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2015年1月 3日 (土)

25年目の余裕

Title:Do Sing
Musician:真心ブラザーズ

昨年、デビュー25周年を迎えた真心ブラザーズ。その記念すべき年に、レコード会社を徳間ジャパンコミュニケーションズに移籍。さらに、自らのレーベル「Do Thing Recordings」を立ち上げ、新たな一歩に踏み出した彼ら。このアルバムは、そんな彼らの新しい第一歩となる作品です。

そんな彼らの新作についてまず感じた特徴は、ルーツ志向の作品である、という点でした。70年代のアメリカンロックらしいジャケット写真からしてそんな音楽性を志向していると言えるのですが、タイトル通りのブルースロックナンバー「ヒナタのブルース」や、フォーキーな「君がそばにいるだけで」、軽快なニューオリンズ風の「あいつが夢所からやってくる」、軽快なロックンロールナンバー「I'M SO GREAT!」などなど、彼らのルーツ志向が強く感じられる作風になっています。

ただ、そうとはいってもバリバリのブルースを奏でたり、ゴリゴリのロックンロールを奏でたりしているわけではありません。基本的にはどの曲もシンプルなポップソングという出来になっています。どの曲もサウンドにしてもメロディーにしても至ってシンプル。また、決して派手さはありません。ただどの曲も、聴き終わった後、どこか心にひっかかるような、そんなちょっとしたインパクトと、そして暖かさを持った曲ばかりでした。

また歌詞にしても、ほっこりとして暖かい歌詞がメイン。例えば「グライダー」では少年時代、はじめて自転車に乗った時のことを思い起こしたノスタルジックな歌詞が心に響きますし、「君がそばにいるだけで」も非常にシンプルながらも暖かいラブソングに仕上がっています。

そんな歌詞にしてもメロにしてもそうなのですが、自己主張があまり強くなく、非常に肩の力が抜けた作風が特徴的。でもそれって、デビュー25周年を迎えた彼らだからこそ出来る、ベテランとしての余裕のあらわれのように感じます。そんな肩の力が抜けた作風ながらもどこかユーモラスを感じさせるものおもしろいところ。また、ロックンロール志向が強いYO-KINGの作品と、ソウル志向のある桜井秀俊の作品が上手くバランスを取って交互に構成されているところも、真心ならでは。ただ今回のアルバムについては、アルバム全体的にシンプルなポップソングが多かっただけに、両者の違いはあまり目立たなかったようにも思いましたが・・・。

25周年の彼らにふさわしい、また25年目の彼らだからこそ出来るそんなアルバムだったように感じます。新レーベルに移籍し新たな一歩を踏み出した彼ら。まだまだその活躍は続きそうです。

評価:★★★★★

真心ブラザーズ 過去の作品
DAZZLING SOUND
俺たちは真心だ!
タンデムダンデイ20
GOODDEST

Keep on traveling

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