シンプルなオルタナロック
Title:Star Wars
Musician:WILCO
アメリカのロックバンドWILCOのニューアルバムが突然、フリーダウンロードでリリースされて話題となっています。
【参考サイト】ウィルコが新作『Star Wars』を突如リリース、フリー・ダウンロード可能に
彼らにとっては約4年ぶりとなるニューアルバム。その前作「THE WHOLE LOVE」も傑作だっただけに迷わずダウンロードを実施し、さっそくその新作を聴いてみました。
楽曲は全11曲入りながらも、アルバム全体としてはわずか34分という内容。1曲あたり2、3分程度の曲がメインになっています。その影響かまず感じたのはシンプルで聴きやすいアルバムという印象。前作「THE WHOLE LOVE」でもそうだったのですが、彼らの作品は、意外とポップで人なつっこいメロディーラインが特徴的なのですが、今回のアルバムに関しても、そんなポップなメロディーラインと、1曲あたり2、3分という長さが影響して、ポップソング的な感覚で気軽に聴けるアルバム、というのが最初の印象でした。
特に「Taste the Ceiling」や「Where Do I Begin」はシンプルで、かつメロディアスなギターロック。基本的にオルタナ系のギターロックサウンドにカントリーの要素を入れたような楽曲は、広いリスナー層が違和感なく楽しめそうな内容になっていました・・・・・・と思いきや、「Where Do I Begin」の最後の方ではゆがんだギターサウンドが展開されており、ちょっとしたひねりの要素が入っていたりするのですが。
もっとも、そんな人なつっこいポップという要素はあくまでもメロディーラインに注目したら、という話。そこに鳴っている音は、ゆがんだノイジーなギターサウンド。「More…」にしろ「Random Name Generator」にしろ、メロディーこそポップなのですが、一方ではゆがんだギターサウンドが心地よいロックチューンになっています。
特にアルバムの核ともなっているのが本作の中で唯一5分を超える「You Satellite」。本作の中で唯一、ドリーミーでサイケなサウンドを主軸とした曲。5分という長さはこの手の曲としては決して長くはないのですが、その短い時間の間で軽くトリップできるような作品になっています。
そんな曲も入りつつも、ただやはりギターを中心としたバンドサウンドのみが鳴っているシンプルな曲が多く、アルバム全体としても「シンプル」という印象は何度か聴いても変わりませんでした。とはいえ一方ではWILCOらしい魅力も、この30分強という短い中にちゃんとつまっており、WILCOの新作として間違いなく傑作と言える出来だったと思います。ちなみに無料配信は8月13日までということなので(その後はCDでリリース)、興味ある方は今のうちに急げ!
評価:★★★★★
WILCO 過去の作品
Wilco(This Album)
THE WHOLE LOVE
ほかに聴いたアルバム
The Hunting Party/Linkin Park
Linkin Parkのニューアルバムは、いわば「王道」的な作品。彼ららしいラップメタルのへヴィーなサウンドに、ともすれば日本人受けしそうな哀愁ただよう意外とポップなメロディーラインが載るスタイル。新鮮味はないものの、安心して聴けそうな作品でした。
評価:★★★★
LINKIN PARK 過去の作品
A THOUSAND SUNS
LIVING THINGS
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