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2015年7月18日 (土)

やりたいことを自由にやった曲たち

Title:SUPERNOVACATION
Musician:吉井和哉

先日、タレントの眞鍋かをりと結婚なんていうおめでたい話題も飛び込んできた吉井和哉。3月にアルバムをリリースしたばかりの彼が、わずか2ヶ月のインターバルでリリースしてきたのは、いままでのシングルのカップリング曲をまとめて収録したB面ベスト。昨年リリースしたカバーアルバムも、先日のオリジナルアルバムも素晴らしい内容で、公私ともに脂がのりまくっている彼ですが・・・まあ既発表曲をまとめたB面ベストなんで、そんな勢いとは直接関係ないか(^^;;

シングルのカップリング曲といえば、アルバムにも収録されないケースが多い、いわば「隠れた名曲」的な曲が多く収録されていたりします。特にミュージシャンにとっては、シングルでもアルバム曲でもできないような、ちょっと実験的というか、やりたいことをやった楽曲を収録してきたりするケースが少なくありません。で、このアルバムに収録されたカップリング曲は、まさに吉井和哉のやりたいことを自由にやったような楽曲が多く収録されていました。

例えば「TALI-seaside mix-」は思いっきり大滝詠一なアレンジ。いや、正直「TALI」の元曲よりマッチしたアレンジになっていないか?とすら思ってしまう見事なアレンジになっていました。

また、昨年リリースしたカバーアルバム「ヨシー・ファンクJr. ~此レガ原点!!~」でこれでもかというほど歌謡曲への偏愛ぶりをアピールしましたが、このカップリング曲でも歌謡曲からの影響は顕著。「BLOWN UP CHILDREN」なんかもそうですし「星のブルース」も「ブルース」というのはホンマモンのブルースではなく、歌謡曲のタイトルによく登場してくるムーディーな曲を意味して使われる『ブルース』。「リバティーン」で聴かせるエロティックな歌詞も、一昔前の歌謡曲の匂いを感じさせてくれます。

他にも「MUDDY WATER」もタイトルからしてブルースのナンバーかと思いきや、ファンクの要素を感じさせるナンバーになっていたり、「ギターを買いに」も新しいギターを買った時の喜びを素直に表現するような歌詞が印象的な、タイトル通りのギターロック。「ロックンロールのメソッド」もタイトル通りのロックンロールナンバーと、彼の趣味をダイレクトに反映しつつ、自由にやりたいことをやったような曲が並んでいます。

どれも肩の力が抜けたような曲が多く、吉井和哉の代表曲になりそうな派手な傑作、というのはありません。ただ吉井和哉らしさが満載だけどもあまり主張はしすぎない、ほどよい名曲が多くつまったアルバムだったと思います。シングルのカップリング曲中心なだけに知る人ぞ知る的な曲が多いアルバム。それだけに、オリジナルアルバム感覚で聴ける作品でした。

評価:★★★★★

吉井和哉 過去の作品
Hummingbird in Forest of Space
Dragon head Miracle
VOLT
The Apples
After The Apples
18
AT THE SWEET BASIL
ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~
STARLIGHT


ほかに聴いたアルバム

LOCUS/tacica

ドラムスの坂井俊彦が脱退し、2人組となってから初となる、1年10ヶ月ぶりとなるニューアルバム。楽曲はいわば王道のオルタナ系ギターロックバンド。1曲1曲はポップなメロと心地よいギターサウンドでそれなりに聴かせるのですが、どの曲も似たようなパターンの曲が多く、アルバム全体としてはインパクトが弱い・・・というのは以前のアルバムからずっと変わらないんだよなぁ。シンプルなギターロックなので、決して嫌いなタイプではないのですが、それだけにtacicaだけが持っているような特徴がないというか・・・。

評価:★★★

tacica 過去の作品
jacaranda
jibun
HOMELAND 11 blues

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