血が騒ぐ
Title:血騒-chisou-
Musician:PE'Z
2015年いっぱいで、残念ながら解散を発表したPE'Z。ポップでロックなジャズサウンドを展開し、ジャズという枠組みを超えて、ポップス好きやロックリスナーまで幅広いファン層を獲得し続けた彼らですが、デビューから15年でその活動に幕を下ろすようです。
本作はそんな彼らの最新アルバム。ただ、解散発表はこのアルバムがリリースされた後でしたので、明確に解散を意識したアルバムではありません。ただ、解散という事実を知った後にこのアルバムを聴くと、「最後」というのにふさわしい、PE'Z15年の活動の総まとめのようなアルバムになっていました。
血が騒ぐとかいて「血騒-chisou-」と名付けられた本作。血が騒ぐといえば、まさにPE'Zのサウンドが目指す方向性そのもの。PE'Zというバンドの要素の核になる部分を惜しみなく表に出したアルバムになっていました。
アルバムは1曲目「Chi-Sou!」から、まさにフルスロットルのハイテンションなノリでスタートします。ホーンセッションにバンドサウンドを加えた構成はとにかくにぎやか。まさに「血が騒ぐ」楽曲が、カバー曲「Smoke Gets In Your Eyes」に「ワラエフトレ ~laugh and get fat~」と続いていきます。
その後も、レトロな雰囲気のエレクトロピアノの音色がおもしろい「さすらいSummer」やパーカッションのリズムとムーディーなピアノが耳に残る「Brushup」など、要所要所で聴きどころをつくりつつ、全体的にはアゲアゲでハイテンションな楽曲が続いていきます。
そんなアルバム全編、血が騒ぎまくる楽曲が続くのですが、「解散」という事実を知った後に聴くと、どこか心へのひっかかりがあるのが最後「StartLine」。彼ららしいポップなメロディーラインを聴かせるナンバーなのですが、そのメロディーはどこか切なさを感じます。最後の最後の曲が「StartLine」というタイトルというのも、いまから考えると「新たなスタート」という意味で、意味深なものを感じれらます。
彼らは5月に最後のカバーアルバムをリリースする予定だそうですが、オリジナルアルバムとしてはこれが事実上、最後のアルバム。そう思いながら聴いてみると、まさにこれでPE'Zとしてのすべてを出し切った、そんなアルバムにも感じられます。まだまだ勢いを感じるだけに、これで最後というのはとても残念に感じられるのですが・・・ただ、やはりPE'Zとしてはやりきったところがあるのかなぁ。メンバーそれぞれ今後のソロでの活動に期待したいところ。その前に、最後のカバーアルバムも楽しみです。
評価:★★★★★
PE'Z 過去の作品
1・2・MAX
ギャロップ(pe'zmoku)
ペズモク大作戦(pe'zmoku)
I WANT YOU
向日葵-Himawari-
OH!YEAH!PARTY!!
JumpUP!
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