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2015年9月21日 (月)

ユーモアあふれる歌詞が魅力

Title:私を鬼ヶ島に連れてって
Musician:水曜日のカンパネラ

Oni_kanpane

遅ればせながら聴いてみました。最近話題のJ-POP/HIP HOPユニット水曜日のカンパネラ。今回取り上げる「私を鬼ヶ島に連れてって」はタワレコとヴィレッジ・ヴァンガード限定でリリースされたミニアルバム。正直、いかにも「いまどきのユニット」らしい雰囲気も感じて、ちょっと敬遠していた部分もあったのですが・・・。

それでようやく聴いてみた本作ですが、まずはめちゃくちゃ笑えました(笑)。歴史上の人物や物語上の人物をテーマとして、シュールに描く世界観はとにかくユニーク。

「新茶摘まないつまらないやつに用は無い
かけた茶碗を3回まわして踊るトゥナイ」

(「千利休」より 作詞 ケンモチヒデフミ)

なんて歌詞がエレクトロダンスチューンにのせて繰り広げられる「千利休」なんて、レキシが聴いたら、この手があったか、と悔しがるだろうなぁ(笑)、なんて思ったり。一番笑ったのは主人公をニートに見立てて、誰もが知ってる有名な昔話をシュールに描いた「桃太郎」

「団子をもらって命を投げ出す物好きなんていない
ペットと一緒に鬼退治とか絶対正気じゃない
犬とサルは仲たがい キジは戦力外
何でもするから鬼が島だけは勘弁してください」

(「桃太郎」より 作詞 ケンモチヒデフミ)

なんて歌詞には笑わせてもらいました。

ただ、そんなコミカルな歌詞ばかりがまず耳に行くのですが、その歌詞を支えるメロディーやトラックがなにげに歌詞に負けず劣らずとても惹かれるものがあることが、このユニットの大きな魅力に感じます。

このコミカルでシュールな歌詞の世界に反して、そこに流れるトラックは実にメロディアス。ピアノの音色を効果的に用いて、美しい音の世界が繰り広げられています。メロディー自体もなにげにメロウでインパクトもあります。それが一番ユニークで効果的だったのが「ドラキュラ」「ちーすうたろか」という歌詞を、歌詞の内容に全く反するようなメロウなメロディーラインにのせて歌い上げており、このアンバランスさがユーモアになっていました。

また、このトラックも、比較的音数を絞りタイトに仕上げているのが特徴的。シンプルだからこそトラックが歌詞を邪魔していないという部分もあるのでしょうし、また、上に書いた「ドラキュラ」もそうなのですが、トラックへの歌詞の載せ方も非常に上手く感じるもがあります。インディーズだけに若干、音がチープに感じてしまう部分もあるのですが、アルバム全体としてはさほど気になりませんでした。

聴いていて大いに笑えて楽しめた傑作でした。「HIP HOPユニット」みたいに語られる部分も多いのですが、ラップをつかっている、というだけで基本的にメロディアスだし、さほどHIP HOP色は強くありません。そういう意味ではHIP HOPが苦手という方も含めてお勧めしたいアルバム。いままでミニアルバムのみのリリースが続いているみたいですが、次はフルアルバムを聴きたいなぁ。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

懐かしい月は新しい月~Coupling&Remix works~/サカナクション

2枚組からなるサカナクションの今回の作品は、シングルのカップリング曲や未発表曲を収録した「月の波形 ~Coupling & Unreleased works~」と様々なミュージシャンたちによるリミックス作を収録した「月の変容 ~Remix works~」かなる2枚組。もともとエレクトロアレンジを中心に意欲的な作品を多く生み出してきた彼らでしたが、こちらの作品ではより実験性の強い作品が並んでいます。特にカップリング曲集では、ポップで幅広い層にアピールできるようなシングル曲とは違う彼らの姿を聴くことが出来ます。それだけにファン向けの要素が強く、また、アルバムとしての統一性も薄め。最初の1枚としてはちょっとお勧めがたい作品ですが、逆に何枚かサカナクションの作品を聴いた後はチェックしておきたい作品です。

評価:★★★★

サカナクション 過去の作品
シンシロ
kikUUiki
DocumentaLy
sakanaction

F/KEMURI

2012年に活動を再開したスカパンクバンドの、早くも活動再開後3枚目となるアルバム。一度解散したバンドが復活した後、これだけ精力的に活動を続けるというのは珍しいと思うのですが、それだけ勢いが戻ってきている、ということなのでしょう。本作もKEMURIらしいメロディアスなスカパンクの曲が並んでいます。良くも悪くも彼ららしい王道路線。ただ、以前よりもちょっとハードなロック寄りになった印象が。まだまだこの勢いは続きそうです。

評価:★★★★★

KEMURI 過去の作品
ALIVE Live Tracks from The Last Tour "our PMA 1995-2007"
RAMPANT
SKA BRAVO

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