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2015年5月26日 (火)

いまさらながら、ですが・・・。

Title:はじめまして。+2~入門編~
Musician:羊毛とおはな

今年4月、とても悲しいニュースが飛び込んできました。羊毛とおはなのおはなこと千葉はなが乳がんのため36歳で急逝。そのあまりにも若い最期のニュースは、正直ショックを受けました。

ただ・・・実は正直いってしまうと羊毛とおはなというグループ、名前はもちろん以前から知っていたのですが、ちゃんと音源を聴いたことがありませんでした。で、遅ればせながら聴いてみたのが、おはな逝去の後にリリースされたベスト盤。もともとレンタルオンリーでリリースされていたものに、2曲をプラスして、あらためて販売込みでリリースされたそうです。

そんな訳で、羊毛とおはなの楽曲をちゃんとはじめて聴いてみたわけですが、まず非常に印象に残ったのが、千葉はなのボーカルでした。ちょっと鼻にかかったような独特のボーカルが魅力的。ちょっと癖もあった初期の歌い方に比べて、最近の楽曲になると、癖のあるボーカルに感じられた一種の雑味が消えて、優しく、包容力ある歌声に深化してきていました。その包み込むようなボーカルにすっかり魅了されました。

シンプルなアコースティックメインのアレンジがほどこされた楽曲の数々もとても魅力的。こちらも初期に関してはオーガニック志向の洋楽テイスト強い楽曲は、少々狙いすぎな部分もあったのですが、最近の楽曲になればなるほど、素直にメロディーラインの美しさを聴かせる楽曲が並んでいました。「空が白くてさ」のノスタルジックなメロディーラインや「うたの手紙~ありがとう~」のようなとても大きなやさしさを感じさせる楽曲、さらには「エピソード」のような爽快なポップスまで、メロディーには十分なインパクトもあり、もっともっと注目されてもよかったのに・・・といまさらながら感じてしまいました。

まあ、ちょっと厳しいことを言ってしまうと、「あざとさ」を感じさせる部分もなきにしもあらずで、彼女たち、デビューアルバムはヴィレッジ・ヴァンガード限定でのリリースだったそうですが、このベスト盤にも収録されているJ-POPのオーガニック風カバーは、いかにもヴィレヴァンらしい底の浅いサブカル風のあざとさは感じてしまいます。

ただそんな曲に関してもやはり千葉はなのボーカルが非常に魅力的で、ちゃんと羊毛とおはなとしてのスタイルを確立させたカバーになっているのはさすが。なんだかんだ言いつつも、このJ-POPカバーについても聴き入ってしまいました。

なんか・・・いまさら彼女たちのアルバムを聴いてどうこう言うのは、昔からファンだった方に申し訳ないと思いつつ・・・ただいまさらながら素晴らしいユニットだったんだなぁ、ということに気が付かされました。まさに良質なポップスがつまっているアルバム。あらためて彼女の早すぎる最期を残念に感じるアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

The Best of 'Playing the Orchestra 2014'/坂本龍一

現在、病気療養中の教授ですが、その彼が、フルオーケストラと共演した「Playing the Orchestra 2014」ツアー演奏からベストな音源をピックアップしたライブアルバム。YMOの代表曲や自身の代表曲などがオーケストラの演奏で楽しめます。ただ単にオーケストラでなぞっただけではなく、きちんとオーケストラアレンジに組みなおされた楽曲を聴かせてくれます。

評価:★★★★

坂本龍一 過去の作品
out of noise
UTAU(大貫妙子&坂本龍一)
flumina(fennesz+sakamoto)
playing the piano usa 2010/korea 2011-ustream viewers selection-
THREE
Playing The Orchestra 2013
Year Book 2005-2014

DAOKO/DAOKO

若干17歳の女子高生ラッパーDAOKOのメジャーデビューアルバム。一部で大絶賛を集めているようですが、エレクトロベースのトラックと、透き通るようなウィスパーボイス気味の歌声が魅力的。「ラップ」といってもラップしている箇所は少なく、全体的に歌モノのポップスがメイン。「女子高生」といううたい文句らしい、17歳らしい歌詞もある一方で、生死をテーマとしたような重いテーマ性を感じる曲もさらりと歌い上げていて、17歳という年齢らしからぬ歌詞も魅力的。ただ、才能の片りんはいろいろと感じられるものの、楽曲的にはインパクトも薄く、歌詞についても一度聴いたら忘れられないようなグッとくるようなフレーズはなく、そういう意味ではまだまだこれからな部分も感じられます。大絶賛という評価は若干ハイプ気味な感じは否めないものの、これからが楽しみという意味ではその通りの、期待の新人ラッパーです。

評価:★★★★

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