次回作と連動
Title:BOYS
Musician:フジファブリック
フジファブリックのニューアルバムは全5曲入りのミニアルバム。本作は「BOYS」と名付けられましたが、近日中に「GIRLS」というタイトルのミニアルバムも発売予定。2枚のアルバムが連動するコンセプチュアルな作品で、本作はアップテンポな曲を中心に並べたセレクトになっているそうです。
さて、ここでも何度も書いているのですが、フジファブリックといえばどうしても話に出さざるを得ないのがかつてのメインのソングライター、志村正彦と、彼の逝去後、バンドでメインのソングライターとなった山内総一郎の比較。天才とまで言われた志村正彦の前に、どうしても分が悪かった山内総一郎の楽曲でしたが、ここ最近、ライターとして大きな成長を感じ、志村楽曲に匹敵する名曲すら産みだしてくるようになりました。
今回のニューアルバムに関しても、わずか5曲という内容ながらも、フジファブリックの新たな可能性を感じさせる曲が並んでいました。例えば「夢みるルーザー」はコミカルな雰囲気のひねくれポップが耳に残る作品。ユニコーンからの影響も垣間見れ、また、若干志村正彦楽曲のフォロワー的な印象も否めないものの、山内総一郎のソングライターとしての実力もきちんと発揮された曲だと思います。
また、今回の作品の中で最も強いインパクトを感じたのが「夏の大三角関係」。エレクトロなダンスチューンなのですが、普通、踊るのに邪魔なため、無機質な歌詞が多いダンスチューンとしては異例の物語性ある歌詞がユニーク。メロディーライン含めインパクト十分なナンバーでこちらも山内総一郎のライターとしての実力を感じます。
アルバム全体としてはエレクトロテイストも強く、どこかコミカルさも感じさせます。ただ、残念ながらインパクト十分な曲もありつつ、「マボロシの街」とかは悪くはないけど正直ちょっと平凡だったかも・・・なんて曲もあったため、傑作といってしまうにはちょっと物足りさなも。ただ、前作「LIFE」に引き続き、フジファブリックのこれからの可能性を感じる作品だったと思います。次の「GIRLS」も非常に楽しみです。
評価:★★★★
フジファブリック 過去の作品
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