アルバム毎に出来不出来の差が・・・
Title:ベストライド
Musician:a flood of circle
昨年9月、新メンバーとしてギターのDuranが加入し4人組となったものの、今年の3月に在籍わずか半年で脱退。再び3ピースバンドとなったa flood of circleの約8ヶ月ぶりのアルバムは、6曲入りのミニアルバムとなりました。
a flood of circleは2008年にリリースした「泥水のメロディー」以降、基本的にすべてのアルバムをチェックしています。まあ、そこでいろいろと書いているのは過去のアルバム評を見ていただければわかると思うのですが、アルバム毎の出来不出来が大きいという印象を持っています。
彼らの奏でるガレージロックサウンドについては文句なしにカッコいいと思っています。ミッシェルなき今、彼らみたいなタイプのパブロックの色合いの濃いガレージロックバンドでコンスタントに活動を続けているのはこのバンドくらいではないでしょうか。それだけに個人的には以前から注目をしているバンドの一組です。
ただ一方ちょっと残念なのは佐々木亮介のボーカルが線が細く、かつ、ガレージロックを歌うにはあまりにも端整という点。それでもハードなロックンロールを奏でていれば気にならないのでしょうが、良くも悪くもJ-POP的なポップス路線の曲を演っていたりして、そうすると一気に「平凡なギターロックバンド」になってしまいます。
そのため、アルバムによってロック寄りになるかポップ寄りになるかで出来の良し悪しが大きく変化してしまうのが彼らの特徴。で、前々作「I'M FREE」はガレージロックバンドとしてのカッコよさが前面に出ていた傑作。一方前作「GOLDEN TIME」はガレージ色も強い反面、ポップな作品も多かった良作でした。
そしてそれに続く今回のアルバムは・・・・・・うーん、残念ながら彼らの作品の中では、おそらく1、2を争うくらいポップな作風(苦笑)。6曲の中で、彼らのガレージロックバンドとしてのカッコよさが出ている作品は残念ながらなく、「平凡なギターロック」という枠組みから出ることはありませんでした。
メロディーラインとか、決して悪いわけではないんですよね。ただ、それだけで売りに出来るだけのインパクトがあるかというと微妙。わずか6曲入りながらも、ミディアムテンポの曲が2曲もあり、全体的に地味という印象も否めません。ここ数作の傾向として、楽曲の安定感はあるのですが、アルバム全体として物足りないという印象を強く抱いてしまいました。
このポップス路線もまたa flood of circleの持ち味だ、と言われればそうなのかもしれませんが・・・彼らのバンドとしてのカッコよさがあまり出ていなかったのが残念な作品。次回作は、もっとロックンロールな作品を期待したいところなのですが・・・。
評価:★★★
a flood of circle 過去の作品
泥水のメロディー
BUFFALO SOUL
PARADOX PARADE
ZOOMANITY
LOVE IS LIKE A ROCK'N'ROLL
FUCK FOREVER
I'M FREE
GOLDEN TIME
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