« まさかの13年ぶりの新作 | トップページ | 郷愁誘うメロディーが魅力 »

2014年10月 5日 (日)

5組のミュージシャンとがっつり組み合う

Title:VXV
Musician:OKAMOTO'S

デビュー5周年を迎えたOKAMOTO'Sがリリースした新作は、「5.5作目」と称したミニアルバム。そのアルバムは彼らが尊敬する5組のミュージシャンとコラボしたミニアルバム。その5組とは、RIP SLYME、スカパラ、THE BAWDIESのROY、奥田民生、そして黒猫チェルシーの5組。それぞれが個性を出しつつ、OKAMOTO'Sと正面から対峙した見事なコラボ作をつくりあげています。

RIP SLYMEとのコラボ「Wanna?」はラップとギターロックが見事に絡んだミクスチャーロック風のパーティーチューン。スカパラとのコラボ「Heart On Fire」はお祭り風のビートが楽しいにぎやかなナンバー。そしてROYとのコラボはまさに夢の組み合わせ。THE BAWDIESとOKAMOTO'Sは、バンドとして近い立ち位置を感じていただけに、両者のコラボに全く違和感がありません。

奥田民生とのコラボ「答えはMaybe」は民生らしいメロディーにOKAMOTO'Sの奏でる分厚いバンドサウンドがからむのが非常におもしろいナンバーで、民生ソロともユニコーンとも違った雰囲気に仕上がっています。黒猫チェルシーとのコラボは無難なギターロックと言った感じで、この5曲の中ではちょっとインパクト薄だったかな?

そんな5曲のコラボ曲ですが、なによりも個性的なミュージシャンとのコラボを後ろでガッチリと支えるOKAMOTO'Sのバンドとしての仕事ぶりの見事さが際立ちました。RIP SLYMEにしろスカパラにしろ民生にしろ、あれだけ個性的なナンバーでありながらも、OKAMOTO'Sのバンドサウンドが加わることにより、それぞれの楽曲とも異なる楽曲に仕上がっていました。特にスカパラなど、彼らのバンドサウンドにも定評があるだけに、そこに十分と対抗していたのはさすがOKAMOTO'Sといった感じでしょうか。

ただ一方でバンドとしての弱点を感じる部分もありました。それはいままでのOKAMOTO'Sの作品でも感じていたオカモトショウのボーカルの弱さ。OKAMOTO'Sとしての作品では、最近、比較的個性としてうまくカバーしており、本作でもOKAMOTO'S単体のナンバー「SAD SUNDAY」ではほとんど気にならなかったのですが、他のミュージシャンとのコラボだとどうしても気になってしまいました。特にROYとのコラボではROYのボーカルと対比される形になってしまい、さらに目立ってしまった感も。

そんな気になる点もありつつも、アルバム全体としてはOKAMOTO'Sとしての今後も感じられるような非常におもしろいコラボ作だったと思います。今回のコラボがどのように彼ら自身の活動につながってくるのか・・・6枚目のアルバムを楽しいにしていたいと思います。

評価:★★★★

OKAMOTO'S 過去の作品
10'S
オカモトズに夢中
欲望
OKAMOTO'S
Let It V

|

« まさかの13年ぶりの新作 | トップページ | 郷愁誘うメロディーが魅力 »

アルバムレビュー(邦楽)2014年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 5組のミュージシャンとがっつり組み合う:

« まさかの13年ぶりの新作 | トップページ | 郷愁誘うメロディーが魅力 »