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2015年4月19日 (日)

インド音楽の夕べ

Indian Classical musi live 新井孝弘×U-zhaan

会場 TOKUZO 日時 2015年4月13日(月) 19:30~

今回はちょっと変わった趣のライブに足を運んできました。サントゥールというインドの弦楽器を奏でる新井孝弘というミュージシャンと、タブラ奏者のU-zhaanによるジョイントライブ。お目当てはここでも何度か取り上げたことのあるU-zhaanなのですが、今回演奏される曲目がインドの古典音楽、ということでどんなライブになるのかドキドキしながら会場に足を運びました。

Indianmusiclive インドの伝統音楽のライブ、というちょっとマニアックな内容なだけに会場の人の入りはそれほどではないだろう、という予測の元、会場を訪れたのですが、これが意外なことに会場はほぼ満員。やはりU-zhaanのファンが多いのでしょうか?前の方で座布団に座って見られる席がまだ空いていたので、そこに場所を確保し、開演を待ちます。

開演時間が過ぎると会場の明かりが徐々に暗くなり、19時40分くらいに2人がステージ上に登場。さて、演奏が開始か・・・と思いきや、新井さんがステージ上でサントゥールのチューニングをはじめました。

この間、U-zhaanが軽いトークをしつつ、会場を沸かせる・・・というよりも間を持たせました。「サントゥールというのは、この台形の楽器で・・・台形なんて言葉、4年ぶりくらいに言いました」「彼(新井さん)はほとんどしゃべらないのに、楽屋でボーカリストばりに『白湯をください』って言ったんですよ」といった軽いトークでまったりしつつ、10分程度でようやくチューニングが終了し、ライブがスタートしました。

1曲目は「ヤマン」という曲だそうで、最初は10拍子(!)のサントゥールのソロ、後半は12拍子(!!)でタブラとの合奏というスタイルだそうです。インドの古典音楽は基本的に即興音楽がメインで、サントゥールの演奏にタブラがあわせて演奏するスタイル(U-zhaan曰く「タブラがあわせなくちゃいけないので理不尽だ」だそうです)だそうです。

この「ヤマン」という曲、最初はサントゥールのソロからスタートしたのですが、イメージ的にはこれぞインド音楽といった感じの悠久の流れを感じる弦楽器の音色が響き渡ります。サントウールという楽器は台形の平台の上に数多くの弦が張ってあり、その弦を、長い鍵のようなスタイルの「バチ」でなぞったり叩いたりして音を出すスタイル。基本的には一方のバチでリズムを刻みつつ、もう一方のバチで音色を奏でるという演奏スタイルでした。

幽玄な雰囲気のサントゥールのソロの演奏は10分以上続き、ここでようやくU-zhaanのタブラが登場。時間にして、既に8時を過ぎていました。このタブラが入ってくると、かなりアグレッシブな演奏に展開していきます。タブラの激しいリズムに応じるかのようなサントゥールの音色が印象的。新井さんとU-zhaanは時々目配せで合図を取りつつ、息の合った演奏を聴かせてくれました。

演奏は延々と続き、この1曲で約40分。8時半近くにようやく1曲目が終了(笑)。ここでサントゥールのチューニングを兼ねた休憩タイムに入ります。U-zhaanは退席し、新井さんのみがステージ上に残り、サントゥールのチューニング。サントゥールという楽器は1曲毎にチューニングが必要で、さらにそれに10分以上の時間がかかるそうです・・・。

10分程度の休憩時間が終わり、U-zhaanもステージに戻ってきて、ようやく2曲目がスタート。次の曲も30分以上の長さの曲で、「ということは、これが最後の曲です」というU-zhaanのMCでスタート。「ハンサドゥアニ」という曲で、意味は「白鳥」だそうで、16拍子(!!!)の演奏だそうです。

こちらも最初はサントゥールのソロから入るのですが、U-zhaan曰く「白鳥の感じで聴いてみてください」ということだそうですが、確かに幽玄的だった1曲目に比べると、白鳥をイメージするかのような(?)優雅な雰囲気のナンバー。いわば「いかにもインド音楽」的だった1曲目とはあきらかに雰囲気の違うナンバーでした。

短いサントゥールのソロの後、またタブラとの共演となりました。こちらも前の曲と同様アグレッシヴな演奏も聴かせてくれたのですが、やはり前の曲と比べると激しさは抑え気味。おもしろいもので、決してはっきりしたメロディーがなく幽玄な雰囲気の演奏を奏でるサントゥールの音色がポップでメロディアスに聴こえてくるのが非常にユニーク。特にこの聴きやすいという意味では、1曲目よりもメロディアスな演奏を聴くことができました。

そんな訳で、この日の演奏はたった2曲(笑)。ただ、1曲あたりが30分以上で、かつチューニング時間に1曲あたり10分程度。結果として、2時間程度のライブとなりました。最初、「インドの伝統音楽」ということでどんなもんなのか不安半分期待半分だったのですが、予想以上にその演奏を楽しめ、あっという間に時間が過ぎました。

チューニングの間のU-zhaanのMCも予想通りとても楽しかったですし、そういう意味でも期待通り。また、サントゥールの不思議な音色もとても楽しめましたし、U-zhaanのタブラの演奏も、いままでいろいろ聴いた中で一番アグレッシブ。特に新井さんとの息もピッタリで、水を得た魚のように、かなりイキイキとプレイされているようにも見受けられました。

予想以上に楽しめたステージ。新井さんはこのライブの後、インドのムンバイに戻られるそうですが・・・また機会があればこの組み合わせ、ライブを見てみたいです!

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