のリリースです。
そんな久々となるニューアルバムは、カントリーブルースナンバーの王道を行くようなタイトルナンバー「CROSSEYED HEART」からスタートします。わずか2分弱の久々のご挨拶、といった感じのナンバーなのですが、キースの趣味性が発揮された曲で、静かに、でも力強くつまびかれるアコギの音色に耳をまず奪われます。
その後に続く「AMNESIA」や「TROUBLE」などはローリング・ストーンズっぽい、と感じるような軽快なロックンロールナンバー。ここらへんの曲に関しては最初、ソロなのにこんなストーンズっぽいナンバーをやっても・・・と思ったのですが、私が感じた「ストーンズっぽさ」って要するにキースのギターサウンドのことなんだと途中で気が付きました。要するにソロだろうがストーンズだろうがキースは彼らしいギタープレイを続けていただけ、ということ。ソロでも彼のギタープレイに魅了される曲が並んでいます。
また、そんないかにもキースなロックンロールナンバーのみならずバリエーション多い内容になっているのも本作の特徴。例えばブルージーに聴かせる「ILLUSION」ではあのノラ・ジョーンズとのデゥオを聴かせてくれていますし、「LOVE OVERDUE」はレゲエ、「GOODNIGHT IRENE」はカントリー、さらに「LOVER'S PLEA」はソウルバラードとキースの音楽的な幅の広さを感じさせます。
そんなキースの音楽的な趣味性が多いに発揮された本作は、各所で「集大成」とまとめ方をされるのをよく見かけました。確かに、彼の音楽的な趣味が網羅されたような本作は集大成的と言えるのかもしれませんし、御年71歳の彼が23年ぶりのソロをリリースして、次のソロは・・・と考えると「集大成」とも言いたくなるかもしれません。
ただ、アルバムを聴くとそんな「集大成」というような気負いは今回のアルバムから感じません。むしろ、自分のやりたいことを好き勝手演った結果が今回のアルバム、といった印象を受けました。実際、今回のアルバムを聴いて、どの楽曲からもどこか彼の肩の力が抜けたようなリラックスした空気を感じます。
71歳の彼だからこそ出来る、ある種の余裕を感じる傑作。良い意味での円熟した大人のロックンロールを楽しむことが出来ます。次は、是非、ストーンズの新作を・・・。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
JHUD/Jennifer Hudson
約3年半ぶりとなるジェニファー・ハドソンのニューアルバム。半端ない歌唱力を聴かせるボーカルは相変わらず健在で、やはりそのボーカルには惹かれるものがあります。ただ本作のアレンジがどうもチープで、特にリズミカルなナンバーは彼女のボーカルを生かし切れていないような。久々の新作なのですが、ちょっと残念に感じてしまう作品でした。
評価:★★★
JENNIFER HUDSON 過去の作品
JENNIFER HUDSON
I REMEMBER ME
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