セルフタイトルは自信作?
Title:スキマスイッチ
Musician:スキマスイッチ
オリジナルアルバムとしては2011年の「musium」以来、約3年ぶりとなるニューアルバムは、セルフタイトルとなる作品。セルフタイトルといえば基本的に、ミュージシャンとしての自信作だったり、そのミュージシャンらしさが強く出ているようなアルバムにつけられるのですが、スキマスイッチについても他の例と同様、実にスキマスイッチらしい自信作に仕上がっていたように感じます。
冒頭を飾る「ゲノム」ではサビでシャウトが入るちょっとロックっぽい作風で、まずはリスナーの耳をグッと惹きつけ、2曲目のシングルにもなった「パラボラヴァ」ではピアノとストリングスでスケール感を持たせつつ、シンプルで暖かいラブソングにスキマスイッチらしさを感じる曲になっています。
シングル曲らしいスケール感がインパクトとなっている「Ah Yeah!!」や、こちらもスキマスイッチの路線のひとつといえる歌謡ファンクな「蝶々ノコナ」などインパクトある曲が並んでいます。そんな中、一番気に入った曲が「思い出クロール」。同窓会での久々の再会をテーマとした楽曲は、切なく、そして暖かい気分になるノスタルジックな雰囲気あふれる作品。ただ、曲の舞台は彼らのふるさと名古屋・・・のはずですが、残念ながらそれを強くイメージさせる部分はなく・・・「いつものライオンの前」という歌詞は名古屋栄三越のライオン像かもしれないけど、名古屋だけの専売特許じゃないし・・・。
さて今回のアルバム、もうひとつ耳を惹いたのがアレンジ。彼らの持ち味といえばやはり第一にメロと歌詞なのでしょうが、今回のアルバムはそれに加えて耳を惹くサウンドを聴かせてくれました。
例えば「僕と傘と日曜日」のピアノの音色は耳を惹きつけるインパクトがありましたし、「lifexlifexlife」もアコースティックなサウンドだけで十分魅力的。特に印象に残ったのが最後を飾る「SF」で、ピアノとドラムのリズムだけのシンプルなアレンジが、シンプルなだけに奥行を感じさせる反面、後半では一気にダイナミックなバンドサウンドを入れてきており、おもしろさを感じさせます。
正直、勢いという面では昔に比べて衰えている部分は否めず、「最高傑作」というには厳しい作品かもしれません。ただ、前作「musium」が、安定感があり、良くも悪くも「大いなるマンネリ」路線にすすみかけていた中、スキマスイッチらしさはそのままに、このままでは終わらないという気概も感じさせてくれる自信作になっていたと思います。スキマスイッチ、これからもまだまだ名曲を届けてくれそうです。
評価:★★★★★
スキマスイッチ 過去の作品
ARENA TOUR'07 "W-ARENA"
ナユタとフカシギ
TOUR2010 "LAGRANGIAN POINT"
musium
DOUBLES BEST
TOUR 2012 "musium"
POP MAN'S WORLD~All Time Best 2003-2013~
スキマスイッチ TOUR 2012-2013"DOUBLES ALL JAPAN"
スキマスイッチ 10th Anniversary Arena Tour 2013“POPMAN'S WORLD"
スキマスイッチ 10th Anniversary“Symphonic Sound of SukimaSwitch"
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