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2015年9月22日 (火)

日本の夏といえば・・・

Title:BEST of TUBEst~All Time Best~
Musician:TUBE

今年デビュー30周年を迎えるTUBE。そんな彼らのオールタイムベストがリリースされました。いままで「TUBEst」というタイトルで3枚のベスト盤をリリースしてきた彼らですが、本作はそれらのベスト盤をまとめたアルバムでタイトル通り、まさに「BEST of BEST」となっています。

内容は4枚組にもなるフルボリューム。4枚のCDがそれぞれ「T」「U」「B」「E」とわかれており、それぞれ「Tropical 」、「Unique」、「Ballad」、「Exciting」というテーマで選曲されています。まあ、若干むりやりわかれたような感もあるのですが、基本的には「Tropical」は夏をテーマにした爽やかなポップス、「Unique」はラテン風な曲を中心に、「Ballad」はその名の通りバラードナンバーが、「Exciting」はアップテンポな曲で「Tropical」「Unique」に収録できなかったような曲が収録されているイメージでした。

すべて聴くと全50曲、3時間40分以上にも及ぶボリュームなのですが、あらためてTUBEの代表曲を聴くと感じるのは、彼らは良くも悪くも典型的なJ-POPバンドだ、ということでした。良くも悪くも万人受けしそうなメロディーラインにインパクトあるサビを中心とした構成。ハードロック色を加えつつも、基本的にルーツレスなポップスロック、良く言えばわかりやすい、悪く言えば無難な歌詞。

彼らってご存じの通り、いわゆる「ビーイング系」なのですが、昔、ビーイング系がブームになったころは、似たりよったりのバンドが次々と出てくる中、B'zとTUBEだけはビーイングといえども他とは違う、という印象を持っていたのですが、いまから聴くと、うん、彼らも良くも悪くもビーイング系らしい要素は持っているね、ということを思ってしまいます。

そこらへんがマイナス方向に出たのがバラードナンバー。ベタっとした似たようなタイプのバラードナンバーばかりが並ぶDISC3ははっきりいってしまえばつまらなかったです(苦笑)。

とはいえ、主にDISC1に収録されていた、いかにもTUBEらしいサマーポップの数々は十分聴いていて惹きつけられるものがあり、そこはさすがだなぁ、と思いました。特に「湘南My Love」から「Only You 君と夏の日を」までの楽曲は、彼らが最も売れていた頃の曲で、個人的な思い出補正もあるかもしれませんが、やはり勢いがあり、これらの曲があれだけ売れていたのも十分納得できる楽曲ばかりだったと思います。

また、この4枚のCDのうち、最も良かったと思うのがDISC2。特に「あー夏休み」「さよならイエスタデイ」あたりのラテンを取り入れた曲に関しては、もちろん何度も聴いたことある有名曲ばかりなのですが、あらためて聴いてみると思っていた以上に「名曲」だ、ということに気が付かされました。もともとボーカル前田の声も、春畑のギターも、「サマーソング=爽やか」からかけ離れるような暑苦しい部分があったのですが、それだけに逆にラテン調の曲にはピッタリとマッチ。TUBEの曲がもともと持っていた「歌謡曲」的な部分もプラスに作用して、実に魅力的な曲に仕上がっている・・・ということにいまさらながら気が付きました。

そんな訳で、良い部分も悪い部分もTUBEというバンドを知るには最適なベスト盤。とはいえ、4枚組というのはさすがにボリュームが大きかったなぁ。はじめての1枚としては抵抗感があるかもしれませんが・・・ヒット曲の連続なので、特に私くらいのアラフォー世代にとっては懐かしさを感じつつ、さらっと聴けてしまうかも。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

NIAGARA MOON -40th Anniversary Edition-/大滝詠一

1975年にリリースされた大瀧詠一ソロ2作目の40周年記念盤。今回はじめて本作は聴いたのですが、大真面目なポップアルバムというよりも、ブラックミュージックを主軸に仲間同士が気軽に楽しんで作った感じがするアルバム。特にDisc2に収録されているライブ音源には、そんな楽しさが強調されているように感じます。今回のDisc1は大滝詠一本人の手による未発表リミックス音源を当初の構想にあった曲順で収録したものだとか。ただAmazonのレビューを見る限り、オリジナル音源にはかなわないという評価がほとんどのよう。一度オリジナル音源の方も聴いてみなくては・・・。

評価:★★★★★

大滝詠一 過去の作品
EACH TIME 30th Anniversary Edition
Best Always

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