2014年ベストアルバム(邦楽編) その2
昨日は10位から6位まで紹介しました2014年のベストアルバム。今日は5位から1位の紹介です。
5位 ぞめき伍 個性派 徳島 高円寺 阿波おどり個性派
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5位は他の作品と比べるとちょっと異色。どちらかというとワールドミュージックに属しそうな作品。音楽プロデューサーの久保田麻琴が、徳島の阿波踊りと、そこから派生した高円寺阿波踊りを録音したシリーズの第5弾。今回は「連」と呼ばれる踊りのグループの中でも、特に個性的なグルーヴを奏でる連を録音したとか。このシリーズ、以前から話題になっていたもののちゃんと聴くのは今回はじめて・・・で、すっかりはまってしまいました。日本にもこんなどす太いグルーヴが存在したんだ、ということを驚かさせる作品。日本人の持つリズム感について、認識をあらためさせられるアルバムです。
4位 死んだらどうなる/stillichimiya
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今年、もっともはまったアルバムという意味ではこのアルバムが一番だったかもしれません。TOYOTA ROCK FESTIVALでステージを見て、思わずアルバムまで購入したのですが、特に「ズンドコ節」「HELL TRAIN」のユーモアあふれるPVにはまってしまいました。キャラが立った5人のメンバーによる、終始、仲の良い5人で楽しんでいるというスタイルがアルバムを貫いており、聴いていても楽しくなってくるような作品でした。
3位 Page 2:Mind Over Matter/SIMI LAB
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神奈川の相模原を中心に活動を続ける話題のラップクルーの2作目。音数を絞ってタイトに聴かせるトラックがとにかくカッコいい作品。女性ラッパーMARIAのラップが特に印象に残ります。また、メンバーの多くが外国人とのハーフというスタイルが、いかにも今の時代らしいユニット。そんなメンバーだからこそ綴れる、ちょっと醒めた視点からのリリックも印象的でした。
2位 ナマで踊ろう/坂本慎太郎
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どこかきな臭い方向性が続いている昨今の日本の状況ですが、そんな中、明確に全体主義にノーを突きつけ、強烈な皮肉をユーモアたっぷりに曲の中に織り込んだ坂本慎太郎の傑作アルバム。楽曲自体も音楽を通じての連帯感を一切拒否するような内容で、歌詞のみならず音楽全体を使ってメッセージを伝えようとするスタイルも強いインパクト。今の時代にこそ聴いてほしい傑作アルバムです。
そして・・・
1位 ペーパークラフト/OGRE YOU ASSHOLE
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もう文句なしの年間1位!いままでも非常にクオリティーの高い作品を作り続けてきた彼らですが、さらに今回、もう一皮むけた印象のある傑作アルバムをつくってきました。最小限まで音数を絞ったムダのない作風をつくりあげつつ、その音の向うに無限の空間を作り出したような作品。シニカルながらもどこかユーモラスを感じさせる世界観も特徴的。文句なしの2014年を代表する傑作です。
そんな訳であらためてベスト10を振り返ると・・・
1位 ペーパークラフト/OGRE YOU ASSHOLE
2位 ナマで踊ろう/坂本慎太郎
3位 Page2:Mind Over Matter/SIMI LAB
4位死んだらどうなる/stillichimiya
5位 ぞめき伍 個性派 徳島 高円寺 阿波おどり個性派
6位 Hurt/syrup16g
7位 RAY/BUMP OF CHICKEN
8位 THE PIPER/くるり
9位 Strange Tomorrow/TAMTAM
10位 踊ってばかりの国/踊ってばかりの国
昨年末の暫定版の時は「豊作」と書いたのですが、あらためて10枚を選ぶと、確かに傑作も多かった1年ですが、「豊作」は言い過ぎだったかも(^^;;とはいえ、間違いなく今年も数多くの名盤に出会うことが出来ました。
実は8位まではすんなりと決まったのですが、残り2枚がかなり迷いました。というのは他に次のアルバムも最後までベスト10に入れようか迷ったため。
アンダーグラウンド・レイルロード/ソウル・フラワー・ユニオン
日出処/椎名林檎
ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~/吉井和哉
9位のTAMTAM、10位の踊ってばかりの国を含め、この5枚は事実上横一線といった感じ。これに続くのが
SPICE/ZEPPET STORE
11/KIRINJI
Boys!/THE BAWDIES
路上/小島麻由美
グッド・ナイト/森は生きている
'一輪の花と二つの三日月/tobaccojuice
といった感じでしょうか。今回のベスト10をながめて特徴的だったのが、OGRE YOU ASSHOLEや坂本慎太郎、踊ってばかりの国、さらにはギリギリベスト10落ちとなってしまいましたがソウル・フラワー・ユニオンなど、今の社会を皮肉的に切り取ったような曲が多かった点。それも大上段から権力を批判するわけでなく、どこかユーモラスを含めつつ、シニカルな切り口で表現しているミュージシャンが多く、ここらへんは今の時代を反映したようなアルバムが並んだように思います。
相変わらず「ヒットチャート」では本当にヒットしているかどうだかわからないような曲が並んでいますが、そんな流れとは関係なく、日本の音楽シーンにはちゃんと素晴らしい音楽が発表され続けているということも感じられるベストアルバム。2015年もまた、たくさんの素晴らしい音楽と出会えますように。
2007年 年間1 2
2008年 年間1 2 上半期
2009年 年間1 2 上半期
2010年 年間1 2 上半期
2011年 年間1 2 上半期
2012年 年間1 2 上半期
2013年 年間1 2 上半期
2014年 上半期
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