ハイスタメンバーによるソロ作2枚
日本のパンクロックシーンに絶大な影響を与え、1999年にリリースした「MAKING THE ROAD」はインディーズでのリリースながらもミリオンセールスを記録したHi-STANDARD。2003年に活動休止したものの、2011年に活動を再開し今に至っているものの、残念ながらハイスタとしてのアルバムはその「MAKING THE ROAD」以降、リリースはありません。
そんな中・・・と言ってしまっていいのかは微妙なのですが、Hi-STANDARDのメンバーそれぞれのソロ活動でのアルバムが同日にリリースされました。
Title:SENTIMENTAL TRASH
Musician:Ken Yokoyama
まずはハイスタのギタリスト、横山健のソロアルバム。BBQ CHICKENSとしての活動もありますが、ソロ名義でのアルバムとしてはこれが6作目となります。
基本的に彼のアルバムはハイスタと同様メロディアスパンク路線なのですが、今回のアルバムはロックンロールを軸にバリエーションの多いアルバムと事前に聴いていました。そして聴いてみた印象としては確かにバリエーションの多いアルバムには間違いありません。「Boys Don't Cry」は分厚いサウンドでパワーポップ路線の色合いが強い作品になっていますし、「Yellow Trash Blues」はガレージサウンド風、「A Beautiful Song」はストリングスを取り入れて壮大なバラードになっていますし、最後の「Pressure Drop」では軽快なスカのリズムも取り入れています。
ただ、アルバム全体としては言うほどバリエーションは多いという印象はないかも、というのが正直な感想。いや、実際には上に書いた通り様々な作風の曲が入っているのですが、基本路線はメロディアスパンクという意味ではいままでの作品と同様。横山健というミュージシャンがこのアルバムで方向性を大きく変えた、という印象はありません。そういう意味ではファンにとっても良くも悪くも安心して楽しめるアルバムだったと思います。
で、このアルバムと同日にリリースされたのは、ハイスタのボーカル難波章浩率いるバンド、NAMBA48のニューミニアルバムです。
Title:LET IT ROCK
Musician:NAMBA69
こちらもわずか6曲入りのミニアルバムで、「REVOLUTION」のようなハードコア風の曲もありつつも、基本的にはみなメロディアスパンクな曲風。ソロデビュー直後のULTRA BRAiNなどの活動ではハイスタからその作風をあえて変えたような路線をとったのですが、その後、難波章浩名義ではメロパンク路線に回帰し、基本的にその路線が続いている印象です。
メロディアスパンク路線という意味ではKen YokoyamaもNAMBA69もその根っこにあるものは共通している印象が。さすが同じバンドで共に歩んできただけある、といった印象を受けます。ただハードコア志向が強いKen Yokoyamaに比べて、NAMBA69はあくまでもメロディアスな路線を貫いているという点で微妙に異なるところがおもしろく感じました。
どちらの作品もメロパンク好きなら安心して聴けるアルバム。ハイスタファンなら両方ともチェックしておきたい作品でしょう。2人とも今後も精力的にソロでの活動を続けていきそう。で、ハイスタとしてはどういった活動になるんだろう?
評価:
Ken Yokoyama ★★★★
NAMBA69 ★★★★
Ken Yokoyama 過去の作品
Four
Best Wishes
NAMBA69 過去の作品
21st CENTURY DREAMS
ほかに聴いたアルバム
くもゆきのいろ/くもゆき
おおはた雄一とチャットモンチーの福岡晃子が結成したユニット。子供から大人までが楽しめる曲というのがコンセプトで、NHKの子供向け番組「おかあさんといっしょ」にも「じゃくじゃくあまのじゃく」という曲を提供していたりします。ただ楽曲は確かに子供受けしそうな同じ言葉をただ繰り返すような歌詞が多い一方、メロディーやサウンドはフォークやブルースの影響を感じる、意外と「大人」な楽曲。個人的には「じゃくじゃくあまのじゃく」みたいな無邪気に楽しめるポップスをもうちょっと期待していたのですが。
評価:★★★★
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