改名後、初のアルバム
Title:ALXD
Musician:[Alexandros]
以前は[Champagne]として活動していたバンドの最新作。Champagneという名前がシャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会から抗議が来て、改名ということに至ったそうです。今回のアルバムは、改名後、初となるオリジナルアルバム。[Champagne]というバンド名が徐々に浸透していた段階での改名というのはバンドにとって大きなマイナスだった・・・と思いつつ、ニューアルバムはなんとオリコンアルバムチャート3位を記録。いままで、チャート最高位10位だっただけに売上は大きくジャンプアップ。改名効果がプラスに働いた結果となりました。
この結果はもちろん「改名」というニュースが一種の宣伝となった要因も少なくないでしょう。ただそれ以上に今、バンドとして脂がのっている時期であるこということが大きいように思います。実際、このアルバムを聴くとバンドとしての勢いを非常に強く感じます。そのため、このアルバムで[Alexandros]というバンドとしての、この上ない良いスタートを切ることが出来ました。
ただ、このアルバムを聴いていて感じるのは、良くも悪くも今時のバンドらしいなぁ、ということでした。良くも悪くも様々な音楽からの影響を無邪気に作品に取り入れ、かつ情報量も多め。基本的にはオルタナ系ギターロックを主軸にしているのですが、メロディーはグッとJ-POP寄りですし、パンキッシュなサウンドがあったり、ハードロック寄りのギターを聴かせたり、バンド志向のガレージっぽい雰囲気かと思いきや、ピアノやストリングスで音を分厚くしてきたり、「Run Away」はトランシーなサウンドですし、最後の「Coming Summer」はストリングスを入れつつ、スケール感ある美しい曲調にまとめあげています。
ここ最近の若手バンドにありがちな「ルーツレス」かと言われると彼らの場合、もともとのバンド名[Champagne]はイギリスのロックバンドoasisの曲からとられているようですし、確かに曲によっては、oasisからの影響っぽいサウンドも見て取れます。ただ、全体的な方向性はJ-POP志向が強く、洋楽志向はさほど強くありません。そこらへんのこだわりのなさは今時のバンドらしいなぁ、と思いつつ、一方ではちょっと物足りなさも感じてしまう部分も否定できませんでした。
ただアルバム全体の出来としては最初にも書いた通り、脂ののった今のバンドを象徴するような勢いのある作品で、大ヒットも納得の内容でした。
評価:★★★★
[Alexandros] 過去の作品
Schwarzenegger([Champagne])
ほかに聴いたアルバム
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毎年恒例、ASIAN KUNG-FU GENERATION主催のライブイベント、「NANO-MUGEN FES.」。毎回、洋楽邦楽のアジカンがお勧めするミュージシャンたちが参加しており、本作は、その参加ミュージシャンたちの曲をあつめたコンピ盤となります。ユニコーンやくるりのような有名どころから、新進気鋭の若手ミュージシャンまで様々なミュージシャンが参加していますが、基本的にアジカン好きなら気に入りそうなオルタナ系ギターロックがメイン、というのはいつも通り。そんな中でも今回は、クリアボイスに美メロが心に残るドイツのポップデゥオ、It's A Musicalの「The Music Makes Me Sick」が特に印象に残りました。
評価:★★★★★
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