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2015年2月22日 (日)

70年代80年代サウンドの影響も

Title:Lost in the Dream
Musician:The War on Drugs

こちらも2014年話題のアルバム聴きなおしシリーズ。アメリカ・フィラデルフィア出身のインディーロックバンド。このアルバムは各種メディアで絶賛されました。具体的には・・・

米Spin誌 1位/米ローリング・ストーン誌 23位/英NME誌 3位/英MOJO誌 2位/米STEREOGUM 2位/米Pitchfork 3位

とまあ、軒並み上位にランクインされる大絶賛ぶり。なぜか日本のメディアでは完全無視に近い状態なのですが・・・遅ればせながら、この作品を聴いてみました。で、感想なのですが・・・うん、これは確かに絶賛も納得の傑作だわ。自分もいまさらながら、この作品にはまってしまいました。

楽曲としては、基本的にシューゲイザーからの影響を感じる、サイケロックの匂いが漂っています。1曲目の「UNDER THE PRESSURE」のピアノの美しい音色にわずかに流れるノイジーなギターという美しいサウンドの組み合わせは、まさにシューゲイザーからの影響を強くイメージさせます。その後もそんな幻想的なサイケ風のサウンドが続いていきます。

でも、そこに加えてこのアルバムがとてもおもしろかったのは、そんなサイケな作風に加えて、様々な音楽の影が見え隠れしている点でした。例えば「SUFFERING」はブルースロックの味付けがしてありますし、「EYES TO THE WIND」はボブ・ディラン調。さらに「BURNING」ではブルース・スプリングスティーンの影響を感じさせる楽曲でありながらも、同時に幻想的なサウンドにどこかシューゲイザーからの影響も感じられるという、実にこのアルバムを象徴するような楽曲に仕上がっていました。

また、メロディーも実にいいですね。タイトル曲「LOST IN THE DREAM」などはフォーキーな作風で、まさに美メロというにふさわしいメロディーが心に響きます。ともすれば、ちょっと通向けというか、地味なメロディー展開が多いインディーポップの中で、いい意味でわかりやすい、心に残るメロディーをちゃんと聴かせてくれています。

70年代や80年代の楽曲の影響を楽曲に反映させつつ、2010年代の今に通用するインディーポップをきちんと展開してくれる、彼らの音楽的特徴を一言で言えばそんなところでしょうか。そして本作では、そんな彼らの試みが大成功していたように感じました。各種メディア大絶賛が納得の傑作。なんで日本ではそれほど注目されていないのかなぁ~それがとても残念です。

評価:★★★★★

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