R&Bへの回帰
Title:Non-Fiction
Musician:Ne-Yo
約2年3ヶ月ぶりとなるアメリカのR&B系シンガーソングライターNe-Yoのニューアルバム。ここ最近、流行のEDMを取り込んだような楽曲が多かったのですが、本作は、原点回帰ということをテーマとしたナンバー。彼の原点であるR&Bを主軸においたアルバムを仕上げてきました。
そんな彼の新作は、そんな原点回帰といったテーマゆえに、メロウなR&Bチューンが多いアルバムになっています。例えば序盤を飾る「Everybody Loves/The Def of You」のメドレーや「Run/An Island」のメドレーなどはまさにそんな「メロウ」な部分を前面に押し出したナンバー。しんみりとその歌声を聴かせてくれます。
そんな中、特に印象的だったのが「Take You There」。R&Bのバラードはある意味王道と言えるひねりのないナンバーなのですが、情感たっぷりの歌声が心に響くナンバー。他にも女性シンガーJeezyのソウルフルな歌声とのからみもインパクトがある「Money Can't Buy」も印象的なナンバーでした。
特に前半は、そんな王道ともいえるR&Bチューンをメインにバラエティー富んだ作品も多く、軽快なフレンチエレクトロ風なサウンドを聴かせてくれる「Time of Our Lives」。前作でも登場した、マイケル・ジャクソンからの影響が顕著な「Coming With You」などといったナンバーも楽しめます。
正直言って、このメロウな王道R&Bという路線をとった今回の作品はちょっと地味という印象も否めず、一回聴いた感じだと物足りなさも感じてしまうかもしれません。ただそれでも、心に残るような歌声とメロディーをしっかりと聴かせてくれており、聴き終わった後、彼の唄が、どこか心の中に染みいっていることに気が付かされるアルバムだったように思います。
・・・ただ、そう感じるのは前半。このアルバム、後半に関しては正直言って、ちょっといまいち・・・というよりも途中で飽きが来てしまいました。
前半も比較的地味な内容だったのですが、後半は前半同様の地味な路線が続くため、どうしても途中からダレてきてしまいます。それでもアルバムの長さがそこそこなら最後まで楽しめたのでしょうが、国内盤ではボーナストラックを含めて全23曲1時間24分もの長さ。ただでさえ最後まで聴き切るのが厳しい長さなのに、地味なこの作品、最後まで一気に聴き切るのは厳しい長さになっていました。
個人的には、15曲程度に絞って、1時間程度の長さならば十分傑作と言えるだけの内容だったと思うのですが・・・そういう意味ではちょっと残念なアルバム。アルバムの長さは長けりゃいい、曲を詰め込めばいい、という訳じゃないと思うんだけどなぁ。
評価:★★★★
NE-YO 過去の作品
Because Of You
NE-YO:THE COLLECTION
LIBRA SCALE
R.E.D
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