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2015年6月

2015年6月30日 (火)

「ロックを聴いた」という気持ちよさを感じる

Title:Wonder Future
Musician:ASIAN KUNG-FU GENERATION

ここ数日、一応「ギターロックバンド」の作品を立て続けに聴いていたのですが、どの作品もシンプルに分厚いバンドサウンドを押し出したアルバムではなく、もっとポップス寄りだったりストリングスアレンジだったりといった作品を聴いてきました。それだけに今回、アジカンの2年8ヶ月ぶりの新譜を聴き始め、いきなり分厚いバンドサウンドが飛び込んできた時点で、「うんうん、やはりロックの心地よさはここだよ!」ということをまずは実感しました。

今回のアジカンの新譜は、アメリカ・ロサンゼルスにあるフー・ファイターズのプライベートスタジオ「Studio 606」にて全曲レコーディングされた、ということでも話題になっています。そのためでしょうか今回のアルバムに収録されている楽曲はバンドサウンドの音にキレがあるように感じました。迫力あって、アルバムを聴いていてその場で奏でられているように感じるリアリティー。

1曲目「Easter/復活祭」から切り込むようなギターリフからスタートし、軽快なテンポのギターロックサウンドがとにかくカッコいいナンバー。アジカンの新たなスタンダードナンバー誕生を予感させます。2曲目「Little Lennon/小さなレノン」もギターリフを主導した、まさにロックらしいナンバーで、ロック好きとしては聴いていてなにより気持ちよさを感じます。

中盤以降も「Planet of the Apes/猿の惑星」もノイジーで疾走感あるサウンドが心地よいですし、中盤の主軸「Standard/スタンダード」はアジカンらしいポップなメロディーのギターロックが楽しめるナンバーになっています。

今回の作品、全体的にシンプルなアレンジで「ロック」という部分を前に押し出したような作品が多かったように感じました。それはやはり「Studio606」を使用したことにより、アジカンとしてのロックをあらためて模索した結果でしょうか。ロックのアルバムとして非常に心地よさを感じる傑作だったと思います。

一方、今回の作品で話題になったのは歌詞。最近、ボーカルのゴッチは、Twitterなどで左寄りの政治的発言を行うなど話題となっています。本作に関しても一部では「政治的」という指摘もあるみたいですが、ただ、私が聴いた限りにおいては、特に今回のアルバム、「政治的」な部分を前面に押し出したようには感じませんでした。

確かに、例えば「Caterpillar/芋虫」の歌詞で

「淀んだグレーの工場街でまとめて顔を削ぎ落とす
個性なんて必要ないさ
家畜のように飼い慣らす

そんな未来が近いだなんて
冗談だって言えるのかい
そんな時代は来ないだなんて
胸を張って言えるのかい」

(「Caterpillar/芋虫」より 作詞 後藤正文)

という歌詞は、現在の資本主義批判のような文脈は感じられますし、全体的にリベラル寄りな部分はあるようには感じられます。ただ、特定の政治勢力を批判したり、特定の思想を明確に批判したりするようなスタンスは楽曲からは感じられません。そこらへんはほどよくエンタテイメントとのバランスを取っているようにも感じました。

特定の政治的思想を楽曲に反映することは個人的には悪いこととは思いませんが、確かにリスナーを選んでしまう可能性があることは事実。そういう意味では今回のアルバム、広い層にちゃんと聴いてもらえるようなアルバムになっていましたし、難しいこと抜きにロックという音楽を楽しめるアルバムになっていました。繰り返しになりますが、ロックという音楽の気持ちよさを感じることが出来る傑作です。

評価:★★★★★

ASIAN KUNG-FU GENERATION 過去の作品
ワールドワールドワールド
未だ見ぬ明日に
サーフ ブンガク カマクラ
マジックディスク
BEST HIT AKG
ランドマーク
THE RECORDING at NHK CR-509 STUDIO
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2015年6月29日 (月)

キャッチーなメロはインパクトがあるが

Title:HOT!
Musicin:KEYTALK

これがメジャー2枚目となる4人組ロックバンドの新作。現在、人気急上昇中なのですが、本作ではオリコンアルバムチャート4位を記録し一気にブレイク。秋には初となる武道館ワンマンも決定しているようです。名前だけは以前から聞いたことがあったのですが、今回、はじめて彼らの音源を聴いてみました。

彼らについてはシングルでも楽曲をきちんと聴いたことはなく、ギターロックバンドというゆる~い括りのイメージで聴き始めたのですが、1曲目「YURAMEKI SUMMER」はいきなりの四つ打ちダンスポップ。和風のテイストがあってキャッチーなメロはむしろアイドルポップという括りで語られそうなポップソング。サビに至っては「K-POP??」とすら思ってしまうような楽曲でした。

その後もこの手の四つ打ちリズムによるダンスポップなアルバムの中で目立っていて先行シングルでもある「MONSTER DANCE」「桜花爛漫」もそんなパターン。メロディーラインはどこか和風なテイストが加えられているのもパターン化しています。また、アイドルポップというイメージが強くなる理由として、サビの部分で妙に「合いの手」という手法を用いていることが多いため。そのシングル曲「桜花爛漫」もそうだったのですが「マスターゴッド」などでもその手法を用いられていました。確かにこのアレンジならライブでは盛り上がるのかもしれませんが・・・。

楽曲的にはこの「四つ打ち」「和風なメロ」「アイドルポップ風なアレンジ」というスタイルと並んでもうひとつ特徴的だったのが「90年代J-POP風」というスタイル。もっとも顕著だったのが「FLAVOR FLAVOR」で、いきなりキャッチーでわかりやすいサビからスタートする構成は思いっきり90年代J-POP風。良くも悪くも耳障りのよいキャッチーな楽曲が並んでいます。

要するに彼らの楽曲はインパクトが十分にあって「売れる」タイプのポップスということ。ただその「売れる」と思う理由がメロディーラインの妙だとか独特の歌詞の世界だとかではなく、いかにも売れそうな要素を集めたポップスといった感じ。もちろんインパクトのあるメロディーを書けるというのは彼らの才能ではあるとは思うのですが、正直ちょっと薄っぺらさも感じてしまいました。

また彼らに関してちょっと気になったのは、背後に見えるのが90年代J-POPだけというルーツレスな点。先日紹介した04 Limited Sazabysでも同じようなことを感じたのですが、一昔前までのオルタナ系ギターロックバンドって、必ずそのルーツとなるような海外のロックバンドの姿が楽曲から見えたりしたのですが、彼らに関してはそれを感じません。もちろん、バンドをやる時、必ず洋楽の影響を受ける必要性はないと思うのですが、ルーツがないバンドというのはどうしても楽曲の足腰の弱さを感じてしまいます。その足腰の弱さを補うだけの個性や圧倒的なメロディーセンスがあればよいのですが・・・残念ながら彼らの楽曲からはそんな部分は感じられませんでした。

いわゆる「今時のギターロックバンド」といった感じなのかなぁ。相変わらずバブル気味のフェスでは盛り上がりそうだけども・・・それプラスアルファがあまり感じられない作品でした。

評価:★★★

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2015年6月28日 (日)

曲の雰囲気に見事にマッチ

Title:あまざらし 千分の一夜物語 スターライト
Musician:amazarashi

今回紹介するamazarashiのニューアルバムは、いわゆる「アンプラグド」の企画盤。もともとのきっかけは昨年9月に行われたライブイベント「千分の一夜物語 スターライト」。このイベントは、amazarashiの楽曲を、ストリングスをはじめとしたアンプラグドな編成で演奏し、曲の合間に秋田ひろむの書き下ろした物語の朗読が加わるというイベント。良くも悪くもamazarashiらしい中2病っぽい企画なのですが、本作はそこで演奏された楽曲を再レコーディングして収録したアルバムだそうです。

正直、この手の企画盤はあまり期待はしていませんでした。特にアコースティックギター中心のアレンジならともかく、ストリングスを入れたアレンジはどうしても大味になりがち。特にオーケストラを入れたアレンジになると、ほとんど原曲に無理やりオーケストラのアレンジを入れただけの内容になり、個人的におもしろいと思えるアルバムにいままでほとんど出会ったことがありません。

そんな中、これだけおもしろいと感じる「アンプラグド」なアルバムに出会ったのは、ひょっとしたら本作がはじめてかもしれません。この作品、確かにストリングスを効果的に使用しています。ただ一方で不必要なオーケストレーションで盛り上げようとすることはなく、その使われ方は比較的シンプルで抑え気味。また、アコースティックギターやピアノの音色とも効果的に組み合わせており、ストリングスアレンジにありがちな仰々しさはあまり感じられません。

それよりも素晴らしかったのが、このアンプラグドなアレンジが楽曲の雰囲気にこれほどないほどマッチしていたことでした。例えば「隅田川」では前半はアコギ一本で静かに聴かせつつ、後半はピアノやストリングスを入れて静かながらも盛り上げるという構成は歌詞にもピッタリと一致していますし、「無題」で聴かせるピアノとストリングスのアレンジも楽曲の世界観にこれほどないまでに一致していました。

後半も「古いSF映画」ではシンプルなアコギのアレンジで静かに聴かせながらも非常に不気味な歌詞とのアンマッチさが逆に見事。「夏を待ってました」の悲しげなアレンジもまた歌詞の世界にマッチしていました。

もともとamazarashiの描く世界観がストリングスやらピアノやらの音に相性が良い、ということもあるのでしょう。聴いているうちにこれがリアレンジではなく、むしろこちらのアレンジの方がオリジナルでは?という錯覚すら感じてしまうほど。あらためて何曲かについては原曲を聴いてみたのですが・・・むしろこちらのアレンジの方が曲にマッチしているようにすら感じてしまいました。

amazarashiの歌詞は好き嫌いがわかれる部分もあるとは思いますが、それを差し引いても世界観にマッチしたこのアレンジは間違いなく一聴の価値のある作品だと思います。もちろん、amazarashiが好きな方には文句なしにお勧めできる傑作。「企画盤」ということでノーチェックにしておくにはあきらかにもったいない作品でした。

評価:★★★★★

amazarashi 過去の作品
千年幸福論
ラブソング
ねえママ あなたの言うとおり
あんたへ
夕日信仰ヒガシズム

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2015年6月27日 (土)

キュートなメロディーが耳に残るが

Title:CAVU
Musician:04 Limited Sazabys

名古屋を中心に活動する4人組ロックバンド。この作品がメジャーデビュー作となります。オリコンアルバムチャートではいきなり6位を記録。実は名前もほとんど初耳だったのですが、地元のバンドということもあり、今回はじめて聴いてみました。

楽曲は、ちょっとメロコア的な要素も入ったギターロックバンドというイメージ。最大の特徴としては、メロディーがキュートでポップといったところでしょうか。1曲目を飾る「days」もわずか1分強という曲ながらもキュートなメロディーラインが印象的ですし、他にも英語詞の「Grasshopper」や軽快なポップソング「milk」などキュートという表現がピッタリ来るような曲が並んでいます。

ボーカルGENの声もそんなキュートなメロディーラインにピッタリくる、高音域の端整なボーカル。線の細さは気になったのですが、彼らみたいなタイプな楽曲によくマッチしたタイプのボーカリストだと思います。

それなりにインパクトもあって、確かに売れそうなタイプではあるな・・・とは思ったのですが・・・全40分弱というコンパクトな内容だったのですが、正直、最後の方は少々飽きが来てしまいました。

最大の理由は楽曲のバリエーションの乏しさ。ほとんどの曲は同じリズムパターンのハイテンポなギターロックばかり。途中、少々リズムパターンの異なる軽快な楽曲が入って来たり、デス声っぽいボーカルを聴かせるちょっとハードな曲も入って来たりしたのですが、基本的に楽曲のタイプは少な目で、最後の方では飽きがきてしまいます。

メロディーラインにしてもシンプルでストレートなポップ。良くも悪くもJ-POP的なひねりのないメロディーラインで耳障りはいいけど楽曲の展開としての旨みはほとんどありません。そのため、最初は耳に入ってくるものの、何曲か聴いているうちに飽きてしまいました。

基本的にいまひとつルーツのはっきりしないような作風のため、楽曲の足腰も弱め。良くも悪くも若者がノリでつくっているよなぁ、という感じのポップス。いや、若さからの勢いでつくる楽曲も悪くはないんですけどね。ただ、全体的に物足りなさを感じてしまいました。

本作がメジャーデビュー作ですが、まだまだ成長の余地の大きい作品。地元のバンドなだけにがんばっては欲しいのですが・・・。

評価:★★★

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2015年6月26日 (金)

復帰後第2弾

Title:Kranke
Musician:Syrup16g

昨年、突然の再結成を果たし、約8年ぶりのニューアルバムをリリースしたSyrup16g。久々のニューアルバムは期待半分、不安半分という中で聴いてみたのですが、長いブランクを全く感じさせない傑作になっていました。それから約9ヶ月。復活後第2弾としてリリースされたのは全5曲入り22分の短さのEP盤。5曲のうち1曲は1分強のインターリュードなので、事実上4曲入りの作品となっています。

その4曲のみの今回の作品に関してまず感じられるのは、歌詞からどこか明るさを感じさせること。例えば「冷たい掌」では

「冷たい掌 握り直して
過去へ 連れてって
冷たい掌 握り直して
未来へ 連れていこう」

(「冷たい掌」より 作詞 五十嵐隆)

なんていう前向きの歌詞が歌われていますし、「Thank you」の歌詞でも

「諦めない僕に Thank you を
諦めの悪い 青春を
諦めない僕に Thank you を
諦めの悪い 青春を迷う 毎夜」

(「Thank you」より 作詞 五十嵐隆)

と、どこか前向きなスタンスを感じます。もっともこの「前向きさ」という意味では、いままでのSyrup16gの楽曲でも、厳しい現実の向こうのかすかな希望という意味で前向きなスタンスは感じられたのですが、それが今回のアルバムではより鮮明に感じられました。

サウンドに関しても、例えば「vampire's store」のイントロのうねるようなギターサウンドには、90年代のUKロックからの流れを感じてうれしくなってきますし、基本的にはストレートなオルタナ系サウンドというのはいつも通り。ファンの期待にしっかりと応えたアルバムだったと思います。

ただ・・・楽曲に関しては全体的にインパクトは薄め。もちろん内容は悪くないし、もしこれらの楽曲がフルアルバムの中の1曲として収録されていれば文句なしだったでしょう。ただ、たった4曲入りのEPの中ではどうしてもアルバム全体に薄味に感じてしまいました。

まあもっともその分、お値段もお安くなっている訳で、その見合いということを考えれば妥当な内容なのでしょうが・・・。聴き終わった後、ちょっと物足りなさも残る内容。もっともSyrup16gとしてスランプに陥っている、といった感じではないので、次のオリジナルアルバムに期待したいところです!

評価:★★★★

Syrup16g 過去の作品
Syrup16g
Hurt

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2015年6月25日 (木)

久しぶりのニューアルバム

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

久々となるニューアルバムが1位獲得です。

今週のアルバムチャートで1位を獲得したのはゴールデンボンバー「ノーミュージック・ノーウェポン」。紅白での奇抜なパフォーマンスなども話題となり、ここ数年、人気が急上昇した彼らですが、おととしリリースした「ザ・パスト・マスターズ Vol.1」は企画盤だったため、オリジナルアルバムとしては2012年の「ゴールデン・アルバム」以来、約3年5ヶ月ぶりとなりました。

結果、初動売上は4万8千枚。これは、「ザ・パスト・マスターズ Vol.1」の初動11万3千枚(1位)の半減以下という結果。また、オリジナルとしての前作「ゴールデン・アルバム」の6万6千枚(2位)からもダウンという厳しい結果となりました。正直、話題性優先のグループなだけに、少々飽きられてきている感もなきにしもあらず。ここが正念場といった印象も。

2位はMr.Children「REFLECTION」が先週と変わらず2位をキープ。3位はロックバンド[Alexandros]「ALXD」が獲得。[Alexandros]は、以前は[Champagne]として活動していたバンドで、昨年3月に改名したのですが、本作はオリジナルアルバムとしては改名後初の作品。初動売上3万4千枚は[Champagne]名義でリリースされた前作「Me No Do Karate.」の1万7千枚(13位)から倍増。アルバムのベスト10入りは2作ぶり2作目。ベスト3入りはこれが初。バンドとして人気面で大きな飛躍をみせるアルバムとなりました。

続いて4位以下の初登場。まず4位にTUBEのニューアルバム「Your TUBE + My TUBE」が入ってきました。今年デビュー30周年を迎えた彼らの新作は2枚組。特に「Your TUBE」では様々なミュージシャンがTUBEをイメージして楽曲を提供するというスタイルで、GLAYのTAKURO作詞、B'zの松本孝弘作曲なんで曲もあったり、奥田民生やクレイジーケンバンドの横山剣なんていうちょっと畠違いにも感じられるミュージシャンも参加していたりします。これで桑田佳祐が楽曲を提供していたりしたらおもしろかったんですけどね(笑)。初動売上3万枚は前作「SUMMER ADDICTION」の2万7千枚(3位)からアップ。

6位には韓国の女性アイドルグループKARA「Girl's Story」がランクイン。初動売上1万4千枚は前作「FANTASTIC GIRLS」の4万枚(3位)から大きくダウン。今週シングルチャート1位だった防弾少年団をはじめ、一定の固定ファンがついている男性アイドル勢と比べて、女性アイドル勢はかなり苦戦しているように思われます。

8位には、Dragon Ashのボーカリスト降谷建志の初となるソロアルバム「Everything Becomes The Music」がランクイン。初動売上は1万枚。Dragon Ashとしての直近作となる「THE FACES」の2万1千枚(3位)よりはさすがに大きくダウンしています。

最後10位には人気女性声優、林原めぐみ「タイムカプセル」がランクイン。こちらは歌手デビュー25周年を記念してリリースされた3枚組のベストアルバムで、主に90年代の彼女の楽曲を、アニメのキャラクターソングを含め、レコード会社の枠を超えて収録したアーリータイムベストとなっています。初動売上は8千枚。直近作は同じくベスト盤の「VINTAGE White」で、こちらの1万3千枚(9位)よりはダウンしています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2015年6月24日 (水)

女性アイドルグループが目立つ中・・・

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

女性アイドルグループが目立つ中、1位を獲得したのは韓流グループでした。

防弾少年団「FOR YOU」が1位を獲得。一応「HIP HOPグループ」という体のアイドルグループなのですが、毎回、サビ以外がラップでサビになるととたんに普通のK-POPになるあたり、いかにもといった感じ。初の1位獲得で初動7万2千枚は前作「Danger」の4万9千枚(5位)よりアップ。

で、2位以下には女性アイドルグループが並んでいます。まずベスト3圏内に、2位私立恵比寿中学「夏だぜジョニー」、3位でんぱ組.inc「おつかれサマー!」がそれぞれランクイン。どちらもサブカル受け狙いのアイドルグループという意味で似たものを感じるのですが、タイトルのつけ方もどこか似ているような。

私立恵比寿中学はORANGE RANGEのRYOとシライシ紗トリがサウンドプロデュースを手掛ける王道のサマーポップで意外と正統派。初動売上5万4千枚は前作「ハイタテキ!」の5万9千枚(3位)よりダウン。でんぱ組.incの方はゆずの北川悠仁と前山田健一の共作。いかにも狙ってます的な破天荒なつくりが良くも悪くも前山田健一らしい感じ。初動売上5万3千枚は前作「でんぱーりーナイト」の2万8千枚(5位)からアップ。

4位以下では6位にpalet「Time to Change」、8位に9nine「HAPPY 7 DAYS」がそれぞれランクイン。paletはSPEEDのプロデューサーとしておなじみの伊秩弘将作詞作曲によるナンバー。初動売上1万9千枚は前作「SNOW DISTANCE」の2万5千枚(5位)からダウン。9nineは初動1万6千枚で前作「With You」の2万7千枚(7位)よりこちらもダウン。

他のベスト10初登場は・・・4位に男女混成ユニットDream5「ようかい体操第二」がランクイン。タイトルからわかるようにゲーム「妖怪ウォッチ2 真打」のテーマ・ソングです。初動売上3万2千枚。前作は同じく「妖怪ウォッチ」がらみでDream5+ブリー隊長名義の「ダン・ダン ドゥビ・ズバー!」で、こちらの初動6万6千枚(1位)からダウン。一方、Dream5単独名義の前作「Break Out」の1万6千枚(8位)からはアップ。本作はトレーディングカード付CD13種発売というドーピング仕様がついていましたが、基本、子供向けの曲でこの売り方って、いくらなんでも倫理に反してないか??

5位初登場は男性アイドルグループSOLIDEMO「Girlfriend」。フジテレビ系ドラマ「戦う!書店ガール」挿入歌。微妙に歌詞と符割りがミスマッチを起こしていて、聴いていて気持ちの悪さを感じるのですが・・・。初動1万9千枚は前作「Rafflesia」の1万8千枚(4位)から微増。

9位には、ゲスの極み乙女。「ロマンスがありあまる」がランクイン。なにかと話題に(特にこの奇妙なバンド名で)のぼることの多いバンドですが、シングルはこれが3作目で、ベスト10入りは前々作「猟奇的なキスを私にして」に続き2作目。映画「ストレイヤーズ・クロニクル」主題歌。初動売上1万4千枚は前作「私以外私じゃないの」の1万3千枚(11位)から微増。

最後10位には氣志團「Don't Feel,Think!!」が入ってきています。テレビ東京系ドラマ「LOVE理論」主題歌。ご存じ、ブルース・リーの名セリフのパロディーですが、悪い意味での反知性主義なるものがはびこる今の時代にとっては、こちらのタイトルの方があるべき姿かもしれないですね。これで3作連続のベスト10ヒット。初動売上1万4千枚は前作「幸せにしかしねーから」の1万2千枚(7位)からアップ。完全に人気が回復基調に入ってきたようです。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2015年6月23日 (火)

歌詞は天下一品

Title:あくたもくた
Musician:SAKANAMON

今、期待のギターロックバンド、SAKANAMONメジャー3枚目となるニューアルバム。前作「INSUROCK」はオリコンアルバムチャート17位を記録するなど一気にブレイクに近づきました。本作は、残念ながらチャート最高位19位だそうで、前作から比べるとちょっと足踏み状態。とはいえブレイク間近という状況は本作でも同様です。

本作での彼らの最大の魅力は1にも2にも歌詞。私は前のフルアルバムとの間にリリースされたミニアルバム「ARIKANASHIKA」に続き、彼らのアルバムを聴くのは2作目なのですが、その前作に引き続き、インパクトがあり個性的な歌詞に惹かれるものがありました。

「我が学び舎 門出の時
待ち焦がれた義務の解除
養った姑息な技
何処行った理想とやら」

(「ぱらぱらり」より 作詞 藤森元生)

なんて歌詞からスタートする、楽しい学園生活を送れなかった人に贈る「ぱらぱらり」なんていう卒業ソングがあったり、他にも孤独な人を描いた歌詞としては

「同窓会も誘われない
連日自宅警備オンライン
求愛する女子もいない
妄想満員で御礼」

(「ジリキの迷宮」より 作詞 藤森元生)

という歌詞が登場する「ジリキの迷宮」なんて曲もあったりします。

基本的にどこか社会から疎外されたような人たちの視点で描いた曲が多いのですが、そんな曲にとどまらず時計の針をモチーフにラブソングを描いた「アナログラブ」やら、交通事故を起こした人の開き直りを描いた「ケセラセラ」やら、女の子にもてたくて肉体改造に挑んだ男の結末を描いた「肉体改造ビフォーアフター」やら、どの曲も独特の視点でユーモアたっぷりに描きつつ、どこかリスナーとしては共感する部分のある歌詞が実に見事。この歌詞だけで間違いなく聴く価値のある1枚だと思います。

ただ・・・歌詞に関しては絶対的な個性の持ち主の彼らなのですが、残念ながらメロディーとサウンドの方はとことんいまひとつになってしまっています。

基本的にはオルタナ系のギターロックバンドで、メロディーもポップで聴きやすく、そんなに悪いものではありません。ただ、どの曲もどこかで聴いたことあるような聴き飽きたようなタイプの曲ばかり。打ち込みのダンスナンバーも何曲か収録されているのですが、こちらもくるりを2周遅れくらいで後につけているような今更感のある楽曲。歌詞があれだけおもしろいのに・・・と思ってしまいます。

もちろん、不必要なひねりのないシンプルな楽曲だからこそ歌詞も活きている部分もあるのですが、個人的には中途半端にエレクトロサウンドを入れて色気を見せるよりは、愚直にシンプルなギターロックのみ追及して、SAKANAMONの売りはとことん歌詞、と開き直った方がおもしろい曲が出来るように思うんだけどなぁ。ここらへん、「注目のバンド」だけどもブレイクしきれない大きな理由のようにも思います。前作に続き、非常に惜しさを感じさせるアルバムでした。

評価:★★★★

SAKANAMON 過去の作品
ARIKANASHIKA

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2015年6月22日 (月)

相変わらずのダサジャケ!

Title:CHERRY BOMB
Musician:TYLER,THE CREATOR

うーん、相変わらずこのダサダサなジャケット(笑)。TYLER,THE CREATORの新作。前々作「Goblin」は日本でも大きな話題になったのですが、残念ながらその後は少々竜頭蛇尾気味(苦笑)。この最新作も国内盤こそリリースされたものの、大きな話題にはのぼっていないように感じます。ただ本国では、ビルボード総合アルバムチャートで4位、R&B/HIP HOPアルバムチャートでは見事1位を獲得しており、ちゃんと根強い人気を見せつける結果となっています。

TYLERのいままでのアルバムといえば、狂気を秘めたような楽曲が大きな特徴的でした。そもそも話題となったのも、ゴキブリを食べてその後自殺する、というとんでもないPVだったりしますし(笑)。

そんないままでの彼の作品から考えると今回のアルバム、ちょっと拍子抜けしてしまう部分もあるのではないでしょうか。明るい・・・という訳ではありません。ただ、今回のアルバムで特徴的なのは歌詞にどこか前向きさを感じさせること。特にリリックの中に「翼」という用語が多く出てきているのが特徴的で、そのものズバリ「FIND YOUR WINGS」なんてタイトルの曲もあったりして・・・J-POPかよ!といった突っ込みも入れられそうな(^^;;

また、グッとバラエティーが増えた前作「Wolf」から続き、本作もトラックのバリエーションが増えたのが特徴的。「FIND YOUR WINGS」ではジャジーなトラックを聴かせてくれますし、タイトル曲「CHERRY BOMB」ではノイジーなトラックをダイナミックに展開しています。他にもエレクトロサウンドを前面に出した「BLOW MY LOAD」やら、ピアノを用いてきたり、ミニマルなサウンド構成を聴かせたりとバラエティー豊か。間違いなく、最後まで飽きのこない展開になっています。

前作ではゲストボーカルでErykah Baduが参加していましたが今回は前作以上にゲスト陣が豪華。「SMUCKERS」ではLil WayneにKanye Westが、「KEEP DA O'S」ではPharrell Williamsが参加しており話題となっています。

楽曲的にはトラックを含めて十分なインパクトがあり、ちゃんと聴かせる楽曲になっていますし、魅力十分のアルバムだとは思います。ただ、前作までの大きな特徴であった「狂気」という部分が薄れ、あまりヤバさという部分を感じられなかったのが残念。良くも悪くも聴きやすいポップなアルバムになってしまった、という印象も受けました。一番「狂気」を感じるのは、ダサさが目立つジャケットのようにも思えてしまうのがちょっと残念ですが・・・。

評価:★★★★

TYLER,THE CREATOR 過去の作品
Goblin
Wolf

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2015年6月21日 (日)

なによりもボーカルが魅力

Title:Beautiful
Musician:Lacee

昨年のBlues&Soul Records誌の年間ベストアルバムにも選ばれた、アメリカの女性シンガーLaceeの新作。本国でも決して「売れている」シンガーではないみたいで、このアルバムも本国ではもともとダウンロードオンリーでのリリースだったようです。ただ、海を隔てて遠く離れたここ日本では、一部のマニアを中心に妙に高い評価を得て、日本オンリーでCDでのリリースが決まり、遅ればせながら私も聴いてみました。

で、そんな彼女の魅力なのですが、それはなにを差し置いてもそのボーカルだと思います。いきなりパワフルなボーカルでスタートする「Let the Juke Joint Jump」は、ホーンも入った力強くブルージーな演奏もさることながら、なによりも彼女のパワフルな歌声に圧倒されます。

他にもファンキーな「The Three T's」やメロウな曲調の中にボーカルの力強さを感じる「Mr.Wrong」など、その類まれなる歌唱力を惜しみなく聴かせてくれます。

かと思えば一方では「Oh Well」「Messy」などで聴かせてくれるとても優しい歌声も魅力的。パワフルに歌い上げるだけではなく、その力を抑えて優しく歌ってもとても魅力的に聴かせることが出来、まさに緩急つけた歌声をこのアルバムの中では披露してくれています。

一方、楽曲に関しては、ブルースやサザン・ソウルなどのルーツ志向の強いソウルミュージック・・・なのですが、こちらに関しては正直なところこれといって目新しさはありません。また、「I Got Your Back」など、90年代あたりのR&Bの要素を入れてそれなりにアップデートした楽曲も聴かせてくれたりするのですが、こちらに関しても微妙に時代遅れといった感覚は否めません。

ただ言い方を変えれば下手に凝らないサウンドともいえる感じ。演奏にしても「圧巻するグルーヴ感」といった感じはありませんが、ボーカルにあわせたグルーヴ感をちゃんと醸し出しています。良くも悪くもストレートなサウンドだからこそ、彼女のボーカルが映えているという、そんな印象も受けました。

そんな訳で、楽曲自体にそれほど新鮮味はないのですが、Laceeのボーカルだけでご飯3杯はいけそうな、そんな魅力的なアルバムだったと思います。特に日本だと、邦楽の世界で「ボーカル」というのは非常に軽視されているように感じるだけに、彼女みたいなボーカリストが日本でももっと広く聴かれるといいなぁ。

評価:★★★★

Lacee 過去の作品
Soulful

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2015年6月20日 (土)

念願の初ライブ

サザンオールスターズLIVE TOUR 2015「おいしい葡萄の旅」

会場 ナゴヤドーム 日時 2015年6月13日(土) 18:00~

Sas_live

行ってきました!以前から是非とも一度は行きたかったサザンオールスターズのライブ。競争倍率の高そうだったチケットをなんとか入手し、ナゴヤドームに見に行きました。ライブでナゴヤドームに来るのはこれがはじめてかも・・・。もちろんこの日は超満員。入口でライブの演出にあわせて光るLEDライトがついたリストバンドが手渡され、これを手につけて会場に入ります。

席は内野席の前の方。予想以上に良い席でちょっとビックリ。ライブは思ったより早く18時5分にスタート。1曲目はいきなり「Tarako」という、ちょっと予想外の選曲からスタートしました。

会場には大型のモニターが6台設置され、そこに大画面で桑田佳祐の歌う姿やメンバーの演奏する姿が映し出されるのですが・・・ちょっとビックリしたのが、全部の曲に関して曲のタイトルと歌詞がモニター下に字幕で映し出された点。熱心なファン以外でも楽しめるように、という配慮でしょうか?正直、結構ありがたかったのです(^^;;

続いてはおなじみの「 ミス・ブランニュー・デイ (MISS BRAND-NEW DAY)」で会場は盛り上がり「ロックンロール・スーパーマン~Rock'n Roll Superman~」へ。ここで最初のMCが入ります。最初の挨拶的なMCだったのですが、「(全国ツアーですが)本当は名古屋だけでいいですよ、って言ったんですけどね~」なんていうジョークはどこでも言ってるんだろうな、と思いながらも会場は盛り上がっていました(笑)。

その後は「青春番外地」からスタートし、最新アルバム「葡萄」の曲が続きました。途中、「天井桟敷の怪人」ではダンサーチームが登場し、曲にあわせて舞台上で演技を披露するなどのパフォーマンスも。その後は短いMCで「ゲストボーカルを紹介します。マダムゆうこりん!」の紹介で原由子ボーカルによる「ワイングラスに消えた恋」へと続きました。原由子はキーボードを弾きながらではなく、ステージ中央でダンサーが踊る中でしんみりとその歌声を披露してくれました。

Sas_live2

その後は過去のアルバム曲を中心とした選曲。特に「Happy Birthday」や「Computer Children」「死体置き場でロマンスを」などアルバム「KAMAKURA」からのナンバーが多かったのが特徴的でした。

途中のメンバー紹介では、メンバーそれぞれが名古屋にちなんだネタを。原由子は喫茶マウンテンの小倉抹茶スパが食べてみたい、なんてネタを話していたりもしました。メンバー全員、非常にユーモラスあふれるMCを披露しており、このMCだけでもかなり楽しませてもらえました。

中盤には「栞のテーマ」や「あなただけを ~Summer Heartbreak~」のような代表曲を披露。さらに「真夏の果実」をナマで聴くことが出来たのは、かなり感動しました。

その後のMCでは最近の流行にはついていけない的なネタが。桑田佳祐はガラケーしか持ってないので(本当?)、某社がガラケーをやめるということに怒っていたり、自撮棒やドローンのネタが出てきたり、さらには「サザンも昔は変な名前だ、と言われたんですが、最近はもっと変な名前のバンドが多いですよね」という話から変な名前のバンドの例としてゲスの極み乙女。に、キュウソネコカミ(!)。「変な名前の~」という段階でゲスの極み乙女。は予想できたのですが、まさか桑田佳祐の口からキュウソネコカミの名前が出てくるとは!

この段階で既に20曲を披露していたのですが、ライブはまだまだ続きます。「(The Return of)01MESSENGER ~電子狂の詩~」や「ブリブリボーダーライン」など個人的にもリアルタイムで聴いていて懐かしいナンバーを挟みつつ、終盤では「東京VICTORY」へ。ここでようやく手につけていたLEDライトが光ります。観客席全体にLEDの光が放たれ、とても美しい光景に。(予想していたのですが)歌詞の「TOKYO,the world is one!!」の歌詞はちゃんと「NAGOYA,the world is one!!」に変わっていました(笑)。

さらに最新アルバム「アロエ」から「マチルダBABY」を挟んで「エロティカ・セブン」へ!懐かしいナンバーに一気にテンションがあがりつつ、「ボディ・スペシャルII」から本編ラストでは「マンピーのG☆SPOT」で会場のテンションも一気にあがります。「マンピー」では水着姿のお姉ちゃんたちがダンサーとして登場し、さらに桑田佳祐の股間には金のしゃちほこが(笑)。サザンらしいエロエロな雰囲気の中で本編が終了。曲が終わった後は水着姿のダンサーに桑田佳祐がしつこく声をかけ、それをフライデーにスクープさせる、というオチでライブ本編は終了しました。

ここまでまるまる3時間!もちろんその後はアンコールが起こります。アンコール後はトーキー映画の雰囲気で寸劇が挟まり、再びメンバーが登場。「匂艶THE NIGHT CLUB」で盛り上がった後は、最新アルバムより「ピースとハイライト」、さらには「みんなのうた」で会場はこの日一番の盛り上がりとなりました。そしてアンコール最後はアルバムのラストナンバーでもある「蛍」でしんみりと幕を下ろしました。

でも、そんなしんみりした雰囲気では終わりません(笑)。最後は途中に登場したダンサーも含めて、この日のライブのメンバー全員がステージ上へ。なぜか「おおブレネリ」の替え歌で盛り上がります。なぜかストリングスのサポートメンバー、金原千恵子がいじられキャラになっていました(笑)。最後はサザンのメンバー5人だけがステージ上に残りご挨拶。長いライブが幕を下ろしました。

そんな訳でアンコール含めて3時間半にも及ぶフルボリュームの内容。メンバー全員もう結構なお歳なのに(失礼!でもこの日のMCもこの手の自虐ネタが多かった・・・)、3時間以上の長丁場のライブをやり抜く体力には驚かされます。桑田佳祐の声も年齢からくる衰えも全く感じなかったし。

今回、はじめてのサザンライブだった訳ですが、そのステージを見て感じたのはやはりサザンはバンドなんだなぁ、という点でした。サポートメンバーも多かったわけですが、それぞれ要所にメンバーの見せ場もあり、なによりも音楽を主軸にしたステージ。ダンサーの登場や特効、観客の腕につけたLEDライトのような演出もありつつ、ただ全体的には大規模な演出が連続するような「ザッツ・エンターテイメント」といった雰囲気ではなく、ちゃんと「ロックバンドのライブ(本人たち曰く「コンサート」)におさまっていた演出でした。そういう意味でサザンは、いわゆる「芸能界」的な歌手でもエンターテイナー的な位置づけでもなく、、あくまでも「ロックバンド」に主軸を置いているんだな、ということを感じたステージでもありました。

また、セットリストに関しても、「葡萄」からの曲を一通りやりつつ(ライブ映えしそうな「天国・オン・ザ・ビーチ」を演らなかったのはかなり意外でしたが)、ちゃんと代表曲も聴かせてくれるライブがはじめてという方から長年のファンまで納得できそうな選曲。また昔の曲から最近の曲まで、一般的にはちょっと知名度も低いアルバム曲まできちんと抑えており、それでもちゃんと観客を盛り上げることが出来る点、サザンの楽曲の層の厚さを感じます。

非常に満足度の高い、とても楽しいライブでした。あらためてサザンオールスターズというバンドのすごさを感じたステージ。なにより個人的にはあのサザンのメンバーと同じ場所にいることが出来る、というだけでちょっとした感動が(笑)。チケット確保はかなり難関なので、次も行けるかどうかわからないのですが・・・機会があれば是非ともまた足を運びたいです!

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2015年6月19日 (金)

彼ららしいSAYONARA

Title:SAYONARA
Musician:SAKEROCK

すっかりソロとして有名人になってしまった星野源が所属するインストバンド、SAKEROCK。星野に限らずハマケンも在日ファンクでの活動やテレビへの出演、伊藤大地も数多くのバンドやレコーディングへの参加と、メンバーそれぞれのソロ活動が目立っています。そんな中、SAKEROCKとしての活動は途切れがちになっていたのですが、残念ながら6月2日の両国国技館でのライブを最後に解散を発表。ある意味、ソロ活動が忙しくなったから、という、これほど解散理由のわかりやすい解散ははじめてなのですが、残念ながらこれが最後のアルバムになってしまいました。

しかしこのラストアルバムでユニークなのはジャケット写真を見てわかるとおり、3人組バンドだった彼らが5人組に増えてしまいました(笑)。これは2011年に脱退した田中馨と2002年に脱退した野村卓史が最後の最後ということで戻ってきてレコーディングにも参加したため。最後の最後に昔のメンバーが戻ってきたバンドなんて、はじめて聞きましたが、それも彼ららしいところなのでしょう。

さて肝心の内容の方なのですが、最後のアルバムということでもこれといって意気込んだ感じはありません。ある意味いつものSAKEROCK。ハマケンのどこかとぼけた感じのホーンがユーモラスな「Emerald Music」、軽快でポップなメロが印象に残る「Orion」、ワルツのリズムでとても暖かみのある音を作り出している「Alcohol Waltz」などなど、ハマケンのどこか笑っているようで、そしてとても暖かいトロンボーンの音色と星野源の爽快なマリンバの掛け合いで楽しませつつ、バンド全体が楽しく盛り上がっている、いつもの彼らのスタイルでした。

最後を締めくくる「SAYONARA」は、他の曲に比べてバンドサウンドがより前面に出ているナンバー。最後ということでバンド全体での盛り上がりを意図したのでしょうか?ただこの曲についても特に終わりを意識したような感じはせず、いつも通りのまま活動に幕を下ろした、という意味では最後の最後までSAKEROCKらしい自然体を感じるアルバムでした。

ただアルバム全体としては正直ちょっと「軽め」に感じました。10曲入り全36分程度の短めの長さなのもそうですし、いままでのSAKEROCKにあったような「毒」の要素も薄目。良くも悪くもポップにまとまっていて聴きやすいアルバムになっていたと思います。忙しい中での録音ということもあって、作り込んだ作品というよりは軽いノリのテンションだったということでしょうか。その方向性はいい意味での聴きやすさというプラスの面にも作用しましたし、一癖ある要素があまりない、というマイナス面にも作用したように感じました。

とはいえ、5人仲良く、よい形でラストを締めくくることのできたアルバムだったと思います。個人的には忙しいからこそ、原点に帰ることのできる「家」のような存在としてSAKEROCKの活動を断続的にでも続けてほしかったなぁ、とも思うのですが・・・。残念。これからはメンバーそれぞれのソロ活動での活躍を期待しましょう。

評価:★★★★★

SAKEROCK 過去の作品
ホニャララ
MUDA
SAKEROCKの季節 BEST2000‐2013


ほかに聴いたアルバム

HARVEST ~LIVE SEED FOLKS Special in 葛飾 2014~/山崎まさよし

昨年4月に東京・かつしかシンフォニーヒルズ で行ったコースティックライブ「SEED FOLKS Special」を収録したライブアルバム。アコースティックギターと弦楽四重奏のみで彼の代表曲をカバーしています。ただ、基本的にアコギでの演奏を基にした曲が多いだけに、良くも悪くも新たな驚きとかはなく、言い方を変えれば安心して、ベスト盤感覚でも聴けるアルバム。アコースティックサウンドでのライブならではの暖かい雰囲気が伝わってくるようなライブアルバムでした。

評価:★★★★

山崎まさよし 過去の作品
COVER ALL-YO!
COVER ALL-HO!

IN MY HOUSE
HOBO'S MUSIC
Concert at SUNTORY HALL
The Road to YAMAZAKI~the BEST for beginners~[STANDARDS]
The Road to YAMAZAKI~the BEST for beginners~[SOLO ACOUSTICS]

FLOWERS

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2015年6月18日 (木)

ベテラン勢が目立つ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

先週に続き、根強い人気を感じる1位です。

今週1位は安室奈美恵「_genic」が獲得。約2年ぶりとなるオリジナルアルバム。本作は「リバイバル」をテーマに選曲したコンセプチュアルなアルバムのようで、その結果、シングル曲未収録という内容となりました。その結果、初動売上16万枚と、オリジナルアルバムとしての前作「FEEL」の初動24万7千枚(1位)からも、直近作のバラードベスト「Ballada」の初動25万4千枚(1位)からも大きく順位を落とす結果となりました。

2位はMr.Children「REFLECTION」が先週1位からワンランクダウンながらも2位をキープ。結果、今週の1位2位はキャリアが20年を超えるベテランが並びました。

3位初登場はナオト・インティライミの初となるベストアルバム「THE BEST!」。こちらはまだデビューから5年の「新人(??)」さんですね。初動売上5万7千枚は直近のオリジナルアルバム「Viva The World!」の2万枚(2位)から大幅増。固定ファン層以外への取り込みにも成功しています。

続いて4位以下の初登場ですが、今週は上位2組同様、ベテラン勢の初登場が目立ちました。

ベテラン勢としてはまず6位に松田聖子「Bibbidi-Bobbidi-Boo」がランクイン。こちらは今年デビュー35周年。全10曲、自ら作詞作曲プロデュースを手掛けた力の入った作品のようです。初動売上1万3千枚は前作「Dream&Fantasy」(5位)から横バイ。これで3作連続の初動1万3千枚の横バイ状態。完全にファンが固定してしまっている感じです。

で、こちらはさらに上。結成53年目を迎えるイギリスのロックバンドThe Rolling Stones「Sticky Fingers」が10位にランクイン。こちら、1971年にリリースされた、名盤の誉れ高い、彼らを代表する1枚。このほど、レア音源などを収録したボーナスディスクを含むデラックス・エディションがリリースされ、見事ベスト10入りを果たしました。初動売上は6千枚。直近作はベスト盤「GRRR! ~グレイテスト・ヒッツ 1962-2012」の1万3千枚(12位)よりはさすがにダウン。

ちなみに彼らの過去の作品にレア音源などを加えて「デラックス・エディション」としてリリースする、ファンからお金を搾取する企画は断続的に続いており、前回は「Some Girls(邦題 女たち)」で、こちらは最高位46位だったので、こちらよりは大きくアップ。前々回の「Exile on Main St.(邦題 メインストリートのならず者)」は最高位12位初動売上7千枚なので、こちらとほぼ同水準でした。なお、彼らのアルバムがベスト10入りするのは2008年にリリースした映画のサントラ盤「Shine a Light」の10位以来7年ぶりとなります。

そんな感じで、ベテラン勢が目立った今週のチャート。シングルチャートも1位はB'zだったし、いまだに20年30年前のバンドが第一線にいるというのは・・・新陳代謝が少ないという意味でも手放しで喜べる自体ではないと思うのですが・・・。

さて、非ベテラン勢(?)で唯一のベスト10初登場が、5位ランクイン、イギリスの人気バンドMUSE「Drones」。タイトルは最近なにかと話題のドローンですね。ただ、「非ベテラン勢」といっても彼らも既にデビュー16年目。昔だったら十分「ベテラン」のくくりだったんでしょうね。初動売上は1万4千枚。直近作はライブ盤「Live At Rome Olympic Stadium」の最高位34位なので、こちらよりは大幅にアップ。オリジナルとしての前作「The 2nd Law」の1万6千枚(5位)からは若干のダウンとなりました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に。

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2015年6月17日 (水)

ベスト10総入れ替え

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週はシングルベスト10総取っ替えのチャートとなりました。

そんな中、1位を獲得したのはB'z「RED」。広島カープの黒田投手の、球場での登場テーマとして書き下ろされた曲だそうです。スタジアムでの演奏に映えそうな、ミディアムテンポのスケール感あるナンバー。初動売上15万7千枚は前作「有頂天」の13万3千枚(1位)よりアップ。

2位3位は女性アイドルが並びました。2位はAKB48渡辺麻友のソロシングル「出逢いの続き」が、3位には女性アイドルグループ東京パフォーマンスドール「DREAMIN'」がそれぞれランクインしています。

渡辺麻友はフジテレビ系ドラマ「戦う!書店ガール」主題歌。初動4万8千枚で前作「ラッパ練習中」の6万7千枚(3位)からダウン。東京パフォーマンスドールは初動3万7千枚で、前作「DREAM TRIGGER」の3万3千枚(4位)からアップしています。

逆に4位以下では男性アイドルグループが並んでいます。まず4位は韓流の男性アイドルグループ、GOT7「LOVE TRAIN」がランクイン。こちらは日本では2作目となるシングル。初動売上3万6千枚は前作「AROUND THE WORLD」(3位)から横バイ。

一方、5位6位は日本の男性アイドルグループ。5位にはスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループ超特急「スターダスト LOVE TRAIN」、6位にはw-inds.「In Love With The Music」がそれぞれランクインです。

超特急は小室哲哉作詞作曲プロデュースによるナンバーで、曲のタイトルは小室哲哉が所属しているTMNの名曲「Love Train」にちなんだもの・・・だそうですが、曲自体はあまり「Love Train」とは関係ないような・・・。メロディー自体もあまり小室らしさが出ていない、平凡なポップスになっちゃっているような印象が。ちなみに偶然なのですが、4位5位と「LOVE TRAIN」という曲が並んでいますね。初動売上2万4千枚は前作「Star Gear」の3万7千枚(7位)からダウン。一方w-inds.はちょっとメロウで大人の雰囲気を出しているR&Bチューン。初動売上1万7千枚で、前作「FANTASY」の3万4千枚(4位)から大きくダウン。7月8日にニューアルバムのリリースが予定されており、その先行シングルだった影響でしょう。

7位にはようやくロックバンド。RADWIMPS「ピクニック」が入ってきました。ボーカルの野田洋次郎が主演をつとめる映画「トイレのピエタ」主題歌。初動売上1万5千枚は前作「五月の蝿」の4万3千枚(3位)から大幅ダウン。これは、このシングルが完全生産限定販売だった影響と思われます。

8位初登場はガールズバンドSilent Siren「ハピマリ」。「Happy Marriage」の略みたいですね。キュートなアイドルポップテイストの強い楽曲。初動売上1万2千枚は前作「KAKUMEI」の6千枚(8位)からアップ。前作はアルバムの先行シングルで、かつ生産限定盤だったため、本作では初動売上を大きく伸ばしています。ただし、前々作「恋い雪」の1万3千枚(10位)からは若干の減少。

9位にはもういっちょロックバンド。SiM「ANGELS and DEViLS」がランクイン。1曲目に収録されている「EXiSTENCE」はアニメ「神撃のバハムート GENESIS」主題歌。初動売上1万1千枚は前作「EViLS」(9位)から横バイ。

最後10位には人気声優鈴木達央が中心となった音楽プロジェクトOLDCODEX「Lantana」がランクイン。アニメ「黒子のバスケ」エンディング・テーマ。初動売上1万枚は前作「Dried Up Youthful Fame」の2万6千枚(7位)からダウン。楽曲やタイアップによって売上のバラつきが大きいようです。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2015年6月16日 (火)

生活者に寄り添って

Title:イキテル・ソング~オールタイム・ベスト~
Musician:高田渡

70年代フォークを代表するフォークシンガー、高田渡。2005年に56歳という若さでこの世を去りましたが、その没後10年を機に、息子でありマルチ弦楽器プレイヤー、高田漣による選曲・監修によるベストアルバムがリリースされました。

高田渡といえば「自衛隊に入ろう」のイメージがつよく、個人的にはユーモラスに権力を皮肉る社会派のシンガーというイメージを勝手に持っていました。ただ今回、彼の代表曲をまとめて聴くと、彼の曲って大上段に社会を皮肉った、というよりも日々を懸命に生きる市井の人々に寄り添った歌がほとんどであることに気が付きました。そんな曲を彼独特の素朴で暖かみのある歌声で歌われると、聴いていてどこかほっとさせられます。

また、楽曲的にもフォークソングという枠組みにとらわれません。日本でも二村定一のカバーで有名なアメリカンポップス「私の青空」のカバーやニューオリンズ風の「ヴァーボン・ストリート・ブルース」「フィッシング・オン・サンデー」はスティール・パンの音色がラテン風ですし、「ホントはみんな」はとても暖かさのあるポップソングは、どこか矢野顕子っぽさも?(笑)フォークシンガーの重鎮というイメージがあっただけに、この楽曲のバラエティーの多さはちょっと意外にも感じました。

日本の詩人の曲に歌をつけて歌った曲が多いだけに、1曲1曲歌詞がしっかりと歌われており、心に突き刺さってきます。楽曲全体に感じられるユーモアセンスもとても楽しく、高田渡の魅力がしっかりと伝わってくるベストアルバムになっていました。

評価:★★★★★

で、高田渡のベストアルバムリリースと同時に、息子、高田漣が父、高田渡の楽曲をカバーしたアルバムがリリースされました。

Title:コーヒーブルース~高田渡を歌う~
Musician:高田漣

マルチ弦楽器プレイヤーとして数多くのミュージシャンとのセッションで活躍している彼。幼い彼に父親がギターを教えているジャケット写真だけで胸があつくなります。正直、最初は高田渡のベストアルバムを聴くついでにこのアルバムを聴いたのですが・・・これが予想以上の傑作に仕上がっていました。

基本的に原曲のイメージを大きく変えないシンプルなアレンジに終始しているのですが、そんな中でも高田漣の弾くギターがしっかりと自己主張をしており、聴き終わるとしっかりと耳に残るのも印象的。また、素朴で暖かさを感じる彼のボーカルにも、どこか父親譲りのものを感じます。

カバーの中で印象的だったのが「系図」で、子供が産まれた時の父親の様子を描写しているだけにその歌声にもどこか父親を思う気持ちが入っているようで心に響きます。また「ブラザー軒」も、アコギの単音弾きで奏でられるシンプルな演奏と優しく歌う高田漣の歌声に胸があつくなってきます。

ご存じの通り、高田漣はプレイヤーとして活躍することが多いのですが、ボーカリストとしても魅力的なんだなぁ、ということを感じるカバーアルバム。また、彼の父親に対する敬愛の念も強く感じられました。高田渡の原曲に全く負けていない素晴らしいカバーアルバム。高田渡のベスト盤だけではなく、こちらも要チェックです。

評価:★★★★★

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2015年6月15日 (月)

Mr.Childrenの集大成

Title:REFLECTION
Musician:Mr.Children

Mr.Childrenのニューアルバム。メディアをはじめ傑作という前評判が高かった作品。やたらめったら持ち上げる論調は少々眉唾物な部分を感じ、不安半分、期待半分で聴いてみました。

それで聴いた結果から言ってしまえば、この新作、間違いなく傑作です。

で、このアルバムが傑作だった理由もはっきりしています。それは小林武史を切ったから(苦笑)。

ベスト盤のレビューにも前作「[(an imitation) blood orange]」にも書いたのですが、ここ最近の小林武史のプロデュースワークは、あきらかに才能の衰退が見て取れました。スケール感を出すための大味なストリングスの連続で、曲の良さをすっかり殺してしまっていたのと同時に、ロックバンドとしてのMr.Childrenの良さをほとんど無視した、いわば独善的なプロデュースワークがほとんどでした。

今回のアルバムでも何曲か小林武史との共同プロデュースの作品があるものの、過半数は小林武史の手が入らない、セルフプロデュースの作品となっています。その結果、ストリングスを無理やり入れたような大味な曲は少なくなり、もっとシンプルでポップな楽曲、あるいはバンドサウンドをもっと前に押し出した楽曲がグッと増えた印象を受けます。

「fantasy」「FIGHT CLUB」などまさにミスチルらしいインパクトあるポップなメロディーが楽しめる曲になっていますし、「運命」に至ってはポップな作風が初期の彼らすら彷彿させるような楽曲になっています。

ロックな彼らといえば「REM」でしょうか。これはコバタケとの共同プロデュースなのですが、桜井のシャウトと共に、かなりへヴィーな、ロックバンドとしてのMr.Childrenを前面に押し出した作品となっています。

ただ、小林武史の手を離れたといっても楽曲の作風としてはいままでと大きく変わりません。むしろMr.Childrenの王道ともいえる楽曲が並んでいます。またプロデュースワークにしてもセルフプロデュースになったからといってアレンジをガラリと変えたわけではありません。例えばセルフプロデュースとなってはじめての作品で、歌詞に小林武史との決別をイメージさせるということで話題となった「足音~Be Strong」にしてもサビの部分でストリングスを入れてくるなど、基本的には小林武史プロデュースと大きな違いはありません。ただ、サビ以外の部分ではストリングスを抑え、音をタイトにしているあたり、小林武史のここ最近のプロデュースワークとの違いも感じます。

そんな訳で新しいミスチルというよりは、いままでのミスチルの集大成ともいえる内容に感じました。上にも書いた通り、「運命」は初期の彼らを彷彿とさせますし、「足音~Be Strong」はミリオンヒットを連発していたころの楽曲に雰囲気が近いように感じます。その他もミスチルらしい、と感じる曲が多く、今回のアルバムはあらためてMr.Childrenというバンドがどんなバンドであったか、再認識するような内容になっていました。

ちなみに今回話題になったのは{Naked}と名付けられた23曲入りのUSBアルバムがおさめられた初回生産限定盤をリリースした上で、{Drip}と名付けられた、{Naked}から14曲を抽出しておさめたCDのアルバムがリリースされたことでした。

{Naked}は曲数も多く、正直聴いていてアルバムとしてのまとまりはちょっと希薄に感じます。最後は「未完」で締めくくられるのですが、ここからはじまるような雰囲気の楽曲であったため、聴き終わった後、どうももどかしさを感じてしまいました。しかし{Drip}では、この{Naked}から抽出された曲が見事に構成され、アルバムとして一体感のある展開になっていました。個人的にはあと2曲くらい減らして、全60分程度の長さの方がよりよかったのでは?とも思ったのですが、アルバムのはじまりをつげる「未完」から最後を締めくくる「足音~Be Strong」まで一気に聴けてしまうメリハリある構成になっていたと思います。

彼らの最高傑作・・・・・・・とまではさすがにいえないかもしれませんが、間違いなくここ数作の中では一番の出来。全アルバムの中でも5本の指には入りそうな傑作なのは間違いないと思います。ミスチルがミスチルらしさとミスチルの良さを再発見したそんなアルバムに感じました。

評価:★★★★★

Mr.Children 過去の作品
SUPERMARKET FANTASY
SENSE
Mr.Children 2001-2005<micro>
Mr.Children 2005-2010<macro>

[(an imitation) blood orange]


ほかに聴いたアルバム

Samurai Jazz only one ensemble COVER SELECTION/PE'Z

年内の解散が決まったPE'Z。そんな彼らの最後となるアルバムがなんとカバーアルバムというのが実にユニーク。それもジャズのスタンダードのみならず、歌謡曲や映画音楽、さらにはゲーム音楽や民謡までカバーしているという幅広さがユニーク。どれもアップテンポでライブでも盛り上がりそうな楽しいカバーになっている反面、いかにもPE'Zらしい楽曲は良くも悪くも無難なアレンジにおさまっている感じで、カバーならではの意外性みたいな要素は薄かったのは残念な印象も残りました。

評価:★★★★

PE'Z 過去の作品
1・2・MAX
ギャロップ(pe'zmoku)
ペズモク大作戦(pe'zmoku)
I WANT YOU
向日葵-Himawari-
OH!YEAH!PARTY!!
JumpUP!
血騒-chisou-

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2015年6月14日 (日)

挑戦の3枚目?

Title:English Graffiti
Musician:THE VACCINES

イギリスのギターロックバンド、THE VACCINESの3枚目となるニューアルバム。デビューアルバム「What Did You Expect from The Vaccines?」の頃は日本のメディアでも「注目の新人」として大きく取り上げられたものの、2枚目は露出が減少。3枚目も残念ながら日本のメディアではさほど大きく取り上げられてもらえていません。

ただ、本国では一定以上の人気を確保しているようで、前作「Come of Age」では2作目にしてデビュー作を上回る全英チャート1位を獲得したのですが、本作も見事アルバムチャートで最高位3位を記録。その人気を確固たるものとしています。

そんな3枚目となる本作は、いままでのアルバムに比べると楽曲的にバリエーションが増えたのが特徴的。ピアノバラードの「(All Afternoon)In Love」や打ち込みを用いた「Denial」、サイケの要素が強い「Want You So Bad」など、いままでのシンプルなギターロック路線から考えると、バリエーションの多い作風に彼らの新たな挑戦を感じさせます。

ただ、とはいってもアルバム全体としていままでのTHE VACCINESのファンが戸惑うように作風がガラリと変わったか、と言われると全くそんな感じはありません。「Handsome」などはノイジーなギターが鳴り響く、いかにもイギリスのオルタナ系ギターロックといった感じの作品ですし、他にも「20/20」にしても「Miracle」にしてもギターサウンドが主軸にポップなメロが鳴り響くというスタイルはいままでの彼らの路線から、そう乖離したものではありません。

良くも悪くも安心して聴けるというのが彼らの音楽。新しい挑戦といっても基本的にはポップで耳なじみやすいという枠組みから出るものではありません。なんといってもポップなメロディーがどの曲にも流れているため、そういった意味でも大外しのない、イギリスのギターロック好きならば安心して聴けるアルバムだったと思います。

全18曲という、それなりの曲数ながらも1時間程度でおさまる内容というのも聴きやすさを感じる大きなポイント。1曲あたり2、3分程度の曲が並んでいるためテンポ良く聴けます。ちょっと「?」と思うような曲が入っていても、すぐ終わってしまうため、アルバム全体の流れを阻害しません。そういう意味でも安心して聴けるアルバムと言えるかもしれません。

良くも悪くも無難という意味では、イギリスにおける「J-POP的」な位置にいるバンドなのかなぁ、とも思ったりもします。まあ、だからこそ日本ではそこそこの注目度でも本国では大人気のバンドなのでしょう。大絶賛というアルバムではないですが・・・イギリスのギターロック好きならチェックして損のない1枚です。

評価:★★★★

THE VACCINES 過去の作品
WHAT DID YOU EXPECT FROM THE VACCINES?
Come of Age
Please Please Do Not Disturb EP

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2015年6月13日 (土)

ギターサウンドのみではなく

Title:THE OTHERS
Musician:MIYAVI

MIYAVIの約2年ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムはアメリカのナッシュビルとロサンゼルスで制作。「UNITE」では元The MusicのRob Harveyとの共作に挑戦しているほか、最後にはなんと電気グルーヴの「Shangri-La」をカバーしたことでも話題になっています。

今回のアルバムを聴いて、まず最初に感じたのは、「あれ?思ったよりギターの音が目立たないな」といった印象でした。おそらくそう感じた大きな理由のひとつは、ギターソロといっていかにもなサウンドを奏でるスラップ奏法が今回のアルバムではほとんど出てこなかったという点じゃないでしょうか。いままでのMIYAVIの音のイメージからすると、ちょっと意外な印象もありました。

じゃあこのアルバムの主人公はギターじゃなくなったのか、と言われるともちろん全くそうではなく、間違いなくこのアルバムを称した場合、まず語られるのはギターの音であると思います。「COME ALIVE」「LET GO」にしてもギターリフを主導とした音楽になっているのは間違いありませんし、Rob Harveyをボーカルに起用した「UNITE」にしてもファンキーで軽快なギターサウンドが耳に残ります(もしThe Musicを期待して聴いたとしたらちょっと期待はずれかもしれませんが)。

もっとも印象的だったのが「Shangri-La」のカバー。元曲からは全くギターサウンドとのからみはイメージできませんし、そもそも曲の中でもっとも印象的な「Spring Rain」のサンプリングはどうなるんだろう?と思っていたら、サンプリングを全部ひっぺがし、そこにギターとドラムスのスリリングなやり取りを放り込むというカバーがカッコいい!ちょっと意外だったのですが、思った以上にピッタリとはまったカバーが非常に好印象でした。

ただ今回のアルバムはギターサウンドだけが突出していただけではなく、楽曲全体がひとつの主張を持った構成になっていたように感じました。もちろん、彼と二人三脚のBOBOのドラムの音はもちろんなのですが、「INTO THE RED」でのシンセの音も印象的でしたし、「COME ALIVE」ではホーンセッションも効果的に用いていました。メロディーラインにもスケール感を感じさせ、一回り大きくなったように感じます。

前作「MIYAVI」ではEDMを導入し、新たな挑戦を試みたのですがどうも中途半端に終わっていたように感じました。今回のアルバムも前作と同様、ギターサウンドに留まらない挑戦を感じさせます。そして今回のアルバムに関しては、それが成功していたのではないでしょうか。

ギタリストのアルバムながらも、必要以上にギターだけを前面に押し出したり、不必要なほどのギターソロを押し出したりすることなく、ギターを含めた様々なサウンドで全体として曲を作り上げている点、今の時代のギターアルバムだな、ということを感じます。MIYAVIの可能性をさらに押し広げたアルバムでした。

評価:★★★★★

MIYAVI 過去の作品
WHAT'S MY NAME?(雅-MIYAVI-)
SAMURAI SESSIONS vol.1(雅-MIYAVI-)
MIYAVI

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2015年6月12日 (金)

興味深い曲も数多く

今日紹介するアルバムは、戦後70周年の節目となる今年にリリースされた、日本の軍歌をアーカイブスとしてまとめた5枚同時リリースのCD。以前、このサイトでも紹介した話題の新書「日本の軍歌」の著者、辻田真佐憲氏が監修しています。その新書本及び彼が同じく監修したムック本「日本の軍歌」で、もともと戦前の歌謡曲には興味があったのですが、その延長として軍歌、戦時歌謡にも興味を抱き、今回、この5枚組となるアルバムを聴いてみました。

Title:日本の軍歌アーカイブス Vol.1 陸の歌「戦友」1932-1944

Title:日本の軍歌アーカイブス Vol.2 海の歌「海ゆかば」1932-1944

まずジャケットも印象的。漫画家の今日マチ子氏によるものだそうですが、「軍歌」のCDのイメージからかけ離れたようなジャケットをあえて起用するところにおもしろさを感じます。

このうちVol.1、2は一番スタンダードな軍歌集。「日の丸行進曲」「軍艦行進曲」「海ゆかば」といったいわゆる有名処が収録されています。ただ「軍歌」といっても一般的にイメージされるようないかにも勇ましい感じの楽曲だけではなく、「空の神兵」「勇む銀輪」などは勇ましさは薄く、ポップスの色合いが濃い楽曲になっており、全体的にバラエティーも豊富。「軍歌」というよりももっと幅の広い「戦時歌謡」を集めたアルバムになっています。

評価:
Vol.1 ★★★★
Vol.2 ★★★★

Title:日本の軍歌アーカイブス Vol.3 空の歌「同期の桜」1969-1985

このVol.3の大きな特徴は、全曲戦後に録音した曲ということ。辻田氏は著書の中で、戦前の軍歌が必ずしも上から押しつけられたものではなく、庶民からの支持を得て流行した今で言うJ-POPのようなもの、ということを記述していますが、軍歌の戦後録音というのは、まさに庶民からの支持を受けていたからこそ戦後も歌いつがれた、という証拠でしょう。

ただ正直言ってしまうと、全5巻の中であまりおもしろくなかったのがこちら。戦後の録音ということで演奏が妙に凝ったため、全体的に「演歌」のように様式化されてしまい、はっきりいってつまらなかったです。そういう演歌的に様式化された部分も含めて戦後録音の面白さと言えるのでしょうし、そんな戦後録音がまとめて聴けるという意味では意義深い1枚とは思うのですが・・・。

評価:★★★

Title:日本の軍歌アーカイブス Vol.4 銃後の歌 戦時下の少女歌謡 1929-1943

逆に5枚のアルバムの中で一番興味深かったのがこのアルバム。タイトル通り、女性、場合によっては子供が歌った戦時歌謡が収録されています。かわいらしい曲も多く、今聴いても違和感のないような曲も多く収録されているのですが、かわいらしい曲だからこそ、逆に歌詞の内容をよくよく聴くと、ゾッとしてしまうような曲も少なくありません。

特に一番ゾゾッと来たのが「守れよ満州」という曲で

「私の兄さん満州で死んだ
僕の父さんも満州で死んだ
忠義な兵士のお墓の満州
守れや守れ我等の権利」

なんて歌詞がかわいい女の子の声に載せて歌われています。さらにこれを作詞したのが、「青い山脈」や「蘇州夜曲」の作詞家として知られる西條八十という驚き・・・。耳なじみやすいかわいい女の子の歌だからこそ、逆に強いプロパガンダ性を感じてしまいます。「いかにも」な勇ましい軍歌よりも、ある意味怖さを感じさせる1枚でした。

評価:★★★★★

Title:日本の軍歌アーカイブス Vol.5 クラシック篇 戦時下の芸術音楽 1943

こちらは戦時下において日本で録音されたクラシック音楽を集めた1枚。「交響譚詩」は後に「ゴジラ」の映画音楽の作曲家としても知られる伊福部昭がはじめてレコードを出した作品。また「歓喜の頌 第九交響曲」は有名なベートーヴェンの「第九」の、日本語による歌唱の最初の録音だそうで、そういう意味で歴史的な価値のある1枚。他のCDの「軍歌」「戦時歌謡」とはちょっと異なる色合いの作品ですが、非常に興味深く楽しむことが出来ました。

評価:★★★★

上の評価はあくまでも「軍歌」や「戦時歌謡」を普段聴かないようなリスナー層にお勧めできるか、という観点での評価で、日本の軍歌、戦時歌謡をまとめておさめたアーカイブスとしては興味深い曲も数多く収録されており、とても意義ある作品集だったと思います。

「軍歌」自体は勇ましく、また口づさみやすいわかりやすさがあるため、聴き終わった後、耳に残る妙なインパクトがありました。曲よっては歌詞についても叙情的でおもしろさを感じる曲がある反面、やはり好戦的、差別的な歌詞も散見され、軍歌、戦時歌謡をこの5枚のアルバムで聴く中で、軍歌は国家からの押し付け音楽でも、ましてや「日本人の心」なんかでもなく、辻田氏が著書の中で記しているような、良くも悪くも戦時下のエンタメであった、ということを強く感じられる内容だったと思います。5枚組というフルボリュームの内容でしたが、予想以上に楽しめた作品集でした。

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2015年6月11日 (木)

さすがの1位

今週のアルバムチャート

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今週の1位は、相変わらずの高い人気を感じます。

1位を獲得したのはMr.Childrenのニューアルバム「REFLECTION」。初動売上35万5千枚で堂々の1位獲得です。本作は全14曲入りの「Drip」と名付けられたアルバムのほか、全23曲入りのUSBアルバムという形態で「Naked」と名付けられたアルバムがリリースされたことでも話題となりました。

ただ残念ながら初動売上では前作「[(an imitation) blood orange]」の53万枚(1位)を大きく下回る結果となってしまいました。本作はかなり傑作な内容だったと思うのですが・・・ちょっと残念な結果です。

2位はSuperfly「WHITE」が2週連続で2位をキープ。3位は日本在住の黒人シンガーChris HartによるJ-POPカバーアルバム「Heart SongIII」がランクイン。今回もドリカムの「未来予想図II」や槇原敬之の「どんなときも。」など数多くのJ-POPのヒット曲をカバーしています。初動売上は2万5千枚。前作「Christmas Hearts」の1万5千枚(8位)からアップ。

続いて4位以下の初登場ですが、まずは4位以下、アニメキャラによるキャラソンのアルバムが並んでいます。

4位 四条貴音「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 06四条貴音」
5位 水瀬伊織「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 05水瀬伊織」
6位 星井美希「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 04星井美希」

いずれもゲーム「THE IDOLM@STER」に登場するキャラクターによるアルバム「MASTER ARTIST3」シリーズ第2弾。初動売上はそれぞれ1万4千枚、1万4千枚、1万3千枚。「MASTER ARTIST 3」シリーズ第1弾の我那覇響「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 02我那覇響」(4位)、天海春香「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 01天海春香」(5位)、菊地真「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 03菊地真」(6位)の2枚1千枚(いずれも)よりダウン。

8位には2人組レゲエユニットDef Techのミニアルバム「Howzit!?」が入ってきました。途中、MIX CD「BEST MIX」のリリースがあったものの、新作としては「24/7」以来、約2年ぶりとなるニューアルバム。初動売上1万枚は、その前作「24/7」の2万枚(5位)からダウン。

初登場は以上ですが、今週10位に韓国の男性アイドルグループEXO「Exodus(韓国語バージョン)」がベスト50圏外からベスト10に返り咲いています。ただ、このいきなりのランクアップの理由がいまひとつ不明。公式サイトでもネットで検索しても、いまひとつ情報がわかりにくく、なんでいきなりこのアルバムの売上が伸びたのか不明・・・。彼らに限らず、韓流のアイドルグループって、公式サイトでもいまひとつ情報が整理されていなくて、わかりにくいんだよなぁ、なんで?

そんな訳で今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2015年6月10日 (水)

アニソンが目立つチャート

今週のシングルチャート

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今週のヒットチャートでやたら目立ったのがアニメソングでした。

3位にまた恒例の「うたの☆プリンスさまっ♪」関連、寿嶺二(森久保祥太郎) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ アイドルソング 寿嶺二(NEVER…)」を筆頭に

4位 Aimer 「Brave Shine」(アニメ「Fate/stay night[Unlimited Blade Works]」オープニング・テーマ)
6位 GRANRODEO「メモリーズ」(アニメ「黒子のバスケ」オープニング・テーマ)
7位 カスタマイZ 「鎮魂歌 -レクイエム-」(TBSテレビ系アニメ「シドニアの騎士 第九惑星戦役」エンディング・テーマ)
8位 やなぎなぎ「春擬き」(TBSテレビ系アニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」オープニング・テーマ)

と並んでいます。

「うたプリ」がらみはこれで9週連続のベスト10入り。初動売上2万枚は前作、聖川真斗(鈴村健一)・一ノ瀬トキヤ(宮野真守) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ クロスユニットアイドルソング 聖川真斗・一ノ瀬トキヤ(ORIGINAL RESONANCE)」2万7千枚(8位)よりダウン。寿嶺二名義では前作「うたの☆プリンスさまっ♪アイドルソング 寿嶺二(愛しき人へ)」の2万3千枚(3位)よりダウン。

Aimerは「機動戦士ガンダムUC」の主題歌でブレイクした女性シンガー。曲としてはCocco、椎名林檎に連なりそうな情熱系の女性ロックナンバー。初動2万枚は前作「broKen NIGHT」の9千枚(9位)から大きくアップ。タイアップによる売上の変動が大きい感じ。

GRANRODEOは人気声優谷山紀章とミュージシャン飯塚昌明によるユニット。楽曲は90年代のビジュアル系を彷彿とさせるような旧来依然としたポップスロック。初動1万4千枚は前作「Punky Funky Love」の1万1千枚(8位)からアップ。

カスタマイZはバンド形式を取るスターダストプロモーション所属の男性アイドルグループ。マイナーコードのアイドル歌謡曲。初動売上1万1千枚は前作「一筋の光明」の1万2千枚(8位)から微減。

最後、やなぎなぎはアニソンを中心に歌っているシンガーソングライター。曲は特に特色もない90年代風のJ-POP。初動売上1万1千枚は前作「foe」の1千枚(50位)から大きくアップ。アルバムでは何作かベスト10入りを記録しているのですが、シングルでは初のベスト10ヒットとなりました。

さて、アニソンは以上。ランキング上位に戻ります。まずは1位。関ジャニ∞「強く 強く 強く」がランクイン。日テレ系ドラマ「ドS刑事」主題歌。みんなで歌い上げるタイプの応援歌的な楽曲。初動売上15万6千枚は前作「がむしゃら行進曲」の20万1千枚(1位)からダウン。ここ数作、27万1千枚→20万1千枚→15万6千枚と推移しており、急激な減少傾向が気になります。

ベスト3もう1曲、2位には先週1位のAKB48「僕たちは戦わない」が先週1位からワンランクダウンとなりました。

続いて、その他の初登場曲です。5位にはTUBE「SUMMER TIME」が入ってきました。TUBEの王道とも言うべきサマーチューン。デビュー30周年の今年、春夏秋冬で1枚ずつシングルをリリースするそうですが、その第2弾の夏盤。初動売上1万9千枚は前作「いまさらサーフサイド」の1万5千枚(6位)よりアップ。ちなみにこのシングル、月曜日(6月1日)リリースとなっていますが、これは30年前のデビュー記念日にあわせてのリリースだったためで、人気のいまひとつなアイドルグループのように、月曜日リリースにしてデイリー1位を狙ったわけではない・・・・・・はず。

初登場最後は9位秦基博「水彩の月」が入ってきました。映画「あん」主題歌。彼らしいピアノとストリングスで優しく歌うバラードナンバー。初動売上1万枚は前作「ひまわりの約束」の1万1千枚(10位)から微減。

今週のベスト10は以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2015年6月 9日 (火)

若干わかりにくい部分もあるのですが

Title:To Pimp A Butterfly
Musician:Kendrick Lamar

前作「Good Kid M.a.a.D City」が近年まれにみるような高い評価を得て、一気に注目を集めたアメリカのHIP HOPミュージシャン、Kendrick Lamarの新作。本作は、それに続く彼の新作。今年の3月にリリースされるや否や、前作に負けずとも劣らない高い評価を得て一気に話題となりましたが、国内盤はなかなかリリースされず。なによりそのリリックが話題のミュージシャンなだけに、対訳のついている国内盤のリリースを待ち、遅ればせながら聴いてみました。

本作のリリックについても非常に高い評価を得ており、国内でも多くの方が絶賛されているようです。ただ、正直言ってしまえばその内容は日本人である私たちにとっては決してわかりやすいものではありません。黒人社会にベッタリとフィットした内容であり、かつ、キリスト教的な知識やアメリカの大衆文化を理解している必要があるため、対訳でも数多くの注釈がついていますが、それを踏まえても、対訳を1度2度読み込んでもなかなかわかりません。また、HIP HOPの世界ではありがちなのですが、アメリカの芸能界のゴシップネタ的な部分もリンクされているため、ケンドリックの動向を日々追っているようなファンではないと、日本ではなかなか理解しがたい内容になっています。前作もなかなか国内盤がリリースされず、今回も発売から国内盤リリースまで時間がかかったのも、そういう「日本人にとってのわかりにくさ」が大きな要素のように感じます。

特に後半、ラップが終わった後、延々とトークが続いたり、(話題になっていはいるのですが)最後は2PACとの疑似インタビューを入れたりと、ラップではおさまりきらないようなケンドリックの主張が繰り広げられていますが、英語がわからない身としてはこの部分は聴いていて若干「苦痛」にすら感じてしまいます。

ただ、そんなリリックを読み込みつつぼんやりと見えてくるのは、アメリカの黒人に対する、いまだに強く残る差別に対する強烈な批判。しかし、ただ単純な白人対黒人的な枠組みで終わる訳ではなく、その上で黒人社会の中で生じている矛盾点をつき、さらには自分たちも変わっていこうと歌っているような姿勢を感じます。

今回のアルバム、上にも書いた2PACとの疑似インタビューの最後にケンドリックが一編の詩を読むのですが、これが1曲目の「Wesley's Theory」にリンクしており、アルバム全体がひとつの輪のようにつながっている構成が実にユニーク。そしてこのアルバムの最初と最後を繋ぐメッセージが、「青虫(おそらくゲットーに住む黒人を差していると思われます)は蝶になることをおそれず、繭の中に閉じこもらないで、繭をやぶって外に飛び出せ」というもの。ここらへんのメッセージは黒人社会という枠組みに限らず、私たちにとっても突き刺さるものがあるメッセージ性を感じました。

また、そんな日本人にとってはわかりにくい部分もあるアルバムですが、リリックがわからなくても魅力的だったのがトラック。ちょっとジャジーな「How Much A Dollar Cost」やメロウでソウルなトラックが心地よい「Complexion」など、ブラックミュージックの要素を色濃くいれつつ、グルーヴィーに聴かせるトラックに心地よさを感じます。実験的とかそういう部分は感じないものの、音数を絞り重低音を聴かせるトラックは今風。このトラックの部分だけでも十分すぎるほど楽しめるアルバムだと思います。

そんな訳で、聴いていてわかりにくい部分が多いのも事実ですが、それを差し引いても十分に魅力が伝わるアルバムだと思います。とはいえ、やはりリリックが大きな魅力なだけに対訳がついている国内盤が圧倒的にお勧め。間違いなく今年を代表する1枚となりそうなアルバムです。

評価:★★★★★

Kendrick Lamar 過去の作品
Good Kid M.a.a.D City

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2015年6月 8日 (月)

あれ?アルバムはもうリリースしないのでは・・・?

Title:KABLAMMO!
Musician:ASH

あれ?2007年にリリースした「Twilight of the Innocents」の時に、「アルバムはこれが最後」って話をしませんでしたっけ?その後リリースされたシングルシリーズ「A-Z」シリーズをまとめた「アルバム」はリリースしていたものの、純然たるオリジナルアルバムとしては8年ぶりとなるイギリスのギターロックバンドASHの新作。なんだかんだいってもCD形態でアルバムをリリースしちゃうんですね、やっぱり。

ASHといえばシンプルで勢いのあるメロディアスなギターロックを奏でるバンド。難しいこと抜きにギターロックバンドの楽しさを味わえる楽曲を続々と書いていますが、今回のアルバムに関しても、久々のオリジナルということもあってでしょうか、そんなASH節がさく裂した心地よいギターロックのアルバムになっています。

例えば「Cocoon」などは爽快なメロディーが耳に残る、これぞASHといった曲になっていますし、その後も「Let's Ride」「Machinery」も軽快なギターロックチューンが続きます。そんな中、アルバムの中でも核になっているのが「Go! Fight! Win!」。ハードロック風のへヴィーなギターリフに、途中で入るチアリーダーのような掛け声も爽快。ライブでもかなり盛り上がりそうなナンバーです。

ただ中盤から後半にかけてはメロディーを聴かせるミディアムテンポのナンバーも目立ちました。特に「Moondust」はピアノとストリングスを入れて伸びやかに聴かせるバラードナンバーですが、美メロともいえる切ないメロディーラインが絶品。本編自体も「For Eternity」「Bring Back the Summer」と美しいメロディーラインを聴かせるミディアムチューンで締めくくられます。

本編は、全12曲入りで40分程度の内容。ボリュームが多く、最後はちょっと飽きてしまった「A-Z」の2枚のアルバムに比べるとサクッとした内容で気軽に楽しめる点も大きなポイントでした。

心地よいギターロックが主導の中、美しいメロディーラインを聴かせるナンバーも巧みに混ぜられており、ASHの実力も感じられた作品。全体的に音は軽めで低音を響かせるといった感じではなく、その点は良くも悪くも軽く感じられたのですが、久々となるオリジナルアルバムは、ASHの魅力を存分に感じられる傑作だったと思います。聴いていてとにかく気持ちのよいアルバムでした。

評価:★★★★★

ASH 過去の作品
A-Z Vol.1
A-Z Vol.2
THE BEST OF ASH

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2015年6月 7日 (日)

tofubeatsのさらなる才能が・・・。

Title:STAKEHOLDER
Musician:tofubeats

今、最も話題のトラックメイカーのひとりtofubeats。昨年リリースされた1stアルバムは、その才能をいかんなく発揮した傑作でした。tofubeatsに関してはそれまで聴いていたEP盤で、卒なくこなす優等生的なミュージシャンという印象があったのですが、1stアルバムでは「優等生的」というイメージは残りつつも、その幅広い音楽性に彼の実力を再認識しました。

今回のアルバムは、そんな1stアルバム後にリリースされた全9曲37分のEP盤。さて、1stアルバムの次の一歩は・・・と思いつつ本作を聴いたのですが・・・これがまたtofubeatsのイメージを再び変えるような傑作に仕上がっていました。

最初にも書いた通り、tofubeatsのいままでのイメージとしては優等生的というか、ポップス指向の強いミュージシャンという印象がありました。良くも悪くも広い層にアピールできるような音楽、といった印象でしょうか。しかし、今回のアルバムではその印象がガラッと変わります。まず大きな特徴としては、歌がない曲が目立つ内容、という点。歌がある曲にしてもサウンドの中に溶け込むような構成になっており、あくまでもサウンドの一部、といった扱いになっています。いわゆる「歌モノ」という曲が減り、サウンドがアルバムの中の主人公となっていました。

そしてそのサウンドにしても妙に癖のあるビートと次々と展開される凝った構成が実に魅力的。例えばタイトルチューンの「STAKEHOLDER」にしても「window」にしても、パッと聴いた感じだと彼らしいさわやかなエレクトロチューンかと思いつつも、リズムが複雑で妙に踊れないというのがユニーク。かと思えば、同じ「STAKEHOLDER」を、「STAKEHOLDER -for DJ-」ではダンス風にアレンジしてあり、同じ曲を2パターン、アルバムの中に収録しているという構成も彼ならではの遊びを感じます。

基本的に「First Album」の後に、好きなようにつくって良いと会社から言われて、その通りに作ったアルバムだそうです。それだけに、ポップであるとか、話題性とか、そういう類のもの一切なしに作られています。そんなtofubeatsが好きなように作った、ということはアルバムを聴いていれば嫌というほど伝わってきました。

他にもトライバルなパーカッションの耳に残る「She Talks At Night」や80年代のディスコチューン風な「T.D.M.」、独特なビートが癖になりそうな「(I WANNA)HOLD」などなど1曲1曲が実に個性的なナンバーが並んでいます。

ごめんなさい、いままで「優等生的」なんて思っていた私の認識不足ですね。彼の実力は、まだまだ「First Album」でも十分には発揮されていなかった、ということがこのアルバムではっきりとわかりました。正直、好きに作った、ということでポップという側面ではいままでの作品から後退してしまっており、最初は抵抗感あるリスナーもいるかもしれません。しかしそれでも何度か聴けば確実に彼らしいポピュラリティーはこのアルバムでも健在ということに気が付くはず・・・。個人的には「First Album」よりも気に入った傑作。tofubeatsの才能について、あらためて再認識させられました。

評価:★★★★★

tofubeats 過去の作品
Don't Stop The Music
ディスコの神様
First Album

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2015年6月 6日 (土)

遊びの要素も強い傑作

Title:STARLIGHT
Musician:吉井和哉

吉井和哉のニューアルバムはとても心地のよい傑作でした。洋楽からの影響が顕著なストレートなギターロックがアルバム全編に展開。「Hattrick'n」はハードロックテイストなバリバリのギターサウンドがとても心地よいですし、「You Can Believe」もストレートなギターロックと前向きな歌詞が爽快なナンバー。ワウワウギターでファンキーに聴かせる「迷信トゥゲザー」もカッコいい作品に仕上がっています。

また、ちょっと余裕を感じさせるのはそんな楽曲の中に、あまりにそのまんまな洋楽からの影響がチラホラと垣間見れること。例えば「Step Up Rock」はそのまんまラモーンズですし、「STRONGER」などもジョン・レノンの「MOTHER」からの影響をダイレクトに感じさせます(同じ符割りだそうです)。

ここらへんのお遊び的な要素も含めて、全体的にどこかミュージシャン吉井和哉としての余裕を感じます。変な難しい狙い、コンセプトなどなく、ただ単にロックの楽しさを体現したアルバム、今回の作品にはそんな方向性を感じました。

ただ今回のアルバムでおもしろさを感じたのはそんなロックとしての楽しさの部分だけではありません。THE YELLOW MONKEY時代から彼のロックには歌謡曲からの影響が強くあらわれていましたが、今回のアルバムでは、特にそんな歌謡曲からの影響を顕著に感じさせました。

「Hattrick'n」などバンドサウンドはハードロックながらもメロディーには歌謡曲からの強い影響を感じますし、「紅くて咲こうとした恋の」など曲名からして歌謡曲路線なのですが、洋楽風のギターサウンドとその反面、和のテイストの歌詞やメロディーという対比がとてもユニーク。まさに「歌謡ロック」と呼ぶにふさわしい作品になっています。

直近作で彼は日本の歌謡曲を彼なりの解釈でカバーした「ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~」というカバーアルバムの傑作をリリースしましたが、そのカバーアルバムで原点を見つめた彼が、本作ではその上で洋楽的なアプローチからも歌謡曲からのアプローチからも原点に立ち返った上で作成したアルバムという印象を受けました。さらなる吉井和哉の成長を感じさせる傑作アルバムだったと思います。

個人的には吉井和哉ソロになってからのオリジナルとしては一番楽しめた最高傑作だったように思います。「ヨシー・ファンクJr.」も文句なしの傑作だったし、ソロデビューから12年目を迎えた彼ですが、まさに今、脂がのっている、そう感じられた作品でした。

評価:★★★★★

吉井和哉 過去の作品
Hummingbird in Forest of Space
Dragon head Miracle
VOLT
The Apples
After The Apples
18
AT THE SWEET BASIL
ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~

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2015年6月 5日 (金)

ハイライフの王様の貴重なアンソロジー

Title:KING OF HIGHLIFE ANTHOLOGY(邦題 ハイライフの王様)
Musician:E.T.Mensah&The Tempos

今回紹介するアルバムは、ガーナの音楽、ハイライフのジャンルにおいて、50年代から60年代にかけ、絶大な支持を得たE・T・メンサーことエマヌエル・テティ・メンサーのアンソロジー。52年の初録音から、楽団としては最後の録音となった69年の録音のうち、69曲を選んで4枚組のアルバムとしてリリースされた集大成。アフリカ音楽ファンにとっては必聴・・・・・・という売り文句に惹かれて(^^;;ちょっとお値段的には張りましたが思い切って聴いてみました。

ハイライフというのは、ヨーロッパのギターや管楽器がアフリカにもたらされ、西洋やラテン音楽などの影響を受けつつ、ガーナで発展した音楽のジャンルだそうで、もともとはダンス・ホールなど上流社会の音楽であったため、「ハイライフ」という名前が付けられたそうです。

そんなジャンルなだけに一般的なアフリカ音楽でイメージされそうな、ポリリズムを前面に押し出した泥臭さが残る音楽という点からはかなりかけはなれています。スウィングやルンバ、カリプソなどの要素を取り入れた音楽は、かなり洗練しているという印象を強く受けます。例えば「Day by Day」という曲はメロディーも洗練されており、洋楽のスタンダードポップスと言われても違和感ありませんし、女性ボーカルを起用した「Nothing But Man's Slave」なども、60年代のガールズポップといわれても全く遜色ありません。

1950年から60年という時代においてアフリカでこのような音楽が流行していた、ということは私たちのアフリカに対する認識が大きく変わりそうですし、ただ単純に「アフリカ音楽」といってもひとくくりにできないその奥深さを感じることが出来ます。

ただそうとはいってもやはり西洋の音楽には感じられない独特の要素が加わっているのが非常におもしろいところ。例えばこのアンソロジーの冒頭を飾る「Kwame Nkrumah」からしてパーカッションにアフリカ的なリズムを感じますし、「Mee Bei Obada」などもポリリズムが展開される独特なリズムを感じます。

4枚組というフルボリュームですが、1曲あたり3分に満たない程度の長さの曲ばかりですし、CD1枚あたり50分程度の長さ。そういう意味でははじめて聴く人でも意外とさらっと4枚のアルバムを聴けてしまうような内容でした。楽曲も、基本、洗練されたポップスなだけにいい意味での聴きやすさがあります。

お値段的にはちょっと張りましたが、その内容には文句なしの作品。ただ、CDに60ページにも及ぶ解説書がついてくるのですが、残念ながら国内盤でも和訳はされておらず、英語のまま。そういう意味ではちょっとお安い輸入盤でも十分かも・・・。仕方ないのかもしれませんが、その点だけはちょっと残念でした。

評価:★★★★★

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2015年6月 4日 (木)

キャラソンが1位

今週のアルバムチャート

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1位を獲得したのはアニメキャラによるアイドルプロジェクト「ラブライブ!」に登場するキャラクターによるユニットμ'sのベスト盤が獲得しました。

「μ's Best Album Best Live! Collection II」が1位を獲得。通常盤で3枚組6,480円という価格設定で絞り取られてるなぁ~という印象。ただ、同じCDを何枚も買わされるよりもよっぽどマシですが。初動売上は8万5千枚。μ's名義の直近アルバム「ラブライブ! Solo Live!collection Memorial BOXII」の1万4千枚(8位)よりアップ。また、ベストアルバムとしての前作「ラブライブ! μ's Best Album Best Live! collection」の9千枚(12位)よりも大きくアップしています。

2位はSuperfly「WHITE」がランクイン。残念ながらデビュー以来、ベスト盤も含めて続いていた連続1位記録が途切れてしまいました。ただ初動売上7万8千枚は、直近のベスト盤「Superfly BEST」の7万枚(2位→2週目で1位獲得)は上回ったものの、オリジナルとしての前作「Force」の11万9千枚(1位)からダウンしています。

3位初登場は湘南乃風「湘南乃風~COME AGAIN~」。約2年ぶりとなる新作は2枚組のフルボリューム。初動売上3万5千枚は前作「湘南乃風~2023~」の4万5千枚(4位)からダウン。

続いて4位以下の初登場盤です。まず4位にロックバンドASIAN KUNG-FU GENERATION「Wonder Future」が入ってきました。ロサンゼルスにあるフー・ファイターズのプライベートスタジオ「Studio 606」で全曲レコーディングされた意欲作。初動売上は2万8千枚。直近作の企画盤「フィードバックファイル2」の2万1千枚(6位)よりアップ。ただオリジナルアルバムとしての前作「ランドマーク」の5万2千枚(4位)よりは大きくダウンしてしまう厳しい結果となりました。

8位には今、最も注目されているバンドの一組、cero「Obscure Ride」がなんとベスト10に入ってきました。新世代のシティ・ポップといった感じで称されることの多い彼ら。雰囲気的にはロケノン系というよりもミューマガ系といった感じでしょうか(最新のMusic Magazine誌で表紙を飾っていましたし)。初動売上8千枚も、前作「My Lost City」の2千枚(33位)から大幅にアップしています。

9位初登場は、日本で高い人気を誇るドイツのへヴィーメタルバンドHelloween「My God-Given Right」。アルバムのベスト10入りは1998年リリースの「Better Than Raw」以来17年7作ぶり。ただし初動売上7千枚は前作「Straight Out of Hell」の8千枚(11位)よりダウンしています。

最後10位には高橋真梨子「ClaChic -クラシック-」がランクイン。本作はカバーアルバムなのですが、河島英五の「酒と泪と男と女」や来生たかおの「夢の途中」など、彼女と同世代あたりをターゲットとした歌謡曲がメインの選曲。初動売上6千枚。直近はライブ盤「Adultica tour '14」の最高位66位。オリジナルアルバムとしては「Adultica ~バラードを、いつも隣に~」が前作で、初動売上は6千枚(19位)でしたので本作はそこから横バイという結果に。ベスト10入りは2013年にリリースしたベスト盤「高橋40年」(最高位4位)以来となります。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2015年6月 3日 (水)

男性陣が目立つチャート

今週のシングルチャート

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今週のシングルチャート、まず1位はAKB48「僕たちは戦わない」が2週連続の1位となりました。

ただ2週目の売上6万枚は、昨年の「総選挙」がらみのシングル「ラブラドール・レトリバー」の2週目の売上6万2千枚からダウン。一昨年の「さよならクロール」の2週目売上10万8千枚からも大きく下回っています。2週連続1位という結果になりましたが、発売枚数を見ると、先週も書いた「一部の固定ファンへの集中」という傾向が強くなっている結果となっています。

2位は星野源「SUN」がランクイン。フジテレビ系ドラマ「心がポキッとね」主題歌。気持ちのよいダンスナンバーとなったこの曲。初動売上5万1千枚は前作「Crazy Crazy」の3万6千枚(4位)からアップ。2位はシングルでは自己最高位という結果となりました。相変わらず、その高い人気のほどをうかがわせます。

3位はUVERworld「僕の言葉ではない これは僕達の言葉」が入ってきました。TBSテレビ系アニメ「アルスラーン戦記」オープニング・テーマ。打ち込みを入れたテンポよいナンバーなのですが、「僕達」って表現、なんかRockin'Onあたりが好んで使いそうな表現だよなぁ。初動売上4万8千枚は前作「7日目の決意」の5万1千枚(2位)からダウン。

さて、今週は2位3位と男性ボーカル勢が占めましたが、女性ボーカルは1位のAKB48のみ。珍しく女性アイドルグループ初登場はゼロという結果になっています。AKB48以外の唯一の女性勢は、「アシタノヒカリ」が4位初登場の男女混合ユニットAAAのみ。テレビ朝日系アニメ「ワールドトリガー」主題歌である本作は7ヶ月連続リリースの第5弾。初動売上4万2千枚は前作「GAME OVER?」の4万1千枚(4位)から若干のダウン。前作の時も書きましたが7作そろえるともれなくライブに招待される企画もあるそうなので、このシリーズ、売上の上下は少なさそう。

ロックバンドとしては5位にGLAY「HEROES」、9位にback number「SISTER」がそれぞれランクインしています。GLAYはテレビ東京系アニメ「ダイヤのA」オープニングテーマ。爽快なパンク風のポップスロックナンバー。初動売上4万2千枚は前作「百花繚乱」の3万6千枚(6位)よりアップ。

一方back numberは90年代はビーイング系、90年代後半からはTRICERATOPSやセンチメンタル・バスなど数多くのミュージシャンのヒット曲をタイアップしてきたことでおなじみのポカリスウェットCMソングに採用。ポカリCMのイメージピッタリの爽やかなナンバーに仕上がっています(イントロがちょっとミスチルっぽい感じもするのですが)。彼ら、前作「ヒロイン」もヒット曲を数多く生み出したことで有名なJR東日本「SKI SKI」CMソングだっただけにタイアップに恵まれていますね。ただ初動売上2万3千枚は前作の初動2万8千枚(6位)からダウン。恵まれたタイアップの割には、もう一歩、大ブレイクには至っていない感じがします。

また、女性アイドル系はゼロでも今週は男性アイドルグループが多くランクイン。まず6位に名古屋を拠点に活動するアイドルグループBOYS AND MEN「ARC of Smile!」が入ってきています。テレビ東京系アニメ「遊☆戯☆王ARC-V」エンディング・テーマ。良くも悪くもノリのよい典型的なアイドルソングといった感じ。シングルとしては11枚目ですが、アニメタイアップ効果と初の全国流通ということで、はじめてのランクインとなったようです。女性のローカルアイドルは腐るほどいるのですが、今後は男性のローカルアイドルも増えてくるのでしょうか?

さらに韓流男性アイドルグループとして7位にBlock B「HER」、10位にBEAST「CAN’T WAIT TO LOVE YOU」がそれぞれランクインしています。Block Bは日本では2枚目となるシングル。初動売上3万枚は前作「Very Good」の3万4千枚(5位)からダウン。BEASTは初動2万2千枚で前作「キミはどう?」の3万9千枚(5位)から大きくダウン。ただし発売日が金曜日で他のシングルより集計期間が短くなっています。7月にアルバムリリースを控えており、初動売上が大幅に落ちることを見越して、デイリーチャートの1位を狙いにいった、といったところでしょうか。

最後は今週も入ってきた「うたの☆プリンスさまっ♪」がらみ。聖川真斗(鈴村健一)・一ノ瀬トキヤ(宮野真守) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ クロスユニットアイドルソング 聖川真斗・一ノ瀬トキヤ(ORIGINAL RESONANCE)」が8位にランクインで、これで8週連続ベスト10入り。初動売上2万7千枚は先週の黒崎蘭丸(鈴木達央) 「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEレボリューションズ アイドルソング 黒崎蘭丸(ONLY ONE)」1万8千枚(6位)よりアップしています。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2015年6月 2日 (火)

イメージが変わりました。

Title:Journey of a Songwriter~旅するソングライター
Musician:浜田省吾

ベスト盤や先日リリースされた企画盤的なミニアルバムは聴いたことがあるのですが、浜田省吾の純然たるオリジナルアルバムを聴くのはこれがはじめて。もっとも、前作「My First Love」はもう10年も前の作品になるわけですが・・・。

彼のオリジナルアルバムをいままで聴いていなかったのは、やはり彼の音楽を積極的には好んでいなかったから、ということにつきます。もっとも、ベスト盤は聴いていたわけで、彼の音楽を嫌いなわけではなく、曲によっては好きな曲もあったのは事実。ただ、イメージ的にいかにもなアメリカンロックのスタイルに少々仰々しさを感じて、あまり好みのタイプではないな、と思っていたのは事実です。

じゃあ、逆になんで今回このオリジナルアルバムを聴いてみることにしたのか、と聞かれると・・・正直、「なんとなく」というレベルなのですが・・・(^^;;ただ今回彼の曲をオリジナルアルバムの単位で聴いてみると、彼に対して持っていたイメージとちょっと違う姿が見られることに気が付きました。

まず感じたのは楽曲のバリエーション。彼に対するイメージとして持っていたのが彼に対するパロディーとしてもよく取り上げられるこぶしを振り上げるようなアメリカンロック、あるいはフォークからの影響の濃いロック、というイメージがありました。もちろん今回のアルバムにもそういう曲も収録されていましたが、ソフトロック風な「マグノリアの小径」、リズムにちょっとレゲエからの影響を感じる「サンシャイン・クリスマスソング」、エレクトロサウンドを取り入れた「夜はこれから」など意外と多彩。それらのサウンドは決して真新しいといった感じではないものの、ちゃんとアルバムの中のひとつのパーツとしてしっかりとはまっていました。

歌詞についても少年の心を持った大人の歌、というイメージがあり、それは魅力的に感じる反面、愛を前面に出したこちらも少々仰々しいというイメージを持っていました。こちらに関しても確かに仰々しさを感じさせる部分はあるものの、孤独な人たちへのメッセージソングにも感じられる「瓶につめたラブレター」やタイトル通り、人に恋する気持ちをストレートに描いた「恋する気分」など、彼の歌には自分たちがその姿を反映することが容易にできる人たちが登場しています。今回、彼のオリジナルアルバムを聴いて、あらためて彼の人気の理由がわかったように思います。

また、歌詞で特に印象に残ったのは、このアルバムの核ともいえる、アルバム終盤の組曲「アジアの風 青空 祈り」のうちの「part2 青空」

「あまりに多く血が流された
とてつもない悲しみが襲った
あまりに尊い犠牲払った
充分過ぎるくらい学んだ…違うか?」

(「アジアの風 青空 祈り part-2 青空」より 作詞 浜田省吾)

というのは、今の東アジア情勢の中、かなりストレートなメッセージとして響いています。先日のサザンのアルバムもメッセージ性の強い内容でしたが、ベテランミュージシャンが強いメッセージ性をアルバムの中に入れてくる作品が続いているように感じました。

正直、個人的にはさほど好みじゃないかな、と期待していなかったアルバムでしたが、いやいやどうして、文句なしに楽しめたアルバムだったと思います。さすが浜田省吾、その実力は伊達じゃなかったですね・・・失礼しました!

評価:★★★★★

浜田省吾 過去の作品
the best of shogo hamada vol.3 The Last Weekend
Dream Catcher


ほかに聴いたアルバム

岸田 繁のまほろ劇伴音楽全集/岸田繁

くるり岸田繁のソロ名義作となる新作は、映画「まほろ駅前多田便利軒」「まほろ駅前狂騒曲」の劇中で使われた曲を集めた全57曲入りのサントラ盤。基本的にどの曲も長くて1分程度。ワンアイディアを形にした・・・にも満たないような短い曲ばかり。ギターサウンドからエレクトロ、ストリングスを使った曲まで幅広く、という言い方になるのでしょうが、どの曲も短すぎて、正直、岸田繁の魅力を出すほどには至っていないような。ギターの使い方にちょっとくるりっぽさを感じるのと、要所要所のメロディーに彼のメロディーセンスを感じる部分はあるのですが。かなり熱心なファンか映画のファンじゃないとちょっとキツイかも。

評価:★★★

岸田繁 過去の作品
まほろ駅前多田便利軒 ORIGINAL SOUNDTRACK

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2015年6月 1日 (月)

ゆるゆるなサウンドにユーモアたっぷりの社会批判

Title:RUFF GUIDE TO...RANKIN TAXI
Musician:RANKIN TAXI

ジャパレゲの大御所、RANKIN TAXIの6年ぶりとなる新作。以前から政治色の強い作品をリリースしてきた彼ですが、東日本大震災の後は反原発を表に押し出した活動をしてきました。そんな中発表された「原発がっかり音頭」は、被災者を揶揄したということで反原発サイドからも反発を受けたりして話題にもなりました。そんな彼が、東日本大震災後、はじめてリリースしたアルバム。良くも悪くも話題となった「原発がっかり音頭」は収録されていませんが、反原発をはじめ、かなりメッセージ性の強いアルバムに仕上がっています。

ただ、彼の作品の特徴としては政治色が強くても、決して大上段に振り上げてアジテーター的な歌詞を繰り広げるわけではありません。基本的にはユーモアを含んだ歌詞でちょっと斜めから揶揄したような歌詞が特徴的。例えばこのアルバムの中で反原発を歌った「愛の賠償責任」は原発事故に端を発した男女の別れをユーモアに描いていますし、「4号機つぶれたらorz」はネットスラングをタイトルに組み込むといったユーモアさを感じさせます。

反風営法の「FIRE ROCK」や、安倍首相を強烈に批判する「ボンボオヤジ」などもあくまでも歌詞の内容はコミカル。唯一、日米関係を批判的に描いた「誇り高く生きるためにPt.1」はかなりストレートな歌詞になっていますが、全体としてはクスッと笑える諧謔的な歌詞が特徴的。ここらへん、政治的内容をユーモアセンスというオブラートに包む手法に、ベテランミュージシャンならではの余裕のようなものを感じました。

また、こういうユーモアたっぷりの歌詞も含め、全体的にゆるゆるな雰囲気が漂っているのも特徴的で、ジャパレゲといっても一般的にイメージされそうな湘南乃風のような暑苦しさは皆無。かなりラフなサウンドはレゲエが苦手という方でも難なく受け入れられそうですし、今回の作品に関しては「イタブアンの娘」をはじめ、かなりブラジル音楽の方面に彼の興味が移っていることを感じます。

ただ一方ではかなり癖の強い部分も多く持っており、「KKPK」「CCPP」はかなりストレートなエロ歌詞で、かなり笑える反面、正直、お下劣(笑)。また、マリファナ讃歌の「なんてったってマリファナ」などはかなり賛否わかれそうな歌詞だったりします。また政治的なメッセージ性を持つ歌詞にしても、揶揄した歌詞にするために、少々単純化しすぎでは?という部分も多く、例えば安倍批判の「ボンボオヤジ」にしても徹底して安倍をコケにした歌詞は、最初から安倍首相を嫌っている層には受けるかもしれないけど、その他の層に訴求していく力はかなり薄いように感じます。

そういう意味ではかなり好き嫌いはわかれそうな内容で、ともすれば「自分たちで盛り上がればよい」という閉鎖的な側面も否定できない部分も感じました。そして、この手の閉鎖性って、ここ最近のリベラル系勢力の最大の弱点だったりするんだよなぁ・・・。そこらへんの閉鎖性含めて、自分の好きなようにやっている、という部分は、魅力になっている部分も否定はできないんだけど・・・。

評価:★★★★

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