やっぱりこれが好き!
Title:Everything Will Be Alright in the End
Musician:WEEZER
今年でデビュー20周年を迎えたWEEZERの4年ぶりとなるニューアルバム。プロデューサーとしてデビューアルバムや3rdアルバムを手掛けたリック・オケイセックを迎えた本作は、原点回帰を目指したアルバム。ここ最近、WEEZERのイメージを大きく変えるような作品が続いていただけに、ここで一度、WEEZERとして初心に帰ろうという試みでしょう。
そしてこの原点回帰の試み、結果としては大成功していたと思います。まさに「そうそう、これがWEEZERだよ!」とうれしくなってくるような曲の連続。おそらくアルバムの冒頭「Ain't Got Nobody」の分厚いバンドサウンドがスタートしたところから、ファンの顔は思わずにやけるのではないでしょうか。そしてその後、キュートなメロディーがはじまったところでさらにうれしくなってくるはずです。その後も「Eulogy For a Rock Band」や「Lonely Girl」のようなポップでキュートな曲の続いていきます。
基本的には収録曲はこの分厚いバンドサウンドにポップなメロディーという構成。ファンキーなサウンドでスタートする「I've Had It Up To Here」やアコースティックなイントロの「The British Are Coming」みたいな曲もありますが、サビになるとやっぱり分厚いサウンドにポップなメロというパターンに戻るのがおもしろいところ。やっぱり、WEEZERといったらこれだよね!といったお決まり感もある展開になっています。
思えばリヴァース・クオモは昨年、「スコットとリバース」というJ-POPのアルバムをリリースして話題になりました。この「スコットとリバース」はポップなメロがとても心地よかった傑作だったのですが、そこからの流れを考えると、リヴァースは今、また脂がのりだした、と考えられます。そんな勢いにのってリリースされたこのWEEZERの新作が悪いわけありません。
また、「スコットとリバース」がJ-POPという形態を取っているように、日本人女性と結婚して、日本との距離がグッと縮まったリヴァース。今回のアルバムの収録曲は、ひょっとしたらそんなJ-POPアルバムからの流れが影響するのか?なんて思う曲も。例えば「Eulogy For a Rock Band」の非常にわかりやすいメロディーはある種J-POP的ですし、「Cleopatra」などはJ-POPではよくありがちながら洋楽では珍しい「大サビ」の部分があったりして。「スコットとリバース」からWEEZERのアルバムへ逆流してきたような部分がアルバムの中でチラホラ感じられました。
そんなJ-POPからの流れは正直不明なのですが、そんな推測をしたくなるほど、わかりやすいメロディーがとてもキュートでポップなアルバムに仕上がっています。個人的には今年を代表する傑作レベルの作品かも。ちょっと不気味なジャケ写に負けず(笑)、要チェックの1枚です。
評価:★★★★★
WEEZER 過去の作品
WEEZER(Red Album)
RADITUDE
HURLEY
DEATH TO FALSE METAL
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