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2014年11月 1日 (土)

タブラの魅力が伝わる

Title:TABLA ROCK MOUNTAIN
Musician:U-zhaan

数多くのミュージシャンたちとのセッションを重ねるタブラ奏者のU-zhaan。その名前は以前から知っていましたが、その存在を強く意識したのは、昨年秋に出かけた野外音楽フェス「ピーストライブ」で彼のステージを見てからでした。タブラの演奏のすばらしさもさることながら、そのトークのおもしろさにも惹かれ、さらに自宅に戻ってから見た彼の公式サイトのQ&Aコーナーのユニークな回答やTwitterのおもしろいツイートの数々のすっかりはまってしまい、ファンになってしまいました。

本作はそんな彼がはじめてリリースした単独ソロ名義でのアルバム。タブラという日本では決してメジャーではない、それもリズム楽器の奏者がソロでのアルバムでのリリースすること自体、U-zhaanのなにげない人気の高さを感じます。ただそれ以上に、今回9曲中、イントロ的な1曲目を除いてすべて他のミュージシャンとのコラボを行っているのですが、その豪華さと幅広さに驚かされます。環ROYと鎮座DOPENESSからなるHIP HOPユニットKAKATOやハナレグミ、さらには坂本龍一やcorneliusまで。これも彼の幅広い交流を物語るコラボとなっています。

基本的に歌、打ち込み、ギターなどとタブラの組み合わせによる演奏なのですが、HIP HOPやらエレクトロミュージックやらポップやら、コラボによって様々な作風の曲が並んでいます。ただU-zhaanのアルバムなのに、どの曲もタブラの演奏が前に出すぎることがなく、あくまでもリズム楽器としての伴奏に徹しています。KAKATOとのコラボ「Tabla'n'Rap」ではやはりラップが目立ちますし、ハナレグミとのコラボ「俺の小宇宙」でもハナレグミの歌がまず耳に残ります。一方、栗コーダーカルテット顔負けの脱力カバー「Technopolis」では、ピアニカを吹く教授の傍ら、U-zhaanはアルトホルンを吹いており、もはやタブラは鳴ってすらいません(^^;;

そんな訳でさらっと聞き流してしまうと、下手すれば「タブラ?ああ、そういえばビヨンビヨン鳴っていたような・・・」みたいなことにもなりかねない作品・・・なのですが、意識的に聴けば、これがまた実に魅力的なタブラの音色がしっかりと鳴っていることに気がつきます。リズム楽器でありながらも、微妙な音階もあり、その音色はまるで歌のよう。コラボ相手の魅力を殺さないように絶妙にならされるそのリズムも実に見事。間違いなくタブラ奏者U-zhaanのアルバムとして、タブラという楽器の魅力がしっかりと伝わってきます。

そして一方で感じるタブラという楽器の様々な音楽との相性の良さ。HIP HOPにもエレクトロにもポップにも、その音色をちゃんと合わせることが出来るあたりが、タブラという楽器の懐の深さを感じます。また一方、インド楽器としてそれなりに癖のある楽器のはずなのですが、様々な音楽とちゃんとマッチさせることが出来るあたりはU-zhaanの実力なのかもしれません。

ちなみに本編ラストを飾るのは「Raga Mishra Kafi」という北インドの伝統音楽だそうで、最後はインド音楽で締めくくり、タブラの本領発揮といったところ。ここでももちろんしっかりとタブラの魅力を発揮しています。ちゃんとインド音楽で最後を締めるあたり、なかなかにくい構成ですね。

そんな訳で、様々な角度からタブラの魅力とU-zhaanの実力を感じることが出来るアルバムでした。Twitterや公式サイトの文章からファンになりましたが、その音楽ももちろんとても魅力的。ますますファンになってしまった1枚でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Spark Plug/クレイジーケンバンド

一時期、ニューアルバムが最高傑作と言われ勢いがあったクレイジーケンバンドですが、ここ数作、ちょっとブレーキ気味。残念ながら本作に関してもその傾向が続いてしまった印象。1曲1曲、楽曲としてのクオリティーは文句なしなはずなのですが、アルバム全体として、いまひとつ印象に残らない内容に。全体的に楽曲が、歌詞にしろメロにしろアレンジにしろマンネリ気味なのが大きな理由のような。

評価:★★★★

クレイジーケンバンド 過去の作品
ZERO
ガール!ガール!ガール!
CRAZY KEN BAND BEST 鶴
CRAZY KEN BAND BEST 亀

MINT CONDITION
Single Collection/P-VINE YEARS
ITALIAN GARDEN
FLYING SAUCER
フリー・ソウル・クレイジー・ケン・バンド

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