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2015年2月28日 (土)

和とメタルの融合

Title:現世は夢(うつしよはゆめ)~25周年記念ベストアルバム~
Musician:人間椅子

1987年に結成。89年に「イカ天」に出演し話題を集めメジャーデビュー。「イカ天」出身バンドということでデビュー当初はそこそこのスマッシュヒットを記録したものの、すぐに人気も落ち着いたようです。ただしその後もコンスタントな活動を続け、今年でメジャーデビュー25年。その節目の年にベストアルバムがリリースされました。

「人間椅子」というバンドについては、私自身、名前は以前から知っていたのですが、ちゃんと音源は聴いたことがありませんでした。今回のベストアルバムを見かけて、良い機会だから、ということではじめて聴いてみたのが本作です。

音楽のジャンルはハードロック、あるいはハードロックでももっとへヴィーメタル寄りのサウンド。そしてユニークなのが、本格的なハードロックである一方に、そこに乗っているメロや歌詞が非常に和風である、という点でした。例えば「賽の河原」ではタイトル通り、あの世の情景を描いた歌詞が実に日本的ですし、メロディーも和の要素が漂っています。「品川心中」も和風なメロが印象的。琴に音色も使われたりしています。

さらにユニークだったのが、その和風なイメージに、「津軽」のイメージが重なる点。オリジナルメンバーの和嶋慎治、鈴木研一がいずれも青森出身という理由なのでしょうが、例えば「りんごの泪」などはタイトル通り、青森名物のりんごを題材に、イントネーションにも津軽なまりが入るユニークなナンバーになっています。

また、サウンドも、初期の王道ハードロック路線から、「ダイナマイト」あたりはドゥームメタルっぽい感じといっていいのでしょうか?かと思えば「神経症I Love You」は80年代の産業ロックを彷彿とさせるサウンドと、ハードロックとへヴィーメタルの近辺で変動していきます。

歌詞も基本的に日本語のみを重視した歌詞になっていますし、デビュー以来、常に「和風」な要素と西洋的なハードロック、へヴィーメタルの融合を意識した楽曲作りが大きな特徴となっています。ただ、日本的を意識した歌詞にしても、どこかコミカルでユーモアセンスあふれる内容。そのため、ここ最近感じてしまうような、「日本的なものの押し付け」は感じられず、そういう意味では自然な形での和とハードロック、メタルの融合に成功しているように感じました。

ただ非常に残念だったのが、ここ最近の作品になるとマンネリ化してしまっていることでした。歌詞は地獄をテーマとした内容か、日本の東北のテーマとした内容の2パターン。サウンドも比較的様式化されてしまったようなメタル。この傾向がDISC2以降顕著になってしまっており、DISC1からDISC2の最初までくらいは文句なしに楽しめた内容だったのですが、正直DISC2の中盤くらいからダレてしまいました。

和風メタルとして一定以上の成功をおさめているバンドなだけに、後半のマンネリ路線はちょっと残念。ただハードロック、へヴィーメタルというジャンル自体がマンネリ傾向にあるだけに仕方ない部分もあるのかなぁ。とはいえ、演奏面での実力は言うまでもありませんし、ユニークで独特な和のテイストをかもしだした名曲も数多く収録されています。私のように「名前だけは・・・」程度の方もチェックしてみて損のないベスト盤だと思います。

評価:★★★★

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