メンバーがやりたい音楽
Title:candy
Musician:geek sleep sheep
MO'SOME TONEBENDERの百々和宏、凛として時雨の345、そしてL'Arc~en~Cielのyukihiroによって結成されたスリーピースロックバンドの2枚目となるアルバム。1年半ぶりとなる新作でライブツアーも実施。今後もコンスタントに活動を続けていきそうです。
前作もそうだったのですが、楽曲はおもいっきり王道のシューゲイザーサウンド。特に前半の曲に関してはそのままシューゲイザーな楽曲に仕上げてきており、1曲目の「kaleidoscope」といい、2曲目のタイトルそのもの「feedback」といい、ギターのホワイトノイズにポップなメロという組み合わせが非常に心地よいナンバー。3曲目「planet ghost」に至ってはイントロのドラムといい、その後に入るギターのフレーズといい、そのまんまマイブラな楽曲になっています。
ラルクはともかくとして、モーサムも凛として時雨もシューゲイザーからの影響も感じられなくはないバンド。ただし楽曲的にはラルクにしろモーサムにしろ時雨にしろシューゲイザーサウンドを前面に押し出したような曲はありません。おそらくこのバンドは、それぞれバンドを離れての別プロジェクトということもあってメインのバンドではできない好きな音楽を好きなように演奏した結果なのでしょう。
そういうこともあって、好きなように演奏していると感じる一方、特にこれといった意気込みも薄いため、楽曲としての目新しさは薄く感じます。前作同様、345のボーカルを楽曲の中で効果的に使用しているのも特徴的。ただ、こちらにしてもシューゲイザーサウンドに透明感強い女性ボーカルという組み合わせは(前作のレビューでも書いたのですが)ちょっとスーパーカーっぽい雰囲気も・・・。
一方後半に関してはシューゲイザーの枠組みから離れて様々なタイプの曲が登場してきます。「lost song」や「Addicted」はメロディーから歌謡曲のテイストを感じさせますし、「happy end」は軽快なギターポップといった感じ。また「Candy,I love you」はガレージ風に仕上がっており、ここらへんはちょっとモーサムすら彷彿とさせます。
ここらへんのバリエーションの多さもいい意味で好き勝手にやっているバンドらしさを感じさせます。ただ一方で、残念ながらアルバム全体としては統一感を失っていた結果になっていました。
シューゲイザーなサウンドも含め、全体的には好みのタイプの音ですし、メンバーが好きにやっているスタイルにも好感が持てます。楽曲も決して悪い出来ではないのですが・・・同時にいろいろな面で惜しさも感じてしまうアルバム。まあ、ただ今後も下手に凝ったことするよりは、このまま突き進んだ方がおもしろいとは思うのですが。
評価:★★★★
geek sleep sheep 過去の作品
nightporter
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