ソロ2作目でソロの決意?
Title:旅立ちの日
Musician:藤巻亮太
現在、活動休止中のレミオロメンのボーカリスト、藤巻亮太によるソロミニアルバム。ソロデビュー作「オオカミ青年」以来、約2年半ぶりとなる新作。そんなスパンをあけながらもようやくリリースされた作品がミニアルバム。ちょっと制作ペースの遅さが気になります。
ご存じの通り、レミオロメンといえば、初期は素朴で暖かみのあるギターロックで注目を集めたにも関わらず、プロデューサーに小林武史を起用したことにより大味なサウンドを押しつけられて崩壊。ただ、活動休止前最後にリリースした「花鳥風月」ではセルフプロデュースとなり、比較的、初期を彷彿とさせるような作風に戻っていました。
ソロデビュー作「オオカミ青年」は、そんな「花鳥風月」を踏襲した次の作品といったイメージでしたが、今回の「旅立ちの日」はそれに続く作品というイメージを受けました。比較的シンプルな作風できちんとメロディーラインを聴かせるような曲が並んでいます。
ただ、初期に戻ったかと言われるとそうではなく、歌詞にしてもサウンドにしてもやはり初期の素朴さとは明確に違います。例えば「春の嵐」にしても「春の日だまりを君と歩いてた」という出だしこそ、初期の作風を彷彿とさせるのですが、抽象的な表現となる中盤以降の歌詞は、やはり初期とは明確に異なります。
アレンジにしても表題曲「旅立ちの日」はバンドサウンドにピアノやストリングスなどを重ねてスケール感を出している、良くも悪くもいかにもJ-POP的な作風に仕上がっていますし、「指先」にしても同じような傾向がみられます。
イメージとしたはブレイクした頃のレミオロメンといった感じでしょうか。ただ残念ながらその頃のような勢いはなく、一方ではその頃になかった安定感を良くも悪くも感じます。曲調もわずか6曲のミニアルバムながらもスケール感あるJ-POP風な味付けから、アコギのみのシンプルな作品、ギターをもっと前に出してきたアレンジと様々に仕上げています。
最後を締める「名もなき道」はソロとしてこれから歩んでいこうという決意を感じさせる曲。ソロ2作目となる今回のアルバムなのですが、いまさらながらなのですが、ソロとして進んでいく決心を固めた、ということなのでしょうか。
個人的には上にも書いた通り、ブレイクした頃のレミオロメンから勢いを抜いた感じでちょっと物足りなさも感じるのですが、それでもメロディーラインのセンスの良さには本作でもキラリと光るものを感じます。次はフルアルバムで藤巻亮太の本領発揮、といってほしいのですが、さてさて。
評価:★★★★
藤巻亮太 過去の作品
オオカミ青年
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2015年」カテゴリの記事
- 再メジャーデビュー作!(2016.05.19)
- もう10年か・・・(2015.12.28)
- なにげにはじめての9枚目(2015.12.29)
- ベスト盤+裏ベスト+ライブ盤(2015.12.26)
- 過去を振り返る(2015.12.21)
コメント