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2014年11月

2014年11月30日 (日)

期待の2作目だが・・・

Title:猛烈リトミック
Musician:赤い公園

個人的に今、最も注目しているバンドの一組、赤い公園。メジャーデビュー後、初のフルアルバムとなった「公園デビュー」は、2013年の私的ベストの第10位に入れるくらいはまったアルバムである一方、メロディーにしてもサウンドにしても、もうあとひとひねりあればさらにおもしろくなるのに・・・と惜しくも感じたアルバムでした。逆に言えばそれだけまだまだ伸びる余地を感じたアルバムでした。

この「惜しい」あるいは「完成していない」余白の部分が、この2作目ではどのように展開していくのか楽しみにしていたのですが、残念ながら今回のアルバムではこの余白の部分が、若干マイナス方向に振れてしまったように感じました。

その残念に感じた一番の要因はメロディーライン。もともとポップ性の強いメロディーを書いてくる彼女たちですが、今回のアルバムはよりメロディーのポピュラリティーが増したように思います。ただその結果、メロディーのインパクトは強いものの、早く飽きが来てしまうような・・・要するにベタさを感じるものになってしまったように思います。

例えばアルバムの冒頭を飾る「NOW ON AIR」は、最初のノイジーなバンドサウンドにピアノの音が重なる出だしの展開はかなり期待できるスタートだったのですが、メロディーが、特にサビのその前の展開がかなりベタ。インパクトはあるもののあまりおもしろみを感じません。

その後も「絶対的な関係」ではダイナミックなロックを展開したかと思えば「108」ではファンキーなリズムを、といった具合に赤い公園らしい様々な音楽的要素をつめこんだ展開が非常におもしろく感じられる一方で、メロディーに関してはもうひとひねり欲しいよなぁ、と感じてしまうような曲が並んでいました。

ただそんないまひとつだった前半に比べてグッとおもしろくなるのが後半戦。ちょっとしんみり幻想的なスタートから、サビのサイケなサウンドへの展開がおもしろい「ドライフラワー」や、複雑なリズムを聴かせつつもメロはポップでまとめあげている「ひつじ屋さん」など赤い公園の本領発揮といった曲が並んでいます。

メロディーも、かわいらしいポップの「楽しい」やちょっと歌謡曲っぽい哀愁が加わった「お留守番」などインパクト重視の前半と比べるとグッとおもしろさが増したように感じます。

これはかなり勝手な推測なのですが、アルバムの前半は、少々インパクトあるメロで売りに走ってしまったのかなぁ、なんてことも考えてしまいました。前作「公園デビュー」はオリコン最高位27位。ブレイクにあと一歩という位置だっただけに本作では・・・という意思が働いてしまったのかもしれません。

そんな訳で前作同様「惜しい」アルバムだったのですが、残念ながらその惜しさが、「さらなる傑作を産みだせるのに」と感じた前作と違って、「もうちょっとで傑作となったのに」という段階に後退してしまいました。間違いなくいいバンドだと思うんですけどね。次回作に期待!

評価:★★★★

赤い公園 過去の作品
透明なのか黒なのか
ランドリーで漂白を
公園デビュー


ほかに聴いたアルバム

RAMPANT/KEMURI

2007年に解散を発表したものの、2012年に「AIR JAM」への参加と同時に再結成を果たしたスカパンクバンド。活動再開後2枚目のアルバムですが、前作は未聴なので個人的にはかなり久しぶりに聴いたKEMURIの最新作。相変わらずのスカパンクはKEMURI節ともいえる感じで安定感があります。ダビーな曲やスカというよりもシンプルなギターロック風の曲もあったりして、ベテランの彼ららしい懐の深さも感じます。

評価:★★★★

KEMURI 過去の作品
ALIVE Live Tracks from The Last Tour "our PMA 1995-2007"

evergreen/秦基博

秦基博の弾き語りベスト。彼の代表曲をほぼアコースティックギター1本での弾き語りでカバーしている作品。決して派手ではない彼の曲が、アコギ1本でのカバーとなり、より「地味」になっているものの、それでもしっかり耳に残り心に響いてくるメロディーに、秦基博のメロディーメイカーとしての実力を感じさせます。彼の曲が、ある意味「裸一貫」になったことにより、より魅力的に映えたベスト盤だったと思います。

評価:★★★★★

秦基博 過去の作品
コントラスト
ALRIGHT
BEST OF GREEN MIND '09
Documentary
Signed POP
ひとみみぼれ

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2014年11月29日 (土)

あと一歩・・・なのかなぁ・・・。

Title:魅力がすごいよ
Musician:ゲスの極み乙女。

男性2人+女性2人組バンド、ゲスの極み乙女。今、もっとも注目を集めているバンドの一組で、メジャーから初のフルアルバムとなった本作は、アルバムチャートでも4位を記録するなどブレイクを記録しています。

このサイトでも何度か彼らのアルバムは紹介していますが、いままでのアルバムに関しても、正直、いいアルバムだとは思いつつ、個人的にどこかはまれない、悪い意味でのひっかかりを感じていました。そして、そんな印象は残念ながらこのアルバムでも引き続き感じてしまいました。

自称「ヒップホッププログレバンド」という彼らのスタイルは、かなりユニークで凝ったものに感じます。先行シングルとなった「猟奇的なキスを私にして」みたいにインパクトあるポップソングを書きつつも、「アソビ」のようなアバンギャルドさを感じさせる凝ったアレンジも同時に聴かせるユニークさ。ちょっとジャズのテイストを感じる「星降る夜に花束を」やファンキーさを垣間見せる「サリーマリー」など、要所要所に感じるブラックミュージックの要素もまたユニークに感じます。

そんな中、私が彼らにいまひとつはまれない要因が、どこか彼らの音楽から感じるような醒めたような感覚。歌詞にしてもどこか斜めからの視点、というのが大きな要因でした。そして今回のアルバムで加えて感じたのは、全体的に感じる中途半端さでした。

確かにヒットチャートで勝負できるだけのポップなメロを書けるバンドですがそれだけで勝負するにはもうちょっとインパクトがほしい感じ。アレンジにしても凝っておもしろいといえばおもしろいのですが、それだけでゾクゾクと来るほどの感覚は残念ながらありません。加えて今回のアルバムは、以前のアルバムでどこか聴いたような・・・といったイメージも抱いてしまいました。「HIP HOP」の要素も軽くラップを入れている程度で決して本格的ではありません。

そこで感じてしまうのは、じゃあ彼らが一番やりたい要素はなに?ということ。どうもその彼らの音楽が目指す「核」みたいな部分が薄いように思いました。ただ、この彼らの「本当にやりたいこと」という意思の薄さが、楽曲全体から感じる醒めた姿勢につながっているようにも感じます。そしてそれが私にとって彼らの音楽にいまひとつはまれない大きな理由のようにも感じました。

ただ、だからといって低い評価を下すには惜しいだけの「いいアルバム」であることは間違いないんだよなぁ。そういう意味では個人的にすごくもどかしさを感じるアルバムでした。ある意味、いかにも「いまどき」のバンドなのかもしれませんが・・・。

評価:★★★★

ゲスの極み乙女。 過去の作品
踊れないなら、ゲスになってしまえよ
みんなノーマル


ほかに聴いたアルバム

LIVE with SOAPLANDERS 2013~2014/前野健太

前野健太初のライブアルバム。ジム・オルークや石橋英子といった豪華メンバーから結成されたソープランダーズとのライブの模様を収録した1枚。録音状態は結構荒く、それがライブの臨場感を伝えている感じ。前野健太の楽曲は、シンプルなポップソングと思いきや、その中に感じられる一種独特のエグ味みたいなものが魅力ですが、今回のライブ盤では荒い雰囲気ゆえに、そのエグ味が雑味みたいに感じられてしまった感じが。収録曲的にはベスト盤的な内容ですが、初心者としてはスタジオ録音盤から入った方がいいかも。

評価:★★★

前野健太 過去の作品
オレらは肉の歩く朝
ハッピーランチ

LIGHT/SPECIAL OTHERS ACOUSTIC

インストジャムバンドSPECIAL OTHERSが、アコースティック編成となってリリースしたニューアルバム。SPECAIL OTHERSの曲をアコースティックにカバーした曲もあり、暖かい雰囲気で、どこか切ないメロディーのポップにまとめあげています。これからの寒い季節にもピッタリな、心が暖まるような作品です。

評価:★★★★★

SPECIAL OTHERS 過去の作品
QUEST
PB
THE GUIDE
SPECIAL OTHERS
Have a Nice Day
Live at 日本武道館 130629~SPE SUMMIT 2013~

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2014年11月28日 (金)

女王、貫録のカバー

Title:Aretha Franklin Sings the Great Diva Classics
Musician:Aretha Franklin

「クイーン・オブ・ソウル」の異名を持ち、アメリカの音楽誌「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」では1位を獲得するなど高い評価と絶大な支持を得ているソウルミュージシャン、アレサ・フランクリン。その彼女の3年半ぶりとなるアルバムがリリースされました。今回のアルバムはカバーアルバム。それもタイトル通り、女性ミュージシャンが歌ったスタンダードナンバーをカバーした作品になっています。

ただ、このスタンダードカバーの選曲がなかなかおもしろい感じ。エタ・ジェイムスの「At Last」やダイナ・ワシントンの「Teach Me Tonight」などの彼女にとっての敬愛すべき諸先輩方のカバーも収録されている一方、ディスコクラシックの「I Will Survive」のカバーなんて、ソウルミュージシャンというイメージからするとかなり意外なセレクト。そしてそれ以上にビックリしたのはアリシア・キーズの「No One」やアデルの「Rolling In The Deep」なんていう最近のヒット曲をカバーしてきたことでした。

特にアデルの「Rolling In The Deep」は、低音部からスタートする歌い出しにゾクゾクくるようなカバーになっていて「小娘もなかなかやるけど、まだまだね」なんて感じの女王からのメッセージが伝わってくるよう・・・。これって日本で例えれば美空ひばりがaikoや椎名林檎や宇多田ヒカルのカバーをするようなもんだよなぁ・・・カバーされた方が恐縮しちゃうそう(笑)。

もっとも、そのボーカルはやはり昔と比べてしまうと厳しい側面もチラホラ感じてしまうのも事実。まあ彼女も御年72歳。その年齢を考えると十分すぎるほど声量は出ている、ともいえるかもしれませんが、高音部に関してはちょっと厳しいように思いました。声はそれなりに出てくるのですが、声に艶がなくなってしまってちょっと平坦になってしまったように思います。

その分、低音部に関してはいまだにゾクゾクするような迫力は十分に感じることが出来、「クイーン・オブ・ソウル」としての貫録を垣間見ることが出来ました。緩急つけたボーカルや微妙な表現力などもさすが。ここらへん、ただ声量だけで押し切るような自称ディーバたちとの格の違いを感じます。上にも書いた通り、「Rolling In The Deep」の出だしなんて、まさに女王健在を感じられ、ゾクゾクとするものを感じてしまいます(もっともアデルも十分すぎるほど素晴らしいミュージシャンですが)。

そんな感じで、失礼ながらも「寄る年波には・・・」な部分があるのは否めないのですが、一方ではちゃんと「クイーン・オブ・ソウル」としての実力を感じることが出来たカバーアルバムだったと思います。ファンなら十分満足できるアルバムだったのではないでしょうか。ただ、アレサ・フランクリンって誰?アレサ・フランクリン、はじめて聴くけど・・・みたいな方ははじめて聴くアルバムとしてはちょっとお勧めできませんが・・・。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

Prism/Katy Perry

デビュー当初のイメージからはかなりおとなしくなった印象もありますが、相変わらず元気なガールズポップといった印象のアメリカのシンガーソングライターの3枚目。4つ打ちを使ったリズミカルな作品が多く、結果、インパクトはあるもののちょっと平坦な印象も。国内盤18曲入り70分強という内容は、さすがに長すぎでちょっとダレた・・・。

評価:★★★

Katy Perry 過去の作品
One Of The Boy
Teenage Dream

Wenu Wenu/Omar Souleyman

ちょっと怪しげなジャケが特徴的な彼は、シリアのテクノミュージシャン。「1994年に活動開始してからシリア特有の民族舞踊であるダブケをダンス・ミュージックに昇華させたシリア音楽界の伝説と呼ばれている。」(Wikipediaより)だそうです。中東風のメロに、非常に強いビートのテクノサウンドが載るのですが、この打ち込みのビートが非常にチープ。ただ、このチープさが妙に中毒性があって、何度も何度も聴きかえしたくなる不思議な魅力があります。一度体験してほしい、強烈なリズムです。

評価:★★★★★

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2014年11月27日 (木)

今週はイギリスのアイドルグループ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週1位は、日本でも人気のイギリスのアイドルグループが獲得しました。

今週1位はONE DIRECTION「Four」が獲得。タイトル通り4枚目となるオリジナルアルバムで、全英チャートでも見事1位を獲得しています。初動売上6万7千枚は前作「Midnight Memories」(2位)から横バイ。初の1位獲得となりましたが、人気の方は一段落した印象。

2位は西野カナ「with LOVE」がワンランクダウンながらもこの位置をキープしています。

3位初登場は氷川きよし「演歌名曲コレクション20 ~ちょいと気まぐれ渡り鳥~」。演歌の名曲をカバーした「演歌名曲コレクション」シリーズの新作。初動売上2万2千枚は前作「演歌名曲コレクション19~満天の瞳~」の2万9千枚(4位)よりダウン。

続いて4位以下の初登場ですが、4位に吉井和哉「ヨシー・ファンクJr.~此レガ原点!!~」がランクインです。かなりそのまんまなサブタイトルですが、吉井和哉の原点ともいえる楽曲、歌謡曲をカバーしたアルバムで、美空ひばりの「真っ赤な太陽」や森進一の「襟裳岬」など、まあイエモンも歌謡曲テイストが強いバンドだったのでなにげにさほど意外性はないのですが、それでもこれだけ昔ながらの歌謡曲ばかりカバーしたアルバムをリリースしてくるのは大胆な感じもします。

7位にはPINK FLOYD「永遠(TOWA)」がランクインです。ご存じ「狂気」や「原子心母」といったロック史を代表する名盤でおなじみのプログレッシブ・バンドの代表的なバンドの20年ぶりとなるニューアルバム。2008年に急逝したメンバーのリチャード・ライトに捧げたアルバムで、これが彼らにとってラストアルバムとなることを公言しています。ベスト10入りは、その20年前のアルバム「対(TSUI)」以来。初動売上は1万1千枚。20年前の「対(TSUI)」は初動2万枚(7位)で大幅減とはいえ、94年といえばJ-POP全盛期の頃で、CDもバンバン売れていた時代。その頃と比べて、この程度の減少というのは逆に、ピンク・フロイドの根強い人気を感じます。

8位にはDOBERMAN INFINITY「#PRLG」が入ってきました。もともとはDOBERMAN INCとして活動していたHIP HOPユニットが、新メンバーを加えてミュージシャン名も変更。初のベスト10ヒットとなりました。もともとEXILEの事務所、LDHに所属し、ミュージシャン名をかえるにあたり、劇団EXILEのメンバーであるSWAYや「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4」のファイナリストKAZUKIを加入させるなど大幅なテコ入れを行った結果、見事ベスト10入りを果たしています。

最後9位初登場はロックバンドACIDMAN「有と無」。ベスト10入りは2011年のベストアルバム「Second line & Acoustic collection」、オリジナルアルバムでは2009年の「A beautiful greed」以来。ただし初動売上9千枚は前作「新世界」の1万2千枚(11位)よりダウンしています。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2014年11月26日 (水)

ミスチルの連続1位記録が・・・

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

1993年の「Innocent World」から30作連続1位記録を続けるMr.Children。今週のシングルチャートはそのミスチルの新譜「足音~Be Strong」がチャートインしてくる一方、ジャニーズ系Sexy Zone「君にHITOMEBORE」もチャートインしてきており、ミスチル連続1位記録、ついにとだえるか、ということで一部で話題となりました。

結果、1位はSexy-Zone33万6千枚、2位ミスチル11万4千枚と予想通りの大差でSexy-Zoneが1位獲得となりました。ただしSexy-Zoneは一般流通5種+通販限定盤3種+MUSIC CARD12種というなりふり構わない複数枚買い戦略に対してミスチルは初回盤すらない1種リリース。ミスチルはシングルとしては2012年の「祈り~涙の軌道」以来なのですが、ここ数年はシングルの主軸は配信限定にシフト。もうミスチル本人たちも、CDでのシングルリリースにも、なによりシングルチャートにも全く興味がないのでしょう。ちなみに今週3位にはEXILE TRIBE「THE REVOLUTION」がベスト10圏外から返り咲いていますが、こちらもCDにライブチケットを同時につけた戦略で、再々公演分のチケット販売に伴う返り咲きという楽曲自体には何の関連もない結果。そういう意味でも今週のベスト3は、今のシングルチャートが既に死に体であることをこれでもかというほど表した結果となりました。

Sexy Zoneはテレビ朝日系ドラマ「黒服物語」主題歌。前作「男 never give up」の12万5千枚(1位)からの大幅増加は前述のなりふり構わない複数枚買い戦略による要素が強いからでしょう。一方ミスチルはフジテレビ系ドラマ「信長協奏曲」主題歌。楽曲はミスチルらしいミディアムチューンなのですが、いつも以上にバンド色が強くなった感じ。本作は初のセルフプロデュース作品だそうで、その影響でしょうか。ちなみに前作は初動17万4千枚(1位)で、こちらからはダウンしています。

続いて4位以下初登場ですが、まずはアイドル系が2曲。4位にハロプロ系アイドルグループ℃-ute「I miss you」、7位にはEXILE系の女性アイドルグループでE-girlsのメンバーでもあるHappiness「Seek A Light」がそれぞれランクイン。℃-uteはゴシックっぽい雰囲気が怪しげなナンバー。初動6万枚で前作「The Power」の5万5千枚(3位)からアップ。Happinessは特に特色もないエレクトロポップ。初動2万6千枚は前作「JUICY LOVE」(7位)から横バイ。偶然ながらこれで3作連続の7位となっています。本作もお得意のMUSIC CARD8種のドーピング付。

今週は韓流も2作。5位に防弾少年団「Danger」、6位にINFINITE F「恋のサイン」がそれぞれランクイン。どちらも男性アイドルグループ。防弾少年団は一応「HIP HOPグループ」という売りで、楽曲もラップからスタートするのですが、サビになると普通のK-POPになっちゃう点に限界を感じます。初動4万9千枚は前作「BOY IN LUV」の4万2千枚(4位)からアップ。INFINITE Fは、INFINITEからのスピンオフユニット。これが日本デビュー作。初動売上は3万1千枚で、INFINITEとしての直近作「Last Romeo~君がいればいい~」の4万7千枚(2位)からはダウンしています。

そして8位にはビジュアル系。己龍「天照」。タイトルは「あまてらす」で、和風イメージの楽曲。ただPVはどこか「江戸時代」っぽい感じでアマテラス関係ないし。まあ、「和風」っぽければいいのかな。初動1万9千枚は前作「愛怨忌焔」の1万5千枚(9位)からアップ。

最後9位10位にはアニソンがらみが2曲並んでいます。9位にはEGOIST「Fallen」。フジテレビ系アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 2」エンディングテーマ。もともとアニメ「ギルティクラウン」に登場する架空のミュージシャンだったのですが、アニメ終了後も活動を続けています。こちらはデジタルロックがなかなかかっこいいナンバー。

そして10位には梶浦由記プロデュースによるボーカルユニットKalafina「believe」が入ってきています。こちらはアニメ「Fate/stay night」エンディング・テーマ。初動1万7千枚は前作「heavenly blue」の7千枚(15位)から大幅アップ。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2014年11月25日 (火)

話題の新人バンド2組

今回取り上げるのは、最近、よく話題となる期待の新人バンド2組です。どちらも今回、はじめてアルバムを聴いてみたミュージシャンです。

Title:ARIKANASHIKA
Musician:SAKANAMON

Fishmans、サカナクション、アナログフィッシュに続くお魚バンド(???)、SAKANAMONの6曲入りのミニアルバム。これがメジャーデビュー作となるそうです。2月にリリースしたアルバム「INSUROCK」がチャートで17位に入ってくるなど、着実に人気を確保しています。

ただ、楽曲的には最近比較的よくいるタイプのギターロックバンド。四つ打ちサウンドやらパンクやらの要素を上手く取り入れつつ、メロディーはちょっと和風な雰囲気を醸し出すメロディアスなもの。それなりにインパクトがありこなれた印象を受けるメロディーを書いていますが、正直なところ真新しさみたいなものはありません。

ユニークなのは歌詞の方で、母親が選ぶ微妙なチョイスを歌にした「マザーラインナップ」や、ゴキブリをテーマとした「害虫」など、あるある的なネタを入れつつもユーモラスな歌詞が耳をひきます。ただ、この点も歌詞は非常にユーモラスなものの、耳に残るワンフレーズみたいなものがなく、楽曲を聴いていると場合によってはサラッと流されそうな気配もあります。もうちょっとリスナーの耳をつかむようなワンフレーズがほしいところのようにも思います。

総じていうと、メロにしろ歌詞にしろセンスや実力は感じられるものの、もうひとひねり、一工夫がほしいな、と感じるようなアルバム。逆にそれだけ伸びしろがあるだけに、これからが楽しみといった感じでしょうか。これからの活躍に注目したいところでしょう。

評価:★★★★

Title:inトーキョーシティ
Musician:グッドモーニングアメリカ

こちらはグドモの愛称で知られる4人組ロックバンド。このアルバムにも収録されている「拝啓、ツラツストラ」がアニメ「ドラゴンボール改」のエンディングというタイアップ効果もありシングルチャートでベスト10入り。続くこのアルバムもベスト10入りを果たしました。

楽曲は、全般はパンキッシュなサウンドも目立つロック色が強いアレンジ。逆に後半はシンセが目立つロック色の薄い楽曲になっています。ただ、アルバム全体に貫かれているのは、とことん爽やかで明るいポップなメロディー。この元気の出るポップソングという路線が、彼らの大きな特徴となっています。

そんなメロディーはいかにもJ-POPといった感じで、耳に残るインパクトがある一方、キャッチーでルーツレスなメロは、いい意味でも悪い意味でも「売れ線」といった印象があります。シンセを多用したアレンジを含めて、基本的にはストイックな本格派ギターロックバンド、というよりはポップスロックのバンドといった印象。その分、裾野広く、ファン層が広がりそうな予感もありますが。

彼らもまだまだ伸びしろがあって、十分成長しそうな予感もします。個人的には「バンドサウンド」よりも「メロディー」を売りに出来そうなバンドなだけに、その部分でもっともっとはじけてほしいな、と思うのですが。こちらもこれからの活躍に注目でしょう。

評価:★★★★

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2014年11月24日 (月)

あいかわらずの彼ら

Title:OPPOTUNITY
Musician:The Mirraz

非常に個性的で、今のロックシーンの中で頭がひとつもふたつも出ているバンド・・・・・・といった印象は正直彼らにはないんですけどね(^^;;ロックバンドThe Mirrazの新譜。ただ、個人的にどうしても彼らに注目せざるを得ないのが、その歌詞のスタンス。とにかく彼ら、というかボーカルの畠山承平の書く歌詞は若々しい。若い世代らしい世間への反発心というか、若者らしい焦燥感というか、いかにも若者らしい歌詞を書いています・・・

・・・・・・って思ってWikipediaで彼らっていくつなのかなぁ、って調べたら、畠山承平って、もう34歳なんじゃん!若者どころかもうおじさんじゃん!

うーん、ただこれってなんとなく納得しちゃうなぁ。これはオジサン的な視点からの意見かもしれないけど、最近の若いバンドって、中2病的に自我を必要以上に肥大させているか、世間に対して妙に醒めているバンドが多く、オジサンとしてはもうちょっと世の中に対して熱くなってほしいんですよ!と思ってしまいます。

そんな観点からすると、彼らは妙に熱い!例えば「O!M!!G!!!」では

「CD 売るにも握手会! あの手この手で結果は拍手かい?
音楽売るってこういうことかい?
夢を売るってそういうことかい?」

(「O!M!!G!!!」より 作詞 畠山承平)

なんていう今の音楽シーン(特にアイドル勢のCDの売り方)に対する強烈な批判を歌っていて、こういう部分、非常に熱さを感じますし、恋愛に関しても

「世界一キレイなもの それは目の前にある
それが言いたくて作った歌
世界一キレイな歌とは言えないけど
例えば君っていうか君
そう君が世界一キレイだと僕は思うんだ
思うんだ 思うんだ 思うんだ 思うんだ 思うんだ」

(「世界一キレイなもの」より 作詞 畠山承平)

と、これまた強烈かつストレートな熱い思いを曲に載せています。

こういう妙に熱い歌を歌うやつって結構好きで、特にここ最近、妙に醒めた若いバンドをみると、この手のバンドがうれしくなってきちゃうんですが、これも私がすっかりオジサンになってしまったことから生じる世代ギャップなのかなぁ。

ただ一方、歌詞に比べると物足りなさを感じてしまったのがメロやサウンドの部分。The Mirrazは早口でまくしたてるハイテンポでパンキッシュなサウンドが特徴的なのですが、どれもそれもこのパターンばかりで、正直ちょっと飽きてきたという印象を強く抱いてしまいました。ここらへん、確かに熱い歌詞を載せるのにピッタリな熱いサウンドかもしれないけど、もうちょっとバリエーションがほしかったなぁ。

そんな訳で、オジサン世代としては応援したくなってしまう熱いバンドである彼ら。ただ一方で、似たようなタイプの曲が多く、そろそろバンドとしてもうひとつ壁を超えてほしいような印象も抱いてしまったアルバムでした。

評価:★★★★

The Mirraz 過去の作品
We are the fuck'n World
言いたいことはなくなった
選ばれてここに来たんじゃなく、選んでここに来たんだ
夏を好きになるための6の法則


ほかに聴いたアルバム

GUMBO INFERNO/ザ・クロマニヨンズ

ベスト盤やライブ盤のリリースが相次いでいただけに、正直「ひょっとして・・・」なんて予感もしていたのですが、無事にリリースされました、ザ・クロマニヨンズのニューアルバム。相変わらずシンプルなパンクロックに自動車やらダイナマイトやら蒸気機関車やら、いかにもなネタを題材としたシンプルな歌詞が特徴的。ある意味、シンプル・イズ・ベストを突き詰めた感があります。

ただ一方ではそんな中にもブルースやレゲエ、あるいは歌謡曲的な要素をしのびこませ、歌詞にしても「キスまでいける」「孤独の化身」など、シンプルなだけじゃない詩的表現の楽曲も目立ちました。決してシンプルだけじゃない、バンドとしての奥の深さを垣間見ることが出来るアルバムです。

評価:★★★★★

ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
Oi! Um bobo
ACE ROCKER
YETI vs CROMAGNON
ザ・クロマニヨンズ ツアー2013 イエティ対クロマニヨン
13 PEBBLES~Single Collection~
20 FLAKES~Coupling Collection~

FACE/80kidz

80kidzといえば、決して目新しさみたいなものはないものの、踊らさせることに焦点をあわせたロッキンエレクトロなサウンドが非常に心地よいユニット。今回のアルバムも「Egyptian Ravar」「Venge」など、そんな彼ららしいナンバーがちゃんと聴くことが出来ます。ただ、アルバム全体としては「Gen X」みたいなメロウな女性ボーカルを入れてきたり、「Into The Sun」のような中東風なエキゾチックなサウンドに仕上げてきたりとバラエティー豊富な内容に。ただその結果は中途半端。もともと、新しいタイプの音に挑戦というよりも王道で心地よいサウンドが特徴的な彼らなだけに、いろいろなタイプの曲を並べると、よくありがちなタイプの曲のカタログ的な内容に感じてしまいます。80kidzの「弱点」の部分が前に出てしまった感が。ちょっと残念なアルバムでした。

評価:★★★

80kidz 過去の作品
THIS IS MY SHIT
THIS IS MY WORKS
WEEKEND WARRIOR
TURBO TOWN
80:XX-01020304

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2014年11月23日 (日)

椎名林檎 IS BACK!

Title:日出処
Musician:椎名林檎

椎名林檎について、この所、一部でちょっとした話題になっています。以前、ここのサイトでも取り上げましたが、NHKのサッカーワールドカップ中継の主題歌になった「NIPPON」の歌詞が右翼的であることが賛否を巻き起こし、このアルバムも、ジャケット写真が日章旗を彷彿させるデザインであることが一部で話題となっています。

確かに、「NIPPON」の歌詞にしろこのジャケットにしろ、右寄りのイメージを抱かせる点は否定できないと思います。ただ、そこまで問題視する話かなぁ、というのは正直な感想。「NIPPON」の歌詞にしても、他の国の試合も中継される番組の主題歌としては決定的に配慮が足りず、その点は批判されても仕方ないとは思うものの、歌詞に深読みは可能とはいえ、「日本代表の応援歌」としては許容される範囲内だと思うし、ジャケットにしても、右翼的なモチーフを、「昔の日本」をイメージさせるための単なるアイコンに過ぎないと思います。

この程度の「右寄り」のアイコンが批判される傾向の方が、むしろ窮屈に感じてしまいます。ただ一方で、こういうアイテムでもおそらく10年くらい前なら何ら問題視されなかったと思うんですよね。こういう「右」をイメージさせるようなものがいろいろ言われちゃうのって、ヘイトスピーチに代表されるように、保守的、右翼的なものが排外主義にむすびついてしまっている今の現状があるからのように思います。そういう意味では椎名林檎の問題というよりも、「保守」に名を借りたような「排外主義」がはびこっている現状こそ、問題視すべき話ではないでしょうか。

そんな「雑音」が聴こえるようなアルバムだったのですが、その内容については文句なしの傑作に仕上がっていました。いい意味で椎名林檎らしさを感じる作品で、ともすれば全盛期に匹敵するような出来だったのでは?とすら思えるようなアルバムにだったと思います。

椎名林檎の魅力といえば、ロックサウンドをバリバリ奏でつつも、ホーンセッションや打ち込みなどを巧みに取り入れてくるサウンド、文語調で和風な歌詞をうまくメロディーにのせてくるセンス、そこらへんを含めてヒットチャートでも勝負できるほどのポップな雰囲気にまとめてくるようなバランス感覚の良さ、といったところでしょうか。今回のアルバムでもそんな魅力がいかんなく発揮されていたと思います。

「静かなる逆襲」ではホーンセッションを入れて賑やかにスタートしつつ、ギターサウンドを入れてロック的なダイナミズムを感じさせつつ、続く「自由への道連れ」でへヴィーなギターをガンガン鳴らすロックなナンバーに仕上げてきています。

「赤道を越えたら」などはまさに椎名林檎らしいムーディーな雰囲気の楽曲を聴かせてくれますし、ジャジーな「今」も雰囲気たっぷりに椎名林檎の色気の部分を感じることが出来ます。今回のアルバムでは、これらの曲も含め、椎名林檎の女性性の部分、色気の部分がより前に出てきたような、雰囲気を感じさせるような曲が目立ったような印象を受けました。

また、アルバム全体の構成や曲と曲のつながりも実によく考えられたアルバム。「静かな逆襲」から「自由への道連れ」の展開もスムーズかつ見事ですし、なにより「赤道を越えたら」から「JL005便で」の展開も見事。この展開があるからこそ、「JL005便で」の最初の打ち込みのサウンドと椎名林檎の声にゾクゾクするものを感じました。

良くも悪くも話題の「NIPPON」をはじめ、「カーネーション」「ありあまる富」などといった先行シングルが後半にまとまっているのも特徴的で、これって要するにアルバムの出来に、それだけ自信があった、ということの現れではないでしょうか。そんな自信も納得のアルバムだったと思います。

東京事変解散後初のソロアルバムということもあり、まさに、あのデビューしたころの椎名林檎が戻ってきた、とも言いたくなるような傑作アルバムだったと思います。なんだかんだいってもやはりすごいよ、彼女は。今後のソロ活動にも激しく期待したくなるアルバム。ただ、保守的なモチーフを用いすぎて、おかしな方向に行ってしまうことだけはないようにしてほしいのですが・・・。

評価:★★★★★

椎名林檎 過去の作品
私と放電
三文ゴシップ
蜜月抄
浮き名

逆輸入~港湾局~


ほかに聴いたアルバム

The Gospellers Now/ゴスペラーズ

ここ最近、アルバムではバラエティー富んだ作風を聴かせてくれているゴスペラーズ。本作でもかなりバラエティー富んだ作風が特徴的。お得意のアカペラでのR&Bナンバーはもちろん、マージービート風の作品や歌謡曲、シティポップな作品まで並んでいます。ただ、今回のアルバムに関しては、結果、少々散漫になってしまった印象が否めず。様々なジャンルに挑戦はしているものの、楽曲的にはいささか平凡な結果になっているように感じました。そして一番気になったのが、アレンジが正直ちょっとチープ・・・特にエレクトロサウンドに関しては、この点が気になってしまいました・・・。

評価:★★★

ゴスペラーズ 過去の作品
The Gospellers Works
Hurray!
Love Notes II
STEP FOR FIVE
ハモ騒動~The Gospellers Covers~

Brothers & Sisters/SOIL&"PIMP"SESSIONS

約3年ぶりとなるオリジナルアルバム。初回盤にはベストライブ音源を収録したDISC2がついてきて、今回、そちらも聴いてみたのですが、アグレッシブでぶっ壊れている感じが気持ちいいライブと比べると、オリジナルは良くも悪くも洗練した印象が。個人的にはライブ盤くらいぶっ壊れた方がおもしろいと思うのですが。

評価:★★★★

SOIL&"PIMP"SESSIONS 過去の作品
PLANET PIMP
SOIL&"PIMP"SESSIONS presents STONED PIRATES RADIO
MAGNETIC SOIL
"X"Chronicle of SOIL&"PIMP"SESSINS

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2014年11月22日 (土)

25周年のミニアルバム

Title:25
Musician:電気グルーヴ

ちょうど5年前、結成20周年を記念して「20」というアルバムをリリースした電気グルーヴですが、それからちょうど5年。今度は結成25周年を記念して「25」というミニアルバムをリリースしてきました。

このなんともいえないユニークな「やっつけ」感が電気グルーヴらしいとも言えるのですが、全6曲入りのミニアルバムである本作は、電気グルーヴらしさで卒なく壺を押さえた楽曲を収録しつつ、どうもボリューム不足感は否めないアルバムのように思いました。

確かに1曲1曲については、ちゃんと電気グルーヴらしさが出ている「名曲」といっていいナンバーが並んでいると思います。彼ららしい軽快でポップなテクノチューン「Baby's On Fire」からはじまって、ディスコソングの「A.C.I.D.I.S.C.O.」に、こちらも彼ららしい不条理ギャグの世界がさく裂した歌詞がインパクト大の「電気グルーヴ25周年の歌(駅前で先に待っとるばい)」「Pan!Pan!Pan!」と、ちゃんとリスナーが聴きたがるような電気グルーヴの壺を押さえた作品が並んでいるミニアルバムに仕上がっています。

ただ一方では無難にまとめられてしまって、わずか6曲(うち1曲はアウトロ的なインストナンバー)という長さもあり、ちょっと物足りなさも感じるアルバムだったのも事実。楽曲にしても、ここ最近の電気グルーヴの曲の再生産的な内容ですし、不条理ギャグ路線も、5年前に「20」というアルバムがリリースされていますし、正直あまり目新しさを感じません。「電気グルーヴ25周年の歌」も、ある種「電気グルーヴ20周年の歌」の焼回し的な内容ですし・・・(ただ、それを含めて電気グルーヴの「ギャグ」なのかもしれませんが)。

以前、ベストアルバムで「Due To Contract」(契約に従って)なんて人を食ったタイトルをつけた彼らですが、ひょっとしたら今回のアルバムこそ、リリース契約に従って出さざるを得なかったアルバムなのかなぁ、なんて疑ったりもしてしまいました。決して悪いアルバムではありません。ファンならばそれなりに満足できる出来に仕上がっています。ただ、料理に例えれば、あと一品欲しかったかな、と感じるような、ちょっと物足りなさが残ってしまったアルバムでした。個人的には「ピエール瀧の体操47歳」なんてのがDVD込で収録されていたら、その「あと一品」の満足は得られたように思うのですが(笑)。

評価:★★★★

電気グルーヴ 過去の作品
J-POP
YELLOW
20
ゴールデンヒッツ~Due To Contract
人間と動物


ほかに聴いたアルバム

FOLLOW THE DREAM/Overground Acoustic Underground

BRAHMANのメンバーを中心に結成されたアコースティックバンド、Overground Acoustic Undergroundのフルアルバムでは3枚目となる作品。アコースティックなシンプルなサウンドに、カントリー、ブルース、フォーク、ケルテッシュなどの要素を取り込んだ暖かいメロディーが印象的。いままでのアルバムと比べても特に目新しい新鮮さはないものの、純粋に楽曲の持つメロディーの良さ、サウンドの暖かさに惹かれる作品になっています。東日本大震災の後の日本を立て直す人たちについて歌った、郷愁感あふれる「朝焼けの歌」も非常に印象的。

評価:★★★★★

OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND 過去の作品
New Acoustic Tale
夢の跡

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2014年11月21日 (金)

King Of Stageは伊達じゃない!

RHYMESTER King Of Stage Vol.11 The R Relese Tour 2014

会場 Zepp Nagoya 日時 2014年11月9日(日)18:00~

King_of_stage11

今回、初となるRHYMESTERのワンマンライブ。彼らのライブは昨年、アルバム「ダーティーサイエンス」がリリースされた際に行われたミニライブイベントに参加したことはあるのですが、ワンマンライブに行くのはこの日がはじめて。「King Of Stage」の異名の通り、そのライブには定評のある彼らなだけに、この日はかなり楽しみにZepp Nagoyaまで足を運びました。

会場は満員・・・までは行かなかったもののそこそこの人の入り。HIP HOPミュージシャンのワンマンライブということで客層はどんな雰囲気だろう、と思ったら、意外と普段足を運ぶようなロック系と同じような客層でちょっと安心しました(^^;;

ライブはほぼ定刻通りにスタート。最初、ステージ前の貼られた薄い幕にメンバーの名前が映し出され、それに重なるようにMummy-Dのオープニングを飾るフリースタイルのラップが。そして幕が開き、「Walk This Way」からスタートしました。

その後は序盤からいきなりキラーチューンで盛り上がる盛り上がる。「ONCE AGAIN」「The Choice Is Yours」そして「K.U.F.U.」とライブで盛り上がりそうなナンバーを序盤から惜しげなく投入し、いきなり会場のテンションは最高潮となりました。

続くMCではDJ JINのDJスキルを紹介するコーナーに。ターンテーブルを上からカメラで映し出し、そのテクニックを披露するなど、なかなか興味深いコーナーになっていました。そのままDJ JINのスクラッチ技術にあわせて「Survivor」へと突入していきます。

さらにはここで、ベスト盤「The R」で、「ちょうどいい」「It's A New Day」のピアノセッションバージョンでそのメロウなピアノで共演したキーボーディスとのSWING-Oが登場!かなりド派手な眼鏡が特徴的だった彼との共演で、そのベスト盤収録の2曲、さらには「POP LIFE」をピアノセッションバージョンで聴かせてくれます。

で、ここで前半が終了。メンバーは一度ステージから下がります。すると、ステージ中央のモニターから、なにかどこかで見たことあるようなCMが・・・よくよく見ると、この日のツアーグッズをテレビCM風に紹介していたのですが、最初のパンフレットの紹介はディアゴスティーニのCMのパロ、続くパーカーやタオルの紹介は、プロアクティブのCMのパロ。いずれもメンバー本人が登場しており、かなり大笑いしてしまったVTRに仕上がっていました。

そして後半戦がスタート。後半1曲目は、まさにこのタイミングにふさわしい「そしてまた歌い出す」からスタート。その後は「Just Do It」「付和Ride On」とまたアップテンポなナンバーで会場を盛り上げます。

ここでRhymesterのライブではおなじみらしい「ミステリー」のコーナーに。ステージ真ん中にテーブルと椅子が用意され、宇多丸が東京でやっているラジオ番組「ウィークエンドシャッフル」の収録風に、DJ JINとのトークを繰り広げました。なぜかMummy-Dは「トイレ」ということでいなくなって、代わりに(?)「しゅうけいくん」なるロボットが登場し、AD役をつとめます。ラジオ番組らしく、東京都新宿区の山本仁さんからのリクエストという形で、そのまま「ほとんどビョーキ」が披露されました。

それに続くのは、この曲から一気に雰囲気がかわり「hands」に。児童虐待をテーマに歌った重いテーマの曲なのですが、この後のMCで曰く、「デビューから25年もたったからこそ、こういう曲も歌える」と言っていましたが、確かにこの曲は人生を積み重ねないと、なかなか歌えないテーマ。Rhymesterというユニットの底力を感じます。

そしてここからが終盤戦。再びSWING-Oが登場し、彼のピアノとのコラボで「グレートアマチュアリズム」、そして「ゆめのしま」へ。CDで聴いたアレンジに、彼のメロウなピアノが加わり、またちょっと違う味わいの曲になっていました(ただ、ちょっと「ゆめのしま」はアレンジ過剰だった気もするのですが)。さらに本編ラストは、ラストらしい「ラストヴァース」で締めくくります。

もちろんその後は盛大なアンコールが。アンコールでは「いままでが過去のRhymesterなら、アンコールは未来のRhymester」だそうで、新曲「Still Changing」と「Pain Killer」を披露してくれました。「Pain Killer」はあのKREVAプロデュースによるナンバー。なんでもアルバムの曲は既に半分くらい出来上がっているそうで、このツアーでも、曲目をかえて披露していくそうです。近いうちにリリースされるアルバムも非常に楽しいです!

そしてそして、ラストは待ってました!「最後はちょっと嫌な気持ちになって帰ってもらう」だそうですが(笑)、「余計なお世話だバカヤロウ」!ちゃんとライブで盛り上がる仕掛けもしてある曲なだけに、思いっきり「余計なお世話だバカヤロウ」と叫んできました。あ~気持ちよかった(笑)。

そんな訳で、ライブはアンコール込で2時間半。はじめてのRhymesterだったのですが、思いっきり楽しんできました!いやぁ、盛り上がりましたし、なによりカッコよかった!King Of Stageという異名は伊達じゃない、と実感したライブでした。

ただ、彼らのラップのスキルやDJプレイ、さらには楽曲の良さはさることながら、それ以上に非常に良く考えられ、構成されたステージのように感じました。要所要所に見せ場をつくりつつ、一方ではユーモラスで笑える部分も挟みつつ、MCもほどよく盛り上げて、前半と後半にわけることによりステージにメリハリをつくる・・・実によく考えられ、練られたステージに感じました。特にHIP HOPのステージは、楽器が並ぶロックのライブと比べると、ステージ上が寂しく、ちゃんとエンタテイメント性を入れないと、ステージに物足りなさを感じてしまうのですが、彼らのステージには全くそういう部分を感じませんでした。さすがです。

この日のライブはベスト盤「The R」リリース記念ということで、ほとんどが活動休止後の曲が並んでいました。これについても宇多丸が散々に「活動休止して、その後の曲だけで盛り上げられるのは世界の中に自分たちだけ」と言っていましたが、確かにその通り。本人たち曰く「常に挑戦し続ける」彼らだからこそ、ベテランでありながらもこういう最近の曲だけを並べたセットリストが可能になるのでしょう。

ここ最近、このライブに行くための予習としてRhymesterのアルバムを繰り返し聴いていたのですが、実は自分、いままで自分が思っていた以上にRhymesterが好きだ、ということに気が付いてしまったのですが(笑)、ライブに足を運んで、ますます好きになってしまいました。それだけ盛り上がった素晴らしいステージ。さすがKing Of Stage!とても充実した2時間半でした。

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2014年11月20日 (木)

女性ソロシンガーがズラリ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、上位に女性ソロシンガーのアルバムが目立つチャートとなりました。

まず1位は西野カナ「with LOVE」が獲得。前々作「Thank you,Love」以来2作ぶりの1位獲得。ただ、初動売上10万枚は、前作「Love Place」の16万7千枚(2位)より大きくダウン。直近にリリースされた2枚のベスト盤「Love Collection~mint~」「Love Collection~pink~」の14万7千枚(1位)、14万6千枚(2位)よりも大きくダウンし、厳しい結果となっています。

2位は倉木麻衣「MAI KURAKI BEST 151A -LOVE & HOPE-」がランクイン。デビューから15周年を記念してリリースされた本人3枚目のベスト盤。ミディアム&バラードナンバーメインの「LOVE」とアップテンポな曲メインの「HOPE」の2枚組からなる内容。初動売上は4万枚。直近作はオリジナルアルバムの「OVER THE RAINBOW」の初動2万9千枚(2位)で、こちらよりはアップ。ただし2009年にリリースされた、ベスト盤としての前作「ALL MY BEST」の13万7千枚(1位)よりは大幅ダウンとなりました。

・・・と、1位2位は女性ソロシンガーの曲が並んだ今週のチャート。初登場組ではもう1枚、4位に中島みゆき「問題集」。これが彼女40枚目(!)となるオリジナルアルバム。初動売上2万6千枚は、オリジナルとしての前作「常夜灯」の2万5千枚(4位)から微増。NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」主題歌でヒットを記録した「麦の唄」も収録されていますが、その効果は限定的だった模様。

他に今週は6位にTaylar Swift「1989」、10位に椎名林檎「日出処」がランクインされるなど、ベスト10のうち5枚が女性ソロシンガーというチャートとなっています。

さてベスト3に戻るとあと1枚初登場。3位に元KAT-TUNの赤西仁のソロミニアルバム「Mi Amor」がランクインしています。初動3万5千枚は前作「#JUSTJIN」の3万8千枚(3位)からダウン。ただし前作では、前々作「JAPONICANA」の初動売上6万9千枚から大きくダウンしていましたので、初動売上は下げ止まった模様。

初登場はあと1枚。8位にはJ-POPのカバーが話題となったアメリカ人ボーカリストChris Hart「Christmas Hearts」が入ってきました。タイトル通り、クリスマスソングを集めたカバーアルバムで、ドリカムの「雪のクリスマス」や桑田佳祐の「白い恋人達」、山下達郎の「クリスマス・イヴ」などJ-POPのほか、ワムの「ラスト・クリスマス」など洋楽の有名曲もカバーしています。初動売上1万5千枚は前作「Heart Song II」の3万8千枚(2位)よりダウンしています。さすがにちょっと飽きられてきた感が・・・・・・。

今週の初登場は以上ですが、返り咲き組が1枚。9位にNMB48「世界の中心は大阪や~なんば自治区~」がベスト50圏外から一気にランクアップしてきました。イベント参加券のついた「劇場版」の最終販売が行われた影響のようです。

そんな訳で今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2014年11月19日 (水)

ベスト10総入れ替え

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、ベスト10総入れ替えのチャートとなりました。

まず1位はKinki Kidsのニューシングル「鍵のない箱」がランクイン。これでデビュー以来34作連続の1位という記録を更新しています。マイナーコードの、卒のない歌謡ポップといった印象。初動売上は15万2千枚(1位)は前作「まだ涙にならない悲しみが」の17万8千枚よりダウン。

2位はBerryz工房「ロマンスを語って」が入ってきました。初動売上7万7千枚は前作「愛はいつも君の中に」の4万4千枚(4位)から大幅アップ。来年3月に無期限の活動休止に入るため、事実上のラストシングルとなった本作。大幅な売り上げ増はそのためでしょう。2位は自己最高位。どうせなら発売週を上手く狙って、1位獲得を目指せばよかったのに。

3位にはEXILEの事務所所属のアイドルグループFlower「秋風のアンサー」がランクイン。日テレ系ドラマ「ビンタ!~弁護士事務員ミノワが愛で解決します~」主題歌。初動4万1千枚は前作「熱帯魚の涙」の初動3万4千枚(5位)よりアップ。

続いて4位以下ですが、最初に書いた通り、すべてが初登場。まず4位初登場aiko「あたしの向こう」。フジテレビ系ドラマ「素敵な選TAXI」主題歌。サビの独特な節回しが彼女らしい爽快なポップチューン。初動売上4万1千枚は前作「君の隣」の3万6千枚(4位)よりアップ。ここ数作、下落傾向が続いていましたが、ドラマ主題歌というタイアップ効果もあってか、下げ止まったようです。

5位は韓流の男性アイドルグループBEAST「キミはどう?」が初登場。軽快な今風のEDM調のポップナンバー。前作では、MUSIC CARD付チケットを販売するという戦略で売上を大幅に上げましたが本作も同様の戦略を取ってきました。結果、初動売上3万9千枚で、前作「ADRENALINE」の3万2千枚(5位)からアップ。ただ、決して「人気が出てきた結果」ではないと思うのですが・・・。

6位にはPrintemps「永遠フレンズ」がランクイン。アニメ「ラブライブ!」登場キャラクターによるユニット。いかにも「アニメ声」のアイドルポップは聴いていて正直厳しいものがありました・・・。初動3万8千枚は前作「Pure girls project」の1万5千枚(10位)より大幅アップ。

7位は、超特急「Star Gear」が入ってきました。スターダストプロモーション所属のももクロの弟分的な男性アイドルグループ。デジタルロック風のアレンジのアイドルポップになっています。テレビ東京系ドラマ「甲殻不動戦記ロボサン」エンディング・テーマ。初動売上3万7千枚は前作「Believe×Believe」の3万2千枚(6位)よりアップ。

続く8位初登場は安室奈美恵「BRIGHTER DAY」。フジテレビ系ドラマ「ファーストクラス」主題歌。伸びやかなボーカルを聴かせる爽やかなポップチューン。初動売上3万5千枚は前作「TSUKI」の4万2千枚(3位)からダウン。

9位にはもう一組、韓流の男性アイドルグループ、BTOB「WOW」がランクインしています。これが日本デビュー作となるナンバーでいきなりのベスト10入り。

ベスト10最後、10位は女性シンガーソングライターmiwa「希望の環(WA)」が入ってきました。タイトル通り、前向きな歌詞が特徴的の、ストリングスも入ったスケール感あるナンバー。ただ、初動売上1万8千枚は前作「君に出会えたから」の2万5千枚(4位)からダウンしてしまいました。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2014年11月18日 (火)

さらなる高みへと

Title:ペーパークラフト
Musician:OGRE YOU ASSHOLE

OGRE YOU ASSHOLEのニューアルバムは、各種メディアでも大絶賛のようで、ミュージックマガジンをはじめ、ROCKIN' ON JAPANでもかなりの高評価で取り上げられたりしていました。ただ個人的にOGRE YOU ASSHOLEのアルバムはいままでも傑作続きだったと思っているだけに、このアルバムをめぐるメディアの評価には一言言いたいです。「遅いよ」、と。

ただ、今回のアルバムに関しては、これだけ各種メディアで大絶賛という理由は痛いほどよくわかります。今回のアルバムも間違いなく傑作アルバムです。それも個人的には、年間ベストクラスの傑作だった「homely」「100年後」から、さらに一段階、高みへと上がっていった、今年を代表する傑作アルバムに仕上がっていると思います。

本作もまた、「homely」「100年後」と同様、最小限まで音数を絞ったシンプルだけど、その音の間に無限の空間を感じられるようなサウンドが強く印象に残ります。今回のアルバムには、そんな彼らのサウンドのスタンスを表すかのような「ムダがないって素晴らしい」なんて曲もあったりするのがユニークなところ。ただこの曲の歌詞自体は、ムダがない、という点を皮肉的に捉えているようにも受け止められるのですが。

そして、ムダをなくしたシンプルなサウンドながらもどこか浮遊感を覚えるリズムも非常に耳に残ります。この傾向は、特に1曲目「他人の夢」で顕著に感じられました。このシンプルなサウンドでかつ浮遊感という方向性は、どこかゆらゆら帝国→坂本慎太郎ソロの流れも感じつつ、またかのFishmansからの流れも感じます。ただ、そんな先人たちとはまた異なるOGRE YOU ASSHOLEのサウンドをこのアルバムではつくりあげていました。

そんな独特のサウンドを奏でつつ、一方でサウンドの中に、絶妙にブラックミュージック的な要素を感じられるのもまたユニーク。ギターサウンドがどこかファンキーな「見えないルール」、トライバルなリズムが特徴的な「ムダがないって素晴らしい」、そしてソウルの要素を取り入れた「誰もいない」など、サウンドの中に微妙にまじっているこの「黒さ」もまた、OGRE YOU ASSHOLEのサウンドを構成する大きな魅力に感じます。

さらにはそれに重なるメロディーも、決してキャッチーではないものの、どこか人なつっこさを感じさせ印象に残るという点ではいままでのOGREらしい感じ。どこか虚無的な醒めた雰囲気を漂わせながらも、現代社会を皮肉った歌詞も印象的。タイトルチューンである「ペーパークラフト」でも

「きれいな街並みも
横に回ればただの線
きれいな花も
横に回ればただの線
あの山も
横に回ればただの線」

(「ペーパークラフト」より 作詞 出戸学)

と、確かに「ペーパークラフト」の話をしながらも、どこか薄っぺらさを感じる現代社会を皮肉ったように聴こえる歌詞が強い印象に残ります。

あきらかに彼らがあらたな境地に達した傑作アルバム。間違いなく今年のベストアルバム候補ですし、もしかしたら数年単位でもベストアルバムに入るかもしれない大傑作。いままでも傑作をリリースし続けた彼らですが、いまだに成長を続けている姿は驚異ですらあります。全音楽ファンが聴くべき今年を代表する名盤です。

評価:★★★★★

OGRE YOU ASSHOLE 過去の作品
しらないあいずしらせる子
フォグランプ
浮かれている人
homely
100年後
confidential

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2014年11月17日 (月)

志磨遼平よ、どこへ行く

Title:Hippies.E.P.
Musician:ドレスコーズ

ドレスコーズ結成から約2年半。なんと、志磨遼平以外全員脱退という事態を迎えた彼ら。これは、オリジナルメンバー4人での最後の作品となる5曲入りのミニアルバム。今後、ドレスコーズは志磨遼平1人のみのユニットとなり、12月には彼1人でのユニットとしての初のアルバムのリリースも予定されています。

メンバー3人脱退の理由は公表されていませんが、ただこのミニアルバムを聴くとその理由は痛いほどわかるように思います。だってこの作品、全くバンドっぽさがないんだもん。デビュー作「the dresscodes」ではバンドサウンドを前に押し出していた彼らですが、前作「Trash」ではポップな側面を一気に前に出してきました。その時も、「次はひょっとしたらバンドを解体するのか」と予想していたのですが、その予想が痛いほど当たってしまった結果となっています。

でも、この最初はバンドサウンドを前に出しつつ、徐々にポップ路線にシフトするのって、志磨遼平が前に組んでいた毛皮のマリーズと全く同じパターンなんですよね。ある意味、志磨遼平は前のバンドと全く同じことをドレスコーズでもやってしまったわけで。じゃあ、なんでバンドを組んだんでしょうか?特にドレスコーズのメンバーは、非常に個性的なドラミングが聴ける菅大智をはじめ癖のあるプレイヤーが多く、ポップ路線にシフトしたら、そんな個性的なバンドサウンドが逆に障害になることはわかりきっていたはずなのに・・・。

これは勝手な推論ですが、志磨遼平は一種のバンド幻想を追い求め、払拭できないところがあるのではないでしょうか。彼が好むポップソングは、決してバンド向けではないはずなのに、どこかバンドという形態を追い求めてしまう・・・個人的には、バンド形態を模索しながらも、すぐメンバー脱退という事態に陥ってしまう、くるりの岸田繁と重なる部分を感じてしまいます。ただ、アルバム毎に音楽的興味が変わる岸田繁と異なり、志磨遼平の音楽的興味はある意味毛皮のマリーズ時代から一貫しており、そういう意味では、もしバンドを組むにしても、自分の好みに合うメンバーをちゃんと探せばいいのにな、と思うのですが。

そんな訳で、ドレスコーズではなく志磨遼平のソロアルバム的な色合いの強いミニアルバム。おそらく本来はフルアルバムにする予定が、バンドが途中で空中分裂を起こしてしまったんだろうなぁ、と推測されます。だからこそ、次のアルバムがわずか3か月のスパンでリリースされる訳で。

しかし、楽曲の出来としては悪いわけありません。志磨遼平のポピュラーセンスのあふれる作品に仕上がっています。それだけに、おそらくはこれの延長線上にあると思われる、12月リリース予定の次回作は楽しみになってくるのですが・・・・次はどうなるのかなぁ。やはりまた新しいメンバーを加入しては脱退する、というくるりみたいな状況になっちゃうのかなぁ。

評価:★★★★★

ドレスコーズ 過去の作品
the dresscodes
バンド・デ・シネ


ほかに聴いたアルバム

世界のみかた/中村中

レーベル移籍後初、2年5ヶ月ぶりとなるニューアルバム。昭和歌謡曲風のメロに、「孤独」と「絶望」の先に「希望」を見出そうとする歌詞が印象的。この歌詞をふくめて、昭和歌謡曲らしさをいい意味で引き継いでいる彼女。本作はへヴィーなギターサウンドが前に出ているロックテイストの強い作品に仕上がっている印象も。もっと売れてもいいミュージシャンだと思うんですが、ただ一方で、確かにブレイクのためには歌詞にもうひとひねり欲しいかも、と思うのも事実・・・。

評価:★★★★

中村中 過去の作品
私を抱いて下さい
あしたは晴れますように
少年少女
若気の至り
二番煎じ

聞こえる

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2014年11月16日 (日)

ブルース入門に最適!

Title:永井“ホトケ”隆のブルースパワー・ラジオ・アワー

"The Blues Is The Roots,Everything Else Is The Fruits."(「ブルースこそが根っこだ。他のすべてのものはそこになる果実だ)という名言を残したのは、ブルースを代表する数多くのヒット作を手掛けたシカゴ・ブルース界の裏番長ことウィリー・ディクソンですが、その言葉の通り、アメリカ黒人音楽の「根っこ」であり、ロックを中心に数多くの音楽に強い影響を与えているブルースという音楽。ただ、その影響力と反して、どこか難しく、取っつきにくい音楽ではないか、という印象を持っていて、「興味はあるけど聴いたことはない」という方も多いのではないでしょうか。

そんな「興味はあるけど・・・」という方にとって絶好のコンピレーションが発売されました。それが今回紹介する本作。日本を代表するブルースミュージシャン、永井"ホトケ"隆が青森県弘前市のコミュニティーFM局、FMアップルウェーブをキー局に、東北6県+奄美大島で放送されているブルースを紹介する日本で唯一のラジオ番組「ブルースパワー」の放送7周年を記念してリリースされたコンピレーションアルバムです。

ブルースの代表曲を永井"ホトケ"隆が選曲して収録したこのアルバム。それだけでも注目の内容なのですが、このアルバムがなによりもユニークなのは、曲の合間にラジオ番組さながらに永井"ホトケ"隆の曲紹介のMCが入る部分。その楽曲が、ブルースという音楽にとってどのような位置づけなのか、ミュージシャンの紹介や特徴、歌詞の内容の紹介など、ブルースを聴く上で「壺」となるようなポイントを上手く解説し、親しみにくそうなブルースという音楽が、実は今の私たちにとっても実に親しみやすい音楽だ、ということを上手く紹介しています。

収録されているミュージシャンにしても、ブルースの代表的なミュージシャンを上手く網羅的に収録されています。ある意味、ブルースミュージシャンの中でもっとも「ブルース」らしいLIGHTNIN' HOPKINSの、これまた「ブルース」らしい「MOJO HAND」からスタート。さらにこちらも「ブルース」という音楽のイメージにピッタリ来ながらも、しゃがれ声のボーカルが強いインパクトを受けるHOWLIN' WOLFと、ある種一般的なイメージの「ブルース」らしいナンバーからスタートします。

その後もT-BONE WALKERSのような数多くのギタリストに影響を与えたミュージシャンや、B.B. KING、MAGIC SAMのようなモダン・ブルースの代表的なミュージシャン、さらにはBLIND LEMON JEFFERSONのような戦前ブルースの代表格までも収録しており、まさにブルースの歴史を網羅的に把握できるような選曲になっています。

途中、軽快なMCを入れつつの構成であるため、おそらくブルース初心者にとっても非常に聴きやすいアルバム構成になっています。1時間を超える内容ながらも、途中、まったくダレルことなく楽しむことが出来るのは、楽曲が名曲揃いということもさることながらも、永井"ホトケ"隆のMCによるところも大きいのではないでしょうか。

ただ、ブルースの代表的なミュージシャンを紹介していながらも、残念ながらロバート・ジョンソンとマディー・ウォーターズという、ブルースというジャンルを紹介する時に真っ先に名前が出てくるようなミュージシャンが未収録なのがちょっと残念。おそらくロバート・ジョンソンはこの手のコンピに楽曲を収録することを許していないんだろうなぁ、という感じはするのですが、マディー・ウォーターズはなぜ?

そんな点は気になりつつも、ブルース入門としては文句なしに最適なコンピレーションアルバムなのは間違いありません。このアルバムを聴けば、ブルースという音楽の魅力、聴く時の壺がどこにあるのかがよくわかり、決して「親しみにくい音楽」ではないことがわかると思います。ブルースには興味があるけど・・・という方はもちろん、ブルースが大きな影響を与えたロックミュージックを愛する音楽ファンにも、そのルーツを知るためにもお勧めしたいアルバムです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Wise Up Ghost/Elvis Costello&The Roots

John Legend、 Betty Wrightに続くアメリカのHIP HOPバンドTHE ROOTSのコラボアルバム第3弾。ただし本作はTHE ROOTSの作品というよりはコステロの新作にTHE ROOTSがバンクバンドをつとめた、的な印象の強い作品。そのため、ラップはほとんど登場せず、基本的にメロディーはコステロらしいポップなメロが聴けます。一方でサウンドは、THE ROOTSらしい、シンプルなサウンドでどす黒いビートを奏でるソウルフルなもの。そのため、ロックンロールなコステロを求める方には物足りないかもしれませんが、コステロの良さとTHE ROOTSの良さがほどよく楽しめるコラボとなっていました。

評価:★★★★★

Elvis Costello 過去の作品
Momofuku(Elvis Costello&the Imposters)
Secret,Profane&Sugarcane
National Ransom

THE ROOTS 過去の作品
WAKE UP!(John Legend&The Roots)
undun
Betty Wright:The Movie(Betty Wright&The Roots)
...and then you shoot your cousin

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2014年11月15日 (土)

25周年の記念の年に

Title:ムーンダスト
Musician:the pillows

今年、結成25周年を迎えたthe pillows。2012年7月に一時的な活動休止を宣言し、その後は各自のソロ活動などが続いたものの、2013年6月に活動を再開。今年に入りデビュー25周年の記念すべき年ということもあり、映像集やトリビュートアルバムなどのリリースが続いていましたが、その中の真打とも言うべき、約2年9ヵ月ぶりのリリースとなったニューアルバムが本作です。

そんな久しぶりとなったニューアルバムは、おそらくthe pillowsファンにとっては「これこれ、これが聴きたかった!」と思うような、the pillowsらしい壺をついたような作品になっているのではないでしょうか。ガッと鳴り響くギターリフと山中さわおのボーカルとの掛け合いからスタートする「Clean Slate Revolution」はまさにthe pillowsらしいギターロック。「Break a time machine!」もへヴィーなギターサウンドが響くとてもカッコいいナンバー。へヴィーなギターリフ主導ながらもリズムはダンサナブルという「都会のアリス」といい、ライブ映えしそうなナンバーが序盤、続いていきます。

そして間違いなくこのアルバムのハイライトになるのが、これらの曲に続いて収録されている、先行シングルでもある「About A Rock'n'Roll Band」でしょう。彼ららしいアップテンポなギターロックチューンであるこの曲は

「あの日のロックンロールの
引力は万能で
裸足のままで走り出していたんだ
不敵なメッセージを
受け取って笑って騒いで
強く生きてゆくイメージを
握りしめた
About a rock'n'roll band」

(「About A Rock'n'Roll Band」より 作詞 SAWAO YAMANAKA)

と、彼らなりのロックンロール賛歌であるこのナンバー。まさにデビュー25周年という節目の年を飾るにふさわしいナンバーになっています。

後半は、「ハッピー・バースデー」というタイトルとは裏腹な切ない雰囲気のメロが彼ららしいナンバーや、「アネモネ」のようにちょっとメロウなミディアムチューンなど、ミディアムテンポなナンバーが中心ながらも、これまたthe pillowsらしいギターロックが並んでいました。

そんな訳でアルバム全体としてはthe pillowsらしさが貫かれた本作。ただ正直、この点についてはマンネリに片足を突っ込んでいる点は否定はできません。また、前作「TRIAL」でも感じたのですが、「ヒット」な作品が多い反面、「ホームラン」級の作品が見当たらなかったりするかも。ただ、「About A Rock'n'Roll Band」はきちんと走者一掃してくれるタイムリーといった感じですが。

ただ一方ではリスナーの壺をついてくるギターサウンドにポップなメロディーはやはり非常に魅力的。また、アルバム1枚の長さがわずか40分というのも聴いていてちょうどよく、飽きることなく楽しめる内容。マンネリ気味といってもバンドサウンド自体の若々しさと勢いは25年たっても衰えておらず(!)、マイナス点を十分リカバーできるだけの魅力を兼ね備えていました。

そのため、マイナス点で気になった部分はありつつも、アルバム全体としてはやはり「傑作」と言わざるをえない作品なのは間違いないでしょう。まさに3年近く待ったかいのあったthe pillowsを聴いた!という満足感にひたれるそんな作品でした。

評価:★★★★★

the pillows 過去の作品
LOSTMAN GO TO YESTERDAY
PIED PIPER
Once upon a time in the pillows
Rock stock&too smoking the pillows

OOPARTS
HORN AGAIN
トライアル

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2014年11月14日 (金)

もう「ひきこもりのニート」なバンドではない

Title:英雄syndrome
Musician:神聖かまってちゃん

アルバム「友だちを殺してまで」がリリースされた頃、ボーカルの子のエキセントリックな言動や動画配信などによって大きな話題となった神聖かまってちゃん。個人的に、の子の描く歌詞の世界に共感し、エキセントリックな言動をおもしがりつつも、そのエキセントリックさゆえに飽きられるのも早いだとうと予想し、また歌詞も近いうちに「ネタ切れ」を起こすのではないだろうか、と危惧を抱いていました。

実際、彼らの人気は、アルバム「8月32日へ」でオリコンチャート9位を獲得するなどピークに達するも、一方ではやはりその言動が飽きられてきたのか徐々に話題に上ることも少なくなり、人気も下降線をたどるようになっていまいました。

そんな中リリースされた約2年ぶりとなるニューアルバム。私が彼らについて危惧していた、もうひとつの「歌詞」という側面。こちらについても、今回のアルバムでは以前、彼らが歌っていた「ひきこもりのニートの心の叫び」のようなネタからは卒業しています。ただ、その後、の子はあたらしいテーマをみつけられず、もがき苦しむような状況になるのではないか、と予想していたのですが、この予想はいい意味で大きくはずれる結果になりました。要するにの子は今回のアルバムで、特に新しいテーマを獲得するためにもがき苦しむこともなく、見事「ひきこもりのニート」という神聖かまってちゃんのイメージからの卒業を果たしていたからです。

例えば「彼女は太陽のエンジェル」では、真夏の太陽の下の女の子を好きになるという、まさに「ひきこもり」ではありえないようなテーマ設定を上手く曲にしていますし(ちなみにタイトルはやはりB'zからインスパイアされたのでしょうか?)

映画っぽい
夢みたい
背伸びした君が見てる
作られたその世界を
くだらねえ
君の笑顔が最高なんだ

(「背伸び」より 作詞 の子)

なんて歌う「背伸び」もまた、いままでの神聖かまってちゃんとは異なる、ちゃんと現実の世界を見据えて現実の恋愛を歌う歌詞になっています。

まさに「ひきこもり」な世界から外に飛び出してきた彼ら。ただその一方で、デビュー以来のの子の楽曲に共通する、「鬱屈した感情を抱いているからこその純粋さ」みたいな側面は今回のアルバムでも健在。そういう意味ではちゃんといままでのかまってちゃんらしさも本作ではちゃんと感じることが出来ました。

また、テーマ的にもエキセントリックな部分が少なくなってきたからこそさらに感じるのは、の子の作詞家やメロディーメイカーとしての実力。いままでのアルバムでももちろんその側面は感じることが出来たのですが、今回のアルバムではより、そんなの子の実力が前面に感じられたように思います。

そんな訳で2年ぶりとなった新作で新たな一歩を踏み出した彼ら。ただ、歌詞のエキセントリックさが薄れると、正直以前からちょっと気にかかっていたアレンジの過剰さが少々耳についてしまいます。確かにあのシンセのメロは彼らのサウンドを大きく特徴づいていますが、の子が書く楽曲の今の方向性とはちょっとズレが生じているようにも思えてきてしまいます。ただ、じゃあシンプルなバンドサウンドでいいのか、と言われるとそれも味気ないし・・・。そういう意味でこの「サウンド」という側面が今後の彼らの課題でしょうか。

なお、本作でははじめて外部からボーカルとして川本真琴が参加。これがまたちょうど神聖かまってちゃんの曲にマッチしているのがおもしろいところ(笑)。要注目のコラボとなっていました。

評価:★★★★

神聖かまってちゃん 過去の作品
友だちを殺してまで。
つまんね
みんな死ね

8月32日へ
楽しいね

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2014年11月13日 (木)

心暖まる祖父と孫の物語

ご存じローリングストーンズのギタリスト、キース・リチャーズが、絵本を発売した、ということで大きな話題となっています。さらにその絵本についてくるCDにはキース本人による絵本の朗読が聴けるとか・・・これは買うしかないでしょ!と思い、買ってきました。

タイトルは「Gus & Me: The Story of My Granddad and My First Guitar」。彼の祖父のガスじいさんとキース本人の思い出、そしてキースとギターのはじめての出会いを綴った絵本です。さらに作画を担当したのがキースの愛娘セオドラ・リチャーズ。まさにキースとそのおじいしゃん、そしてキース親子の愛情あふれる絵本となっています。

付属の朗読CDにはキース本人のギタープレイも収録・・・ということでも話題になっていますが、ただ正直言って、キースのギターも絵本のお話自体も、過度な期待感は禁物かもしれません。ギターは朗読にあわせて「ポロリン」とアコギを軽く奏でる程度で「1曲を奏でる」といった感じではありませんし、絵本にしても基本的にはキースの思い出話で、決して凝ったような話ではありません。

ただ、それでもやはりキースとガスじいさんの思い出話は、熱心なファンではなくても心暖まるものを感じますし、キース少年とギターとの出会いの話についても、こちらもファンでなくても(少なくともキースリチャーズがどういうギタリストか知っていれば)ワクワクするようなお話ではないでしょうか。

なにより暖かい雰囲気の水彩画ベースの作画を手掛けているのが、キース本人の愛娘という事実とあわせて、その祖父と孫の愛情、親子の愛情を絵本から感じられてどこかうれしくなってきてしまいます。なによりも、あのストーンズの、あのキースリチャーズが、少年の日を思い出すかのように一言一言語っていく朗読には、祖父への深い愛情が感じられ、胸のおくがジーンとなってくるのを感じます。

この本の最後のページにはガスじいさんとキースの写真、キースの若い頃の写真。さらにはキースと彼の孫と一緒にうつっている写真などが載っていて、こちらもファンならば必見。特に孫娘を抱いたキースの写真なんかは、孫をみつめる彼の眼が、いかにもいいおじいちゃんといった感じで、見ていてこちらまでニヤニヤしてしまう写真になっています(笑)。

ちなみに和訳版も発売されており、こちらはあの奥田民生が翻訳を手掛けています。私は原書を買ったので和訳版については詳しくはわかりません。ただ、基本的には子供向けの体裁をとった絵本なので、原書でも難しくなく、ほとんど辞書なしで読めてしまうレベル。和訳の程度はわからないので正確な話はできませんが、やはりキースの朗読を聴きながら絵本を読み進めたいところですし、そういう意味では原書がお勧めだと思います。

そんな訳で、とても心暖まる1冊となったこの絵本。確かに、過度な期待は禁物ですし、どちらかというとファン向けのアイテム的な要素は強いと思いますが、逆にキースが好きならば文句なしにお勧めできそうな1冊。キース本人の朗読を聴きつつ、その暖かい絵と物語を楽しみながら、キース少年とガスじいさんに思いをはせる・・・素敵なひと時が過ごせること間違いなしです。

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2014年11月12日 (水)

女性アイドルと韓流が目立つチャート

今週はまたアルバムの新譜が少な目なので、シングル・アルバム同時更新です。

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

まず1位はAKB48関連。

1位はNMB48「らしくない」。こういうタイトルのつけ方が一番秋元康「らしい」というのが皮肉なのですが(苦笑)。楽曲はもろ90年代のJ-POP風。初動売上42万枚は前作「高嶺の林檎」の40万5千枚(1位)よりアップしています。

2位初登場は韓流のアイドルグループ、東方神起「Time Works Wonders」。アーバンソウル風なバラードナンバー。初動10万6千枚は前作「Sweat」の11万9千枚(2位)から若干のダウンです。

3位には女性アイドルグループ私立恵比寿中学「ハイタテキ!」がランクイン。今回は、元ジュディマリのTAKUYAが作詞作曲に参加。久しぶりに彼の名前は聴いたような感じがします。テレビ東京系ドラマ「甲殻不動戦記 ロボサン」オープニング・テーマ。初動5万9千枚は前作「バタフライ・エフェクト」の5万5千枚(3位)からアップ。

続いて4位以下初登場です。4位初登場はE-girlsのメンバーとしても活動している女性アイドルグループdream「ダーリン」がランクイン。初動売上2万4千枚は、前作「Only You」の2万枚(7位)よりアップ。

5位初登場はポルノグラフィティ「ワン・ウーマン・ショー ~甘い幻~」。また彼ららしい、歌謡曲テイストの強いバラードナンバー。女性視点の歌詞もある意味「歌謡曲」らしい感じです。初動2万1千枚は、前作「俺たちのセレブレーション」の2万5千枚(4位)からダウン。

6位には遊助ことタレント上地雄輔の「きみ」がランクイン。今回はかなりシンプルなミディアムチューン。初動売上1万8千枚は前作「Sunshine」の1万7千枚(5位)から微増。

7位初登場は女性アイドルグループアップアップガールズ(仮)「Beautiful dreamer」。初動売上1万4千枚で、前作「全力!Pump UP!!」の3千枚(22位)より大きくアップし、初のベスト10入り。前作の1種リリースを3種に増やすなど、一気に攻勢をかけてきた結果といった感じ。Base Ball Bearの小出祐介作詞作曲のナンバーですが、楽曲はよくありがちなアイドルポップといった感じ。

8位には凛として時雨「Enigmatic Feeling」が入ってきています。フジテレビ系アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 2」オープニング・テーマ。シングルとしては2年ぶりとなる作品。ファンキーなギターサウンドとハイトーンボイスが独特の雰囲気を出している凛として時雨らしいナンバー。初動1万2千枚は前作「abnormalize」の1万7千枚(8位)よりダウン。

最後。10位にはもう1組韓流アイドルグループが。CODE-V「Never Ending Story」がランクイン。分厚いエレクトロサウンドが特徴的なダンスナンバー。初動1万1千枚は前作「Never Say Never」の1万枚(12位)から若干のアップ。ベスト10ヒットは昨年11月リリースの前々作「今、伝えたいこと」以来2作ぶり。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャート、ジャニーズ系が1位獲得。関ジャニ∞「関ジャニズム」が1位となりました。初動売上29万4千枚は前作「JUKE BOX」の32万2千枚(1位)からダウンしています。

2位初登場はGLAY「MUSIC LIFE」。2枚同時リリースとなった「JUSTICE」「GUILTY」から1年10ヶ月ぶりとなる新譜。前作では初動5万7千枚(1位)、5万6千枚(2位)で、その前のアルバム「GLAY」の9万4千枚から大きく下回ってしまいましたが、本作は初動5万7千枚で、なんとか前作並をキープしました。

3位は椎名林檎「日出処」がランクイン。「三文ゴシップ」以来約5年4か月ぶりとなるアルバムで、自身のバンド、東京事変解散後、初となるソロアルバムです。初動売上は4万2千枚で、5月にリリースしたセルフカバーアルバム「逆輸入~港湾局~」の3万1千枚(3位)よりはアップしましたが、前作「三文ゴシップ」の12万枚(1位)より大きくダウンする結果となってしまいました。

続いて4位以下の初登場ですが、4位5位には中島美嘉の2枚のベストアルバム「TEARS」「DEARS」がそれぞれランクインしてきました。全シングルのうち、「TEARS」では、「明日のために流す涙」をテーマとした曲が収録され、残りを「DEARS」に収録するスタイルだそうです。初動売上はそれぞれ3万4千枚と3万枚。2005年にリリースした前のベスト盤「BEST」の48万枚(1位)からは大きくダウン。昨年1月にリリースしたオリジナルアルバム「REAL」の4万9千枚(1位)よりもダウンしており、こちらも厳しい結果になっています。

初登場はあと1枚。8位にAKB48の派生ユニットDIVA「DIVA」がランクイン。今年11月30日に解散が決定しているユニットで、これが最初で最後のアルバムだそうです。初動売上は1万4千枚。直近のシングル「DISCOVERY」は初動2万6千枚(4位)。シングルよりもアルバムの売上が下がるところがアイドルらしいといえばアイドルらしい感じ。

今週のチャート評は以上。また来週の水曜日に!

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2014年11月11日 (火)

メジャーデビューで新たな一歩

Title:笑うな
Musician:在日ファンク

在日ファンクのニューアルバムはメジャーデビュー作となる新作。いままでの作品はインディーズからのリリースだったんですか、とちょっと意外な感じもしたのですが(^^;;ここ最近、あまりメジャーとインディーズの差が完全になくなっているので・・・。

ご存じ在日ファンクはSAKEROCKのメンバーであり、俳優としても活躍中のハマケンこと浜野謙太が率いるファンクバンド。ジェイムス・ブラウン直系のぶっといファンクチューンを鳴らしながらも、大きな特徴となっているのが、日本語をファンクのリズムにのせているスタイル。響きがファンキーな「言葉」を、歌詞としては全くマッチしていなくても無理やり歌詞にしてしまうスタイルが非常のユーモラス。いままでも「きず」「ダンボール肉まん」など、歌詞の内容は二の次。あくまでも言葉の響きだけを重視してファンクなリズムにのせたスタイルが特徴的でした。

今回のアルバムでも、そんな言葉の響きだけを重視したようなユーモラスな歌詞も見受けられます。「産むマシーン」(昔、バカな政治家が女性を差して表現した「産む機械」から来ているんでしょうね)なんて曲が、そんな在日ファンクらしい歌詞のチョイスといった感じでしょうか。「断固すいません」なんて歌詞も、あくまでも言葉の響きを重視したセレクトと言えるでしょう。

ただ一方で今回のアルバムでは、日本語の歌詞をファンクなリズムにのせつつ、歌詞に意味を持たせた楽曲が増えたように思います。この傾向は、前作「連絡」でも垣間見れましたが、その方向性が今回のアルバムではより強くなったように感じました。

例えば「不甲斐ない」では内省的な歌詞が印象的ですし、「パラシュート」も、「パラシュート」という言葉の響きを重視しながらも、どこか厳しい現実と重ね合わせたような歌詞が印象に残ります。なによりタイトルチューンである「笑うな」も、恋人へのメッセージという、歌詞の内容が明確な曲になっています。

その結果、確かにインパクトという側面を見た限りでは若干薄まったという印象は否めません。インパクトとユーモラスさという意味では間違いなく「ダンボール肉まん」のような、意味より響き重視のような曲の方が上回るからです。ただ一方で、在日ファンクの音楽のスタイルはある意味ジェイムス・ブラウンのファンク路線の一本調子。簡単に「マンネリ」に陥ってしまいますし、実際、ここ最近の彼らには若干「マンネリ」の影が見え隠れしていました。

そんな中、歌詞に「響き」だけではなく「意味」を持たせたことによりその音楽の幅はグッと広がる可能性を見せました。その結果インパクトを若干失ったとしても、彼らが次の一歩に進むためにはこの路線は避けられなかったのではないでしょうか。もし今後、歌詞の意味を持たせつつ、ファンキーな響きやユーモラスさも兼ね備えた曲を産みだせば、彼らの可能性はさらに広がるでしょう。そして本作は、そんな彼らの新たな可能性の一歩を踏み出した作品のように感じました。

メジャーへフィールドをうつした在日ファンク。インディーとメジャーの垣根がなくなった今ですが、それでもメジャーシーンでこれだけ図太いファンクサウンドが聴けるというのはうれしい話。これからもますますの活躍を期待したいところです。

評価:★★★★★

在日ファンク 過去の作品
在日ファンク
爆弾こわい
ベスト・オブ・在日ファンク~覗いてごらん見てごらん~

連絡

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2014年11月10日 (月)

懐かしさあふれるアニソンのコンピ

今日紹介するのは、アニメソング、いわゆるアニソンのコンピレーション。以前から、この手のコンピでいいアルバムはないかな、と思っていたのですが、ちょうどよさげなコンピ盤がリリースされたので聴いてみました。

Title:みんなアニメが好きだったDX GOLD

Title:みんなアニメが好きだったDX SILVER

Title:みんなアニメが好きだったDX PEARL

多分、誰もが知っていそうなアニメソングがズラリと並んでいて、まず正直素直にはまりました。コンピレーションのターゲットは30代から40代だそうですが、まさに自分にとってはドンピシャ。リアルタイムでは知らないようなアニソンも少なくありませんが、それでも子供の頃からなじみある曲も多く、非常に懐かしさを感じる選曲になっています。

それでこのアニメソングというジャンル、その特徴として顕著なのは基本的に

「わかりやすい おぼえやすい 歌いやすい」

という点。もともとは子供をターゲットにしている点、そして、あくまでもメインはアニメ自体で、それに付随する道具である点からシンプルな曲が多くみられます。

ただこの特徴、簡単に言ってしまうのですが、実は非常に難しい話だったりします。名曲と言われ人々に親しまれているようなスタンダードな「アニソン」ももちろんこの特徴を具備しているわけですが、一方で、「わかりやすさ」を狙った結果、一種様式化してしまうパターンも多く見受けられます。このコンピに収録されている曲にもそういう曲が少なくなく、すべてが「名曲」ともいえないのもまた事実だったりします。

また今回のコンピで感じられるのは、「昔は良かった」論は個人的には好きではないのですが、正直なところ、昔のアニソンの方が良かったよな、ということを感じてしまいました。個人的な思い出補正もあるのかもしれませんが、その理由は2つあって、ひとつは上に書いたアニソンの様式化が近年の曲になるにつれ顕著な点。ここのサイトのヒットチャートコーナーでも「アニソンらしい曲」という書き方をするのですが、いわゆるマイナーコードで哀愁感を出してアップテンポなメロで押していくパターンが、時代を下るにしたがって増えていきます。もう一つが最近の曲になるとアニメソングではなく単なる「タイアップ曲」が増えてしまっている点。いわゆるアニソン歌手以外のミュージシャンやアイドルが歌うアニメソングは昔からありましたが、80年代以前は、このアルバムにも収録されている「タッチ」「CAT'S EYE」のようにアニメの雰囲気に沿った曲になっているのですが、90年代になると、例えばこのアルバムにも収録されているジュディマリの「そばかす」とか・・・「るろうに剣心」のイメージとは違うよなぁ・・・。

そんなこともあって個人的に一部で語られる「アニソンは、昔は子供向けとしてバカにされていたけど、最近のアニソンは質もあがり市民権を得た」的な見方は否定的だったのですが、今回のコンピを聴いて、その印象をさらに堅固なものとしました。そもそもアニメソングって昔から有名曲は広く一般に親しまれてきました。実際、このアルバムに収録されている「あしたのジョー」のテーマ曲など、私はリアルタイムでは知らないのですが、曲自体は普通に歌えます。ここ最近のアニメソングは・・・正直ヒットチャートに入ってくるような曲を聴いている程度なのですが・・・むしろ一部のマニア層向けになってしまい、昔のアニメソングのような広い一般層へ親しまれる曲というのは少なくなってしまっているようにも思います(もちろん今でも優れたアニメソングは少なからずあるとは思いますが・・・)。

さて、そんなことをあれこれ考えながらこのアルバムを聴いていたのですが、特に楽曲として優れていると感じたのが、かつて日曜の夜に放送され高い人気を誇ったアニメ「世界名作劇場」がらみの主題歌。個人的にも小学生の頃、毎週見ていたのですが、シンプルで覚えやすく、かつメロディーが印象に残る名曲揃い。特に素晴らしいと感じたのが、基本的に子供にもなじみやすい曲調ながらも、アニメの舞台となる地域の音楽を上手く取り入れている点。例えば「あらいぐまラスカル」の主題歌「ロックリバーへ」では北米のカントリーを、「母をたずねて三千里」の主題歌「草原のマルコ」では南米のフォルクローレを上手く取り入れています。子供向けだからといって手を抜かず、むしろ優れた音楽を子供たちに贈ろうという製作者の意図を強く感じました。

個人的には、藤子不二雄系のアニメソングが、ドラえもんと怪物くんだけというのが若干の不満だったするし、他にも聴きたかったなぁ、と思う曲は少なくないのですが、それでも十分懐かしさにひたりながら楽しめることが出来ました。内容的にはGOLD>PEARL>SILVERといった感じ。この差は個人的な思い入れによる部分も少なくないのですが、ただそこを差し引いてもGOLDはスタンダードな名曲が多い反面、SILVERは、ちょっと特徴の薄くおもしろみのない曲が多かったような印象も・・・もっとも、これも思い出補正によってかわってきそうですが・・・。

評価:
GOLD ★★★★★
SILVER ★★★
PEARL ★★★★

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2014年11月 9日 (日)

「バンド」らしさが進化

Title:Mu? Mu? Mu? MANNISH BOYS!!!
Musician:MANNISH BOYS

正直なところ、企画的な雰囲気の一時的なユニットで、2枚目まで登場するとは思わなかった斉藤和義と中村達也のユニットMANNISH BOYSの新作。今後は、継続的に活動を行っていくのでしょうか。

前作「Ma!Ma!Ma!MANNISH BOYS!!!」では、まだ斉藤和義+中村達也という組み合わせが十分に生かし切れていないように感じ、MANNISH BOYSとしての「バンド」の一体感も強くは感じられないような印象を受けました。そんな前作に比べると、グッとMANNISH BOYSとしての一体感の増した今回の作品。バンド然としたロックな作品が多く並んでいるように感じました。今回、初回盤限定としてジャムセッションを収録したCDがボーナス盤としてついてきていますが、そんなCDが完成するあたり、MANNISH BOYSがロックユニットとして強くまとまっている証拠のように感じます。

また、前作に比べると自由度も高くなった印象を受けます。前作では原発批判の歌があったり、中村達也の出身地、名古屋をテーマとした歌があったりと、ユーモラスなテーマ性がありつつも、どこかMANNISH BOYSとしての「個性」をむりやり出そうとしている部分がありました。本作はそれに比べると肩の力が抜けたような印象。「GO!GO!Cherry Boy!」ではクロマニヨンズっぽいパンクナンバー・・・かと思えば歌詞にクロマニヨンズが登場したり、「週末のファンファーレ」では打ち込みを用いたり、中村達也の朗読を織り込んだ「本を捨てるなら雨降りの日に」なんて曲もあったり、前作以上のバリエーションを感じられます。

そんな中、先行シングルにもなった「天使とサボテン」は、まさにMANNISH BOYSならではといえるナンバー。切ない歌詞とメロディーは斉藤和義らしさを感じる一方、ソリッドでへヴィーなバンドサウンドは斉藤和義ソロ作ではあまり聴けないようなサウンド。せっちゃんらしさと中村達也らしさが見事に融合した、MANNISH BOYSだからこそ聴けるような名曲になっていました。

そんな訳で、前作より良くなっていたのは間違いありません。が、それでも個人的には、この2人のユニットとしてはまだまだこんなもんじゃないだろ、という感想を持ったのも事実。例えば斉藤和義としての魅力で言えば、「天使とサボテン」のような曲もあったものの、特に歌詞の、まだまだソロ作に比べると、その魅力を十分に出し切っているとは言えないように思います。アルバムの最後にインスト曲が2曲並んだのも、ネタ切れ・・・ではないと思うのですが、ちょっと物足りなさも・・・。

今後、コンスタントに活動を続けるのならば、次回作、さらなる進化を期待したいユニット。もちろん、それが可能なだけの2人だと思うので、こんな感想になると思うのですが・・・。ただ、前作と本作と比べると、その期待は決して過剰なものではないと思います。次回作を楽しみにしていたいと思います。

評価:★★★★

MANNISH BOYS 過去の作品
Ma!Ma!Ma!MANNISH BOYS!!!

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2014年11月 8日 (土)

結成25周年のベスト盤

Title:The R~The Best of RHYMESTER 2009-2014~
Musician:Rhymester

日本のHIP HOPシーンで黎明期からトップを走り続けるHIP HOPユニット、Rhymesterのベスト盤。今年、結成25周年を迎える彼ら。本作では2007年に活動を一時休止した後の2009年活動再開後から現在までの楽曲を収録したベスト盤。2007年にリリースしたベスト盤「メイドインジャパン」に続く形でのリリースとなりました。

今回のベスト盤に収録されている曲に関しては、基本的に一度は聴いたことある曲ばかりなのですが、あらためて聴いてみて強く感じます。うん、やはりRhymesterはカッコいい、と。

エレクトロやファンク、ロックやジャズなどを自在に取り込んだトラックに、ポップでインパクトあるメロディーライン。さらにMummy-Dと宇多丸の2MCのバランスが絶妙。その高いラップスキルももちろんですが、声が個性的なMummy-Dは楽曲の中のインパクトのあるフレーズをラップし、一方、宇多丸は力強いラップで、その強い主張をラップの中で織り込んでいます。この両者の絶妙なバランスが、楽曲のカッコよさを産みだしています。

そしてRhymesterのベスト盤を聴いてあらためて感じたこと、それは彼らって本当に頭いいよな、ということでした。要するに、彼らの書く歌詞が非常にウィットに富んでクレバーさを感じるということ。彼ら自身、早稲田出身というインテリということもあるのでしょうが、歌詞の内容から頭の良さを感じられるようなミュージシャンって、数少ないように思います。

例えば子育てにおわれる母親の孤独を歌った名曲「hands」

「かつてあった気がする理想的ユニティ 懐かしがる前にまず目の前のコミュニティ
の閉めたままのあの窓の向こうの手つかずの不幸 そう、オレたちにもよく似たあの子に」

(「hands」より 作詞 Mummy-D、宇多丸)

なんて歌詞はライムを踏みながらも短いフレーズの中で子育てに変な理想論を押しつける一部の人たちに対する強烈な皮肉を見事に読み込んでいますし

「この世界はそんな単純じゃないんだ ラスボスはどこにもいないんだ」
(「The Choise Is Yours」より 作詞 Mummy-D、宇多丸)

という「The Choise Is Yours」のフレーズも印象的。この曲自体、民主主義の本質をある意味見事に読み込んでいる社会派な歌詞が実に見事。「hands」にしてもそうなのですが、こういうともすればお堅くなりそうな社会派な内容を、ユーモラスをまじえつつちゃんとエンタテイメントに仕立てあげている点、彼らの頭の良さを強く感じます。

ちょっと残念なのは、わずか5年の間の発表した曲を収録したベスト盤、という点。どうせなら、オールタイムベストで聴きたかったかも。その点はちょっと物足りなさを感じた点でした。一方で今回のベスト盤では「ちょうどいい」のピアノバージョンを収録しているのですが、これはジャジーな雰囲気が曲にもピッタリあって、タイトル通り「ちょうどいい」アレンジに(笑)。また、未発表曲「This Y'all That Y'all session with SCOOBIE DO」もSCOOBIE DOのファンキーな演奏がカッコよく、こちらも満足度の高い楽曲になっていました。

そんな訳でRhymesterというユニットのカッコよさを存分に感じることの出来るベスト盤。彼らの入門盤としてもピッタリの内容かと思います。結成から25年、すっかり日本のHIP HOPシーンの中では「重鎮」的な地位にいる彼らですが、悪い意味での「重鎮」らしさはなく、勢いは止まっていません。これからもまだまだ名曲を世に送り出してくれそうです。

評価:★★★★★

RHYMESTER 過去の作品
マニフェスト
POP LIFE
フラッシュバック、夏。
ダーティーサイエンス

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名古屋圏フェス・イベント情報2014 (11/8)最終回

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。フェスシーズンも終わり、今回が今年最終回。今回は、2015年に開催が決定しているフェスも一挙に紹介します。ちなみに来年は、今年と同様、1月末から、まずひと月に1度ペースでの更新でスタートする予定です。

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

イベントについているタグの種類
形態・・・【野外】【屋内】【ライブサーキット】【街角ライブ】
ステージ・・・【複数ステージ】【単独ステージ】
【サブステージ制】→ひとつの会場でステージが2つあり、交互に演奏する形態
場所・・・【都市型】【郊外型】【山中】【海辺】
ジャンル・・・【Rock】【Pop】【Folk】【R&B/Soul】【Blues】【HIP HOP】【Punk】【Club】【Reggae】【Idol】【Jazz】【World】
その他出し物・・・【屋台】→食べ物の屋台の出店あり 【マーケット】→雑貨屋やフリマの出店あり
【非音楽イベント】→音楽以外のイベントあり
その他・・・【外タレ】【無料】【オールナイト】【キャンプ可】【キャンプ前提】

11/8更新
<開催決定>
GRANDLINE2015、やまのて音楽祭2015
<終了>
さなるこ音楽祭、岡崎ジャズストリート2014、Idol wave 2014 DX

続きを読む "名古屋圏フェス・イベント情報2014 (11/8)最終回"

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2014年11月 7日 (金)

充実の40分

Title:You're Dead!
Musician:Flying Lotus

出すアルバム出すアルバムが大きな話題となるミュージシャン、Flying Lotusの最新作。「You're Dead!」=「お前はもう死んでいる」というアルバムタイトルも強烈なら、神々しい雰囲気を感じるジャケットも印象的。「死」をテーマとした作品だったゆえに、かのファレル・ウイリアムスから参加を拒否されるなんてエピソードも付随する、話題のアルバムになっています。

ただ、「死」をテーマとした今回のアルバムについて、本人はこう言っているそうです。「このアルバムは、終わりをテーマにしているわけじゃない。これは次なる体験に向けた祝いなんだ。“なあ、お前は死んじまったんだよ…"っていうんじゃなくてさ、“よう、お前は死んでるんだぜ! "って意味なんだよ」。この発言からすると、このアルバムは決してネガティブではない、ポジティブな印象から死後の世界をイメージした内容、ということになるのでしょうか。

そんな彼のイメージを体現化した今回のアルバムは、まずとにかく情報量がつまっているというのが特徴的。わずか40分強の長さながら、全20曲収録というボリューム感。1曲あたり平均2分程度の楽曲が次から次へと展開していくのですが、それぞれの曲に、それぞれFlying Lotusのアイディアがつまっているような作品になっています。

スケール感あるサウンドが、このアルバムの世界に導いていくような「Theme」からスタートし、ジャズ、ロック、HIP HOP、エレクトロの要素をごちゃまぜにしたような作品が続いていきます。

「死」をテーマとしていながらも決して暗い雰囲気はなく、アルバム全体としてはむしろかなりダイナミックな印象を受けました。ただその一方で「Descent Into Madness」はコーラスが妙に幻想的な雰囲気を作り上げていますし、「The Boys Who Died in Their Sleep」なんかは壊れたBon Iverといった感じ?どこかこの世からはずれたような、幻想的な雰囲気はアルバムの中に漂っています。

ちなみに本作はハービー・ハンコック、ケンドリック・ラマー、スヌープ・ドッグといった豪華ゲスト勢が参加しているのも大きな特徴に。ケンドリック・ラマーが参加した「Never Catch Me」、スヌープ・ドッグが参加した「Dead Man's Tetris」のラップは、前半の大きなインパクトとして印象に残りますし、ハービー・ハンコック参加の「Tesla」も、彼の鍵盤の音とせかすようなドラムのリズムで、ジャズ風でありながらも、ジャズとは一風異なる緊張感あふれる素晴らしい演奏を聴くことが出来ます。

そんな訳で、そのめまぐるしい世界が最後まで展開し、最後の最後まで耳が離せない実に充実な40分を過ごせるアルバムになっていました。まさに圧巻といった印象がピッタリのアルバム。毎回、話題作をリリースするFlying Lotusですが、最新作も間違いなく、今年の話題作の1つ。まだまだ彼のアイディアは枯渇しなさそうです。

評価:★★★★★

Flying Lotus 過去の作品
Cosmogramma
PATTERN+GRID WORLD
UNTIL THE QUIET COMES


ほかに聴いたアルバム

WIRE 13 COMPILATION

毎年おなじみ電気グルーヴ主催のレイブイベントWIRE出演者によるコンピレーションアルバム。今年もまた、基本的にフロア志向の4つ打ちテクノを中心に、今風のベースミュージックにも手を伸ばしつつ、バラエティー富んだ顔ぶれが魅力的。個人的にはちょっとファンキーなPhilipp Gorbachev「Last Days Of The District」や、やはり絶妙なポピュラリティーが魅力のTakkyu Ishino「Jack Wire」が気に入りました。

評価:★★★★★

WIRE COMPILATION 過去の作品
WIRE 06 COMPILATION
WIRE 08 COMPILATION
WIRE 09 COMPILATION
WIRE 10 COMPILATION
WIRE 11 COMPILATION
WIRE 12 COMPILATION

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2014年11月 6日 (木)

ユーモラスな「韓流」が1位

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは韓流勢が1位を獲得です。

1位獲得はD-LITE(from BIGBANG)「でぃらいと」。韓流男性アイドルグループBIGBANGメンバーのソロ作。「えんか!えいべっくす」からリリースされた、演歌テイストの強い宴会ソングを収録したコンセプトアルバム。年末の忘年会シーズン狙いのアルバムで、「動画コンテスト」などを実施するあたり、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」の何匹目からのドジョウ狙いな部分もありそう。ただ、泥臭い演歌調の曲は、いい意味でアジアンな感じがして、漂白されたK-POPよりも個人的には好感が持てます。初動6万8千枚は前作「D'slove」の3万7千枚(2位)よりアップし、初の1位獲得。

続く2位は先週1位の嵐「THE DIGITALIAN」がワンランクダウンでこの順位をキープ。

3位初登場は、アメリカのカントリーミュージシャン、Taylor Swift「1989」。初動売上5万2千枚は前作「Red」の3万2千枚(3位)からアップ。カントリーというと日本では一般的に「売れない」とされているのですが、癖がなく万人受けしやすい側面があるジャンルだけに、一度火が付くと大ブレイクに至るようです。ちなみに本国アメリカでも記録的な大ヒットとなっており、初動売上128万枚という驚異的な記録でビルボード1位を獲得しています。

続いて4位以下の初登場ですが、4位にゲスの極み乙女。「魅力がすごいよ」が入ってきました。男性2人女性2人からなるバンド。自称「ヒップホッププログレバンド」だそうで、ラップを取り入れ、ひねくれたサウンドが特徴的なバンド。これがメジャーでは初となるフルアルバムで、初のベスト10ヒットが4位という高順位に食い込んできました。初動売上3万8千枚は前作「みんなノーマル。」の1万1千枚(11位)よりアップ。

5位にはL'Arc~en~Cielのボーカリスト・hydeと、Oblivion Dustのギタリスト・K.A.ZからなるユニットVAMPSのニューアルバム「BLOODSUCKERS」がランクイン。初動売上3万7千枚。直近作はベスト盤「SEX BLOOD ROCK N' ROLL」で、こちらの初動3万1千枚(2位)よりアップ。ただし、オリジナルアルバムとしての前作「BEAST」の5万2千枚(3位)よりはダウン。

6位初登場は男性シンガーソングライター秦基博「evergreen」。本作は、弾き語りによるベストアルバム。初動売上は2万7千枚。直近作「ひとみみぼれ」も、彼自身の選曲によるセレクションアルバム。ただ、初動売上1万7千枚(4位)だったので、こちらからはアップ。先のオリジナルアルバム「Signed POP」の2万1千枚(3位)からもアップしました。

7位にはモーニング娘。'14「14章~The message~」がランクイン。初動売上2万2千枚は前作「(13)カラフルキャラクター」の1万4千枚(6位)よりアップ。ただ、シングルの売上と比べてかなり厳しい結果で、相変わらず複数枚買い戦略が使いにくいアルバムは売れていません。この結果で、本当に一部で言われているような「モーニング娘。人気再燃」が起きているのかは大いに疑問なところ。

8位初登場はTM NETWORK「QUIT30」。オリジナルアルバムとしては約7年ぶりとなるアルバムなのですが、なんと彼らのオリジナルアルバムがベスト10入りするのは1991年の「EXPO」以来23年ぶり(!)だそうです。初動売上1万9千枚はオリジナルアルバムとしての前作「SPEEDWAY」の1万6千枚(12位)よりもアップしています。

9位には加藤ミリヤ「MUSE」がランクイン。デビュー10周年を記念して、数々の女性ミュージシャンとのコラボ曲を収録した「記念アルバム」だそうです。初動売上1万8千枚は、直近作で加藤ミリヤ×清水翔太名義だった「THE BEST」の2万3千枚(4位)からダウン。加藤ミリヤとしての前作「LOVELAND」の2万9千枚(3位)よりもダウンしています。

最後10位には、Led Zeppelin「レッド・ツェッペリンIV」が入ってきました。Led Zeppelinは60年代から70年代にかけて絶大な人気を誇ったご存じイギリスの伝説的なロックバンド。4枚目となる本作は、そんな彼らの代表作ともいえる作品。今回ランクインしてきたのは、そのリマスターアルバムがリリースされたため。11位には、このアルバムに続く作品である「聖なる館」のリマスター盤もランクインしています。

現在、彼らの作品のリマスター盤のリリースが続いており、6月には、「レッド・ツェッペリン」「レッド・ツェッペリンII」「レッド・ツェッペリンIII」のリマスター盤もリリースされており、それぞれ初動売上7千枚(15位)、6千枚(18位)、6千枚(20位)を記録。それと比べて本作は、初動売上1万3千枚を記録しており、さすが彼らの代表作とされる名盤だけある結果に、いまだに根強い彼らの人気も感じさせます。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に!

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2014年11月 5日 (水)

大人気!妖怪ウォッチ

今週のシングルチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今、子供たちの間で絶大な人気を誇る妖怪ウォッチが、今週のシングルチャートを席巻しました。

1位にはテレビ東京系アニメ「妖怪ウォッチ」のエンディングテーマ、Dream5+ブリー隊長「ダン・ダン ドゥビ・ズバー!」、2位にはゲーム「妖怪ウォッチ2 元祖」テーマソングで、アニメ「妖怪ウォッチ」のオープニングテーマ、キング・クリームソーダ「祭り囃子でゲラゲラポー」がそれぞれランクイン。「妖怪ウォッチ」がらみの作品が1、2フィニッシュを飾りました。

1位は男女5人からなるダンスユニット、Dream5とのコラボ。ブリー隊長は「妖怪ウォッチ」に登場するキャラクターの「妖怪」らしいです。10年くらい前に大ヒットした「ビリーズブートキャンプ」のパロですね。初動売上6万6千枚は前作「Break Out」の1万6千枚(8位)から大幅アップで自身初の1位獲得となりました。キング・クリームソーダは、これが2作目となる「妖怪ウォッチ」のために結成されたユニット。初動6万2千枚は前作「ゲラゲラポーのうた」の2万3千枚(4位)から、こちらも大幅にアップしています。

「妖怪ウォッチ」は今、子供たちの間で大人気のゲーム&アニメ。私の3歳になる甥っ子も、はまっています(笑)。それだけに、「妖怪ウォッチ」主題歌がヒットするのは、ある意味純然たる人気の反映で、複数枚買いで無理やり水増ししたアイドル系のヒットに比べると本来あるべきヒットの姿・・・・・・と言いたいところなのですが、本作も、「妖怪ウォッチ」グッズとして人気の「妖怪メダル」がついてくるというおまけ付。さらにDream5の方はMUSIC CARD13種の水増し付。純粋に曲だけによるヒットは、もう生まれないのでしょうか・・・・・・。

3位はEXILE ATSUSHI「Precious Love」。リクルート「ゼクシィ」CMソング。「ゼクシィ」のイメージ通りのラブバラード。初動売上4万2千枚は前作「青い龍」の3万5千枚(3位)からアップしています。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まずは4位。ロックバンドサカナクション「さよならはエモーション」。「東進 2013全国統一高校生テスト 全国統一中学生テスト」CMソング。初動売上2万枚は、前作「グッドバイ」の2万2千枚(2位)からダウン。

5位には中島みゆき「麦の唄」がランクイン。NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」主題歌。爽やかでスケール感あるナンバーは、朝のお茶の間にもピッタリ来そう。初動売上1万5千枚は前作「恩知らず」の5千枚(12位)よりアップ。ベスト10入りは2003年の「銀の龍の背に乗って」以来、10年6作ぶり。今月12日にはこの曲も収録されているニューアルバム「問題集」もリリースされますが、シングルの売上には全く影響を受けなかった模様です。

7位は韓流の男性アイドルグループ、TRITOPS*「あなたに…」がランクイン。これが日本デビュー作となる男性3人組グループです。曲の雰囲気・・・なんかEXILE系のグループがいかにも歌いそうなバラードナンバーといった感じ。

8位は剛力彩芽「くやしいけど大事な人」が初登場。初動売上9千枚は、前作「あなたの100の嫌いなところ」(12位)と同水準で、2作ぶりのベスト10入り。最近は一時期ほどのバッシングは見受けなくなりましたが、一方ではやはり一時期に比べると露出は減ってきた印象も。

9位には女性アイドルグループlyrical school「PRIDE」がランクイン。ラップグループという形態を取っているそうですが・・・ロックやらへヴィメタやらを歌うアイドルグループが出てきたんだから、ラップを歌うアイドルが出てくるだろうなぁ、というのは正直予想通りであまりにもツマンナイんですが。ここらへんの「想定の範囲内」のグループしか出てこないところが、最近の音楽シーン全体の行き詰まりも感じます。初動9千枚は前作「FRESH!!!」の4千枚(21位)からアップして初のベスト10入り。

最後10位は人気女性声優喜多村英梨「凛麗」。アニメ「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」エンディング・テーマ。初動売上7千枚は前作「掌 -show-」(20位)と同水準で、低水準の売上だったチャートに助けられてのベスト10ヒット。ベスト10入りは2012年の「Happy Girl」以来2年8か月、5作ぶり。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートはまた明日に!

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2014年11月 4日 (火)

バンドとしての成長を感じる

Title:LIFE
Musician:フジファブリック

ボーカルでメインソングライターだった志村正彦逝去後、現メンバーでは事実上3作目となるニューアルバム。今のフジファブリックの活動が厳しい点、それは間違いなく、「天才」ともうたわれた志村正彦在籍時代の楽曲と常に比較され続けざるを得ない点でしょう。ただ、それは志村逝去後も、例えばジョン・ディビジョンとニューオーダーの場合とは異なり、フジファブリックとして活動を続けた彼らが、あえて選んだ選択肢と言えるかもしれません。

現メンバーの楽曲がメインになってからの2作品、「VOYAGER」と「STAR」はあきらかに志村正彦時代の楽曲を引き継いだような雰囲気のアルバムになっていました。あらたにボーカルにつき、かつメインのソングライターとなった山内総一郎のがんばりは感じられたものの、どこか志村在籍時代の幻想を追い求めているようにも感じてしまいました。

そんな2作に比べると本作は、フジファブリックとしての新たな可能性を感じるアルバムのように感じました。まず一番顕著なのは、山内総一郎のソングライターとしての成長。前作「VOYAGER」でもその実力を感じさせてくれましたが、本作でも、そのメロディーメイカーとしての実力がキラリと光るような作品がチラホラ。「Gum」はノイジーなギターサウンドにちょっと切ないメロディーが心地よいですし、「カタチ」もバンドとしてのスケールの広さを感じさせる作品になっています。

さらに本作では、ここ数作と異なり、志村正彦の後追いのような曲がほとんどなかった点もバンドとしての新たな可能性を感じました。そういう意味では名実ともに、新生フジファブリックのスタート、ともいえる作品なのかもしれません。

ただし、これで志村正彦在籍時に勝るとも劣らない傑作が登場したか、と言われると少々微妙な部分は否めません。確かにこの楽曲に収録されている曲も名曲だとは思うのですが、志村正彦作曲による、強いインパクトはないはずなのに、なぜか癖のあるメロディーが心に残るような傑作群と比べると、まだまだ「普通のポップス」の枠組みは出ていません。

そしてなにより、「これが新生フジファブリックだ」と感じさせるような特徴はちょっと薄かったかな、とも感じます。これが今のフジファブリックらしさだ、と感じるような特徴あるメロディーもなく、(これは仕方ないかもしれませんが)山内総一郎のボーカルも、それだけで特徴になるような癖が薄いのが玉に瑕となってしまっています。

とはいえ、これからの可能性も大きく感じられた、バンドとしての成長を感じる作品なのは間違いないでしょう。これから数作のうちに、バンドを代表する傑作をリリースする可能性も感じられる作品だとも思います。これからのフジファブリックに注目したいところです。

評価:★★★★

フジファブリック 過去の作品
TEENAGER
CHRONICLE
MUSIC
SINGLES 2004-2009

STAR
VOYAGER

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2014年11月 3日 (月)

J-POPなメロがどこか懐かしさも

Title:Catcher In The Sky
Musician:UNISON SQUARE GARDEN

前作「CIDER ROAD」で初のベスト10ヒットを記録した3ピースロックバンドUNISON SGUARE GARDENのニューアルバム。UNISON SQUARE GARDENというバンドが、非常にユニークな点、それは彼らが各種ロックフェスに出演するなどオルタナ系のギターロックバンド的に活動していながら、非常にJ-POP的なバンド、という点でしょう。

ここで言うJ-POP的というのは、楽曲は非常にキャッチーでわかりやすい反面、彼らの楽曲的なルーツがいまひとつ見えてこないという部分。特にこの「ルーツレス」という部分が、彼らに対する「J-POP的」という印象を強くしています。確かに彼らはバンドサウンドを前面に押し出していて、あえていえば「オルタナ系ロック」と言えるのかもしれません。ただ、他のミュージシャン、特に洋楽からの影響は、いろいろなジャンルから薄く浅くといった感じで、このミュージシャンやジャンルに影響を受けたんだろうなぁ、と強く感じられる部分はほとんどありません。

そしてメロディーがキャッチーで楽曲構成がわかりやすいという点。これも今回のアルバムの楽曲でも顕著に感じられます。例えば「何かが変わりそう」ではいきなり楽曲タイトルを頭に持ってきたサビからスタート。非常にキャッチーなメロが耳につきますし、続いてはじまるAメロからBメロ、サビへのわかりやすい盛り上がり方。まさにJ-POPの典型的な楽曲になっています。

このルーツレスな部分は聴いていてどこか落ち着かないもどかしさを感じますし、キャッチーなメロディーラインも言い方によっては「ベタ」。即効性はあるものの、飽きやすいという部分も否定できません。実際、前作「CIDER ROAD」ではキャッチーなメロが耳を惹いたものの、似たようなメロディーラインで最後は飽きてしまいました。

ただ今回のアルバムに関しては、明らかに前作に比べてその勢いが増したように感じます。こちらもサビが最初に展開する「桜のあと(all quartets lead to the?)」や、スケール感のある「harmonized finale」などインパクトあるメロの曲がグッと増えていますし、キャッチーさが増して、アイドルソングっぽさすら感じさせる「メカトル時空探検隊」やバンドサウンドのへヴィネスさが増した「天国と地獄」、ラテン風なリズムを取り入れた「instant EGOIST」など、楽曲にバリエーションが増したようにも感じます。

要するにバンドとして明らかに脂がのっていると感じられる作品に仕上がっている本作。そのJ-POP的な楽曲は、どこか90年代のJ-POP全盛期を彷彿とさせて、J-POP全盛期に学生時代を過ごした私としては、その曲調からはどこか懐かしさも感じられました。

正直、最初聴いた時は「お、これは傑作か??」と思ったのですが、何度か聴くうちに「うん、まあいいアルバムだけどね」的に印象がかわってしまい、そういう意味ではメロディーにあとひとひねり、あと一歩な点も否めません。ただ今後、さらなるヒットをのぞめる位置にいるのは間違いないと思います。これからのさらなる活躍を期待できる1枚でした。

評価:★★★★

UNISON SQUARE GARDEN 過去の作品
CIDER ROAD

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2014年11月 2日 (日)

キャラ立ち5人による個性的な作品

Title:死んだらどうなる
Musician:stillichimiya

先日のTOYOTA ROCK FESTIVALではじめて見たstillichimiyaのステージ。予想以上にエンタテイメント性が楽しいステージにはまってしまい、その勢いで買ったstillichimiyaの最新アルバム・・・というと正確に言うと違っていて、その間にワンクッション。家に帰りネットで見てみたのが、このアルバムに収録されている「ズンドコ節」のPV。

「笑点」と「ドリフ」を足して2で割ったような内容に思わず笑ってしまう作品で、ついつい繰り返し見てしまうほどはまってしまいました。そして、その勢いで買ったのがこの最新アルバム。その内容もまた、トヨロックのステージやこのPVで感じられた、非常にエンタテイメント性あふれる個性豊かなものでした。

まず感じるのはstillichimiyaメンバー5人も、アルバムに収録された個々の楽曲も、それぞれとても「キャラ立ち」していて個性的だ、ということ。「キャラ立ち」という言葉はHIP HOPグループで良く使われていますが、キャラが立っているといっても結局メンバー全員、いかにもなラッパー風情だったりするのですが、stillichimiyaの「ズンドコ節」のPVを見ていると、いかにもラッパーな田我流をはじめ、気のいいあんちゃん風情のBIG BEN、ラッパーというよりも役者っぽいMr.麿、さらにはYoung-GにMMMといずれも個性的なキャラが揃っていて、そんなメンバーだからこそ、PVもアルバムもとても楽しい内容になっているように感じます。

そしてアルバムに収録している楽曲がどれも実に個性的。その「ズンドコ節」をはじめ、へヴィーなトラックながらもエロ歌詞がユーモラスな「生でどう?」、1995年に山梨のローカルCMで流れた方言ラップが地元でヒットした甲州弁ラッパー原田喜照をフューチャーした「だっちもねぇ」(トラックは懐かしのMCハマー風)、ファンキーでムーディーなダンスチューン「シャドウダンス」に、彼らの地元一宮町で多く発掘されて観光名物となった土偶を読み込んだラテン調の「土偶サンバ」など、個性的でなおかつユーモラスあふれる楽曲の連続がとても楽しい展開に。まさに5人の大人のラッパーがそのスキルをフルに活用し思いっきり楽しんだアルバム、といった印象を受けました。

さらに本作の根底にひとつ貫かれているのが地元山梨県一宮町への深い愛情。もともと「stillichimiya」というミュージシャン名が示唆するように、彼らは地元一宮町が、他町村との合併により消えることに反対する若者たちのムーブメントから産まれたグループ。その地元愛はこのアルバムでもまた、ひとつの大きなテーマとなっています。1曲目「うぇるかむ」はまさにリスナーを地元に迎え入れるために歌ったような歌ですし、途中でCM仕立てで紹介される「おねり」「土偶」はそれぞれ地元の郷土料理に(上にも書いた通り)一宮町の観光名物。最後には、これまた地元のことを自虐的(?)に歌った「陸の孤島」なる歌で締めくくられています。

もともと田我流のソロアルバムのイメージで、比較的硬派な内容を想像していたのですが、それがいい意味で裏切られた、非常にエンタテイメント性あふれる作品を、時には思わず笑いながら、時には身体を動かしながら楽しめたアルバムでした。しかし一方では、地元への愛情というコアな部分をしっかりと抱え込んだ筋の通った作品にもなっていました。そういう意味でも硬軟バランスの取れた傑作だったと思います。stillichimiya、今回はじめてアルバムを聴きましたが、すっかりはまってしまいました。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

赤盤だぜ!/ウルフルズ

ウルフルズのEMI所属時代の楽曲を集めたベスト盤。レコード会社移籍直後に、移籍前のレコード会社がベスト盤をリリースする、というよくあるケースですが、今回は本人たち選曲になっており、公式サイトにも紹介されているあたり、よくある「勝手に出された」というケースではなさそう。ちなみにもちろん「青盤だぜ!」もリリースされており、こちらはPV集のようです。

さて、2014年に活動再開を果たした彼ら。その直後にリリースされたアルバム「ONE MIND」にも初回盤でベスト盤が収録されていたのでそれとも完全にかぶってしまうのですが・・・ウルフルズというバンド、私自身、「ガッツだぜ!」で知った時はそれほどのファンでもなかったのですが、その後、いろいろな音楽を聴けば聴くほど、その良さを再認識して好きになってきたバンドです。ルーツ志向のロックンロールやソウル、ファンクなどの要素を色濃く入れつつ、ユーモラスあふれ、かつ暖かさも感じられる歌詞も実に魅力的。このベスト盤で彼らの代表曲をあらためて聴いて、その魅力を、さらに強く感じることが出来ました。

評価:★★★★★

ウルフルズ 過去の作品
KEEP ON,MOVING ON
ONE MIND

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2014年11月 1日 (土)

タブラの魅力が伝わる

Title:TABLA ROCK MOUNTAIN
Musician:U-zhaan

数多くのミュージシャンたちとのセッションを重ねるタブラ奏者のU-zhaan。その名前は以前から知っていましたが、その存在を強く意識したのは、昨年秋に出かけた野外音楽フェス「ピーストライブ」で彼のステージを見てからでした。タブラの演奏のすばらしさもさることながら、そのトークのおもしろさにも惹かれ、さらに自宅に戻ってから見た彼の公式サイトのQ&Aコーナーのユニークな回答やTwitterのおもしろいツイートの数々のすっかりはまってしまい、ファンになってしまいました。

本作はそんな彼がはじめてリリースした単独ソロ名義でのアルバム。タブラという日本では決してメジャーではない、それもリズム楽器の奏者がソロでのアルバムでのリリースすること自体、U-zhaanのなにげない人気の高さを感じます。ただそれ以上に、今回9曲中、イントロ的な1曲目を除いてすべて他のミュージシャンとのコラボを行っているのですが、その豪華さと幅広さに驚かされます。環ROYと鎮座DOPENESSからなるHIP HOPユニットKAKATOやハナレグミ、さらには坂本龍一やcorneliusまで。これも彼の幅広い交流を物語るコラボとなっています。

基本的に歌、打ち込み、ギターなどとタブラの組み合わせによる演奏なのですが、HIP HOPやらエレクトロミュージックやらポップやら、コラボによって様々な作風の曲が並んでいます。ただU-zhaanのアルバムなのに、どの曲もタブラの演奏が前に出すぎることがなく、あくまでもリズム楽器としての伴奏に徹しています。KAKATOとのコラボ「Tabla'n'Rap」ではやはりラップが目立ちますし、ハナレグミとのコラボ「俺の小宇宙」でもハナレグミの歌がまず耳に残ります。一方、栗コーダーカルテット顔負けの脱力カバー「Technopolis」では、ピアニカを吹く教授の傍ら、U-zhaanはアルトホルンを吹いており、もはやタブラは鳴ってすらいません(^^;;

そんな訳でさらっと聞き流してしまうと、下手すれば「タブラ?ああ、そういえばビヨンビヨン鳴っていたような・・・」みたいなことにもなりかねない作品・・・なのですが、意識的に聴けば、これがまた実に魅力的なタブラの音色がしっかりと鳴っていることに気がつきます。リズム楽器でありながらも、微妙な音階もあり、その音色はまるで歌のよう。コラボ相手の魅力を殺さないように絶妙にならされるそのリズムも実に見事。間違いなくタブラ奏者U-zhaanのアルバムとして、タブラという楽器の魅力がしっかりと伝わってきます。

そして一方で感じるタブラという楽器の様々な音楽との相性の良さ。HIP HOPにもエレクトロにもポップにも、その音色をちゃんと合わせることが出来るあたりが、タブラという楽器の懐の深さを感じます。また一方、インド楽器としてそれなりに癖のある楽器のはずなのですが、様々な音楽とちゃんとマッチさせることが出来るあたりはU-zhaanの実力なのかもしれません。

ちなみに本編ラストを飾るのは「Raga Mishra Kafi」という北インドの伝統音楽だそうで、最後はインド音楽で締めくくり、タブラの本領発揮といったところ。ここでももちろんしっかりとタブラの魅力を発揮しています。ちゃんとインド音楽で最後を締めるあたり、なかなかにくい構成ですね。

そんな訳で、様々な角度からタブラの魅力とU-zhaanの実力を感じることが出来るアルバムでした。Twitterや公式サイトの文章からファンになりましたが、その音楽ももちろんとても魅力的。ますますファンになってしまった1枚でした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Spark Plug/クレイジーケンバンド

一時期、ニューアルバムが最高傑作と言われ勢いがあったクレイジーケンバンドですが、ここ数作、ちょっとブレーキ気味。残念ながら本作に関してもその傾向が続いてしまった印象。1曲1曲、楽曲としてのクオリティーは文句なしなはずなのですが、アルバム全体として、いまひとつ印象に残らない内容に。全体的に楽曲が、歌詞にしろメロにしろアレンジにしろマンネリ気味なのが大きな理由のような。

評価:★★★★

クレイジーケンバンド 過去の作品
ZERO
ガール!ガール!ガール!
CRAZY KEN BAND BEST 鶴
CRAZY KEN BAND BEST 亀

MINT CONDITION
Single Collection/P-VINE YEARS
ITALIAN GARDEN
FLYING SAUCER
フリー・ソウル・クレイジー・ケン・バンド

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名古屋圏フェス・イベント情報2014 (11/1)

管理人の予定策定という実用を主目的とした、名古屋近辺の音楽イベント一覧。フェスシーズンも残りわずか。次回11月8日、今年の最終回!

主な選定基準は

複数ミュージシャンが参加する野外ライブや、複数のイベント会場で同時に行われる、ライブサーキット的なイベント。

ジャンルはポップス全般。ジャズも含む。演歌、クラシックは除く。

場所は、名古屋から新幹線を使わず日帰り圏内。具体的には東海3県と、静岡の掛川あたりまで、長野の木曽地域、滋賀の米原、彦根、長浜あたりまで。

一応、それぞれのイベントに、「行きたい度」をつけました。

行きたい度 ★★★★★ ⇒是非とも行きたいイベント
行きたい度 ★★★★   ⇒出来れば行きたいイベント
行きたい度 ★★★    ⇒お金と時間に余裕があれば。
行きたい度 ★★      ⇒タダ券が手に入り、暇なら。
行きたい度        ⇒行きません。

「行きたい度」はあくまでも管理人の趣味・主観によるものです。そのため、イベント自体の良し悪しとは一切関係ありません。ご了承ください。

イベントについているタグの種類
形態・・・【野外】【屋内】【ライブサーキット】【街角ライブ】
ステージ・・・【複数ステージ】【単独ステージ】
【サブステージ制】→ひとつの会場でステージが2つあり、交互に演奏する形態
場所・・・【都市型】【郊外型】【山中】【海辺】
ジャンル・・・【Rock】【Pop】【Folk】【R&B/Soul】【Blues】【HIP HOP】【Punk】【Club】【Reggae】【Idol】【Jazz】【World】
その他出し物・・・【屋台】→食べ物の屋台の出店あり 【マーケット】→雑貨屋やフリマの出店あり
【非音楽イベント】→音楽以外のイベントあり
その他・・・【外タレ】【無料】【オールナイト】【キャンプ可】【キャンプ前提】

11/1更新
<出演者追加>
PITFALL CIRCUIT 2014、Merry ROCK PARADE
<TimeTable 公開>
さなるこ音楽祭、Idol wave 2014 DX、PITFALL CIRCUIT 2014
<終了>
第23回ハママツ・ジャズ・ウィーク

11月

さなるこ音楽祭
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日時 2014年11月1日(土)
会場 静岡県浜松市佐鳴湖公園野外ステージMap
アクセス JR東海道本線浜松駅下車バス
出演者 A Hundred Birds feat.TeN、一二三、Portamento 他
チケット代 前売 3,500円 当日 4,500円

【野外】【郊外型】【Pop】
浜松郊外の湖のほとりの公園で行われる野外音楽イベント。秋口にとても気持ちよさそうなイベントです。某学習塾とは関係ありません。
行きたい度 ★★★
発表済!→出演者(全部) AreaMap Timetable

岡崎ジャズストリート2014
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日時 2014年11月1日(土)2日(日)
会場 岡崎市籠田公園、岡崎ニューグランドホテル、岡崎城 二の丸能楽堂 他Map
アクセス 名鉄名古屋本線 東岡崎駅下車
出演者 市原ひかりグループ、田中裕士トリオ、中村好江ニューオーリンズ 他
チケット代 前売 単日券 4,000円 両日券 7,000円 当日 4,500円

【ライブサーキット】【複数ステージ】【都市型】【Jazz】
すっかり恒例となった岡崎のジャズフェスが早くも開催決定。今年も街中が2日間、ジャズで染まりそうです。
行きたい度 ★★★
発表済!→出演者(全部) AreaMap Timetable

Idol wave 2014 DX
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日時 2014年11月2日(日)
会場 名古屋市中区久屋大通公園久屋広場Map
アクセス 地下鉄名城線矢場町駅下車
出演者 NAGOYA アイドル8、OS☆U、しず風&絆、お掃除ユニット 名古屋CLEAR'S 他
チケット代 前売 3,000円 当日 4,000円

【野外】【都市型】【Idol】
夏にも開催された恒例のアイドルフェスが秋口にも開催決定。今回は地元名古屋のローカルアイドルのみならず、東京からもアイドルが参戦するそうです。
行きたい度 
発表済!→出演者(全部) AreaMap Timetable

リゾームビルディング
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日時 2014年11月22日(土)
会場 名古屋市中区アポロベース、CLUB MAGO、Live&Lounge VioMap
アクセス 地下鉄東山線新栄駅 下車
出演者 向井秀徳アコースティック&エレクトリック、tofubeats、SIMI LAB、Predawn、Homecomings 他
チケット代 前売 4,000円

【屋内】【複数ステージ】【都市型】【Rock】【Club】
春に「森、道、市場」や「リゾームライブラリー」を開催している団体が新たに立ち上げた都市型のビル小フェス。その名の通り、名古屋新栄の雲竜フレックスビルの中に入っているライブハウスを使ったプチフェスです。ダイホは使用しないみたい。
行きたい度 ★★★★
発表済!→出演者(全部) AreaMap Timetable

PITFALL CIRCUIT 2014
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日時 2014年11月23日(日)
会場 名古屋市中区R.A.DMap、TIGHTROPEMap、SONSET STRIPMap、Tiny7Map
アクセス 地下鉄東山線栄駅、新栄駅 下車
出演者 LIGHTINGALE、Against All Enemies、branoir 他
チケット代 前売 2,500円 当日 3,000円

【ライブサーキット】【複数ステージ】【都市型】【Rock】
東名阪で行われるインディーバンド主体のライブサーキットイベント。栄と新栄の間にある4つのライブハウスで行われます。先物買い好きな方向けのイベントかな?
行きたい度 ★★
発表済!→出演者(一部) AreaMap Timetable

12月

Merry ROCK PARADE
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日時 2014年12月21日(日)
会場 名古屋市港区ポートメッセなごやMap
アクセス あおなみ線金城ふ頭駅下車
出演者 10-FEET、UNISON SQUARE GAREDN、KANA-BOON、androp、グッドモーニングアメリカ、coldrain、TOTALFAT、BIGMAMA 他
チケット代 7,560円

【屋内】【都市型】【Rock】
ポートメッセなごやで大型冬フェス開催決定。新進気鋭のロックバンドがメインの模様。方向性的にはTREASURE05Xと重なる感じでしょうか。
行きたい度 ★★★★

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