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2015年8月17日 (月)

今時のHIP HOP

Title:At. Long. Last. A$AP
Musician:A$AP Rocky

デビュー作である前作「Long. Live. A$AP」がいきなりビルボードチャートで1位を獲得。また、その内容にも高い評価を得たアメリカはニューヨーク出身のラッパー、A$AP Rockyの2年4ヶ月ぶりとなる新作。当初6月リリース予定だったのが、急きょ5月リリースになるなど、バタバタな中でのリリースとなりましたが、本作でもビルボードチャートで1位を記録。相変わらずの高い人気のほどを伺わせます。

そんな新作で目につくのはゲストの豪華さ。「FINE WINE」ではM.I.A.、「JUKEBOX JOINTS」ではKANYE WESTが、さらになんと「EVERYDAY」ではROD STEWARTがゲストとして参加しています。

前作もそうだったのですが、彼の作品、もちろん彼のラップも大きな魅力なのですが、そのトラックがとにかく大きな魅力。前半は比較的「メロウ」と感じさせるトラックが多く、一方、後半はダークな雰囲気のトラックが多いのが特徴的。特に後半ではダークな雰囲気の中、タイトなエレクトロのリズムを聴かせる曲が多く、非常に「今風な音」という印象を受けるのは前作と同様でした。

そんな中、今回のアルバムはその豪華なゲストを効果的に生かしつつ、楽曲にバラエティーを持たせているのが特徴的でした。M.I.A.とのコラボ「FINE WINE」では彼女らしいトライバルなリズムをトラックの中に入れてきていますし、KANYE WESTの「JUKEBOX JOINTS」ではソウル風のメロウなトラックを入れてきています。特にインパクトがあったのはROD STEWARTとの異色な組み合わせとなった「EVERYDAY」で、いきなりロッドの絞り出すようなブルージーなボーカルからはじまるのはインパクト十分。特に後半、ちょっとダレて来たかな、というところで飛び込んでくる彼のボーカルが、大きなインパクトになっていました。

他にもブルージーな印象をトラックから受ける「HOLY GHOST」、ラップがどこかコミカルな「ELECTRIC BODY」、幻想的なトラックが心に残る「EXCUSE ME」などバラエティーある作風をアルバムの中で効果的に配置。特に「L$D」はその美しいメロディーラインが流れるトラックが、心に残る作品になっていました。

ボーナストラック込みだと全74分にも及ぶボリューミーな内容は相変わらずだったのですが、このようにバラエティーに富んだトラックをしっかりと聴かせてくれる作品だっただけに最後までダレずに楽しむことが出来ました。今時なサウンドといい、今聴くべきHIP HOPのアルバムといった感じ。高い人気と話題も納得の作品でした。

評価:★★★★★

A$AP Rocky 過去の作品
LONG.LIVE.A$AP

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