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2015年3月15日 (日)

突如のリリース

Title:If You're Reading This It's Too Late
Musician:Drake

2月13日に突如リリースされたアメリカのHIP HOPミュージシャンDrakeのニューアルバム(建付け的には「ミックステープ」)。事前の告知も一切なしのリリースで、かつダウンロードのみでのリリースという形態が話題になりました。

そんな発売方法だったにも関わらず、アメリカをはじめ全世界32か国で1位を獲得。さらにこのアルバムから10曲もがアメリカのHIP HOP/R&Bチャートにランクイン。前作「Nothing Was The Same」も驚異的なセールスを記録して話題となりましたが(日本では残念ながらそれほど感じられないのですが)非常に高いDrakeの人気を感じることが出来ます。

今回のアルバムでは、あのLil Wayneや、Drakeが設立したレーベル、OVOに所属しているPARTYNEXTDOOR、さらにはカニエ・ウェストに見いだされ、プロデューサーとして彼が率いるVery G.O.O.D. Beatsに所属しているTravi$ Scottといった、話題のラッパーたちが参加していることでも話題を呼んでいます。

さてDrakeといえば、デビュー当初はそのメランコリックなサウンドが印象的だったのですが、前作「Nothing Was The Same」では一転、重低音を強調したいまどきのエレクトロサウンドに仕上がっていました。基本的には今回のアルバムもその方向性を踏襲したイメージ。むしろサウンド的にはさらに「純化」を進めているような印象もあります。

音数はかなり絞り込みシンプル。リズムを強調しつつも、静かで、どこか物悲し気、メロウな雰囲気のミニマルなトラックがメイン。エレクトロのビートを強調した「Know Yourself」やメタリックなサウンドが聴こえてくる「Company」など、曲によってそれなりにバリエーションを持ちつつ、全体的には統一感を覚えるサウンド。それも比較的、ラップやメロディーを引き立てたトラックになっていたように感じます。

そして今回のアルバムで一番の特徴は、ラップのアルバムでありながらも非常にメロディアスな内容に仕上がっていたという点でしょう。

もともとDrakeのアルバムは、ラップのアルバムでありながらも歌心あふれるアルバムが特徴的でしたが、今回のアルバムもその路線をきちんと引き継いでいます。1曲目を飾る「Legend」からしてまず歌モノの作品。続く「Energy」もラップの作品でありながらもとてもメロディアスな作品になっています。

その後も基本的にしんみりと物静かな雰囲気の、しかしメロディアスな作品が並んでいきます。特に「Jungle」あたりはまさにこのアルバムの内容を一番あらわしている楽曲。メロディアスなラップにシンプルでビートを強調したエレクトロトラック。発売の数時間前にショートフィルムでこの曲が先行で発表されたようですが、確かにこのアルバムを代表する曲だと感じます。

ただ、そんなメロディーは決して派手でインパクトあるものもではありません。トラックも特徴的なものは少なく、そういう意味ではアルバム全体として地味という印象もあります。それが今回、フィジカルではなくダウンロードオンリーでリリースした大きな理由かもしれません。それでも大ヒットを記録した今回のアルバムは、ちゃんとDrakeとしての魅力をしっかりと感じされるアルバム。それだけに大ヒットの理由も納得の傑作です。

評価:★★★★★

DRAKE 過去の作品
Thank Me Later
TAKE CARE
Nothing Was The Same


ほかに聴いたアルバム

Ultraviolence/Lana Del Rey

前作「Born To Die」が大ヒットを記録し、一躍注目を集めたアメリカのシンガーソングライターの新作。前作ではハイプな雰囲気もあったものの、本作もビルボードでも見事1位を獲得し、しっかりと人気を確実なものとしています。

そんな期待の新作ですが、彼女の美しいボーカルと、それをしっかりと活かした幻想的な雰囲気の楽曲の数々が実に魅力的。これはかなりおもしろいかも・・・と思いアルバムを進めていくのですが、正直似たような雰囲気の曲が多く、最後にはちょっと飽きが来てしまったかも。この傾向、前作「Born To Die」でも一緒だったような・・・。

評価:★★★★

Lana Del Rey 過去の作品
Born To Die

True:Avicii By Avicii/AVICII

EDMミュージシャンAVICIIが、アルバム「True」を自らセルフリミックスしたアルバム。EDMという一言ではおさまらなかったようなバリエーションの多い「True」に対して本作はそのバラエティーの多さを生かしつつも、全体的にはトランシーな作品が多く、良くも悪くもちょっとベタさも感じられました。

評価:★★★★

AVICII 過去の作品
True

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