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2015年1月11日 (日)

珠玉の名曲たち

Title:Best Always
Musician:大滝詠一

もう1年以上前の話になってしまったのですね・・・2013年の12月30日、わずか65歳という若さで急逝したシンガーソングライター大滝詠一。それから約1年。彼の楽曲をキャリア横断的に収録した初のベスト盤がリリースされました。

いままで何枚か「ベスト盤的」な作品はリリースしていたものの、いずれも企画盤的な要素が強い変則的な内容。純粋に過去のオフィシャル音源を網羅的に収録したアルバムとしてはこれがはじめてになるそうです。そんなベスト盤では大滝詠一として発表した曲のみならず、彼がかつて所属していたバンド、はっぴいえんどの「12月の雨の日」が収録されているほか、「NIAGARA TRIANGLE」で発表した「幸せにさよなら」「A面で恋をして」や、結果として最後の公式レコーディング作品となった竹内まりやとのデゥエット曲「恋のひとこと~Something Stupid~」も収録されています。

さらにこのベスト盤の目玉として、森進一へ提供した「冬のリビエラ」の英語詞カバーであり、現在入手困難となっていた「夏のリビエラ ~Summer Night in Riviera~」や、生前、幻の音源と言われ、葬儀の時にはじめての披露となった「夢で逢えたら」のセルフカバーバージョンなどのレア音源も収録され、大きな話題となっています。

ただ今回収録された楽曲の多くは、誰もが知っているようなおなじみの名曲も多く、このベスト盤を聴く前から何度も聴いた曲も少なくありません。あらためて彼の名曲をこうやって網羅的に聴いてみると、まさに「珠玉の名曲」という表現がこれほどピッタリ来るような楽曲も珍しいかもしれません。ドゥーワップやソウル、ビートルズや歌謡曲など数々のポップソングのおいしくて甘~い部分を見事掬い取ったともいえる理想的なポップソングに連続に聴きほれるベスト盤でした。

いまさら私が言うまでもないのでしょうが、大滝詠一の曲を聴くと、どれも非常に情報量の多い楽曲に仕上がっています。この楽曲の情報量の多さという側面、ある意味ここ最近のミュージシャンに通じるものを感じます。ただ、単純にいろいろなタイプの曲を複雑に1曲に詰め込んだだけの「現在のミュージシャン」たちに比べて、彼の場合、深いポピュラーミュージックに対する知識を前提として、決して複雑さを前に押し出すことなく、ひとつのポップスとして非常に自然につくりあげています。情報量の多さとことさら誇示する最近のミュージシャンと、情報量の多さを見事捌いている大滝詠一。その差は歴然と言えるでしょう。

ここ最近はすっかり寡作の状態だったとはいえ、まだ60代での急逝は、あまりに残念。このベスト盤であらためて大滝詠一というミュージシャンの偉大さに触れて、それを強く感じました。全ポップスファン必聴のベスト盤です。

評価:★★★★★

大滝詠一 過去の作品
EACH TIME 30th Anniversary Edition


ほかに聴いた作品

有と無/ACIDMAN

いつものACIDMAN節が展開するニューアルバム。複雑な構成のダイナミックなサウンドは、聴いていてやはり惹きつけられる部分はあるものの、アルバム1枚聴きとおすには体力がいる感じ。良く出来たアルバムとは思うのですが、もうちょっと「これ」といったひっかかりが欲しいような印象も。

評価:★★★★

ACIDMAN 過去の作品
LIFE
A beautiful greed
ALMA
Second line&Acoustic collection
ACIDMAN THE BEST 2002-2012
新世界

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