ジェネレーションギャップがテーマ
Title:ビールとジュース
Musician:サ上と中江
サイプレス上野とロベルト吉野でMCとして活躍しているサイプレス上野と、アイドルグループ東京女子流の中江友梨によるユニット。MTV JAPANの番組「サイプレス上野と中江友梨の青春日記」から産まれた企画モノのユニットのようです。
現在34歳のサイプレス上野と、若干17歳の中江友梨。ちょうど倍の年の差がある2人だそうですが、今回のユニットは、そのジェネレーションギャップがテーマだそうです。アルバムのリード曲である「SO.RE.NA」はまさにジェネレーションギャップを正面からラップしたユニークなナンバー。サ上が34歳ということは、ちょうど私が大学生の頃、高校生だった世代ということになるのですが、そうだとすると17歳の中江との差を強調しすぎでは?と思う部分もあるのですが・・・ま、それもご愛嬌ということで。ユニークなナンバーに仕上がっていました。
HIP HOPユニットのMCとアイドルの組み合わせというのもちょっと異色に感じられるのですが、よくよく考えればHIP HOPで一番最初にお茶の間レベルでヒットしたEAST ENDxYURIの「DA.YO.NE」もHIP HOPユニットのEAST ENDと、アイドルグループ東京パフォーマンスドールの市井由理とのユニットだったわけで、意外と日本においては相性のよい組み合わせなのかもしれません。というか、「SO.RE.NA」は明らかに「DA.YO.NE」のパロディー的なタイトルですしね・・・って、それに気づくかどうかでジェネレーションギャップがあるのか??
そんな中江のラップはそれほど悪くなく、リズム感のよいラップを聴かせてくれます。ラップ未経験でも問題なくラップをリズムにのせられるあたり、若いなぁ・・・ということを感じます。ここらへんもジェネレーションギャップというところなのでしょうか(笑)。
わずか7曲入りのミニアルバムでそのうち1曲はリミックスなのですが、その短い中で、サ上と中江というユニットの魅力をきちんと伝えている構成になっています。「よっしゃっしゃっす(REMIX)」はサイプレス上野とロベルト吉野の代表曲の、サ上と中江ヴァージョン。HIP HOPの楽しさを伝える内容になっているかと思えば「売命行為」はスモーキーなトラックがカッコいいハードなナンバー。本格的なHIP HOPナンバーになっていて、こちらは彼らの実力を伝えています。
さらに「Too Shy Boy」はアイドルポップ風のナンバー。こちらはサイプレス上野とロベルト吉野では演れないような、サ上と中江というユニットならではのナンバー。わずか7曲という内容ですが、HIP HOPという音楽の楽しさをきちんと伝えてくれる魅力的な構成になっていたと思います。
企画モノのユニットなのですが、サイプレス上野とロベルト吉野が好きなら間違いなく要チェックのアルバム。アイドルという企画モノユニット、と馬鹿に出来ないHIP HOPのアルバムになっていました。これだけ出来がいいと、ロベルト吉野が嫉妬しちゃうんじゃない???(笑)
評価:★★★★★
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