紅白のパフォーマンスも話題
Title:NO MUSIC NO WEAPON
Musician:ゴールデンボンバー
昨年末まで3年連続紅白歌合戦で毎年そのユニークなパフォーマンスが話題となるゴールデンボンバー。なぜか演歌歌手のように3年連続「女々しくて」を歌った結果、「なぜ出演できるかわからない出演者」みたいに語られてしまったこともあるのですが、ただ、本作に収録している「101回目の呪い」は週間チャート1位、「ローラの傷だらけ」は2位を獲得。また、本作も週間チャート1位を獲得しており、間違いなく今の音楽シーンの中に、紅白に出場する権利のあるだけの人気を獲得しているバンドです。
ご存じの通り、バンド形態でありながらも楽器を演奏しない「エアバンド」の彼ら。それだけにパフォーマンスが大きな話題なのですが一方、楽曲自体については平平凡凡なヴィジュアル系っぽいJ-POP。「欲望の歌」のようなメタルからの影響を受けた曲や「Please!x3」のようなハードロック調の曲を入れつつも、基本的にはビートロックといわれるような聴きやすいロックサウンドに、メロディーはベタな歌謡曲風。正直言ってしまって、傑出した特徴ある楽曲ではなく、むしろ平凡。楽曲のバリエーションもさほど多くなく、いままで何作か彼らのアルバムを聴いたことあるのですが、期待したほどの出来ではありませんでした。
しかし、今回のアルバムに関してはさすが今もっとも売れているバンドの一組でだけあって楽曲に勢いを感じました。言うまでもありませんが、西城秀樹のヒット曲「傷だらけのローラ」をもじった「ローラの傷だらけ」にしても、おそらくかつての大ヒットドラマ「101回目のプロポーズ」をもじった「101回目の呪い」にしても、2ドラっぽさを彷彿させるタイトルの「死 ん だ 妻 に 似 て い る」にしてもこの曲名だけでインパクト十分です。
正直これらの曲、楽曲だけではさほどユーモラスはありません。「ローラの傷だから」はちょっと笑えましたが・・・。楽曲もベタな歌謡ロック。ただ、いかにもなタイトルといい、このベタな歌謡曲風という方向性、ひょっとしたら鬼龍院翔はわざと狙っているのではないか?とも思ってしまいました。ただ、そんな楽曲の数々ですが、やはり最も脂がのっている状態なのでしょう、ベタだの平凡だの感じる部分はあるものの、間違いなく耳に残るフレーズがインパクト十分な曲ばかりでした。
個人的にはもうちょっと笑えるようなユニークな曲が多いとおもしろいのに、とも思うのですが、そこらへんはパフォーマンスで、ということなのかもしれません。そういう意味でも彼ら、アルバムで楽曲だけ聴いてとやかく言うような「バンド」ではないのかも・・・。ただ、このアルバムを聴く限り、非常に勢いのある状態なのは間違いありません。今年の紅白、「女々しくて」以外の曲でも十分、視聴者の心を捉えられると思うんですけどね。
評価:★★★★
ゴールデンボンバー 過去の作品
ゴールデン・アワー~下半期ベスト2010~
ゴールデン・アルバム
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