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2014年12月 2日 (火)

ラストアルバム

Title:The Endless River(邦題 永遠(TOWA))
Musician:PINK FLOYD

ピンク・フロイドの約20年ぶりとなるニューアルバム。今回のアルバムは、その20年前の前作「対(TSUI)」の制作段階で録音された20時間にも及ぶセッションから構成された作品。もともとはメンバーのデヴィッド・ギルモアの倉庫の中に眠っていたのですが、2008年にメンバーのリチャード・ライトが急逝したことから、ライトとの作品をあらためて洗い直し、ライトへのトリビュートアルバムという意味を込めてリリースされたのが本作だそうです。

そんな立ち位置のアルバムなだけに、通常のオリジナルアルバムというにはちょっと異質な内容。最後の「Louder Than Words(邦題 ラウダー・ザン・ワーズ~終曲)を除いてすべてインスト曲。ライトへのトリビュートに余計な言葉は不要、という意味なのかもしれませんが、やはり物足りなさは否めません。また、ギルモア本人が「これが最後のアルバムになる」と明言しており、そういう意味でも注目されたアルバムです。

さて今回のアルバムは、その20年前の「対(TSUI)」以来のオリジナルアルバムで個人的にはちょっと懐かしい思い出がよみがえってきました。その「対(TSUI)」がリリースされた20年前は私は高校生の頃で、ちょうど洋楽を聴き始めた頃。その頃ヒットしていた作品ということで「対(TSUI)」は私もリアルタイムで聴いていました。

そしてこの「対(TSUI)」を聴いて軽く衝撃を受けました。非常に凝った、クリアで奥深い複雑なサウンドは当時私が主に聴いていたJ-POPとは明らかに異質。「おお!これが洋楽か!さすがに邦楽とは違うな!」と感動したことを覚えています。もっとも、これは別に洋楽だから特別なのではなく、こういうタイプの音楽だ、ということを知ったのはもうちょっと後になってから。

それだけに個人的には「対(TSUI)」にはちょっとした思い入れがあるのですが、今回のアルバムもその時のセッションから構成されたアルバムということで、楽曲の雰囲気的には「対(TSUI)」に似ているものを感じます。そういう意味ではちょっと懐かしさも感じました。

amazonなどの評価を見ている限りでは、インストメインということで決して評価は高くないようです。ただ、スケール感があり奥行があるサウンドは魅力的。ギターやストリングス、ピアノで奏でられるメロディーは、時として哀愁も感じられインパクトも十分。なによりも魅力的だったのは非常に澄んだような音質感。ひとつひとつの音色が重厚ながらもとてもクリアに聴こえるような録音になっており、耳を惹きつけられました。おそらく自分なんかが持っているよりももっといいデッキで聴いたらとんでもない音が聴こえてくるんだろうなぁ~。

全18曲入りのアルバムなのですが、「SIDE1」から「SIDE4」までの4部構成となっており、楽曲は基本的にひとつの「SIDE」の中ではつながっているため、事実上、4曲入りといった雰囲気となっています。そんな4曲の中で複雑に構成され展開されていく内容になっているため、最後まで飽きることがありません。壮大な雰囲気の作品は、「永遠」というタイトル以上に、ジャケットの写真のような、幻想的な終わらない川を渡っているようなそんな感覚を得るような内容。いろいろな意見はあるみたいですし、確かにピンク・フロイドのロック史に残るような傑作群と比べれば物足りないのは間違いないものの、ピンク・フロイドというバンドの魅力は十分すぎるほど感じられられる作品になっていたのではないでしょうか。非常に気持ちよく楽しめるアルバムなのは間違いないでしょう。

評価:★★★★★

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コメント

こんばんは、お邪魔いたします。
私はピンクフロイドについてはややうるさい方のおじさまであります。
このアルバムについては、まだ、CDでは聞いていません。
この記事を読んで慌ててYOUTUBEで聞きました。
この作品に関したは過去の作品と比べるとあまり良くない評価になるのでしょうが、この作品だけを純粋に楽しんだら良いのではなかろうか。
私は、ぜひ購入していい音で聞きたいと思いましたよ。

投稿: jamken | 2014年12月 6日 (土) 20時48分

>jamkenさん
おお!ピンクフロイドに詳しい方の書き込みありがとうございます。拙いCD評ですいません(^^;;
個人的にはこのアルバムはアルバムで、とても楽しめたアルバムでした。
音もすごくよかったですし、こういうアルバムこそハイレゾで聴くべきなのかもしれませんね!

投稿: ゆういち | 2014年12月21日 (日) 21時45分

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