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2014年12月13日 (土)

バリエーションの多さが仇に

Title:Behind The Scene
Musician:ストレイテナー

途中にベスト盤やらアコースティックアルバムやらのリリースがあったためちょっと意外に感じたのですが、フルアルバムとしては約3年2ヶ月ぶりとなるストレイテナーの新作。オリコンのアルバムチャートでは4位を記録。相変わらずの安定した人気を見せてくれています。

ただ、昨年リリースされたベスト盤を聴いて感じたのですが、正直言って、デビュー当初と比べると、最近のストレイテナーは少々勢いが落ちています。一番目立ったのはメロディーのインパクトで、デビュー当初のポップでインパクトのあるメロディーに比べると、ここ最近の曲はバンドサウンドだったり勢いで(言葉は悪いのですが)少々ごまかしている感のある曲が目立つように思いました。

しかし、今回のアルバムを聴き始めると、そんなここ最近の彼らに対して感じていた不満点が一気に解消されるような曲が並んでいました。それが1曲目の「Asshole New World」「The World Record」。とにかく勢いあるサウンドにポップなメロがインパクトあって、カッコよく、聴いていて気持ちいいロックな曲が続いており、お、ストレイテナー、やっぱカッコいいじゃん、と思うような序盤になっていました。

ところが残念ながらその後に続くメロディーを聴かせるミディアムテンポの曲が少々いまひとつ。確かにそれなりに聴かせるメロディーは書いているのですが、序盤のアップテンポな曲と比べると、これといったインパクトがありません。ちょっとダレながらアルバムを聴いていると、中盤の「Super Magical Illusion」は、これまたインパクトあるパンクロックの曲でカッコイイナンバーにグッと惹きつけられ、続く「Breaking Ground」も同じくアップテンポでインパクトあるナンバー。盛り返してきたか?と思いきや、その後もミディアムテンポなナンバーが続き、やはり少々ダレてきてしまいました。

ここ最近のストレイテナーの曲の印象としては、英語詞の曲はカッコいいけど、日本語詞の曲はイマイチ、という印象を抱いていました。ただ、今回のアルバムでは日本語詞の「Super Magical Illusion」も十分カッコよく、そういう意味では、日本語詞の曲がいまひとつというここ最近のストレイテナーの問題点は解消していたように思います。

しかし、その代わり、今回のアルバム、あきらかにミディアムテンポのメロディアスな曲の出来がイマイチ・・・。正直、メロディーにいまひとつ魅力がなく、アルバムを聴いていてダレてきてしまいます。基本的に彼ら、ギターロックバンドですが、その中でいろいろと楽曲にバリエーションをつけてきています。ただ、このバリエーションの多さが、今回のアルバムでは仇となったように感じます。

アップテンポでパンキッシュなギターロックのナンバーをメインにつけ、その他のナンバーはその合間に1、2曲くらい、という構成ならおそらく文句なしの傑作になっていたんだろうなぁ、と思います。そういう意味では惜しいアルバムなのかもしれませんが・・・。最初聴き始めた時は「これは!」と思っただけに、ちょっと残念に感じた1枚でした。

評価:★★★★

ストレイテナー過去の作品
Immortal
Nexus
CREATURES
STOUT
STRAIGHTENER
21st CENTURY ROCK BAND
Resplendent

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