ギターの音がとても心地よい
Title:St.Vincent
Musician:St.Vincent
2014年の年間ベストで軒並み上位にランクインしたSt.Vincentのニューアルバム。St.Vincentはニューヨーク・ブルックリンを拠点として活動している女性シンガーソングライター。前作「Strange Mercy」も高い評価を得ましたが、本作もまた、各種メディアの年間ベストにランクインしています。主なところでは・・・
米ローリング・ストーン誌 4位/米TIME誌 2位/英NME誌 1位/英MOJO誌 5位/米STEREOGUM 49位/米Pitchfork 16位/ROCKIN'ON 36位/MUSIC MAGAZINE ロック[アメリカ/カナダ] 3位
となっています。ウェブ系メディアの評価が若干低い反面、雑誌系は軒並み大絶賛という結果になっているようです。
私個人は、前作「Strange Mercy」はノーチェック。今回、このアルバムで彼女の曲をはじめて聴いてみました。基本的に軽快でポップなメロが基軸になりつつ、大きな特徴だったのがノイジーなギターサウンド。軽快なギターリフがメロディーに寄り添う形で流れており、アルバムの中で大きなインパクトとなっています。
そんなギターサウンドがメインし、またドラムスのビートを強調したような曲が多いもののバンド色は強くなく、打ち込みを取り入れつつ、全体的には「宅録」的なイメージを抱くようなポップソング。楽曲によって様々な「音」を楽しむことが出来るポップソングになっています。
彼女のハイトーンボイスも相まって、ポップな楽曲はどこかユーモラスにも聴こえてきます。それぞれの曲が異なる「顔」を持った曲ばかりだったので、最後までダレることなく楽しむことが出来たアルバムでした。
・・・・・・・が、正直言うと、いいアルバムだと思う反面、年間ベストクラスか、と言われると少々疑問も。そのポップセンスは素晴らしくとも、2014年指折りの美メロ、といった感じでもなく、サウンドも斬新で聴いたことないような・・・というほどでもなく、ボーカルも美しいものの、それだけで売りに出来るほどではない・・・ひとつ突き抜けたようなものは感じられず、いいアルバムだとは思うものの、米英の音楽誌の評価は少々ハイプ気味では?とも思ってしまいました。
とはいうものの、いいアルバムには間違いなく、まだチェックしていない方は2014年の話題のアルバムとしてチェックして損はない作品だと思います。素直にギターのノイジーな音が心地よいアルバムでした。
評価:★★★★★
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