ライブ盤の方がよかったけど
Title:シングルコレクション1976-1982
Musician:やしきたかじん
今回もちょっと毛色の違うアルバム。昨年1月、64歳という若さで亡くなったシンガーソングライターやしきたかじんの初期のシングルを収録したベストアルバム。全国的知名度はともかくとして大阪では絶大な人気を誇っていた彼。正直個人的には、ミュージシャンというよりもテレビ番組のパーソナリティー的なイメージが強いのですが・・・今回のベストアルバム発売を機に、はじめて彼の楽曲を聴いてみました。
アルバムは2枚組で、Disc1がシングル集、Disc2が1980年7月に大阪・梅田バーボンハウスで行われたライブの模様を収録したライブアルバムに、その過激な歌詞内容から発売直後に発売禁止となってしまった幻のデビューシングル「娼婦和子」が収録されています。
すいません、正直に言わせてください。Disc1のシングル集の方、ぶっちゃけて言うとつまんなかったです。楽曲的にはフォークの流れを組む歌謡曲といった印象。タイプ的には谷村新司や松山千春と同じベクトルといった感じでしょうか。ただ、いかにも80年代的なベタで様式化された歌謡曲といった感じ。これといって突出したようなグッと来るようなメロディーもなく、最後まで全くはまれませんでした。
ただその一方、Disc2のライブ盤の方は、シングル集の方のイメージが一変、十分楽しめた内容になっていました。合間合間のMCも含めてライブ会場の模様がそのままパッケージされたようなアルバムになっていて、小さなライブハウスだったようですが、会場全体、アットホームな暖かい雰囲気を感じられる素晴らしいライブに感じられました。
特に、Disc1で全く楽しめなかった楽曲もライブではほれぼれ聴き入る内容に。なんでだろうと思ったのですが、ライブの方は比較的最小限な楽器でシンプルな演奏になっている反面、シングルは歌謡曲らしいムダに分厚い演奏になっている違うがあったからだと気が付きました。ライブはシンプルなだけに、楽曲のメロと歌詞、そしてやしきたかじんの歌だけを集中して楽しむことが出来ました。
また、合間合間のMCもほどよい笑いと暖かい雰囲気のトークが魅力的で、ライブ盤の中で重要な要素として織り込まれています。このトークを挟みつつ歌を聴かせるというライブのスタイルをそのままアルバムでも楽しめるのが実に魅力的でした。
個人的にDisc1が★3つ、Disc2が★4つという印象。正直、ライブ盤を聴いてもなお、音楽的にはちょっと好みとは違うなぁ、と思ったのも事実なのですが・・・それでもライブ盤の方は、きちんとミュージシャンやしきたかじんの魅力がしっかりと伝わってくる内容になっていました。
評価:★★★
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