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2015年7月 5日 (日)

スカパラの歴史

Title:The Last
Musician:東京スカパラダイスオーケストラ

今年、デビュー25周年を迎えた東京スカパラダイスオーケストラ。いまなお高い人気を誇る彼らですが、このたび、25周年を記念したオールタイムベストがリリースされました。タイトルも「The Last」・・・・・・なんてタイトルになると「え?これで解散??」なんてことになりそうですが、そうではない模様。そもそも「Last」には最上の、究極のという意味もあるため、今回のベスト盤はその意味での「The Last」なんでしょう。英語的にも「Last」はお終い、終結という意味ではなく、連続した事象の一番最後をあらわす形容詞だそうで、Last=解散という意味はもともとからなさそうです。

今回のベスト盤ではスカパラの25年の歩みを3枚のCDに収録しています。1枚目は「CHANGE」と名付けられ1989年から99年にかけての作品を、2枚目は「NEW HOPE」と名付けられ2000年から2008年にかけての作品を、3枚目は「AND BEYOND」と名付けられ2009年から2015年までの作品を、それぞれ収録しています。

スカパラというと、よく最近の作品についてポップになったと言われます。特に近年、ゲストボーカルを起用してからその傾向が顕著にあらわれており、今回のアルバムでも特に1枚目と3枚目を聴き比べると、その傾向が良くわかります。

もっとも今回あらためて彼らの楽曲を網羅的に聴いてみても、特にデビュー当初についてマニア向けの小難しい音楽をやっていた、という印象はありません。むしろデビュー時の作品も全然ポップだったじゃん、という印象すら受けます。1枚目に収録された楽曲でもCMソングにもなった「君と僕」のような切ないメロディーが胸に染みるようなポップな名曲も多く残されています。

ただ一方で、1枚目と3枚目を聴き比べた際に、確かに昔のスカパラにあって最近のスカパラからはあまり感じられない要素もありました。それは楽曲から感じるある種の「やばさ」。初期の作品にはダークな雰囲気を醸し出していたり、へヴィネスなサウンドを展開することによって生じるどこか「危険」な匂いが楽曲から感じられました。残念ながらここ最近の楽曲からは、こういうどこかやばげな雰囲気を感じる危険な香りはあまり感じられなくなったように思います。

そういう意味では2枚目に収録されているあたりの曲が最近のスカパラのようなキャッチーともいえるポップスさと、初期スカパラを彷彿させるやばげな曲が両立しており、もっとも勢いがあったかな、と思います。事実、売上的にもこの時期にちょうど大ブレイクし、一番好調な時でしたからね。このベスト盤にも収録されている歌モノシングル3部作の第1弾「めくれたオレンジ」「カナリヤ鳴く空」「美しく燃える森」もそんな初期の匂いとポップスさをきちんと両立されたシングルだったし。

もっともとはいえここ最近の楽曲に関しても、もちろん好き嫌いはあり初期スカパラが好きだった、という方もいるとは思いますが、決して質が大きく落ちたわけではありません。スカパラらしいライブで盛り上がりそうな軽快で楽しいリズムとサウンドは健在なわけで、そういう意味では今のスカパラもこれはこれで魅力的なバンドであることには変わりありません。既存曲としては最後を締めくくる「チャンス」も切ないメロが実に魅力的な名曲ですし、今回のベスト盤ではじめて収録された新曲「The Last」もベスト盤を締めくくるにふさわしい、大団円なナンバーに仕上がっていました。

また、ベスト盤全体に感じたのですが、初期の作品から最近の作品まで、意外とどこかで聴いたことあるような曲が多かったな、ということも感じます。彼らの曲はインストの曲が多いだけに、テレビ番組やらCMやら、いろいろな場面でよく使われており、そのため、スカパラをいままで聴いたことない方でもどこかで聴いたことあるであろう曲がこのアルバムの中には数多く収録されています。そういう意味でもいままでスカパラを聴いたことない方にも要チェックなベスト盤です。

そんな訳で、スカパラの歴史を俯瞰的に楽しめるベスト盤。CDのみの通常盤でも3枚組かつ1枚あたりいずれもCD容量いっぱいに収録されている実にボリュームのある作品ですが、それでも3枚一気に聴けてしまえる魅力が確実にあります。ファンはもちろん、スカパラ初心者にもお勧めできるベスト盤です。

評価:★★★★★

東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
WILD SKA SYMPHONY
Goldfingers
HEROES
Sunny Side of the Street
on the remix
Walkin'
欲望
Diamond In Your Heart
SKA ME FOREVER

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