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2015年5月19日 (火)

ワンテイクで録音

Title:Damogen Furies
Musician:Squarepusher

Z-Machinesという自動演奏ロボットとコラボした企画盤的なアルバムのリリースはあったものの、純然たるオリジナルアルバムとしては3年ぶりとなる奇才、Squarepusherの新作。今回のアルバム、ひとつ大きな特徴があって、それはすべてワンテイクで録音されたという点。要するに、一度も楽曲の編集が行われておらず、ありのままの演奏を録音している、という点です。

でも、彼みたいなタイプの曲にワンテイクでの録音ってそこまで意味があるの??というのは当然感じる疑問で、実際、インタビューでもその手の質問に答えていて、その回答は・・・どうもマニアックな違いがあるみたいですが(^^;;しかし最近、彼は「演奏のスタイル」にちょっとひねりを加えたような作品が多い印象があって、上にも書いた前作では自動演奏ロボットとのコラボを行っていたり、その前にはSHOBALEADER ONEというバンドを組んでアルバムをリリースしてみたり・・・普通にエレクトロサウンドを奏でて普通にアルバムをつくる、ということに飽きてきたのでしょうか?

もっともそんな演奏スタイルの一工夫とは異なり、楽曲自体はむしろストレートに、Squarepusherらしさがあらわれている作品になっていたと思います。原点回帰的なものすら感じる今回のアルバム。1曲目「Stor Eiglass」からしてドリルンベースがさく裂しますし、次々と様々な音が展開する変態チックなメロディーラインが楽しめる「Kontenjaz」なんかも彼らしさを非常に強く感じます。

それと同時に、要所要所に意外なポップスさを感じられるのも本作の特徴。「Rayc Fire 2」は軽快なサウンドにポピュラリティーを感じましたし、「Exjag Nives」に至っては、意外と哀愁すら感じられるメロディーラインが流れてきていました。

破天荒でパンキッシュなサウンドを奏でているようで、その一方、実はなにげにそんなサウンドの向こうでしっかりと「メロディー」が流れているような印象を受けた今回のアルバム。Squarepusherのドリルンベースが、すっかり耳なじんできたから、ということもあるのかもしれませんが、全体的にはいい意味で聴きやすさを感じたアルバムでした。

ちなみにワンテイクにした影響は・・・うーん、「サウンドから緊張感が」と言いたいところだけど、正直そんなに違いは感じなかったなぁ(^^;;いや、ある意味リズミカルでライブ向けな曲が多かった、という印象も受けたのですが、それがワンテイクにした効果・・・か?

評価:★★★★★

SQUAREPUSHER 過去の作品
Just a Souvenir
SHOBALEADER ONE-d'DEMONSTRATOR
UFABULUM
Music for Robots(Squarepusher x Z-Machines)

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