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2014年12月21日 (日)

ヒダカトオルの次の一歩

Title:VANISHING CITY
Musician:THE STARBEMS

ご存じ、BEAT CRUSADERSのボーカリストとしてその名を知らしめたヒダカトオル。ビークル解散後はまさかのMONOBRIGHT加入し、さらに脱退。その間にもFed MUSICとユニットを結成したり、ソロ活動を行ったりと、ビークル解散後も積極的な活動を続けていましたが、そんな彼がソロでも他のバンドとのコラボでもなく自らのバンドとしてその活動を本格的に始動させたのがTHE STARBEMS。本作は、そんな注目のバンドの、2作目となるフルアルバムです。

全編英語詞となる本作は、BEAT CRUSADERSのイメージで聴くと、かなりハードコア路線にその音楽性をシフトしています。ビークル解散後は、MONOBRIGHTにしてもFed MUSICにしても、基本、ギターロック路線とはいえ、比較的ポップ寄りのバンドと組むことが多かっただけに、ビークルよりもハード寄りにシフトしたバンドをスタートさせた、ということはちょっと意外に感じる方もいるかもしれません。

ただ、よくよく聴くとデス声まで取り入れたハードコア路線の向うになっているメロディーラインはかなりポップなもの。へヴィーなサウンドが続きつつ、サビの前にそのハードなサウンドがスッと引いてポップなメロディーがあらわれるスタイルは、聴いていてとても快感さすら覚えました。

でもこのハードなバンドサウンドとポップなメロディーの対比って、よくよく考えるとBEAT CRUSADERSの魅力と基本的には一緒なんですよね。基本、全英語詞で歌詞の意味をあえてぼやかしている、という点もまたBEAT CRUSADERSと同じ方向性ですし。そういう意味では、間違いなくヒダカトオルのバンドだ、と感じますし、楽曲的にかなりハードコアにシフトしたとはいえ、BEAT CRUSADERSの延長線上にいるバンドだ、ということも感じます。

デビューアルバムとなった前作「SAD MARATHON WITH VOMITING BLOOD」ではビークルらしさを避けるためか、ヒダカトオルらしさを感じさせるメロディーラインは控えめ。そういう意味ではちょっと物足りなさを感じました。しかし本作では、ヒダカトオルらしいメロディーラインが目立ってきたように思います。「Sweet Nothing Blues」のノイジーで分厚いサウンドにはビークルらしい面影を感じますし、「Evening Star/Morning Star」もどこかビークルを彷彿とさせるような側面が見て取れます。

全体的にはもちろん、ビークルとは異なるTHE STARBEMSとしてのサウンドを模索していますが、そんな中流れるポップなメロディーには、やはりヒダカトオルの色は隠しきれません。ただその結果、ハードコアな路線とポップなメロディーの対比がより強まり、THE STARBEMSとしての魅力がより強まったように感じました。ハードコアなサウンドに身をゆだねながらもポップなメロディーをワクワクしながら楽しむことが出来る、聴いていてとても心地よいアルバムになっていたと思います。間違いなくヒダカトオルの新たな一歩を感じさせるアルバム。これからの彼の活動も楽しみです。

評価:★★★★★

THE STARBEMS 過去の作品
SAD MARATHON WITH VOMITING BLOOD

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