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2014年11月11日 (火)

メジャーデビューで新たな一歩

Title:笑うな
Musician:在日ファンク

在日ファンクのニューアルバムはメジャーデビュー作となる新作。いままでの作品はインディーズからのリリースだったんですか、とちょっと意外な感じもしたのですが(^^;;ここ最近、あまりメジャーとインディーズの差が完全になくなっているので・・・。

ご存じ在日ファンクはSAKEROCKのメンバーであり、俳優としても活躍中のハマケンこと浜野謙太が率いるファンクバンド。ジェイムス・ブラウン直系のぶっといファンクチューンを鳴らしながらも、大きな特徴となっているのが、日本語をファンクのリズムにのせているスタイル。響きがファンキーな「言葉」を、歌詞としては全くマッチしていなくても無理やり歌詞にしてしまうスタイルが非常のユーモラス。いままでも「きず」「ダンボール肉まん」など、歌詞の内容は二の次。あくまでも言葉の響きだけを重視してファンクなリズムにのせたスタイルが特徴的でした。

今回のアルバムでも、そんな言葉の響きだけを重視したようなユーモラスな歌詞も見受けられます。「産むマシーン」(昔、バカな政治家が女性を差して表現した「産む機械」から来ているんでしょうね)なんて曲が、そんな在日ファンクらしい歌詞のチョイスといった感じでしょうか。「断固すいません」なんて歌詞も、あくまでも言葉の響きを重視したセレクトと言えるでしょう。

ただ一方で今回のアルバムでは、日本語の歌詞をファンクなリズムにのせつつ、歌詞に意味を持たせた楽曲が増えたように思います。この傾向は、前作「連絡」でも垣間見れましたが、その方向性が今回のアルバムではより強くなったように感じました。

例えば「不甲斐ない」では内省的な歌詞が印象的ですし、「パラシュート」も、「パラシュート」という言葉の響きを重視しながらも、どこか厳しい現実と重ね合わせたような歌詞が印象に残ります。なによりタイトルチューンである「笑うな」も、恋人へのメッセージという、歌詞の内容が明確な曲になっています。

その結果、確かにインパクトという側面を見た限りでは若干薄まったという印象は否めません。インパクトとユーモラスさという意味では間違いなく「ダンボール肉まん」のような、意味より響き重視のような曲の方が上回るからです。ただ一方で、在日ファンクの音楽のスタイルはある意味ジェイムス・ブラウンのファンク路線の一本調子。簡単に「マンネリ」に陥ってしまいますし、実際、ここ最近の彼らには若干「マンネリ」の影が見え隠れしていました。

そんな中、歌詞に「響き」だけではなく「意味」を持たせたことによりその音楽の幅はグッと広がる可能性を見せました。その結果インパクトを若干失ったとしても、彼らが次の一歩に進むためにはこの路線は避けられなかったのではないでしょうか。もし今後、歌詞の意味を持たせつつ、ファンキーな響きやユーモラスさも兼ね備えた曲を産みだせば、彼らの可能性はさらに広がるでしょう。そして本作は、そんな彼らの新たな可能性の一歩を踏み出した作品のように感じました。

メジャーへフィールドをうつした在日ファンク。インディーとメジャーの垣根がなくなった今ですが、それでもメジャーシーンでこれだけ図太いファンクサウンドが聴けるというのはうれしい話。これからもますますの活躍を期待したいところです。

評価:★★★★★

在日ファンク 過去の作品
在日ファンク
爆弾こわい
ベスト・オブ・在日ファンク~覗いてごらん見てごらん~

連絡

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